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2015
03.29

「なんで“ピンク”じゃなく“白”い表紙なんだよ!」って。読んでる最中、それが気になって仕方なかった『ハーモニー』/伊藤計劃著

Category: R&R

 その、「ハーニモ―」、じゃなかった『ハーモニー』。
 いや。最後まで読んだら、やっぱ“白”でいいのかな?って。

 とはいえ、最後の章の前までは、ずっーと「これは、真っピンクの表紙にして欲しかったなー」って(笑)
 もー、そのことばっか頭を占めちゃって、ストーリーなんてもぉそっちのけ……

 …なぁ~んてことはあるわけもなく、楽しく読んでました(笑)


ハーモニー ハヤカワ文庫JAハーモニー ハヤカワ文庫JA
(2012/08/01)
伊藤 計劃

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 真っピンクっていうのも悪くないと思うんだけどなー(笑)


 

 いや。実はお話の中で、“ピンク色の軍隊”っていうのが出てくるんですよ。
 なんだか、そのインパクトが強くてミョーに気になっちゃったのと。
 あと、私、ピンクって、昔からミョぉぉ~に好きな色なんですよねー(笑)

 ピンク色の軍隊っていえば、イギリス軍にピンクパンサーって車両がありましたよね
 http://www.tamiya.com/japan/products/35076pink_panther/index.htm




 で、その『ハーモニー』。

 まぁ感想を言うと。

 いっやー、面白かったーっ!(笑)


 実は前作が、個人的に「うーんちょっと…」だったんで ←ゴメン!(笑)

 いや。その前作の『虐殺器官』。
 確かに、“スゴかった”とは思うんです。
 思うんですけど、(あくまで私個人の感想として)「お話」としては、どーも単調だったなーなんて(笑)

 ただ、『ハーモニー』を読み終えた、今になってみると。
 もしかしたら『虐殺器官』は、いわゆる“ワンダー”が足りなかったからなのかな?と思うようになりましたね。

 つまり、『虐殺器官』は一応ジャンルはSFってことになってるわけですけど、でもそのSFの“S”って。
 Sienceの“S”というよりは、むしろSociology (社会学)の“S”だったんじゃないかって(笑)

 “ワンダー”の部分が、サイエンスというより社会学(というより、世界史の“S”かも?笑)であるため、文系の私にはストンとわかりやすすぎちゃって。
 ゆえに、SF小説の肝である“ワンダー”という部分に、物足りなさを感じちゃったっていうのはあるのかもなぁ…って。


 ま、それはさておき。
 とにかく、『虐殺器官』がミョーにイマイチってイメージがあったんで、この『ハーモニー』は手を出しかねていたんです。

 ま、古本が高かったっていうのもあるし。

 古本って。いかに安く、いかに状態のいいもん買えるか、運試し!みたいなとこがあって、ハマるとミョーに楽しいんです(笑)

 あと、主要登場人物が少女3人ってことで、どーせまたニッポン人が大好きな、アニメっぽいアキバ系・カワイイ系「みんなで!みんなで!」みたいなお話なんだろーなーって(笑)

 私は、反アキバ、反カワイイです(爆)

 というのも、アマゾンでその3人の名前が「トァン」、「キァン」、「ミァハ」と知った途端。
 うっわぁ~、じんましん。あちこち痒ぃぃ~っ!って(笑)

 ったく、「ハーニモ―」だか、「ファインディング・ニモ」だか知らねーけど、もぉ伊藤計劃はぜってぇ読まねーぞー!って。

 な~んて、思ってたんですけどねー。
 たまたまある日、たまたま入った本屋の本棚で、それがたまたま目に留まって。
 「あ、変態じんましん本だ…」なんて ←ひっでぇ~言い方(笑)

 ただまぁその時っていうのは、私も変態じんましんな気分だったんでしょうね。
 なんとなく手に取って、ペラペラとページをめくっちゃったんです。

 いや、リアルに例のトァンキァンミァハって文字を見た時は、思わずあちこち痒くなりましたよ。
 でもまぁ季節柄、花粉症かなぁーなんて。

 ちなみに花粉症、私は1日だけ症状が出るタイプです(ま、どーでもいいやね)


