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2017
11.26

注意!忠犬ハチ公の名前は「ハチ」です。八五郎じゃありません


 犬を飼うことになって。
 名前は、まぁ犬だしと、ハチ公にしようと。
 ただ、そういえば、ハチ公って本名は八五郎だったんだっけと思い出して。
 なら、8×5=40だから、シジュウにしようということになった。

 そこで目が覚めたんだけど、しかしシジュウって、犬のくせに、ミョーに生活疲れしてそうな名前でイヤだなぁ…(爆)


 って、まぁ特に犬を飼う予定もないんで、話題を変えますけど、しっかし相撲は、まー、もー、相変わらずフィクションにフィクションが積み重なっていくようで。
 もはや誰の話を聞いても、「あー、またヘタな嘘ついてらwww」って感じで、もはや犬も食いません(爆)

 ていうか、「あぁ~あ。またマスコミが舌なめずりして喜びそうな“嘘”が飛び出してきたよ」の方が正解かな?(笑)
 詳しくは酔っぱらってたからわからないと言う人の話を、どのチャンネルでも真実のように囃し立てて喜んでるってさー。
 たかが、酔っ払いのケンカじゃん。バカバカしい!

 ただ、まぁーねー。しゃべるなら公の場でちゃんと話す。話さないなら、ずっと黙ってた方がいいんじゃないかって。
 報道はそういう話だけちゃんと伝えるって風にして欲しいもんですけど、ていうか、こうなってくると、かつてちやほやされてたことが未だ忘れられない(らしい)某親方の方が全然利口なんじゃないかって気もしてきちゃったり(爆)

 まぁ“暴力はよくない”というのは現代においては絶対正義なわけですけどw、とはいえ、ああいう男だけの世界。しかも、格闘技の興行(神事だっけ?w)の世界の話なわけで。
 「暴力」の尺度を世間一般、それこそアイドル集団だのゆるキャラなんぞがやたら蔓延ってる世の感覚と一緒くたにしてしまうのも、ある意味横暴という名の暴力なんじゃない?とも思っちゃうんだけどなぁ…(笑)

 まーねー。ウソだかホントだか、それともなんとか丸く収めたい人たちの苦労はわからないではないですけどねぇ…。
 ただ、勘違い同士の性悪の酔っ払いのケンカをネタに、引退して「品格」の必要がなくなっちゃった親方同士がマウンティング合戦してるだけっていうのは誰でもわかってことだと思うんだけどなぁ…(爆)
 

 って、まぁ悪い時には悪いことが重なるものというのか、こないだの白鵬×嘉風戦も妙にこじれちゃいましたねぇ…。
 まぁ真相は、嘉風の直前の(お茶目な)閃きのせいwwwだったらしいですけど、いやはや、しかし横綱って大変だなーとか、ホンっト思っちゃいましたね(笑)

 とはいえ、まぁそこは横綱。それも大大大横綱という、常に他者から挑戦を受けなきゃならない身としては、「ま、こういうこともあらぁーな」と苦笑いするしかない役回りってことなんでしょうね(笑)
 ま、これにこりずに。これからもずっと欲と覇気のない日本人力士の壁になってください!
 優勝はもちろん大歓迎なんですけど、そこは興行。最後までどうなるんだろう?と気を持たしてほしいなーwww

 役回りといえば、例の稀勢の里。今場所は負けの里(いくらなんでもヒドイ?w)みたくなっちゃってましたけど、なんでも次の場所の成績によっては引退させられちゃう可能性もあるんだとか。
 つまり、興行主としては弱い横綱はいらないってことなんでしょうけど、とはいえ稀勢の里って、横綱になる前は今場所みたいにコロコロ負けるのが普通だったわけで。
 優勝して横綱になって。その次も優勝した時は、人ってこんな風に変わっちゃうことってあるもんなんだなーとビックリでしたけど、そこはまぁまぁ(笑)
 ま、相撲なんて何も知らない私が言うのもなんですけど、彼は超スロースターターな気もするんで、来年1年間くらい辛抱強く待ってあげるくらいwの「品格」があってもいいんじゃない?(爆)
 彼のことだから、去年みたいにマスコミから取り上げられなくなった頃、また優勝してくれるさ!

 とはいえねー。来場所もダメだったら引退してねなんて言われちゃうのは、横綱になっちゃったからなわけで。
 そう考えると、大関から陥落してもマイペースwで相撲を取ってる琴奨菊と比べて、人間って何がよくて何が悪いんだかわからなくなってきますよね。
 そういえば、豪栄道なんかも、先場所最後の最後に日馬富士に優勝さらわれちゃったせいか、今場所は最初、ちょっと気迫が違うなーなんて思ってたのに、結局ズルズル負けちゃったりで。
 ニッポン人のお相撲さんは「品格」はある(らしい)けど、どうも勝つという執着に欠けちゃう中、稀勢の里はあの初優勝した時の気迫を思い出して頑張ってほしいですね。

 そんなお相撲ですが、一服の清涼剤ともいえたのは、安美錦、豪風、嘉風のお茶目なジジイ三人衆wwwの活躍ですかねー(笑)
 ある時は飄々としてたり、ある時はがむしゃらだったり。
 嘘の嘘を重ねまくりの事件ですっかりシラケちゃった相撲ですけど、その3人がどうだったか知りたくて、結局ずっと見ちゃいましたよ(ただし夜中のダイジェストの録画ね)。
 あとは、若手の豆タンク2人!(笑)
 なんでもお互い以前からのライバルらしいですけど、そういう関係があるのも頑張れる理由なのかもしれませんね。

 相撲は日本の国技。ゆえに相撲なんてもんに大騒ぎしてるのは日本人だけかと思いきや、今は世界のあちこちに大相撲目指している外国人がいるんだとかで。
 伝統はまぁ大切だけど、とはいっても興行なんだから見て面白くなきゃしょうがないわけで。そこは相撲協会も、見るニッポン人も、もちろんお相撲さんたちも、直さなきゃならないところは直さないと(笑)


 でー、また話は変わりますけど、今朝ニュースを見てたら、最近巷では『漫画 君たちはどう生きるか』というのが読まれてるんだとかで。
 ま、読んだことのない私が言うのは何ですけど、個人的にはそれより水前寺清子の「365歩のマーチ」じゃねーのーなんて(笑)

 ていうのは、今朝起きた時。そういえば「鉄腕ダッシュ」で城島クンがお母さんになって、いろいろ生活の知恵を紹介するコーナーって、最近見てないなーと、なぜか思い出して。
 そのコーナーのテーマソングが「365歩のマーチ」だったからだけなんですけどね(爆)
 ただ、そのニュースの中に出てきた、将来に迷って休学しちゃった大学生とか見てると、むしろ「365歩のマーチ」だろー!なんて(笑)
 一生懸命考えることはもちろん大事なんでしょうけど、でも、ヘタな考え、休むに似たりとも言いますしwww

 ただ、ここでふと思い出したことがあって。
 それは…
 あ、そうだ!「鉄腕ダッシュ」って、最近見てないんだった(爆)

 まぁそんな、朝っぱらからアホバカなこと考えてたら、日馬富士と貴乃岩の一件は、周囲の思惑で当の本人の2人の立場がどんどんなくなっちゃってるんで。それよりは、あの2人で百番相撲を取ってもらって、それをTVで放送したらいいじゃん!なんて(笑) 
 ていうか、それって、『漫画 君たちはどう生きるか』じゃなくて、子供の頃見た熱血少年漫画の発想だよなーって。
 思わずクスクス笑っちゃいましたとさ。


 



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2017
11.26

根も葉もあるお話:17.11.26

 
 それはウン十年前、Aさんがまだ学生の頃。
 Aさんはその日、当時つきあっていた彼女と派手なケンカ別れをしたとかで。
 付き合って1年ちょっとだけど、最近は小さな諍いをすることが多かったこともあって。Aさん、実はその日会う前から予感みたいなものがあったらしい。
 ただ、実際に別れてみると、ずっと胸につかえてたものがとれたような感がある反面、胸にポカンと穴が空いちゃったような。
 そんな、相反する気持ちを抱きながら街を歩いていた時だった。
 なぜかふいに浮かんできた、別れ間際、最後の最後に見た彼女の顔。
 怒りをなんとか抑えるように、上目遣いにAさんをじっと見ていたその表情。
 暗渠の下の川のようなそれは、休日の雑踏の中でそこだけ時間が止まっていた。
 うわぁー。そんなこと、今の今まで気づいてなかった…とAさん。
 その途端思い出したのは彼女と過ごした、嫌やぁーな記憶。
 いや。もちろん楽しいこともたくさんあった。だからこそ今まで付き合ってきたんだけど…
 そう。楽しそうに笑ってたと思ったら、実は苛立ってて。そのことをずっと根に持ってて事あるごとに蒸し返すみたいな、変に陰にこもったとこがあるんだよなー、アイツ。

 そんなことを思いながら歩いていて、Aさん。気分転換に飲みに行こうかと思った途端、腹が減っていることに気がついた。
 そうだよ…。
 今日だって、アイツがワケわかんないこと言いだすからさ。まだ昼メシ食ってないんじゃん。
 まわりを見回すと、あったのは街の中華屋。
 あ、ラーメン食いたい…と、Aさんはその店のドアをガラガラと開けた。

