2017
04.09

雨、雨、雨…。明日は晴れ?


 いやもぉホント、今週末は3日連続の雨!
 いやはや、いやはや…

 春は天気予報がハズレても、とりあえず「今日はどこそこで桜が開花しました」って言えばとりあえずごまかせるから、気象庁も楽だよなぁ…なんて(笑)


 そういえば、今朝起きて窓開けたら、なんと!裏のカエルは鳴いてるし。
 空では、ペチャクチャペチャクチャ、ギィィィーッ!って、例のツバメの鳴き声と。
 なんだかホント春のてんこ盛り!

 とかなんとかブログに書くと、「あー、この人って春が好きなんだなー」って思う人もいるんでしょうけどねー。
 でも、春、私はどっちかというとキライですね(爆)


 そんな春ですが、今、世は安倍さんが総理大臣になった2012年12月に始まった“景気回復局面”が、なんと!51ヶ月続いていて。
それは、あの(もはや伝説のwww)バブル期と並んで、戦後3番目の長さになったとみられるという、なんともこの世の春のような状態なんだとか(笑)
 ワ~オ!
 *時事ドットコムニュース
 http://www.jiji.com/jc/article?k=2017040701048&g=eco


 …て、え?それってどこの国の話?って気もしないでもないわけですけどねー。
 とはいえ、まぁ考えてみれば2000年代最初にあった(らしい)「いざなみ景気」の時もそうだったわけで、まぁ政府の言うところの“景気がいい”っていうのは、つまり“景気が悪い”の符丁みたいなもの?(爆)

 なぁ~んて、まぁ確かに景気はよくないことは確か(というか悪い)ですけど、ただ、そうはいってもここ数年、世の中の空気感がどこか違うのも確かですよね。
 でもまぁ思い返してみれば、その辺りも、蜃気楼のようだった(つまり、見えるんだけど絶対手に届かなかった)、あの「いざなみ景気」に似てるよなーとか思っちゃうわけですけどね(笑)

 ただー、ただ。
 ここ数年…、というか、今年は特に世の中がみょぉーに80年代っぽい気がするよーな?
 それは、ファッションとかTVCMの感じとか、ていうか、世の人の変な浮かれ加減も、なーんか妙な既視感?(笑)
 まー、たんに世の中の風俗が一巡しただけなのかもしれませんけど

 ただ、「景気が悪い」って言うのが当たり前になっちゃった今ですけど、でも今の暮らしって、バブルの頃なんかよりはるかに贅沢なのも確かなわけで。
 というか、贅沢があまりに当たり前になりすぎちゃって、ある意味貧乏ごっこしてるような面もあるんじゃないのかなぁーなんて(笑)

 ま、そんなこと言ったら、もちろん怒られちゃうんでしょうし、ていうかそんなこと書いてるヤツ自身も毎日 じっと手を見ちゃってるんですけどね(笑)
 あ、だから、ほら、手荒れ用のクリームを塗る時とかwww

 ただまぁアゾマンのマーケットプレイスとか、ユニクロサンボとか。
 その手の、90年代半ば以降のビンボーな時代(格差の時代)に大きく伸びたビジネスモデルって、これでもし景気がよくなったらどうなっちゃうんでしょうね?
 今は、「シェアリングエコノミー」なんて、TVに出てるエコノミストが、これこそ未来の経済スタイル!みたいな口調で言ってますけど、でも、もし景気がよくなったらそんなわけないですよね。お金があったら、シェアなんかしないで、絶対みんな買うわけじゃないですか。
 だって、誰だって、買うのは楽しいんだもん!(爆)

 まー、なんだ。
 景気よくなろうよ。もぉいいかげんさ(笑)


 

        世の中がまたこうなっちゃったら、それはそれでイヤかも(爆)


 で、まぁ話は違うけど、例の「テロ等準備罪」法案。
 岡嶋二人みたいな、共同執筆している作家が2人、もしくはスタッフも含めた組織(執筆チーム)で、犯罪小説を書くのに、舞台と想定する場所を下見してたら、もしかして捕まっちゃうの?(爆)

 ま、いつものごとく、政治家やお役人の都合がいいように考えられてるのは確かなんでしょうけどね(笑)
 ただ、例の「安全保障関連法案」を“戦争法案”って言って一部の人が言って反対してたように、“戦前の治安維持法の復活”だとか、わざとカリカチュアして反対してるのも、ホンっトいつものニッポンの風景で…。
 ま、反対するのが役割だとはいえ、あの手の人たち廃止しちゃって、その分、景気対策とかにまわせないモノ?(爆) 
 と、思いつつも、ニッポン(人)は平和なわけで、なんだかんだ言われつつもあの人たちって、それなり程度には仕事してるのかなぁ…www