 まーね。
 そんなけちょんけちょんに言ってんなら読まなきゃいいじゃん!
 とか怒られちゃいそうですけどね。

 でもね。けちょんけちょんに言うっていうのは、それに“何かしら引っかかる”っていうのがあるからなわけで(笑)

 つまり、愛情の裏返し(な~んてwww)

 パラパラめくって、裏をひっくり返して。
 何気にあらすじに目を走らしていて、それが目に入ったんですね。

「人類は大規模な福祉厚生社会を築き上げていた。
 医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、
 見せかけの優しやさ倫理が横溢する“ユートピア”。」



 って、何だよ、オイ!
 それって、今のほとんどの日本(人)に対する皮肉じゃん!

 うっわ。なんともパンクだなぁ~って(笑)
 
 伊藤計劃(=Project Itoh)って、あぁ!そういう意味だったのね(イヒヒ)


 いや。言い方は無茶苦茶悪いっていうのは重々承知なんですけど、つまり伊藤計劃っていうのは。
 自分の生を盾に。言ったらヤバい(かもしれない)、でもどうしても言っちゃいたいこと(どうしても言わなきゃいけないこと)を言っちゃぇーっ!っていうのがつまり「Project Itoh」。すなわち伊藤計劃だったのかと、やっと合点がいったと。 

 遅いっ!(笑)



 ま、そうとなった日にゃぁ、ハーニモー。

 …じゃなかった、この『ハーモニー』。
 読むのは“今でしょ!”って。 ←古っ!ダサっ!(笑)

 こうなったらダサついでに、読むか読まないかはあなた次第です、とか?



 とはいえ。
 冒頭から始まる、「女子高生のわたしといえば、おとなになるなんてまっぴらだった」とのたまってしまえる、ありがちなナルシシズムなひとり言の羅列に、うっわー、やっぱり手を出しちゃイケナイ系だったかも?なーんて(笑)

 今思えば、本屋でたまたま手に取ったそれが、アニメのおねーちゃん表紙の新装版ってヤツじゃなかったのは、なんてラッキーだったんだろって(爆)

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)
(2014/08/08)
伊藤計劃

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 なんでこんなダサい表紙にしちゃうんだろ? え?最近の若者の好みだから? あ、そ…(爆)
 


 でもまぁ、その辺は覚悟の上っていうのもあったんで。
 だけど、その後もそのおねーちゃんが大人になって、医療軍なるものの一員になってニジェールで働く展開とその会話に、なんだか某アニメに出てくるおねーちゃんそっくりだよなーなんて、かなりゲンナリ(笑)

 とはいえ、伊藤計劃。
 サハラの砂の黄色い光景なんて、行ったことあるわけないのによく知ってたなーなんて感心もしてみたり。

 もしかして、伊藤計劃も砂漠オタクだったのかなぁ…

 あと、1章の例のトァン(あぁ力抜ける…)のレストランの場面なんかも、何の因果かずっとアホバカ系ホラーに迷ってきた私としたは、なんでこういうウケ狙いっぽい描写にしちゃうかなぁ…なんて。
 
 ただ、後になって思えばあの描写も「Project Itoh」の一環だったのかもなぁ…

 なーんてことブツクサ言いながらも、2章以降は妙に引き込まれちゃって。
 もぉ一気に最後まで読んじゃう面白さがありましたね。


 いや。読みながら、ツッコミどころはイッパイ出てくるんです。

 それこそ、お話の根本である“意識が消滅した”っていうのが、全然イメージ出来ないですしね。
 
 これ、完全にネタバレなんですけど、でもネタバレとして全然成立しないんじゃない?


 漠然と、人間とゾンビの間みたいなもんってこと?とも思うんですけど。
 ていうか、本来のゾンビは生きている人間なわけで、まさにそんな感じ?とも思うんですけど、個体としてはともかく、それが一つの民族となると、それは科学的理論云々以前に状況的にあり得ないですよね。
 
 たぶん常に裏付けの理論やその描写をする作者が、こと“意識が消滅した”に関してはそれだけなんで。
 そこは、たんにお話の設定としてすっ飛ばしたんでしょうね。


 最後の主人公2人の対決…、というか再会シーンにしたって、その主人公の行動は、女性がそんなことするかなーって。
 いや。結局それをしたとしても、なによりまず引っ叩くっていうのがあるような気がするんだけどなぁ…!?