「いらっしゃい」
 一字一字をやけにハッキリ言うみたいな低い声に思わずたじろいだAさん。
 赤いL字型のカウンターとテーブルが2つあるだけのこじんまりした店内。お客は1人もいない。
 うわっ、これは失敗だったかも…と、後ろで閉めようとしたドアを止めかけたAさん。でも、その途端カウンターの中の愛想悪そうな店のおやじと目が合っちゃって。
 しょうがないから壁のメニューも見ないで「ラーメン」と言ったら、「毎度」と短く店のおやじ。
 何を思ったか、水の入ったコップをL字カウンターの奥から2つ目に置くもんだから、仕方なくAさんはそこに座った。

 カウンターの中でいそいそとラーメンを作ってる、愛想わるそうな店のおやじ。
 一方、手持無沙汰なAさん。普通、こういう店ってテレビが点いてたり、漫画雑誌とかあるもんだけど…とキョロキョロしても何もない。
 しょうがねー店だなーなんて壁のメニューを見ていて、「ラーメンと餃子のセット500円」というのが目に入った。
 しまった!こっちの方がいいじゃん。今からでも大丈夫かな?なんて思った時だった。
「お待ち」
 首を回して壁のメニューを見ていたAさんの顔の後ろで、いきなり聞こえたおやじの例の低い声。
「あ、あ、あ、…はい。」
 驚いて、餃子のことなんてすっかり忘れちゃったAさん。急かされるように、すぐ横にあった箸立てから箸を取って。
 パチンと割って、どんぶりの中の麵をスープを箸で軽くかき混ぜる。
 とはいえ、それはラーメン。顔を持って行くと、暖かい湯気となんとも言えないいい匂いに、ぷわーっと包まれる。
 うわー、ウマそうだと、どんぶりに箸を入れ麵を引き出せば、もぉ至福のひと時。
 つい今しがた彼女とケンカ別れしてきたこと、愛想わるい店のおやじ、餃子のことも全部忘れて、熱々の麵を啜りだした。

 ズルズルズルー、ーーーーー。っ!?
 それはAさんの人生をもってしても、最初で最後の経験で。その瞬間の感じを何と表現していいかわからないらしい。
 というのも、ズルズルと口で啜りだしたラーメンがいきなりピタッと。なぜか急に止まっちゃったんだとか。
 それは、まるで啜っていた麵が、なぜかどんぶりの底に張り付いているような。
 間違いなく啜っているはずなのに、麵はそれ以上ウンともスンとも。全く口に入ってこない。
 …!?
 なんて思ってる間もなかった。
 啜っていていきなり啜れなくなったラーメン。それが今度は逆に引っ張られているような感覚。
 バッシャーン!
 いや。そんな音がAさんの耳に聞こえたのかはわからない。
 だって、Aさんの顔は熱々のラーメンどんぶりの中だったから。
 とはいえ、それは出来立ての熱いスープが入ったラーメン。
「わーっ!」
 慌ててラーメンどんぶりから顔を起こした。
「あっつぅぉあーっ!」、
 勢い余ったAさんは、その途端カウンターの椅子から転げ落ちていた。


 Aさんによれば、愛想わるい店のおやじは意外とやさしかったらしい。
 カウンターから慌てて出てきて、Aさんを助け起こしたり、乾いたタオルを出してくれたり。
 幸い火傷なんてことはなく、タオルで顔と服を拭いてやっと落ち着いたAさんに「食べてきなよ」と炒飯を出してくれたり。

 散々ウンザリする目に遭った日は、他人の情けが身に染みるもの。
 そんなAさんがしみじみとウマい炒飯を食べ終え、「どうもお世話掛けちゃって。ホントありがとうございました」と立ちながら、お代を払おうと財布を開いた時だった。
 「あぁー、いいって」と、例によって店のおやじの低い声に顔を上げれば。
 それは怪訝そうにしきりと首を捻っているおやじの顔。
 その目はAさんではなく、その後ろを見ているような?
 思わず振り返ってもそこにあるのはテーブル席と壁、そして壁のメニューだけ。
「…!?」
 怪訝に思いながらもAさんが顔を戻すと、今度は首を前に出し、じっと眇めるように自分を見ているおやじの顔にぶつかった。
「な、なんです?」
 変にドキリとおやじの顔を見ていたAさん。
 あれ?こんな顔、つい最近見たような…と記憶をたどっていたら、またおやじの低い声。
「うん…。まぁ…、うん…。」
「あ、だからお代を…。」
「あぁ。だからそれはいいって。」
「でも、それじゃぁ…。」
「うん。だからいいって。それより…。」
「え?それより!?」
「うん…。いいや。俺もわかんね…。」
「は、はい?」
「学生さんなんだろ?早く帰んな。
 だからよ…、気をつけてさ。」

 Aさん、その後は追い出されるように店を出たらしいのだが、その後の記憶はなんだか妙に曖昧糢糊。
 いや。次の日、ラーメン匂いのする服ひ辟易して、近くのコインランドリーに行ったのは間違いないのだが…。
 ちなみにAさん、ケンカ別れした彼女とはそのまま。二度と会うことはなかった。
 もちろん、その中華屋へも二度と行くことはなかったと言う。



                 ―― 根も葉もあるお話:17.11.26『ラーメン』〈了〉

注!無断転載禁止
  断りなく転載されるのは非常に不愉快です。やめてください
  ブログの記事は全て「著作物」であり、著作権法の対象です
       ↑
   ちょっと剣呑で、ゴメン(^^;)


 聞いた話のメモのつもりがメモにならなくて(笑)
 ていうか、ミョぉーっ!に「実話怪談本」にあるような文章になってることに笑いました。


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2017
11.23

CM?


 例によって、また見た夢の話。
 変な(笑)

 冷蔵庫の冷凍庫のドアを開けると、開けた途端それはなぜか業務用の大きな冷凍庫になっていて。
 開いたドアの向こうから白い冷気がモヤモヤ出てくる中、こっちに駆け寄ってきたのは(たぶん)30代半ばくらいの女性。
 水色の棒アイスを顔の横にかかげ、ニコッと笑いながら、冷凍庫の中だというのになんとスッポンポン!(笑)
 駆け寄ってきてドアのすぐ向こうで足を止めたその瞬間ぷるんと弾んだおっ*いと、白い冷気に見え隠れするやけにピンク色なち*びが、変なくらいリアルな夢だった(爆)

 …って、あれが水着姿だったらCMになりそうな?(^^)
 あの有名な棒アイスって、確か水色でしたよね?



 

 
 もぉずいぶん前、それこそ20代のことですけど、友だち(男)と2人、ふらりとキャンプに行ったんです。
 キャンプ場って、今は直火禁止のとこも多くなっちゃったみたいですけど、そこは直に焚火OKで。ていうか、それだからそこに行ったんですけど、まぁ夕方に着いて。
 夜中まで焚火ぼぉぼぉ燃やして男2人、しみじみバカ話してたわけですけど、焚火って、実は体中すすだらけになるんですよ(笑)
 特に顔が黒くなってると言うわけじゃないんですけど、髪の毛とか触ると明らかに変なんですよ。バサバサになっちゃうんです。
 そんなわけで友だちと2人、帰りがてら温泉があったら入りたいねーなんて言いながらクルマで走ってたんです。

 そしたら、山の中の一軒家みたいな宿があって。聞いたら立ち寄り湯OKということで。
 喜んで入ったわけですけど、それに気がついたのは風呂場に入った時でした。
 温泉(風呂)ですから、脱衣所で裸になって湯船(内湯)のある風呂場に入るわけですけど、私たちが脱衣所を出た所の隣りにもう一つ出入り口があるんです。
 「なんだここ?」と怪訝に思いに行ってみたら、そこはなんとまた脱衣所。
 一瞬、何なんだ?と思いましたけど、とはいえすぐ気づきました。
 「あっ!なんだ、ここって混浴だったんだ」と(笑)
 山奥の温泉なんかだとよくある、脱衣所は別だけど中は一緒というヤツだったわけですけど、とはいえ、そこにいたのは私と友人の2人だけ。
 「そういうのは先に教えといてほしいよなー。いたらビックリするじゃんなー」なんて笑いながら、内湯を出た所にある露天風呂に向かったんです。

 ところが、ビックリだったのは、露天に行く内湯のドアを開けた途端。
 というのも、露天風呂に行くには内湯の建物をぐるりとまわるように階段を降りて行くのですが、その階段っが丸々外の道路に面してるんです。
 一応、道路との境に柵があって木も植わってるんですけど、道路からは完全に丸見え(笑)
 とはいえ、ま、そこにいるのは私と友人の2人だけです。丸見えといっても、山の中でクルマなんて、たまーにしか通らないし。
 ましてや、その日は5月の下旬のいい天気の午後。暑いのは暑いんですけど、気持ちのいい暑さなこともあって、私たちはふらふら、ブラブラ(笑)と、露天風呂に向かってその階段を下りていったんです。