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2017
04.09

怪談:17.4.9『姉弟掛け合い怪談-その12』


「へぇーんな話…。」
「だね。」
「面白いんだけどー、でも変。みたいな。」
「そうそう。そんな感じ。ハハハ。」
「2つ目の風に吹かれて飛んでっちゃったおじさんの話なんて、
 そう、子供の頃って、オバケとか超能力とか、それこそTVのヒーローとかも、
 全部ウソだった、子供ながらにわかってるのにさ。
 でも、心のどこかでは、ちょっとだけ信じてるっていうかさ、
 ピンチの時に心の底から願ったら出来るって思ってるみたいなとこ、あるのよね。
 だから、あぁなんかわかるーって思った。
 ていうかさ。それ、ホントに知り合いから聞いた話なの?
 2つ目もそうだけど、1つ目の話なんて、すっごくアンタっぽいんだけど…。」
「そ、そんなわけないだろ。
 だって、ウチの近くにそんな道ないじゃねーか。」
「近くになくたって、片側が田んぼに面した真っ直ぐな道なんて、
 ちょっと行けば、普通にあるじゃない。
 ていうか、そんなこと言ったら、
 アンタって子供の頃、ソファーで寝っ転がってるの、大好きだったじゃない。
 チョコレートも大好きだったし…。」
「えぇぇー。そうかなぁ…。」
「お母さんに、ご飯だからP太呼んできて言われてさ。
 呼びに行くと、アンタ、暖かい季節は大体ソファーで寝てるのよ。
 子供のくせにTV見ないで寝てばっかりって、変わってるなーって、いつも思ってた。」
「な、なんだよー。人をなんだか年寄りみたいにー。」
「幼稚園の入園式で、先生に好きな食べ物を聞かれて。
 他の子供は、カレーだ、唐揚げだ、ハンバーグだって言ってるのにさ。
 一人、シシャモ!って。しかも、人一倍元気に答えたって聞いた時は、
 わたし、子供ながらにそれは恥ずかしいなーって思ったわよ。
 ていうかさ。そうっ!あれ――。」
「ストップ!もぉいいから。それは言わなくていいから――。」
「幼稚園入って、最初の身体測定でさ。」
「ワーっ!ワーっ!」
「家帰ってきたら、女の子のパンツ履いてたって、それこそ怪談じゃない?
 だってさ。いくら幼稚園だからって、身体測定でパンツ脱がないよねー。
 ねぇ。いったい何がどうなったら、他の女の子のパンツ履けるのよ?」
「知るかよ!」
「今だったら、絶対大問題になってるよね。
 変態幼稚園児とかなんとか…。ブブッ。ケラケラケラ。
 あ、でも、変態の方も幼稚園児なんだもん。
 同年代なんだから、そんなに変態でもないのか!?うん?」
「どーでもいいよっ、そんなこと!」
「その話聞くたび、いつも思うだけどさ。
 アンタが履いてきちゃったパンツの主ってどうしたんだろ?
 やっぱり、アンタのパンツ履いて帰ったってこと!?
 いやー、そんなわけ…。ていうか、それは絶対ない!ない!あるわけない!」
「くだらねーことばっか言ってないで、早く次の話しろよ!
 ねーちゃんの番だろ!」
「えー、面白いのにぃー。
 あ、そう。ていうかさ、この話、B美さんは知ってるの?ねっ!
 知らないんだったら、今度来た時、絶対教えてあげ――。」
「いいよっ、別に!だって、知ってるもん。」
「は、はぁ~?
 な、な、なんでB美さんがそんなこと知ってるのよぉ~!?
 えぇっ?つまり、話したってこと!?
 うそぉ!?え、なんでそんなこと話するのよ!?」
「知らねーよ。知るわけねーだろ!
 そんなの話の流れだよ!」
「は、話の流れって、どんな話の流れよ?
 あ…。
 もぉいい。話する…。」
 ったく…
 つまり、人に男と女がいるのは、オトナになっても子供の頃に戻ってバカをするための方便ってことなのだろう。
 はぁ……


「東京にいた頃の知り合いでさ。
 友だち…、まぁ友だちなるのかなぁー。
 ううん。学生の頃の友だちじゃなくってね。
 社会人になってから知り合った人なんだけど、
 その人、小学校の社会科見学で縄文時代の遺跡の博物館に行ってから、考古学にはまっちゃったらしくって。
 以来、休みになると一人でちょくちょくその手の博物館に行ってたらしいの。
 でね。中一の夏休み、近くの町の古墳の博物館にに行った時……。」


 その博物館には、展示館が2つあった。
 そんなわけで1号館を見終った私は、さて2号館へというところなのだが、1号館の展示物の圧倒的な量にさすがに疲れて。
 博物館というのは気力と、そして意外に体力が必要なのだ。
 疲れてしまうと、それらをちゃんと見ることが出来ない。ちゃんと見なければ、少ない小遣いをやりくりしてここまで来た意味がないというものだ。
 というわけで、その時私は1号館を出たところにあるベンチに座って休んでいた。
 もっとも、古墳時代の遺跡の博物館なんて流行らないのか。
 夏休みだというのに入館者は私だけ。アブラゼミだけがやたらジリジリ鳴いていて、それ以外は物音ひとつない。
 そんな夏のカンカン照りの昼下がりだった。

「暑いねー。」
 ふいに声をかけられて。ちょっと慌てて私がそちらを見ると、博物館や園内を整備する方なのだろう。作業着に麦藁帽子という格好のおじさんが、タオルで顔を拭きながら微笑んでいた。
 たぶん、今日のあまりの暑さにひと休みがてら、ちょっとおしゃべりでも…、みたいな感じだったのだろう。
 というか、あまりにも客がいないのでヒマだったというのもあったのか。
 とはいえ、そういう私だって夏休み中の中学生だ。別に急ぐわけでもなし、しばらく、そのおじさんの話に付き合うことにした。

 結構長々と話をしていたのだが、その間もお客の姿は全くなく。
 聞こえるものといえば、例のアブラゼミの鳴き声だけ…。
 と思ったら、こうして座ってゆっくり話をしていると、それ以外にも動いているものの音がすることに気がついた。
 それは、バッタの跳ぶキチキチという音、蜂の羽音等々。
 とはいえ、この真夏のカンカン照りの中だ。そんな暑さの中では、さすがにそんな昆虫たちの気配以外、何もなかった。
 風は、そよともなびかないし。まわりの濃い緑の上には見事な入道雲が立ち上がっていて、まさに盛夏だった。