 もっともそれは未来の人の心理なんで。そこは現代人にはわからないのかもね(笑)



 と、まぁそんなツッコミどころはありつつ。
 でも、読み終わった後に「面白かったー」と素直に言えちゃうのは、この『ハーモニー』に、それら全てに目をつぶっても耽溺して読めちゃう「お話」のパワーがあったんだと思うんです。

 いっやー、そういう意味じゃ次なる「Project Itoh」をぜひ読みたかったですねー。
 40歳、50歳くらいになった、作家としても人間としても脂ののった、というか脂の落ちた(力みのない)伊藤計劃を読んでみたかったなー。



 そういえば。
 『ハーモニー』を読み終わって初めて、あっ、伊藤計劃ってどんな顔してたんだろ?って思ったんです。

 イメージとしては、なんとなく細身で神経質そうな、いわゆるオタクっぽいそんな風貌を想像してたんですけど…。

 でも、目が強くって。
 どっちかといえば、そんな感じじゃないような?。

 でも、自分のサイトでナイン・インチ・ネイルズの全曲レビューって、なんだよ、やっぱオタクじゃん!(笑)って?

 …って、そうか。
 ナイン・インチ・ネイルズとか好きだったんですね。
 ふうーん…。
 なんだか、ミョーに親近感湧いちゃったり(爆)
 
 ちなみに、私はナイン・インチ・ネイルズ好きじゃないなぁ(笑)



 あと、妙に気になったのは、“ハーモニー”という言葉をネガティブな言葉として使っていたこと。

 ま、“ハーモニー”って英語にどこまで意味(ニュアンス)があるのはともかく。
 日本語だと合唱とか演奏のように、合わせることでより素晴らしくなるみたいな意味もあるわけじゃないですか。

 その辺は、伊藤計劃としては、どんな風に考えたんだろうって。
 ま、解説にあったインタビューでは、『ハーモニー』は“ある種のハッピーエンドだった”と言いつつ、その先の言葉を探していたけど見つからなかったってことじゃハッピーエンドじゃなかったみたいなことも言ってるわけですが。

 いや。今の日本人全部が醸し出している…、というか、優しやさ倫理(正義)に溢れた「ユートピア」に合わせないと生きにくくなっちゃう、そんな世界を。
 「Project Itoh」としては、“ハーモニー(=調和)”とは唾棄したい(orとりあえず唾棄しなきゃいけない/やってらんない)概念だったっていうのはあるんだとは思うんです。

 でも、それは空に向かって唾すると同じだって、伊藤計劃が100%確信していたのは間違いないですよね。

 ただまぁ、その矛盾(葛藤)こそが伊藤計劃という生身の人間の「Project Itoh」だったのかなぁーって。

 つーか、それ以前に、男(男の子)たるもの、「優しさや倫理(正義)に溢れた“ユートピア”」なんて、断固否定しなきゃダサいだろ!っていうのもありますよね(爆)

 やっぱね、それは絶対否定なきゃ~♪

 今の日本(というか先進国?)っていうのは、ま、内面や実際の行動はともかく。男(男の子)が、「優しさや倫理(正義)に溢れた“ユートピア”」を臆面なく口にしちゃうから人や社会が歪んじゃうわけじゃないですか。

 たぶん…(笑)

 でも、それは、第二次大戦の敗戦という大きな失敗に打ちのめされちゃって。
 「戦争」と「戦前の日本(人)」が全て悪だったんだと思い込むことで、あるいは思い込みたくて行った行為が、去年発覚したあの新聞社(と「進歩的文化人」と呼ばれた知識人たち)のやったことじゃないですか。
 現在、日本(人)が隣国から謂れのない誹りを受けて大損をしているのは、彼らの “優しさや倫理、正義に溢れた”カッコつけが報道を歪め、その結果事実が歪められたゆえでしょ。