 入った風呂は最高でした。
 ぬるーい温泉だったんですけどねー。ただ、その日は暑かったこともあって、その温いのが逆によかったんでしょうね。
 それでも長く浸かってると、体がぽっぽと熱くなってきたんで。今度は、湯船の脇の比較的広いコンクリートの上で大の字に寝っ転がって。
 いやもぉ気持ちのいい5月の日差しをスッポンポンでずっと浴びてました(笑)

 いくら気持ちいいとはいえ、帰らなきゃなりません。
 そんなわけで、さっき降りてきた階段をまた、ふらふら、ブラブラ(^^;
 その温泉、誰も来ないし、階段の向こうの道路もクルマ一台通らないし。陽気の心地よさもあって、もはや隠すなんてすっかり忘れちゃってました(笑)
 そんな状態で、内湯の中を通り抜けた所にある脱衣場に行こうと、内湯のドアを開けたんです。
 ちなみに、そのドアは外から開けるには段差があって。コンクリートの階段を2、3段上がったとこに付いていたんですけど、私がノブに手をかけてドアを開けたのは階段を上がる前でした。
 なので、その瞬間は必然的に普通より目線が低くなってたわけですが、ドアを開けたそんな私の目に映ったのは、脱衣場から内湯に入ってきた人の腰から下でした。
 いままで私たちしかいなかったのに人がいたわけですから、ちょっとは驚きました。でも、そこは温泉。他にお客がいるのは普通なわけで、「あー、他のお客か」くらいにしか思わなかったんです。
 ただ、その脱衣場から入ってきた人の股の辺りがやたら毛深いのは気づいてました。
 「わー、すっごい毛深い人だなー」なんて思いながら、内湯の建物に入ろうと階段を上り始めた時です。
 「えっ!ない?」って気づいたのは(爆)

 そう。内湯から入ってきたその人。いや、実はその人の後にもう1人いたのも気づいてました。でも、とにかく最初に目に入ってきたのはその前の人がやたら毛深いことだったんですけど、その毛深い中、普通はあるはずのものがないことに気づいたわけですよ(笑)
 ないことに気づいたのと、その人の胸にないはずのものがあることに気づいたこと、さらに「キャー!もぉっ!恥ずかしいじゃないのよぉー!えー、なにー。ここって混浴なのぉー!?」という声は同時でした(笑)
 いやもぉビックリ。思わずドアを閉めちゃいましたよ。

 まぁその後は、その2人の女性(たぶん30代半ばくらい)が湯船に入った頃を見計らって。
 「中を通らないと外に出られないんで入りますよー」と外から声をかけて、いそいそと脱衣場に向かいましたけど、まぁなんと言うか?女の人でもあんなに毛深い人っているんだなーと知ってしまったのは、あれも一つの「大人への扉」(というには遅すぎる感もありますがwww)だったのかーと(笑)




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2017
11.19

怪談:夜中の窓ドン(壁ドンじゃなくね)


 昨日の夜、というか今朝の4時くらいはビックリでした。
 だって、寝てたら突然、窓がドン!と叩かれたんですから。
 いやもぉビックリ。思わず飛び起きちゃったんですけど、飛び起きた途端耳に入ってきたびゅぅぅぅ~という音に、「なんだ、風か…」って。

 ところが、ホッとしたのもつかの間、それからもドン!ドン!ドン!ドン!叩かれる、叩かれる。窓が風に(泣)
 しかも、風の音もスゴくて。
 それでも、30分くらいでしたかねー。吹いてたの。
 もちろん、吹き止んじゃったらたちまち寝入っちゃったんですけど、吹いてる間はな~んか変に目が覚めちゃって。
 しょうがないから、ぼぉーーーーーーっと。
 あんなことやこんなこと。いやいや、それどころか、そんなことまで、とにかくいろんなことを考えてました(笑)
 ていうか、いくらなんでもそんなには考えてなかったかな?
 だって、頭、半分寝てたもん(爆)


 そんなアホバカで平和な惰眠の話はともかく、日馬富士の一件はなんとか穏便にしてほしいもんですねー。
 まぁ確かにねー。公の人たちであるわけで、あってはならないことではあるんでしょうけどねー。
 ただ、煽って、コトを大きくすることで視聴率や発行部数を上げて金儲けしたいだけの無責任なマスコミの馬鹿騒ぎやキレイ事言って正義の味方ぶりたいだけの世間に揺さぶられないしてほしいもんですね。

 一般の人のインタビューでも、どっかのおじさんがすんごい憤慨して批判してたりもしてましたけど、あれなんか例の稀勢の里が怪我した時の相手が日馬富士だった、みたいな極端なニッポン人贔屓の気持ちがそんなこと言わせてんじゃねーのぉーなんて(笑)
 まぁ冗談はともかく、前の朝青龍の時もそうだったですけど、もっともらしいこと言ってるけど、裏には日本人以外はなるべく排除したいみたいな旧態依然とした考え方があるんじゃねーのぉーみたいに(世界の人たちから)思われちゃうようなことは、相撲のためにもするべきじゃないように思いますね。

 しっかしまぁいろいろわかってくると、なんかスゴイ変な話になっちゃってますよね。
 ま、相撲は、最近になって夜中の取り組みダイジェストを録画しておいて、次の日チェックするようになった、くらいのファンなんで(笑)
 大したことはわかりませんけど、貴乃花っていう人、昔からあんまりいいイメージないんですよね。なぁ~んか、とにかくゴタゴタが多い人って感じで。
 ていうか、あれじゃぁ当の貴乃岩の立場がないですよね。

 まぁ相撲協会みたいなのは旧態依然としてるのが当たり前みたいなとこがあるんでしょうけど、もはや相撲は外人力士がいないとお話にならないみたいな状況なんですしね。
 協会の理事長は外国人にやってもらうくらいの「品格」があってもいいんじゃない?(笑)
 相撲が大好きだったシラク元大統領なんてどう? ←大物すぎ
 ていうか、あれ?シラクさんって、まだ存命だったっけ?

 ま、とにかく。日馬富士も貴乃岩も、ちょっとだけほとぼり冷ましてもらって。その後はこれからも元気に頑張ってほしいもんです。
 こういう時、気ぃきかせて、例のグリーンおばさんあたりが、いつもの意味のないバカ騒ぎしてくれると、アホバカマスコミはみんなそっち向くんだけどなぁ…(笑)
 ていうか、あのおばさんもほとぼり冷ましてる最中か(爆)


 と、まぁそんな世の中のアホバカどもが事を大きくしちゃってる話はともかく、そういえば私、この頃深夜番組なんてほとんど見なくなっちゃったんですけど、最近、珍しく気に入っているのが月曜深夜(火曜深夜?)の「月曜から夜更かし」という番組。
 いや。ホンっトどーでもいい内容の番組なんですけどね(笑)
 その、ホンっトどーでもいとこが、どーでもよくていいんですね。

 で、先週。その中で出てきたのが、「女が(体だけ)男に入れ替わったらやりたいこと:Top10」。
 ま、Top10といっても、何人に聞いてのTop10なのか全然わかんないんですけどね(TVはありがちwww)
 とはいえ、どーでもいい番組の中でやってる、どーでもいい話なんで、そんなのどーでもいいですよね(笑)
 
 てことで。
  10.筋トレしてムキムキマッチョ   6%
  9.ヒゲを生やす  6%
  8.坊主頭  6%
  7.エッチな店で遊ぶ 6%
  6.暑い時に頭から水をかぶる  8%
  5.ナンパ   14%
  4.一人ラーメン、牛丼   18%
  3.女とエッチする 19%
  2.ビシッとスーツでキメる  22%
  1.暑い時に上半身裸になる  25%  *N=200(20代女性)

 注:4位以下の%と対象者数は「STANDBY」より
  http://www.standby-media.jp/yoron/172049

 これだけだと、よくわからないんで。
 上記の「STANDBY」というサイトを見てみると、それぞれの理由(例)が出てきます。
 ま、ホンっト、どーでもいい話なんで、見なくとも全っ然OKなんですけどね。
 ただ、少なくともそっちを見てるだけよりは、理由があるだけまだ楽しく見ることが出来るような(笑)

 でー、そっちも見ていくと、一つの傾向として、1位の暑い時の上半身裸、6位の暑い時に水をかぶる、8位の坊主頭、4位の一人ラーメン等、オンナでも(出来ないこともないんだけど、でも)やりにくい的なことをやってみたいというのが多いって感じですかね。
 確かに、オトコの私からしても、熱帯夜に窓全開でスッポンポンで寝るあの快感は、オンナじゃ絶対味わえないよなーと思うだけに、1位、6位、8位なんかはすごく納得出来ます(笑)

 3位のエッチ、9位のヒゲを生やす、10位のマッチョみたいな、素朴にやってみたい/やったらどうなんだろう?的なのは、まぁエッチはともかく、「ふーん」って感じかなー。
 ていうか、2位のスーツでキメると合わせて、オンナってオトコのそういうとこに魅力を感じてるってことなのかな?と参考になるようなならないような(笑)
 いや。参考にならないようなというのは、たんに、たとえそうだとしても今さらめんどくさ!ってだけで、若いオトコなんぞは大いに参考にした方がいいじゃないでしょーか(笑)