「まぁ、なんといってもさ、ここは古墳。つまり昔の人のお墓なわけ。
 だから、結構気味が悪い時もあるんだよね…。」
「へー。そんなもんですかねー。」
 古い墓って言うと、ちょっと薄気味悪いが。同じ古い墓でも、古墳というとあまりそんな感じはしない。
 ましてや、私、当時は考古学マニアなわけだ。

「1号館はさ、埴輪や土器ばかりだし。
 建物も新しいから、全体に明るい感じだったろ?
 だから、別にどうってことないんだけどさ…。」
 お客がいなくて人恋しかったのか何なのか、おじさんはやけに饒舌だった。
「2号館の方は、人骨とかも展示してるんだよね。
 だからなのかなぁ?時々、不思議なこともあってねぇ…。」
 お爺さんはそう言いつつ、視線をすーっと向こうに。
 つられてそちらを見ると、そこにあるのは2号館。
 ついさっきまではそんなこと考えもしなかったのに、今は心なしかちょっと陰気な感じに見えてくる不思議だ。
「2号館の脇に木が茂った小山があるだろ?
 実は、あそこも古墳の墳丘でさー。
 もっとも、ここはもぉそこらじゅう、古墳だらけなんだけどね…。」

 見れば、こちらから見て2号館の右側6、7mくらいのところに広葉樹が密生した小山があった。
 ただ、その小山。この博物館の公園内が手入れの行き届いた芝生等いかにも公園然としているのとは対照的に、木々がザワザワザワザワーって生い茂っていて。
 なんだろう?そう、緑の密度と量がちょっと異常なくらいなのだ。
 ただ、よく見ると、広葉樹の茂り方はそれはそれでスゴイのだが。それよりも、そこをスゴク見せているのが藤の蔓だとわかってきた。
 生えている木の幹や枝にのたうつように巻きついている、太くごつごつした木の幹のような蔓。さらに、その周りでは無数の緑の蔓がまるで宙に纏わりつくようにゆらゆら揺れている。
 それは、変に馴染めない風景だった。凄愴な感じがするといったらいいのか…。

「スゴイ藪ですね。なんだか、ジャングルみたい。」
 そう言った私の方を振り返って、おじいさんが言った。
「本当は、少し切ればいいんだろうけどねー。
 でも、なんかね。なんか…。」
「えっ?なんかって!?」
 今さら気がついたのだが、このおじいさん、さっきから何だか妙にひっかかる話し方をする。

「何年か前のことだったんだけどね。
 やっぱり、こんな感じの暑い日でさ。
 そこんとこでさ、草むしりしてたんだよね…。」
 おじさんはそう言って、今いるベンチの傍の花壇を指差した。
「やっぱり、こんな風にお客のいない日でさ。
 こんな風にこっち向いて、草むしりしてたのさ…。」
 おじいさんはそう言いつつ、体をちょっと捻ってみせた。それは、2号館に背を向けた格好になっていた。
「なにせ、あの日は暑くってさ。
 そう。今日よりも暑かったかもしれないなぁ…。」

 その視線につられるように空を見上げると、その途端、太陽のあまりの眩しさに一瞬何も見えない。
 やっと見えるようになっても、おじさんの顔もまわりの景色もしばらく青のモノトーン。
 そんな私のことを見つつ、おじさんは話を止めた。
 それは、あいかわらずのアブラゼミの大合唱。
 その、耳がウワーンとなってくる鳴き声は、逆にあたりの深閑さを際立たせ、辺りに私とこのおじさん以外人っ子一人いないことを感じさせる。

「こう、あっちに背を向けてさ。
 せっせせっせと草むしりをしてたのさ。
 なにせ、草ってやつはさ。
 こう陽気がいいと、むしっても、むしっても、すぅぐ生えてくるんだから…。」
 今度はそこにしゃがんでしまった、そのおじさん。2号館に背を向けたまま、しきりと草をむしる動作をしてみせる。
「疲れてきてさ。
 ここが終わったら、休もうかなぁって思った時だったんだよなー。
 なんだかさ。人の騒めきのような、そんな感じがあってさ。
 あぁ、やっとお客が来たんだなーって思ったんだよ…。」
 おじさんはそう言って、しゃがんでいて腰を伸ばすように私の方を見てきた。
「お客が来たんなら道を空けなきゃって思ったんだけど。
 でも、たまたまキリが悪くってさー。
 ついつい草むしりを続けてたわけよ。
 お客が来たら、どけばいいやって思って。
 ほら、ここって細かい砂利が敷いてあるだろ?
 だから、人が来れば音がするからすぐわかるからさ…。」
 そう言ったおじさんは、踵で砂利を蹴ってザッザッザと音をたてる。