 そりゃ、「優しさや倫理に溢れた“ユートピア”」って、字面がカッコイイから。
 そう言ってりゃ、とりあえずカッコつくし、まとまっちゃうから小ギレイ見えるんで、誰もがつい口にしちゃうわけですけど(爆)

 でも、その「優しさや倫理、正義に溢れた“ユートピア”」よりも、エゴや自我を優先しちゃうのが人間っていうのは絶対的なわけで、そこはまず認めなきゃダメなんじゃな~い(笑)

 ね!だからこそ、男(男の子)は。
 美しい「優しさや倫理、正義に溢れた“社会”」を守るために、「優しやさ倫理、正義に溢れた“ユートピア”」を否定しなきゃいけないわけですよ(笑)

 現在の世相っていうのは、とかく“小ギレイにまとめちゃう”のがやったら好きですけど。
 でも、“まとめる”ってことは、それは“まとめ”た時点で、それは「過去」なわけでしょう。
 「過去」(の価値観や概念)ってもんが、現在および未来において“正しい”とは限らない、というのは日本人がここ数年何より思い知らされたことなんじゃないのかな。
 
 だって、キレイなことや、正しいっぽいこと言ってる人たちって。 
 言っていたことが間違ってたって、絶対責任とんないんだよ。むしろ、信じたヤツがバカなんだよ。


 世の中、情報、情報って大層なようだけど、情報なんて、情報になった時点で所詮過去って?(笑) 



 もっとも。そんなことまで「Project Itoh」に含まれていたのかどうかはわかりませんけどね(笑)

 でも、ま、繰り返しになりますけど。

 そんな風な意味でも、次、読んでみたかったなぁ……って思いますね。







 ま、ロックなんて。言ってみりゃ、究極の「見せかけの優しやさ倫理が横溢する“ユートピア”」だよなぁ…
 ほら、Uナンチャラのボノ氏とか、ナンチャラ・レノンとか…(爆)



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コメント
いつの世も現代の否定から物語って起こってますよね。否定の否定が議論の基礎であって。果たしてその先に何があるんだろう。それを考えるのが物書きの真髄のような。
SF書きって皆、感性が鋭いし『切れる』から面白いと感じるのでしょうかねえ。訓練されたSF読者集めて話作ってみたらトンデモナイものができそうな気も。
確かに伊藤計畫を見続けたいってのが未だにポスト伊藤計畫を思う読者の総意のようなきも。
ひゃくさんもSFに挑戦してみてはいかが?(笑)
青井るいdot 2015.04.01 22:02 | 編集
> いつの世も現代の否定から物語って起こってますよね。

ま、誰しも「現代」に生きてるわけで、当然不満の元は「現代」にこそあると。
ゆえに、「現代」の否定は綿々と続いていく……
みたいな?(笑)

でも、現代って。
現代を肯定する(したい?せざるを得ない?するしかない?)風潮が強かったりもするのかなーなんて(笑)
(でもさ、未来って。現代より全然楽しーっ!のかもしれないわけじゃない?www)

「否定」って、パンクじゃないですか!
パンクって、まぁカッコイイわけで、だからつい「否定」しちゃうというのもあるんでしょうね。
ただパンクっていうのは、それを突き詰めていくと自己否定にたどり着くわけで、そうなると「否定」を否定しなきゃカッコ悪くなると。
そう考えると、パンクなんでしょうね。今のニッポンの世相って…!?(笑)

> 確かに伊藤計畫を見続けたいってのが未だにポスト伊藤計畫を思う読者の総意のようなきも。

「Project Itoh」っていうのは、自らの「Project Itoh」っていうのはありつつ、でも、それに続くっていうのも含んでいたたのかなーと。
つまり。
ガンバらなきゃ~、青井るいさ~ん~~~
って?(笑)

> ひゃくさんもSFに挑戦してみてはいかが?(笑)

えー、SFって、つまり「すごく、ふざけた(お話)」みたいな?
あー、そういうの、いいですよねー(笑)
(あ、それとも「スッポンポン・フィクション」の略?www)
百物語ガールdot 2015.04.05 11:40 | 編集
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