 5位のナンパは、オトコだと(遭ったことがないんで)よくわからないけど、オンナはそういうことに遭うから意識に上るってことなのかな?
 ていうか、体が入れ替わったからって、なんでわざわざ?という気がしますね。そんなにしたいなら、オンナもすればいいじゃんって思うけど(笑)
 オトコは遭わないけど、オンナは遭うって意味じゃ、露出魔は? 露出魔やってみたい!なんてないの?(爆)

 こうして見ていくと、じゃぁ逆はどうなんだろ?と思ってしまうわけですが、まさにそれで20代の頃、「エッチビデオに出てお金儲けたい」と言ったら、周りにすごいヒンシュクだったなんてことがあったなー(笑)
 ただ、あの業界って、今は供給過多でギャラが安くなったって話ですから、今はお金を儲けるには程遠いかもしれませんね。
 しかし、それ以外となると…、うーん。
 特にしたい(女性の)恰好というのもないしなぁ…。
 (オトコと)エッチするなんて、死んでもイヤですしね(爆)
 ていうか、エッチ関連は体だけが異性なんだから、オンナだって(体がオトコになったとしても)イヤだと思うけど!?
 あ、そういう意味じゃ、レズはしてみたいかも!(笑)
 あー、うん。それは絶対やってみたい♪
 ていうか、オンナは体だけ入れ替わったら同性愛したいと思わないのかなー?
 な~んか、そこは不思議(笑)

 って、ホンっトどーでもいい!(爆)
 
 

 

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2017
11.18

私的シンゴジラ評 ←おーっ!なんかカッコイイタイトルだ(笑)

 ま、「シンゴジラ」ですよ。「シンゴジラ」。先週の日曜TVでやってた。

 まーね。公開時に映画館でお金払って見た人とは、どうしたってテンションが違うわけで。
 どうしても評価が低くなってしまうのは仕方ないんでしょうけど、見ていて最初に思ったのは、「うーん。情報映画?」でした(笑)
 それこそ、「この話についていってるオレって、カッコイイぜ。ははぁーん」みたいな(爆)
 そんな中二病な虚栄心を満たしてくれる心地よさが、あの評判につながったってことなんじゃねーのーなんて穿ったこと言ってっと怒られそうですけど、ただ、ネットを見ても、TVで見て書いた方の感想というのはネガティブな評価の方が多いみたいですね(^^;

 とはいえ、上にも書いたようにTVでタダで見る人と、出かけてお金払って映画館で見る人じゃもテンションが違うし。映像や音の迫力も全然違うわけで、評価に差があるのはまぁ当たり前なんでしょう。
 あと、そう、TV(録画)だと、ちょっとわかんなかったりすると戻したりしながら見るけど、映画は一気に見ちゃうっていうのも意外と大きいのかなーとも思いました。
 そんなわけで、「シンゴジラ」というよりは「辛ゴジラ」な評になっちゃいますけど、思ったことあれこれ(笑)


 「シンゴジラ」は日曜夜の放送だったこともあって、録画だけして、見るのは次の日以降にしようと思っていたです。
 でも、いざ、冒頭だけちょっと…と思って見たら、結局最後まで見ちゃった人が文句言うのはズルいだろー!って話ではあるんですけどね(笑)
 ただ、なんというか?あの映画って、たぶんスマホ等で日がな一日ネットで情報見てるみたな人ほど面白がれるんだろうなーなんて思っちゃったんですけど、どうなんだろ?(笑)

 というのも、画面にいちいちこれは10式戦車だとか、ヘリコプターの形式だとか字幕で出るんだけど、そんなのお話とは関係ないじゃんとか思っちゃう人からすると、あー、メンドクサイって(笑)
 最初の方で政府の会議が始まったかと思うと、突然「以下、中略」と字幕が出たとこなんかは、「え、まさかギャグ映画ってことはないよね!?」なんて思っちゃったし。
 あと、登場人物たちが法律の解釈をする場面では、文章がズラーっと(ただし読めないように)画面に出てきたりと、こういう、知ったかぶりな知識をひけらかすのって、SFファンとかは食いつくんだろうなーなんて思ったり(爆)

 ていうか、その「以下、中略」ですけど、それって日本語として変じゃない?「以下略」ならわかるんですけど、「中略」なら「以下」はいらないよーな?(^^;
 だって、会議の最後は映像に出てくるんだもん。「以下」じゃないじゃん(笑)
 そう、日本語として変といえば、ゴジラのことを映画の中では最初「巨大不明生物」と呼ぶわけですけど、それを言うなら「不明巨大生物」じゃない?と、そこは結構引っかかりましたね(笑)
 そういう意味じゃ、「シンゴジラ」は全般に(平易な会話文ではなく、わざとオーバーに)漢字言葉(漢語?)を使うのを好む今の文化におもねているような印象を受けましたね。
 ていうか、監督の庵野氏自身がそういう激烈な漢字言葉での会話文を好む人(その旗振り役?)なんでしょうけど(笑)


 で、まぁそういう重箱の隅をつつくような話はともかく、要はゴジラですよ、ゴジラ!
 肝心のゴジラが、あれじゃカッコワルすぎです(泣)
 最初に出てきた形態のゴジラは、なんだか首が伸びたゲスラみたいだし。後の形態のゴジラは、シーボーズの出来損ないみたいで、顔が醜くくて、もぉ全般にコキタナイんだもん(笑)
 首の下(胸の上)辺りに変な段差だか窪みだかあるのも、意味不明でカッコワルイし。
 特撮(合成?)の部分も、ゴジラが歩いているのに街の電線がピクリともしなかったりで(ゲスラバージョンの時は揺れてたのに)、なーんかミョーに現実味がないんですよね。

 鎌倉辺りに上陸した後、住宅街だか商店街の上空をゴジラのシッポが宙を舞う場面(あの場面も電線が揺れない)なんか、そこにいる人たち全員がそれを見上げてるって変でしょう?
 見たこともないあんな巨大なモノが自分の上を通り過ぎていくわけです。そりゃ茫然と立ちすくす人もいるでしょうけど、多くは人の反射行動としてのけぞって、思わず尻もちをついちゃったりするのが自然ように思うんですけどねー。

 現実味にこだわるのはいいと思うんです。
 でも、作る側が現実味こだわればこだわるほど、ちょっとしたアラが目につくようになって。そこがツッコミどこになっていっちゃうのは絶対あるわけで、やっぱりそこは怪獣映画なんだからアホバカ映画でいいと思うんだよなぁ…(^^;


 とはいえ、「シンゴジラ」。
 公開時の世間の評判はスゴクよかったし、実際の周りの人も「よかった」と言ってたわけで。
 その辺はどうなんだろうなーと思うわけですけど、ま、あれって、前半の突発的な事態に日本国政府が後手後手の対応しか出来ないという問題提起的な部分。中盤のゴジラ大暴れの部分。それと、後半の日本にゴジラが現れた時の各国の対応のシミュレーション部分。さらに、最後のプロジェクトX的ながんばれニッポン人の部分とそれぞれの人がどこを面白いとしてるか?ということなのかなーと。

 いや。それぞれを分けてみると面白かった気もするんですよね。
 ただ、面白かったんだけど、最初の問題提起的な部分は、前にも書いたように子供だまし的な知ったかぶり知識の羅列が、ダサっと思っちゃうし(笑)
 中盤のゴジラ大暴れはまさに見どころだったわけですけど、(怪獣映画を期待したむきとしては)あれじゃぁいくらなんでも短かったし。
 ていうか、その場面だけ映像がミョーにアニメチックなのが陳腐なんだよなぁ…。
 最後のプロジェクトX的展開にいたっては、解決策が見つかるとたちまちそれが出来ちゃって、実施も成功、ハッピーエンドって、いくらなんでも災害映画の王道の展開すぎなんだよなぁ…。
 現実の、例えば福島原発の廃炉作業を見たって、一つテストをすれば10も20も問題点が出てくるって話しだし。それこそ、使用済み燃料の取り出しですら、すでの予定より何年も遅れているわけで、そういう現実を知っちゃうと、実地訓練も含めて2週間強であんなこと出来るわけないよなぁ…と思っちゃいますね。
 まぁ各国の対応のシミュレーションは、確かになるほどなーとは思いましたけど、ただそこだけで「面白かった!」とはならないですよね(笑)


 とか言って、ちょっと見始めたら最後まで見ちゃったのは事実なわけで、なーんだろうなぁ…と思うわけですけど、まぁなんだ。最近怪獣映画見てなかったからかなぁ…なんて(笑)
 というか、考えてみたらその前に見た映画(DVD)って、「スターウォーズ」なんですよね。うん。そういえば、あれも、出だしだけ見ようと思ってたら、結局最後まで見ちゃったんだっけ(爆)
 そういえば、最近TVでやってた「ハリーポッター」も、たまたまチャンネルが合ったら結構長い間見てたなーなんて、あれ?もしかしたら映画に飢えているとか?(笑)
 そういえば、確かに最近ストーリーのある映像ってほとんど見てないかも