「草むしりを続けてたんだけどさ。
 でも、お客なんていつまでたっても来なくってさ。
 あれ、先に2号館に行ったのかな?なんて思ったわけさ…。」
 また、そこで話を止めたおじさんは一瞬ピクッと。やにわに何かを確認するかのように向こうを振りかえり、そしてまた私に視線を戻してきた。
「でね、その時だったんだ。
 なんだか、急にさ。背筋がゾクゾクゾクゾクーっときてさ。
 えっ!って思ったんだよ。
 えっ!なんだっ?って感じさ。もぉ…。」
 おじさん、今度は私に背中を向けて。その右手を自分の背中にまわして、背筋に沿ってその手を小刻みにゆらしつつ、すーっと下ろしてみせた。
「こうね。なんかスーっって。
 背中を冷たいものが落ちていく感じっていうのかなー。
 でもさ、その後すぐだよ。
 今度は、右耳の下あたりにさ、シューって。
 何かが前に通って行くような、そんな触感があってさ。
 うん、うん。視線、視線…。視線なんだよ。
 視線が、シューっと耳の下から頬を撫でていく感じっていうの?
 まぁさ、そんな感じがしたわけさ…。」
 おじさんは、私の目をガッチリ見つつ。自分の右耳の下から頬にかけて、指先をゆっくりスーっと移動させる。
「……。」
「何かが俺のこと見てる!って思ったのと、後ろを振り向いたのは同時だったと思うよ。
 さっと振り向いたんだ。
 そしたら、その視線とぶつかったのさ。
 そこ、そこだよ。2号館の入口があるだろ?
 そこんとこから、つーって横に行ってさ。
 あの木がいっぱい生えてる古墳と、ちょうど真ん中ぐらいのとこ…。
 あの辺り、あの辺り…。」
 おじさんは、身を乗り出すようにしてその場所を指し示した。
 そこは、ここから10mくらいのところ。今は、ギラギラした夏の太陽の下、青々とした芝生がツヤツヤ光っている……

「そこにさ。白い服を着た何かが、ぼぉーっと立っててさ。
 俺のことを見てるんだよ。
 あぁいや、睨んでるとかそういうんじゃなくってさ。
 なんかこう、ただ見てるって感じ…。」
「えっ、それって、ゆ、幽霊だったんですか!?」
 いくらこの真昼の太陽の下とはいえ、今いる場所のすぐ傍で出たなんて聞くとやっぱり怖くなる。
 ましてや、それは今日と同じような陽気の日のことだったというのだから。
 ところが、そのおじさん。私の「幽霊だったんですか?」には、まったく答えようともしない。

「体は、こう、あっちの古墳に向けててさ。顔だけ、こっち向いてるの。
 で、こう俺のこと、ぼんや~り見てるって感じだったんだけどさ。
 でも、それが今度は、足元からすーっと、ゆ~っくり霞んでってさ。
 足、腰、腹、胸って、だんだん霞んできたなぁと思っていたら、
 だんだん見えなくなっていってさ…。
 でも、そんな状態でも顔だけはオレのこと見ててね。
 うん、そう。ぼんやり、ただ見てるって感じの視線でさ。
 そのうち、顔も消えちゃって、何も見えなくなっちゃたんだけどさ。
 なのに、視線だけは残っているような感じだったんだよなぁ…。」
「えっ?えっ?えっ?
 それって、やっぱり幽霊…!?」
 その問いにも、さらっと無視を決め込むおじさん。
「でね。それが消えてから、気がついたんだよ。
 オレのことを見ていた、ソレの格好っていうのがさ。
 展示してある埴輪と同じだったってことにさ。
 頭がさ。両脇の髪の毛を、こう結った“みずら”だったことにさ…。」



                    ―― 『姉弟掛け合い怪談:その12』〈つづく〉

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2017
04.08

うーん…。イマイチ!(笑) ~でも、次“も”期待してま~す(爆)


 いよいよ、本スタートで、3/25に放送された『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z』。
 なんで「Z」なんだかよくわかりませんけど(さらにメンバー変わったら、今度は「グレート」と付くとか?)、見終わってみれば、出演者の新コンビ+マドンナには申し訳ないけど、うーん。イマイチ?(笑)


 そもそも、スタート地点とゴール地点の距離が短すぎ!
 いくら新コンビ(特別編に続いて)第一回目とはいえ、伊豆下田~知多半島師崎って、成功させるのが前提になっちゃってる気がします。
 だって、前コンビの2回目なんて、東京日本橋~京都三条大橋ですよ。
 伊豆、知多両半島部分があるとはいえ、今回のお題って、それに完全含まれちゃうじゃないですか。

 まー、路線バスがどんどんなくなってるわけで、しょうがない部分はあるんでしょうけどねぇ…。
 とはいうものの、面白くなきゃだよなぁー(笑)
 蛭子さんだったら、絶対冒頭で「余裕。2日で着いちゃうね」って言ったと思うwww


 さらに今回は、そのスタート地点とゴール地点の距離が短い上に、静岡県の2日間があまりに順調すぎちゃって…。
 あれじゃぁホントにローカル路線バス乗り継ぎの旅(乗り継いでるだけの旅?)です(笑)
 ていうか、薩埵峠で3人の前を歩いてた女の人!あの人、あの急な坂を何であんな早く登れるの!?

 まぁ愛知県に入ってからはいろいろあって面白かったんですけどね。
 ただ、今回は、いかんせん前半2日間の順調ぶりが鼻についちゃって(笑)
 変な話、3日目途中の歩きで、駐車場の屋根がバスに見えた場面で、あー、今回コレが一番面白いかも!とか思っちゃったくらいでした(爆)

 で、最後の最後。ヘタなどんでん返しミステリー小説が恥ずかしくなっちゃうような大どんでん返しは、まぁドラマチックっていえばドラマチックだったんですけどねぇ…。
 失敗した回の方が面白いと思う私としては、ゴールに着いたからって別にどうってこともないよね?なんて(笑) ←ヒドイ


 でー、次に、まぁこれは新コンビのパーソナリティの話なんで。それを言うのは反則だとは思うんですけど、とはいえ、2人ともテンション、低すぎ!です(笑)
 田中さんのグダグダぶり(浜松駅前の高級ホテルに泊まって、「もったいないから明日10時まで寝てよう」発言は笑った)と、羽田さんがのぼーっとしてるのは、まぁいいと思うんです。
 だって、それが新コンビの個性なわけですもんね。
 いくら前コンビが面白かったからって、それと同じものとものを違う人で見せられてもしょうがないと思う

 ただ、見ていて、なーんか、盛り上がらない!盛り上がらない!(笑)

 ま、羽田さんは、時々急に一人で盛り上がって、バス停のポールの前で慟哭したりもするんだけど。
 でも、去りゆくバスを怒鳴って追いかけるのは、近所迷惑だと思うな(笑)
 あれ、羽田さんだよね?