 ま、冗談はともかく、(いろいろケナしたもののw)一定以上のデキだったのは確かだと思うんです。
 思うんですけど、それは「ゴジラ映画」であり、「怪獣映画」なんですよね。
 そこを前提に見ちゃうと、「シンゴジラ」は、「ガメラ(95年のヤツ)」を見た時のような怪獣映画独特のスッキリ感がなかった、という評価になっちゃうのは仕方ないんじゃないかと。
 つまり、あの「ガメラ」の面白さを期待してた人からすると、「シンゴジラ」はどうしても不満を感じちゃうけど。
 でも、怪獣映画への期待という呪縛みたいなもんを持ってない人は、たんに映画として素直に楽しめたということなのかもしれないなーなんて思ったりします。

 だから、そういう意味で「シンゴジラ」印象的だったのが、ゴジラの目と手と行動?なんですよ。
 最初のゲスラなゴジラのぬいぐるみの付け目みたいな目から、シーボーズの出来損ないみたいなゴジラのオオサンショウウオみたいなちっちゃくて、感情のない目。
 手は、最初の形態ではそもそもなく、デッカイゴジラになってからも相変わらず小さくて、手のひらは上を向きっ放しで腕が動くことはなく、時々指が動くくらい。
 行動も、ゴジラが何のために上陸して、都心に向かっていくのかさっぱりわからない。とにかく、黙々と歩いてるのみ。
 最初のゲスラみたいなゴジラにいたっては、川から上がったら後は素直に道を歩いてるだけと、おおよそ怪獣とは思えない行動で(笑)
 そう、だから「怪獣」というよりは、怪物体というか、怪事象というか、怪災害というかが海からやって来て、街を淡々と進んでいくみたいな印象を受けるんですよ。
 「シンゴジラ」でのあのゴジラの演出は、絶対意図してやってるはずだと思うんで、ホントそこは何なんだろうと?

 ま、確かにあんだけデカいのが歩いていれば街も壊れるし、壊れれば人も死んじゃうわけですけど。
 ただ、最初の形態は急に海に戻っていったわけですから、ヘタに攻撃しなければ歩きたいだけ歩いたら、また海に帰ってっちゃうんじゃないかとも思うわけです。
 そう考えると、映画の登場人物たちは「生物!」「生物!」と言ってるわりに、ストーリーとしてはゴジラを災害という無機的な事象(それこそ台風)として位置づけてるってことなのかなーとか、そこはいろいろ考えちゃいましたね。

 ただ、そうなっちゃうとますます怪獣映画じゃなくなっちゃうわけで、それならゴジラじゃない何か新しいモノを考えてやってほしいかなーとも思っちゃったり(笑)
 あとはゴジラは無性生殖で、最後は凍ったゴジラのシッポにちっちゃなゴジラみたいのがイッパイついてるぅ―的な、バイオホラー的な展開ってスッゴクありがちだよね、とか(ハリウッドの恐竜ゴジラもそうじゃなかったっけ?)。
 石原さとみのあの役って、物語上必要だったの?庵野氏の女性の趣味で必要だっただけじゃないの?とか(笑)
 まぁ個人的には67点ってとこかなー、なんて思いつつwww そうそう、最後、どこかの屋上で主人公の男(あの人チャオだよね?)と話している石原さとみの後姿が、妙に昭和の女優っぽく見えたのが「あぁゴジラだなぁ…」と思っちゃった「シンゴジラ」でした(笑)



 

 ゴジラ映画は、以前の80年代のゴジラや平成のゴジラのように「ゴジラは悪くないとダメ」とか、あと「ゴジラは最初のヤツが基本」みたいに、そういう風にコンセプトでガチガチに固めない方がいいような気がするんですよね。
 シンゴジラも含めて、80年代以降のゴジラ映画は、みんなどこか頭でっかちになっちゃってるような気がします。
 まぁ子供の目で見たゴジラと大人の目で見たゴジラが違うのは当然なわけで、そこはどうしようもないことなのかもしれないですけどねー。
 ただ、ゴジラ映画が続いてきたのは、もちろん最初の作品がヒットしたからであると同時に、2作目でアンギラスと闘ったからという考え方だってあると思うんですよね。
 そういう意味でも、いい加減、魅力あるキャラの新しい怪獣を出さなきゃダメでしょ!
 とにかく、ゴジラ映画がことごとくイマイチなのは、魅力的な新しい怪獣が出てこないことに尽きる!という気がします。
 原点に返るというともっともらしいですけど、新しいモノがつくれないだけじゃない?って気もしちゃう…、かな?(笑)



 11/19追記
 昨日の夜中、ふと思ったんですけど、「シンゴジラ」に足りなかったのは、「ミステリー」だったんじゃないのかなーと。
 大人が見るゴジラというコンセプトで庵野氏が「シンゴジラ」をつくったかはわからないですけど、もし「大人が見るゴジラ」なんだとしたら、その要素がなからイマイチ物足りなかったのかもしれないなーと思いましたね。
 ま、ゴジラ映画にミステリー要素があったかはともかく、昔の特撮はストーリーに必ず「ミステリー」があったと思うんです。
 あれは物語を楽しむDNAみたいになってるとこがあるんで、今度つくるとしたら(どーせ作るんでしょ?)、そういう要素をいれてほしいなー。



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2017
11.12

変な夢シリーズ、再び(三度?四度?もっとか?)


 今のトコじゃない、別のマンションに住んでいる。
 そこは、決して大きいくはないが、妙に小洒落たマンションで。
 屋上が住人たちのガーデニングや家庭菜園として開放されている。
 小洒落たマンションゆえか、住んでいる人もミョーの小洒落た人が多くて。おっしゃれ―な服の有閑マダムみたいな人が歩いてたりする。

 そんな、おっしゃれ―なマンションの住人たちの間で最近流行りなのは、なぜか蚕を飼うこと。
 なぜそんなもんが流行っているのかサッパリわからないが、休日ともなるとみんなして屋上で自分の買っている蚕を自慢し合っている。

 そんなわけで私も蚕を飼うことになるわけだが、飼い方を教えてくれる、その小洒落たマンションのおっしゃれーな住人(たぶん女性)によれば、エサは桑の葉ではなく絹を与えるのが流行りなんだとか(?)
 そんなわけで、家の中で絹製品を探していると、見つかったのは白い絹の紐。
 透明なケースに入った蚕にその白い絹の紐をたらしてやると、なるほど、蚕は頭をもたげてその紐をムシャムシャ食っている。

 そんな蚕を見ながら昼メシを食べているのだが、そこはいきなり小洒落たマンションの屋上から、オシャレっぽくて流行りっぽいんだけど、でもどこか安っぽいカフェテリアみたいな店にいる。
 窓の外には道をはさんで向かい側のビルが見えて、どうやらどこかのビルの2階か3階くらいにある店のよう。

 店内がオシャレっぽくて流行りっぽいんだけど、でもどこか安っぽいせいなのかなんなのか、その店、ランチといっても3つのメニューしかない。
 カレーと、あとはなんだったか?(夢なので憶えてない)
 ということで、「じゃぁカレーでいいや」と店員に頼んで。
 例の蚕がいる透明なケースをテーブルの脇によけて待っていると、早速カレーが運ばれてくる。
 向かいに座っている同僚…、マンションの屋上からカフェテリアみたいな店に変わるとともに、話している相手も小洒落たマンションのおっしゃれーな住人(たぶん女性)から同僚(らしい。たぶん男)に変わっていて。
 その男が頼んだのはカレーではない別のメニューで、どんなメニューかだったかは憶えていないが、温泉卵のようなものがついていて、あー、そっちの方が正解だったかも?なんて悔やんでいる。
 ちなみに、私が頼んだカレーは例の楕円形の皿にご飯とカレーがよそってあるだけ。他には何もついてない。

 その向かいに座った男と蚕の話をしていると、ふいに隣りからスプーンが伸びてきて、さっと私のカレーを一口食べちゃう。
 「何なんだよ!」とそっちを見ると、いつの間にか隣りに若い男が座っていて、「おいしそうだったもんで、つい」とか言って笑っている。
 見れば、カレーはすでに半分くらい食べられちゃっていたところで目が覚めた(笑)


 全然見たことも聞いたこともないマンションに住んでいるという設定と、そのマンションの住人の間で流行っている蚕を飼うということ。しかも、その蚕たちのもぞもぞした動きがやけにリアルで(笑)
 さらに、昼メシのカレーを食べていたら、横からそれを盗み食いしていたヤツがいたというところが、ミョーっ!に印象深い夢でしたね(笑)

 まぁ蚕は先週たまたまTVを見ていて出てきた(ただし1匹だけ)のを見た記憶があるんで。たぶん、その影響なんだろうなーと思うんですけど、全然知らない小洒落たマンションというのが、何でそんな設定になったんだろ?と全然わかりません(笑)
 あと、カレーを盗み食いされたこと!
 ざっと思いあたることもないんですけど、何か「損したー!」って気持ちがあるんでしょうか?