 (ま、これも言うのは酷なんだろうけど)新コンビは太川蛭子コンビと比べて若いから、歩いても青息吐息でぶぅたれないから、可笑しくないっていうのもありますよね(笑)
 結局、見てる方は、3人がヒーハー、ヒーハー苦労して、ブツクサ文句言ってるのを見るのが楽しいわけですよ。
 浜松駅前の超高級ホテルに泊まるのを見ても、面白くもなんともありません。そこは、あの番組の基本中の基本だと思うんですよねー(爆)
 現場スタッフは、なんでそこだとツマンナイからダメ!って言わなかったんだろ?


 さらに思うのは、番組編集の雑さですよね。
 なんで、わざわざつまらなくするような編集をするかなーっていう場面、結構多いんですよね。
 例えば、3人とも違う方見て黙ってバスに乗ってる場面なんか、何でわざわざ使うのかなぁ…。
 あの場面は見ていて、この3人、とってもつまんなそうだなーって。
 もしかして、今回の3人の仲って最悪状態だったのかな?なんて勘ぐっちゃったくらいです(笑)

 最後の大どんでん返しなんかも、今回の最大の見どころだったはずなのに、見ていて、イマイチ面白くないんですよね。
 みょぉぉぉーに淡々としてるっていうのかなぁ…。

 編集の雑さは、いつ頃からだったか、太川蛭子コンビの頃からありましたよね。
 出演者が視聴者から批判されるような場面をわざわざ使ってみたり。
 現場の人たちは、おそらく相当酷な状況の中、頑張っていい仕事してるんだから、編集等のスタッフはやっつけ仕事じゃない仕事をしてもらいたいものです。


 まー、そんなこんなで、あの番組の大ファンとしてはいろいろ文句も言っちゃうわけですけど、ま、それもこれも毎回楽しみにしてるからで(笑)
 ホントかどうか知らないですけど、太川蛭子コンビが卒業したのは蛭子さんが太川さんを嫌ってるからなんて話もあるらしいですが、それならそれで1回、太川&羽田と蛭子&田中コンビでそれぞれバス旅なんて企画、面白いんじゃないかなーって(笑)
 まぁ太川&羽田コンビはともかく、蛭子&田中コンビはグダグダすぎて絶対ゴールにたどり着かない気がしますけど(爆)
 でも、マドンナにやたら目的意識の強い人を据えたら、意外に相当面白いんじゃない?
 御殿場~直江津の回のマドンナみたいなタイプと蛭子&田中コンビでやったら面白いと思う

 そう。そういう意味じゃ、田中羽田コンビは、あの2人を上手くリードし、かつキャッキャと盛り上げてくれるマドンナを持ってきたら、もっと面白くなるようにも思うんだけどなぁ~。

 てことで、次回も期待してま~す!(笑)
 ただし、次回は思いっきり難しくて、鬼のようにキッツイの、ね♪(爆)



 



 そーいえば、どっかの会社のバカなサイトが例によって、あっちこっちのサイトから切り張り記事を書いてましたけど、ホントああいうのなんとかなんないもんですかねぇ…。
 芸能ライターの意見をやたら引用してるのは別にいいんだけど、その引用元を提示しないのが例のその手のサイトの大問題になったんじゃなかったのぉ~(爆)

 そもそも、その芸能ライターって、(例によって)ホントに存在するんだか?っていうのは大いにありつつ(笑)
 田中さんがゴールを早く目指す気が全くないだの、羽田さんが地方の知名度は低いだの。
 そもそもあれは、お題のコースを“4日”かけて行く“番組”なの!早く着いちゃったら、番組になんね―じゃねーか!
 芸能ライターのくせに、そんなこともわかんないんだろうか?
 え?芸能ライターは、そのネット記事を書いたライターの想像の産物だから、わかるわからない以前だって?(爆)

 羽田さんだって、いくらTVに出てるからって、所詮は作家。それも文学系の作家だもん。一般の人に知られてないのは当たり前ですよね。
 ていうか、蛭子さんだって、あの番組に出てから他の番組にも出るようになって一般的に知られるようになったんだと思いますけどね。
 他にも、視聴者の意見も(例によって)コピペしてたけど、要は自分の記事に都合いいようにネガティブな意見を選んでコピペしてるだけじゃん!
 え?コピペしなかったら書けないって?(爆)

 ただまぁその手の人って、別にネットの世界だけのことじゃないんでしょうけどねー。
 ただ、そういうたんなるバカな人の意見が、いざネットの記事になってみると一応もっともらしく見えちゃうとこがネットの怖いとこなんでしょうねぇ…。

 あー、イヤだ、イヤだ。
 パソコン消して、TV見よーっと!(爆)


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2017
04.02

怪談:17.4.2『姉弟掛け合い怪談-その11』


「はぁー。」
「ふー。」
 今の弟の話…。
 面白かったのは、面白かったんだけど…。
 な~んか、いい加減疲れてきたかも…。
 見れば、弟も今にも椅子から滑り落ちそうな座り方で、グダーッと。背もたれに後頭部を乗せ、天井見て放心している。
 ていうか、今まで何でキッチンでずっと話してたんだろう。
 居間でソファーにでも座って、ゆっくりすればいいのに…。

 夕方、あれほど強かった雨音は、今はすっかりなくなっていた。
 今聞こえるのは、シュンシュン言ってるストーブの上のヤカンの音だけ。
 蛍光灯は消して、スタンドだけしか点けてないから、ストーブの炎で周りが赤々と照らされている。
 はぁ…
 部屋の中はぽっぽと暖かいのに、外のキーンと冷え込んだ空気がしみ込んでくる真冬の夜。

 うん…
 そう…
 面白いのは面白かったんだけど…、なんかなぁ…
 イマイチ、引っかかるっていうか…
 ふふっ。怪談好きの弟が、いかにもそれっぽいお話にしちゃったって気もするんだよなぁ…
 まぁ、でもしょうがないのか
 怪談なんて、それぞれの人の頭の中を通過してしゃべられるわけだもん。同じお話でも、話す人によって微妙に違うからこそ面白いんだろうな
 あー、ていうか、疲れた。ふぅー。
 そう。なんかさ、いい加減、ちょっと重くなっちゃったのよね。
 そう、そう。この弟が怪談好きなもんだから、バッカみたいに張り切っちゃうもんだからさー。
 オバケだってさ、おどかしてばっかりじゃ疲れちゃうのよ……


「あのさ。これは、H叔父さんに聞いたんだけどさ。」
「え?H叔父さん!?」
 H叔父というのは、前にも出てきたが、本日、ウチの両親がお邪魔したあげく、叔父に捕まって、結局(予定通り?)泊まることになった家の主だ。
「H叔父さんってさ。実は、カワウソだったのよ。
 しかも、妖怪の…。」
「は、はぁ?
 あ、あぁ、そういうこと?
 そうだよね。H叔父さんって、ちょっとカワウソに似てるよね。アハハ。」
「でね。H叔父さん、ある日、プラモデルを作ってたんだって。」
「あー、H叔父さん、好きだもんねー。プラモデル…。」
「でね。その作ってたプラモデルっていうのが可笑しいの。
 なんと、笠地蔵。アッハッハ。」
「か、笠地蔵!?
 なに、それ?そんなプラモデルあるの?」
「わたしが知るわけないでしょ、そんなこと。
 気になるんだったら、アンタ、H叔父さんに聞いたらいいじゃない。
 でね。お地蔵さんに笠をかぶせてたら――。」
「あー、やっぱりその場面なんだー。へー。」
「お地蔵さんに笠をかぶせてたら、
 ふと、自分でもかぶってみたくなったんだって。」
「え、何を?」
「笠に決まってるでしょ。アンタね、ちゃんと話聞きなさいよ。」
「き、聞いてるって。でも――。」
「で、かぶっちゃったらしいのよ。H叔父さん。」
「…!?」
「そしたら、その恰好が可笑しいって。
 みんなに、もぉバカウケしちゃったらしいのよ。
 H叔父さん、それにすっかり気をよくしちゃって。
 その恰好のまま、近所をねり歩いちゃったら、
 H叔父さんの行くところ、行くところ、もぉ大喝采。」
「……。」
「H叔父さん、あれはカワウソなどという地味な妖怪である俺の、
 一生に一度あるかないかの晴れやかな場面だったって、
 すっごく嬉しそうに話してたんだけどね。
 でもさ。一生に一度あるかないかのって、
 H叔父さんって、カワウソっていう妖怪なわけじゃない?
 一生、二生もないじゃんね。だって、妖怪なんだもん。」
「な、なんなんだよ、その話っ!全然わかんないよっ!」
「そんなこと言われたって、わたしだってわかんないよ。
 だって、夢だもん。」
「ゆ、夢ぇ?はぁ?」
「昨日、そんな夢見たの、今思い出したの。わかった?
 だから、怪談はもぉ終わりっ!もぉ寝るのっ!」
「ちょ、ちょっと…。
 なんだよ、それぇーっ!せっかく面白くなってきたのにぃっ!
 あ、ていうか、そぉ。ねーちゃん、まだ風呂入ってないだろ?」
「あ…。
 やだ。忘れてた…。」
「だから、今から沸かすことにして、その間――。」
「もぉいいよぉー、風呂はぁー。
 めんどくさいし、寒いし…。
 ていうかさ。実は、アンタの話、聞いてたら一つ思い出したんだけど、
 でも、結構長い話なのよ。
 アンタの話で、疲れちゃったのにさ。
 これで、さらにわたしが話すって思ったらさぁー、ねぇ。アハハ。」
「で、H叔父さんはカワウソで…。」
「そう、妖怪。しかも、地味ぃ~なって。ケラケラケラ。」
「どんな夢だよっ!
 もぉいいっ!オレが話すよ!。」
「いよっ!B美さんも惚れ直しちゃうイケメン!
 でも、バカだけど…。キャッハッハ。」
「うるっさいよ、もぉっ!
 だからっ!これは、会社のJ原さんから聞いた話っ!」
「えぇぇ~。なに、怒ってるのぉぉ~。」



 それは、たぶん、俺が小学校低学年の頃だったと思う。
 冬か、もしくは春先のよく晴れた日の午前中のことだった。
 僕は、居間のソファーに座って本を読んでいた。
 日のよくあたる部屋で、そのポカポカとした暖かさに、僕はいつしかまどろんでいた。
 
 ふと目が覚めて。
 その半分だけ開いた目が見ている先。それは、テーブルの上一面にレースのカーテンの模様の影が広がっている様。
 かすかに風があるのか、それは左に右にゆっくり、ゆっくりと動いている。
 僕は半分だけ目が覚めたような頭で、それをぼんやりと眺めていた。
 レースのカーテンの影が、テーブルの上にある物の表面をなぞるように動いていく様子はなんだか面白かった。
 開いたまま伏せた本の表面、灰皿、そして色とりどりの一口サイズのチョコレート等々。
 レースのカーテンのギザギザした影は、それらの表面の凹凸を余すことなく丁寧に舐めていく……