 あっ!もしかして、チョコモナカジャンボの年末ジャンボ宝くじが当たるかもキャンペーンに応募しようとしていたのに、気がついたら締め切りが過ぎちゃってたこと!?(爆)
 

 そんな11月も、もはや中旬だ(ヤバっ!)
 ついさっきまで暖かで窓を開けっぱなしにしてたんでけど、いつの間にかヒンヤリしていて。
 慌ててファンヒーターを点けました。
 もはや晩秋ですな。
 はっはっはっ。
 それでは助さん、格さん。そろそろ行きますかな。
 ♪うぃ~んちっち うぃ~んちっち ←水戸黄門のテーマ(笑)




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2017
11.11

根も葉もあるお話:17.11.11

 
 齢をとるというのは、カレンダーと意識がズレるということなのか、個人的にはいまだ10月上旬くらいの感覚なんですけど、気候はすっかり秋、それももはや晩秋の趣きがあるよなーなんて思っていたら、なんと!もぉ11月も中旬なんですね(笑)
 11月の中旬といえば、1ヶ月したら12月の中旬なわけで(当たり前)。
 とはいえ、12月の中旬といったら、もはや今年、終わりじゃん! えっ!?

 終わりって、個人的にはついこの間忘年会があった(ちなみに新年会はなかった)気がするわけで、なんだそら?って感じですけど、よくよく思い出してみれば、そういえば、春には桜も咲いてたし、いかにも初夏って日もあったなーなんて。
 ま、その後は季節が狂って、雨の降らない梅雨。さらに梅雨明け以降は雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨…ばかりでここに至ってるわけですけど、まぁなんと言うか(笑)
 いや。笑いごとじゃなくて、思えばあの事件って、あの雨ばっか降っていた夏に始まったってことなんだなーって。



 まだ高校に通っていた頃。
 中学時代、同じクラスだった友人が自殺をしたということがあった。
 聞けば、焼身自殺だったとかで…

 それから2、3年が経った頃だと記憶している。
 あるところから、地元のA病院に、おそらく「彼」ではないかと思われる幽霊が出るという話を聞いたのだ。
 その話によれば、「彼」の幽霊を見たと言うのは、一人はそのA病院に入院していた患者のBさん。もう一人はA病院の看護師のC子さん。
 どちらも、「彼」とは全く関係のない人。
 そして、死んでから2、3年後。
 いったいなぜなのか?
 意味のないと思われる時間、そして全く関係のない人……


 気づいた時、Bさんは何がなんだかわからなかった。
 見たことのない場所、見たことのない人たち。
 起き上がろうとしたのは無意識の行動だったのだろう。
「あ、じっとして寝ていてくださいね。」
 頭の上から、テキパキした女性の声がした。
 その声の主の方に視線を向けると、それは知らない中年の女性。
 でも、その女性が着ている白衣を見たことで、自分が病院にいて、しかも手当てを受けているということがわかって困惑した。
「Bさんは、クルマを運転していて事故に遭われたのです。
 憶えていますか?」
 その瞬間だった。Bさんが事故のことを思い出したのは。

 それは、踏み切りをわたり終えた直後。
 いきなり視界の右に入ってきた、クルマの姿。
 どこか遠くから聞こえる、鋭い急ブレーキの音。
 ドーン!
 その瞬間、意識は真っ暗。気づいた時は、もう今ここ。

 幸い、怪我はたいしたことはなかった。
 おそらく1週間もすれば退院できるという医者からの説明を、駆けつけてきた奥さんと一緒に聞かされた。
 動くと鈍痛がある首も、寝ている分には特に痛くもなかった。

 しかし、初めての交通事故、初めての入院ととにかく面食らうことばかり。保険会社の連絡や会社への連絡、さらには事故処理のことなどなど。
 ついさっきまで面会時間をオーバーして奥さんといろいろ話していたのだが、消灯になってやっと落ち着いてきた。

 ベッドのまわりにはカーテンがぐるりとひかれ、部屋の様子はよくわからない。
 でも、病室の天井には他の患者が見ているらしい、TVの光が明滅していた。
 同室のベッドはほぼ埋まっているのか、多数の人の気配がある。
 TVでお笑い番組でも見ているのだろうか?クスクス笑う声もする。
 明日、奥さんがきたら自分もTVを申し込もうなんて考えながら、今日は寝ることにした。

 ふと目を覚ました時は何時ころだったのか?
 さすがにもうみんな寝てしまったのか。天井に反射しているTVの光の明滅はもうなかった。
 そんな時だった。ガソリンの匂いを感じたのは。
 いや。というより、ガソリンの匂いで目を覚ましたといったほうが正しいのかもしれない。
「えっ、ガソリン!?」
 そうつぶやいた瞬間、体がぎゅっとしめつけられるような感じがした。
「!?」
 体がまったく動かない。
 金縛りだった。体がスゥーっと冷えていく。
「!!!」
 必死に体を動かそうとするのだが、指1本動かせない。
 汗がつぅーっとしたたるのが感じられる。
 怖い…
 今までに感じた事のないような恐怖の中、ふいに目の前に黒々としたなにか残骸のようなものが見えた。
 ベッドの周りにごつごつと転がっているそれは焼け焦げた何かのように見えた。
 不思議なのはベッドに仰向けに寝ているはずなのに、まるで起き上がっているかのようにその光景が見えること。
 もっとも、それを言ったら病院の大部屋のはずのこの場所に、ガソリンの匂いとこんな光景がひろがっていること自体が変なのだが。

 ガソリンの臭いがさらに強くなった。
 それとともに何かが焼け焦げている匂いもしてきた。
 やはり、ベッドの周りで黒くごつごつ転がっているものは、何かが焼けたあとなのか?
 体は相変わらず動かないが、ガソリン匂いと焼け焦げの匂いに吐きそうだった。
 それはいきなりだった。
 黒々とした焼け焦げの跡の光景が一際ハッキリ見えるようになったかと思うと。
 その真っ黒な中、一際黒い人のようなものが現れた。
「ひっ!」
 悲鳴をあげても声が出なかった。
 身動きどころか瞬きすらできず、ただただその黒い人のようなものを見つめるばかり。
 そんな恐怖に追い討ちをかけるように、その黒い人のようなものが近寄ってくる。
 さらに強くなっていく、ガソリンの匂いと焼け焦げの匂い。
 気のせいか、体が熱い。
 いや。気のせいじゃない。熱いのは、近づいてくるその黒い人のようなものがまだ燃え燻っているから。
 燃え燻ったその人はさらに近づいてきて、右手をこちらに――。
 Bさんが意識を保っていられたのはそこまでだった。


 その日、看護師のC子さんは夜勤だった。
 この病院はそれほど大きい病院ではないが、大きい病院でない分スタッフの数が少なく仕事に追われることが多かった。
 それは、そんな普通の日々の中のある夜のこと。
 その時はC子さん、巡回を終わらせて一息つきながら書類に目をとおしていた。

 仕事の疲れからか、目がしょぼしょぼする。
 「いけない。いけない」と顔を振って目を覚まそうとするのだが、瞼が重くなってくる。
 やがて、書類を見ている視線の先がぼやけてきて。
 いつしか椅子に腰掛けたまま、すーっと眠りに落ちていく。

 ヒヤ~リ。
 何かヒンヤリした空気を感じて目が覚めた。
 夜勤をしていたはずの自分が、一瞬今どこにいるかわからない。
 というのも、部屋が暗いのだ。
「えっ!どういうこと!?」
 ここは病院。停電だとしたら大変なこと。
 慌てて立ち上がろうとして、その時体がまったく動かないことに気がついた。
「か、金縛り!?」

 病院勤めは長いから、病院には付きものの怪談話はさんざん聞かされていた。なんか妙だなと思う体験をしたこともあった。
 しかし金縛りは初めて。まず、落ち着こうとしていて…
「え?なに、この匂い!?」
 それは、重い刺激臭。
「こ、これって、ガソリンの匂いじゃない…。
 何なの?いったい…。」
 その時だった。自分の身に起こってるそのことにやっと気づいたのは。

 か、体が宙に浮いてる……
 たぶん、1メートル位?
 椅子に座った姿勢のまま、体が浮いていた。
 爪先が、机に広げた書類の上を漂っているのが見えた。
「……。」
 ヒンヤリしていた空気が、かっと熱くなったのはその時だった。
 いや。熱いなんてもんじゃない。それは、まるで炎の傍にいるような熱さ。
 一際強くなるガソリンの重い匂い。
 なのに体は身動きひとつ出来ない。
「こ、怖い!だ、誰か…。」
 声にならない悲鳴。体を覆ってくる何かの恐怖。
 机の向こうに、ふっと現れた何か黒いもの。
 その途端、熱さはかっと強く、ガソリンの匂いが濃くなった。
 焼け焦げた残骸のようなものが机のむこうに点々と転がっているのが見える。
 その中心には真っ黒な人が立っていた。
「っ!」
 悲鳴を上げても声にならないもどかしさ。
 だんだんと近づいてくる、黒い人の姿。
 どんどん強くなっていく炎の熱さ、ガソリンの匂い。
 すぐ間近に炎を突きつけられているような熱さに顔を背けたいのに、それでも体は動かない。
 右手を上げ、こっちに向けて近寄ってくる黒い人の姿。
 一歩、二歩…。さらに一歩…
 しかし、それは次第にヨロヨロとした足取りになって…
 やがて、右手をこっちに向けたままそこに崩れていく。
「助けて…、助けて…、助けて…、……、……、……」
 
 ふとC子さんが我に返ると、そこはいつもの夜のナースステーション。
 なのにC子さんの耳には、あの黒い少年の「助けて…、助けて…」という悲痛なつぶやきが残って離れない。

 その後、C子さんがこのことを同僚に話した時。その黒い人影が若い男性、それも10代半ばから後半くらいのように感じたということから、それは2、3年前に焼身自殺をして運ばれてきた「彼」ではないかということになったらしい。


 以下は、怪談ではないのだが、まぁついで。
 この話は、中学時代の友人、つまり「彼」を直接知っている人には、2人にしか話したことはない。
 その2人の友人は、この黒い人影は「彼」ではないんじゃないかという感想を持っていた。
 その理由は、2人ともあの「彼」が「助けて、助けて」なんて言うかな?というものだった。
 というのも、「彼」は中学生の頃、わかりやすい言い方をしてしまうなら「番長」のような存在で、それこそ若い女性の先生なんかは名前を呼び捨てに出来ないくらいだったから。
 確かに、そんな中学校の頃の「彼」のイメージと、その「助けて、助けて」はどうしても結びつかない。

 話は変わるが、その話を聞いた何年か後に私自身、もうちょっとで自殺をしそうになったことがある。
 それは、「自殺をしようと思った」ではない。「自殺をしそうになった」だ。
 その時期は、あることで悩んでいて、何をしていてもそのことばかりが心の中を占めていた。今思い出しても辛い時期だった。
 そんなある日、駅のホームで電車を待っていた時だった。
 その時も、その悩みのことばかり考えていたと思う。
 ただ、その悩みで前途を悲観したとか、絶望していたとか。ましてや、死んで楽になろうなんてことは一切考えていなかった。
 それは間違いない。

 それが起こったのは、電車がやってくる音が聞こえてきて。視界の端に、小さく電車の先頭が見えた時だった。
 いきなり、自分の足が、つつつつ…っと勝手に歩き出した。
 ホームの端に向かって。
 いや。その瞬間、私はそのことにまったく気づいてなかった。
 プワーン !
 そのことに気づいたのは、間近で鳴ったその大きな警笛を聞いた時だったと思う。
 我に返った私のすぐ目の前を電車が次々と通り過ぎていく。
 その光景を見ていたら、思わずゾーっとして。その場に座り込みこそしなかったが、とてもじゃないけどその電車に乗り込める気持ちではなかった。
 とりあえずベンチに座ることにしたのだが、怖くなったのはむしろそれからだったように思う。
 というのも、落ち着いてくるにしたがって、体がガタガタと震えだしたから。
 戦慄。
 それは戦慄という言葉につきた。

 人というのは、どうやら心がある状態の時、発作的に無意識に自殺を選んでしまうのではないだろうか。
 その自分だけの体験で言っているわけではない。
 大学の友人が首を吊った時の経緯も、詳しく聞いていくと、どうもまさにそんな感じなのだ。
 ある日、親子で進路のことで大ゲンカをして。
 お互いさんざん言い合った結果、彼も親もお互い意見の一致をみたはずなのに。その後、親が買い物から帰ってくると、部屋で彼は死んでいたらしい。
 それ以外にも、ある駅での飛び込み自殺を目撃した人の話だと、ホームの真ん中をこっちに向かって真っすぐ歩いていた人がいきなり直角に曲がって、後ろから来た電車に飛び込んでいったとか…。

 そんな人たちは死の瞬間、いったい何を思うのだろう?
 それは、ふと気づいたら自分が死んでいくことを自覚するという恐怖から逃れたくて叫ぶ、「助けて、助けて」ではないだろうか。

 日頃、「死にたい」と言ったり考えたりしている人は実際には死んだりしないものらしいが、確かにそれはそうだろう。
 それは、たぶん「死にたい」と言ったり、思ったりしているうちはちゃんと正気を保っているからだと思うのだ。
 でも、そうやって「死にたい」「死にたい」と死への恐怖というストレスに身をさらしていると、その人は死から無防備になっていって。やがて、何かのタイミングで自分が気づかぬまま死にさらわれてしまうことになる。
 そのあまりの恐ろしさに正気を取り戻した人はそのことに気づく。
 ずっと生きていたいからこそ、「死にたい」と思ったり言ったりしていたんだと。



                         ―― 『助けて…、助けて…』〈了〉

注!無断転載禁止
  断りなく転載されるのは非常に不愉快です。やめてください
  ブログの記事は全て「著作物」であり、著作権法の対象です
       ↑
   ちょっと剣呑で、ゴメン(^^;)

注!「自殺」とか「死にたい」とか書いてあるのは、あくまでお話の都合ですからね。
  ホントに死んじゃいたいなんて思ってる人はこんな悠長なこと、しかも怪談なんてヒマなことやりませんから。



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2017
11.05

350円は考えちゃう

 アゾマンの古本、いつの間にか配送・手数料が350円になっちゃったみたいで。
 ま、正しくは350円から、店によっていろいろな値段になったみたいなんですけど、でも、257円と表示されている店でもカートに入れると価格が上がったりするみたいですね。

 しかしまぁケチクサイ話ではありますけど、配送・手数料が350円となると今までのように気軽に買えなくなっちゃいますね。
 今までだと、例えば上下巻でそれぞれ1円だったとして、配送・手数料がそれプラス257円×2で計516円と、ワンコイン+少々だったものが702円ですもんね。
 なんか、思わず、うわっ!高っ!って(笑)

 見ると出品されている古本の値段も全般に上がってるようで。
 うわー、ちょっと考えちゃうなーって感じで。
 実際、金曜日は買うの、とりあえずやめちゃいました(笑)

 とはいえ、今まで気軽に買いすぎていて、積読本が増える一方だったんで。
 そういう意味ではむしろいいのかなぁ…。
 ていうか、これを機に(というのも変だけど)社会全般の給与や雇用が増えて、みんな普通に新品を街の本屋で買うという流れになったらいいですよね。

 とか言って、配送・手数料350円は高いぃぃーっ!と。
 なんか、不思議とちょっと気が重いここ何日かです。 ←平和すぎ(笑)


 今週は、先週の日曜2週連続の台風がやっと行っちゃって。やっといい天気続きになって。
 ニュースは週末のトンプラさんの来日一色だなーなんて思ってたら、ビックリだったのが例の座間の事件でした。

 いや。最初は、一体どういう事件なんだろう?と、あまりいい言い方じゃないですけど興味津々だったんです。
 ただ、わからないながらもいろいろ報道されているのを聞く限り、約2ヶ月間で9人を次々殺したという異常性はともかく。その動機やそれが起こる過程はあんがい陳腐な事件なんじゃないかなーという気もしてきましたね。

 思うに、あれは時々発生する、“人を殺して死刑になりたい人”が起こす事件にすぎないんじゃないですかねー。
 「サイコパス」とか言ってる専門家(?)もいるみたいですけどね。
 ま、これはあくまで素人の想像ですけど、ごくごく普通の人だけど、厭世観に捕らわれた死にたい人が、ネットの作用もあって、たまたま一人殺しちゃって。
 そのことで問い詰められたものだから、怖くなってまた殺しちゃう。
 そのことで厭世観がさらに強まっていく中、一緒に死ぬ人を探しつつ、でも、いざその場面になると死ぬのが怖くなって。その結果、相手だけ殺しちゃう。
 その延々繰り返しだったんじゃないのかなぁ…。
 いやもぉ変な話、犯人は捕まってホッとしてるんじゃないんでしょうか。

 まーねー。人なんて、相手が騙そうと思ってたらどんな人だって騙されちゃうわけですけどねー。
 それにしたって、何だかなぁ…という印象の方が今は強いかな?


 で、まぁ話は変わりますけど、昨日の土曜は暑かったですねー。
 確か、前も3日ほど季節外れの暑さが続いた後、秋雨前線が発生して。 長雨の果てに台風上陸。しかも2週連続なんてことになったわけですけど、今度は大丈夫なんですかね?
 ま、今日は昨日よりずいぶん気温が下がってきたようですけどね。
 ていうか、今は結構冷えてきた

 なんでも、静岡辺りでは「富士山が冠雪すると台風はもう上陸しない」とか言うらしいんですけど。
 うん。確かにそれって考えてみれば納得!なんですけど、でも、今朝のニュース見てたら、富士山の雪、全部溶けちゃってたけど!?