 ただ、その動きはどういう加減によるものなのか?すーっと流れるような動きではなく、どこかジリっジリっとした感じの小刻みな動きで。
 そんな、ジリっジリっと動くレースのカーテンの影を、ぼーっと見ている僕の目。
 突如、その視界の端に、レースの模様のない黒一色の影がふわーっと入り込んできた。
 それは、ひらひら、ひらひらと…。
 その真っ黒な影は、テーブルの上でジリっジリっと動いているレースの模様の影を、ひらひらと侵食していく。
 陽の光の明るさに慣れていた僕の目には、それはテーブルの上があっという間に真っ黒に染まってしまったように見えた。
 ついに、テーブルの上が真っ黒になった、その瞬間。
 何だったのかはわからない。僕は矢も楯も堪らなくなって、「わっ!」っとソファーから体を起こした。
 でも、そのテーブルの上は元通り。レースのカーテンのギザギザした模様の影が、テーブルの上にある全ての物をなぞっているだけ。
 あの、ジリっジリっと小刻みな動きで。
 開いたまま伏せた本の表面、灰皿、そして色とりどりの一口サイズのチョコレー―-。
「あれっ!」
 思わず声を上げた僕は、辺りをキョロキョロ見回す。
 だって、テーブルの上のチョコレートがどこにもない。

「あれぇぇぇ…。」
 そんな素っ頓狂な声をあげながら、僕は四つん這いになってテーブルの下も見たんだけど、テーブルの上にあった、一口サイズのチョコレートはどこにもない。
 はっとして、窓の隅を見れば…。
 レースじゃないカーテンは、左右ともちゃんと束ねられてあった。

 あとで、部屋のゴミ入れを見たら、そこには色とりどりの一口サイズのチョコレートの包み紙が。
 でも、それは何枚もあって、今日食べたチョコレートの包み紙なのかどうかはわからなかった。


 今の話は冬のことだったか春先のことだったかあやふやなのだが、今度の話は間違いなく真冬のことだった。
 でも、それが何歳くらいのことだったかとなると、よく憶えていない。
 とはいえ、あまりにバカバカしい話だから、もしかしたらそれより前。幼稚園の頃のことだったかもしれない。

 その日、僕は近所のK一クンの家に遊びに行こうと家を出た。
 家の前の細い道を通り過ぎて、角を曲がって。向こう側が田んぼに面しているちょっと広めの道を歩いている時だった。
 その日は、北風のとても強い日で、しかも鈍色の曇天の空。
 しきりと電線が鳴っていた。

 K一クンの家は、僕が歩いている片側が田んぼに面した道を、真っ直ぐずーっと行って。
 真っ直ぐな道が右に緩やかに曲がった向こうにあった。

 北風は家を出た時から強かったけど、田んぼに面した道に出た途端、さらに強くなった。
 もっとも、その頃は、「子供は風の子」っていうのが当り前。
 だから、僕も寒いのは寒いんだけど、そんな強く吹く北風を楽しんでもいた。
 道の左側、遥か向こうまで広がっている田んぼ。
 その上に広がっている、重いグレーの空。
 その遮るものが全くない空間を、北風は自由に吹き回っていた。

 そんな北風に向って駆けたり、歩いたりしていると、僕の着ているジャンパーの腕の部分やお腹のあたりが風でボワーっと膨らむ。
 それは、手を広げれば、そのまま風にのって飛べそうな……
 そんな風に、僕が空を飛んでいることを想像していた時だった。
「あれ…。」
 それは、僕が歩くずっと先を歩いているおじさんの後姿。
「あんなおじさん…、えー、いたっけ?」
 おじさんは、僕のお父さんが会社に行く時に着るようなコートを着ていた。
 ただ、それはお父さんが着ているようなねずみ色のコートじゃなくて、真っ黒なコートで。しかも、裾がやけに長かった。
 僕の着ているジャンパーの袖がはためいているように、前を歩いているおじさんの黒いコートの裾も、風でバタバタはためいていた。

 ところが、急にその黒いコートの裾のはためきが激しくなって。
 ゴォォォーーー!
 いきなり、空で風がすごい音で鳴ったと思ったら。
「うわっ…。」
 それは、今までにない強い風。
 ゴォーっというその風に押し返されかけ、思わず腕で顔をブロックする僕。
 ブロックした腕の下に見えたのは、一際バタバタはためいているおじさんのコートの裾。

 それを見たと思ったその時だった。
 おじさんのコートの裾がすーっと。掻き消すように見えなくなったのだ。
「えぇぇーー!」
 驚いてブロックしていた腕をどけた僕が見たのは、黒いコートのおじさんが両手を広げて、ブワーンって空に舞い上がっていったところ。
「かっ、かっ、かっくいぃぃーっ!」
 ゴォォォーーー!
 また空で風が鳴ったと思った途端吹いてきた、さらに強い風。
 それは、空を飛ぶおじさんの姿に見とれていた僕にドカンとぶつかってきて。
「うわっ!」
 僕は、その強い風に、半ば風に押さえつけられるように地べたに手をついていた。
 その強い風が収まって見た空には、もぉおじさんの姿はなかった。

 その後、いったん家に戻って、お父さんのコートを持ちだしてきた僕は、K一クンと一緒に空を飛ぼうとしたのだ。
 でも、お父さんのコートは、あのおじさんのコートみたいに裾が長くないからダメだった。


 今度の話は、わりと最近。何年か前のことだ。
 でも、その話をするには、私が中学生の時に流行った町のウワサを話す必要がある。

 ウワサの元――場所と言った方がいいのか?――は、町を通る国道の下を通る地下歩道だった。
 そこは、僕もそこはよく通る所だった。だから、ウワサを聞く前からそのシミのことはなんとなく気づいていた。
 地下歩道だからそこを通るには緩やかなスロープを下に降りていくわけだが、その入り口を囲む壁にそのシミはあった。
 それは、地下に降りていくスロープの真正面。入口を囲む3方の壁の内側にあった。
 つまり、通路を通ろうとする人は、そのシミが嫌でも目に入っているはずなのだが、ただ、それはたんなる壁のシミなわけだ。
 そんなもの、目に入らない人や、目にしても気にもかけない人の方が多いのだろう。現にウワサを聞くまで、そんなシミは全く気づいてなかったという友だちも多かったくらいだ。
 ただ、僕はソレをかなり前から気づいていたし。
 気づいた時には、ソレが壁の縁から逆さの人がバンザイするようにぶら下がっている形に見えると思っていた。
 というよりは、そのシミがそんな風に見えるから、ソレに気づいたという方が正しいのだろう。

 もっとも、僕にとってもソレは、あくまでコンクリートの壁によくあるただのシミだった。
 怖いとか、気味が悪いとか、たぶんそんな風には思ってなかったと思う。

 その地下歩道に変なウワサがたったのは、前にも言ったように中学生の頃だった。
 なんでも、夜中にその地下道を1人で通ると、そのシミの人が落ちてくるのだと。
 後ろから聞こえた物音に振り返ると、例のシミの人が後ろから覆い被さってきて。その重みで、地下道を歩いてた人は転んでしまい、必ず鼻に怪我するのだと……。

 いや。シミの人にとり憑かれて、1週間以内に死んでしまうとか。
 あと、その人はシミの人と入れ替わってしまって。その人は壁のシミになって、地下歩道を通る人と入れ替わろうとするのだというバージョンもあった。

 当時、中学生とはいえ、さすがに「1週間以内に死ぬ」だの、「壁のシミと入れ替わる」だのという時点でそれは嘘だとバカにしていた。
 ただ、「転んで鼻をケガする」と聞いて、なんで鼻なんだろ?とそこのところだけ不思議に思ったからだろうか。
 その地下歩道を通る時、そのシミの真下はなんとなく避けて通っていたような記憶がある。

 そう。今思えば、私はその後も無意識にそれを続けていたのかもしれない…


 話は現代に戻る。最初に言ったように何年か前のことだ。
 その夜、私は同僚と飲んで、帰りは結局最終かその1本前になった。
 私の今の住まいは、駅からは国道の向こう側だ。だから、いつも通り国道の下を通る地下歩道を通った。
 私は酒は強い方だし。また、その時酔いはもうすっかり醒めていた。
 でも、地下歩道を歩いてたら、突然後ろで大きな物音がして。
 そのただならぬ物音に、ビクッと振り返りながら。なにかこう、異様な気配のようなものを感じて、とっさに通路の端に避けたのだ。
 そう。ガツンと、背中が激しく通路の壁にぶつかったのを感じたのと同時だった。
 びゅん!と。まるで、棒を宙で激しく振るような音ともに、黒いモヤのような物が地下歩道を通り過ぎて行った…

 その後、家にたどり着くまでの記憶はない。でも、間違いなく言えるのは、中学生の時に聞いた地下歩道の例のウワサをずっと思い出していたことだ。
 いや。別に鼻は怪我しなかった。
 ただ、黒いモヤのようなものを避けた時、地下歩道の壁にぶつけた背中は1週間くらい痛んだ。

 すっかり酔いは醒めたと思っていたけど、まだ酒が残ってたのかなーとも思ったのだ。
 なのに、夜遅くなってからはその地下歩道を通らなくなったのは、そのことを妻に話したからだった。
 聞けば、妻は前々からあの地下歩道を通るのが妙に嫌だったとかで。
 そうは言っても、今まで通ってきて別に何もなかったわけだし。また、夜中に地下歩道のスロープを一人で降りていく人を見かけたりもするのだが…。

 そう。最近、その地下歩道の入り口の壁に、いまだに逆さの人がバンザイするようにぶら下がっている形のシミがあるのに気がついて。
 今までなんで気がついてなかったんだろう?と、なんだかそれも不思議な気がして。
 今も地下歩道を通る時は、私も妻もその真下だけは避けて通るようにしている。

                            
                    ―― 『姉弟掛け合い怪談:その11』〈つづく〉

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   ちょっと剣呑で、ゴメン(^^;)



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2017
04.02

四月(も)馬鹿


 昨日の朝方、なにやらエッチな夢を見て。
 まぁ夢にはありがちな、具体的な内容は思い出せないんだけど、なんとなーくニカニカしてたら。
 今日がエイプリルフールだって気がついて、夢とはいえ、とんでもなくヤバイ間違いをしでかしちゃったような気がして、もぉーどうしよう!って。
 夢の内容を思い出せないのが、またミョぉぉぉーにコワい(笑)



 

 エッチな夢とは関係ないんですけど、スーパーの2階にあるバッタもの屋みたいなとこでパンツがお手頃価格だったんで買ってみたら。
 なんともまぁ履き心地の悪いこと!悪いこと!
 変な話、縫い目が集まったトコが、ある部分にあたって。
 そのうち、痔ぃ~になっちゃうんじゃないかってくらいの最悪の履き心地!(爆)

 パンツくらいはちゃんとしたモノを買うべきなんだなぁーと、大いに反省しましたとさ(泣)



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