 と、な~んか、いまだ油断できない11月の始まり(笑)



 
  って、11月っていったら、今年もあと2カ月で終わりじゃん! ゲッ! ウソっ!
     なんて、相変わらずバカでいられるのも生きていればこそってことさ(^^;


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2017
11.04

根も葉もあるお話:17.11.4 -下


「うん。こんなもんだろ。」
「ウチはケーキ屋なんだからさー。
 お客さんがケーキ買って店を出ようとした途端、ドアがドーン。
 ケーキがバシャーンじゃさ。すみませんじゃすまないでしょ、もぉー。」
「俺だって、そんなことわかってらい。
 しっかし。なんでこんなに強くしちゃったんだろ?
 ま、最近は変なのもうろついてるしな。無意識にやっちゃったってことなんだろうな…。」

 それは、あのスラーっとおしゃれな若いお母さんとその子供が帰ったすぐ後の店の入り口。
 珍しく奥から出てきた店主が、首を傾げながらドアのバネを調整している横で。ブツクサ文句を言っているのは、店の奥さん。
「P美さんもさー、こういうことは気がついたらすぐ言ってよぉ。
 もぉさ。お客さんのこと、バッチャーンなんて挟んじゃってからじゃ遅いんだから。」
「すみません。お店の休みの後、
 なーんかドア閉まるの早くなったかもって思ってはいたんですけどねー。」
「まぁね、幸いBさんの奥さんだったから…。
 びっくりくらいで済んでよかったけどね。」
「あ、あの方。あの方って、よく来るお客さんだったんですか?」
「あら。P美さんは初めてだった?
 たしか、この前の通りずっと行ったとこに住んでてね。
 ちょくちょく来るのよ。あのA太ちゃんと2人でね。フフ…。
 しかしあのBさんの奥さんって、子供生んでもぉずいぶんだけど、
 全然変わんないわねぇ…。」
「そうそう。なんだかモデルみたいな人ですよね。
 それと、あの子。あの子もかわいいですよねー。
 ドアの音にびっくりしちゃって。もぉ目ぇ丸くしてお母さん見上げてて。
 なーんか、思わず笑っちゃいそうになっちゃいました。」
 まぁそんな。ちょっとかわいい後味の出来事があったせいなのだろう。
 P美さん、その日視界の端に感じた些細な違和感のことは、その時は忘れてしまった。


「あ、また…」
 それは、まったくあの時と同じ。目の一番外側、視界のギリギリのところで感じられる違和感。
 いや、その頃には、それは明らかに誰かが見ていると、P美さんは感じられてしかたなかった。
 でも、誰かにって誰が?
 P美さん、もしかして店のすぐ外じゃなく、道の向こう側の店からかと、手が空いている時なんかに、向かいの店を見回してみた。
 でも、いくら見ても、何度見ても、そんな雰囲気はどこにもない。
 結局…。
 そのたんび、「うーん…」って首を傾げるくらいしか出来なかった。

 もしかして、ストーカーかなんかなんじゃないか?みたいに考えても不思議じゃなかったんだろうけど。
 でも、その時のP美さんっていうのは、明日が見えない不安で心がぼろぼろになっていたのが、やっと修復出来てきたような時期だったから。
 ま、それがいいことだったのか、悪いことだったのかはなんともわからないが、P美さん、とにかくそういう風には気が回らなかった。

 ただ…
 人間の五感の機能というのは、日々そういうことが頻発して起きていると研ぎ澄まされてくるものなのか。それとも、たんにそのことに慣れてくることで、それなりに考えて対応が出来るようになるものなのか。
 その時っていうのはP美さん、ケーキのガラスショーケースに背を向けて紙ナプキンを折っていた。
 そんな時、右の目の端の、やっぱりギリギリの所に入ってきた、あの感覚。
 あ、きた…。
 いつもならその刹那、キッとばかりにそっちに視線を走らせていたんだけれど。
 P美さん、その時はふっと。そうだ。これって、そのまま放っておいたらどうなんだろう?と思った。
 そんな、今すぐにでも振り返りたい気持ちと、ドキンドキン鳴っている心臓を懸命に押さえつつ、背中に全神経を集中していると…。
 それは、一瞬スーッと強くP美さんの背中を上から下に。
 脇から肌をスーッと流れる触感に全身が粟立った、その直後。
 …!?
 それは、あの違和感がすぅぅーっと消えていくような…、そんな感覚。
 うん?いや…
 あー、ある。
 その違和感みたいな感覚は、まだ確かにあった。
 そう。いつものようにサッと視線を走らせれば、それは完全に感じれなくなってしまうはずなのに…。
 今も、かすかながらに、まだ確かに感じられる。

 カタカタと鳴っているかすかな音に、ふと目を落とせば。
 それは、折りかけの紙ナプキンの上で小刻みに震えている、自分の両手の指。
 その間も続いている、あの視線のような違和感。
 うん…、見てる…
 今も…
 でも、わたしのことじゃない…
 と、思う…、んだけど…。

 その感じは、冬の夜に。換気のために窓をわずかに開けて、そのまんま閉め忘れちゃっていて。
 すーっと入ってくる冷たい空気の流れに気がついて、ゾクっときて。やっと窓の開けっ放しに気がついたみたいな、そんな感じ。
 そう。それをそのまんまにしていたら、せっかく暖まった部屋が冷え切ってしまう。
 ソレをそのまま放っておくのは、そこが限界だった。
 何より、悲鳴が…、今にもワーっって出ちゃいそうで。
 せーのせっ!って、一気に振り返れば。
 そこは、ドアのすぐ横のガラス窓の向こう。
 狙うように一気にそこに走らせた、視線の先……


 うん。わたし…。
 それってさ、どうやってみてもね、うまい言葉に出来ないのよ…。
 だってさ、そのことって気持ち悪いことなの。
 でもね。わたし、その時ってそこ(バイト)を辞めるわけにはいかなかったのよ。
 それはわかるでしょ?
 経済的にもさ。そして、それと同じくらい精神的にもね。
 そこ辞めちゃったら、またあんなへたり込みたくなるくらい怖い夜を過ごさなきゃならないんだもん。
 だからね、そのことって無視しよって…。
 だってさ、ソレってさ、気持ち悪かったとしてもね。違和感みたいなのを感じて、すぐにそっちを見ればなくなっちゃう、そんな程度のものなんだもん。
 そんな風にね。そのことは、心の奥に無理やり押し込めちゃおうって。
 忘れちゃおうって…。

 もちろんね。ホントのホントに気持ち悪いのよ。
 あの時、一気に振り返ったそこにほんの一瞬見えていた、人の姿みたいな形の空白なんてさ…
 そんなモノ見ちゃったら、気持ち悪いに決まってるでしょ。
 まるでさ、そのガラスの向こうでさ、今の今までソレが立っていて、店の中をじーっと覗いてたのがさ。
 わたしが振り返った途端、そんな風にパッと消えちゃって。
 で、そんな人の形の残像みたいな空白だけが一瞬見えたなんて、気持ち悪い以外なにものでもないじゃない。

 でもね。ホント何度も言うようだけどさ。
 夜、布団に入る前にさ、必ず「もし夜中に目が覚めちゃったら、その時は絶対起きて水を飲みに行くんだからね。行かなきゃ絶対ダメなんだから。行かなかったら、わたし、死んじゃうんだから…。」なんて言いきかせてから寝るような毎日よりは全然マシだったの……

 そういえばね。
 学生の頃に、中学の友だちのお葬式に行ったことがあるの。
 うん。彼女も自殺だった…
 そりゃびっくりしたわよ。
 でもね、わたしも他のみんなも、悲しいって気持ちは不思議なくらいなかった。
 中学の時の友だちみんなで、お葬式に行ってね。
 みんな、とりあえずはしおらしい顔をしてお焼香したらさ。後はもぉ完全に同窓会になってた。それも、彼女の部屋で…

 ううん。それがいいとか悪いとかって言ってるんじゃないの。
 あの時って、誰もが来年の1月になったら成人式ってそんな頃だもん。
 死ぬなんてこと、たとえ昔の友だちが本当に死んじゃったとしても、全然実感として迫ってこないのよ。
 今だってそんなものだと思うよ。
 だって。わたしだって、みんなだってさ、自分で自分の人生を生きてんだもん、しょうがないじゃない?
 だってさ。それこそがさ、生きている人と死んじゃった人の違うとこでしょ。

 でもね。確かにそうなんだけどさ。
 それってさ、わたし達が生きている側だから、そう言えちゃうんだろうなーとも思うの。
 ていうか…、わたしが思いたいだけなのかもしれないけどね。
 それこそね、死んじゃった本人からしたらさ…。
 うん。まぁね、死んじゃったら、そんなこと関係ないんだろうけどね。
 それが…、つまり、死ぬってことなんだろうしね。
 でも、その人の存在や、その人が生きていた時の気持ちや思いまで、生きてる人たちの勝手にされちゃう…
 死ぬってさ、つまりそういうことなんだよね。


 そんな、違和感に付き纏われる毎日だったけれど。
 でも、P美さんにとって、そのことがあって当り前のこととして考えちゃうならば…、そう。ソレに気がついてハッとして。パッとそっちを振り返れば、ソレは消えてなくなってしまうわけで。
 ソレなんて、所詮そんな程度…と思うならば、特にどうというほどのものでもない。
 そう。そう割り切ってしまえるならば、そんな程度の些細なストレス、誰しも日々普通にあるわけで…。

 そんな日々を過ごす中、なんだか思い出したみたいに決まったP美さんの就職。
 ま、人間なんてものは、つまり犬も歩けば棒に当たるってことか、それとも急がば回れってことなのか?
 つまりはまぁもがいてでも何かしら動いていれば、人の運なんてものはそれなりに…、あるいは、いくらだってひらけてくるってことなのだろう。
 とはいえ。その時のP美さんにとっては、そのケーキ屋さんでのバイトは楽しかっただけに、辞めるのは寂しかったし。また、自分の人生ってものを救ってもらったみたいな思いもあるだけに、うしろめたい気持ちもあった。
 でも、P美さんにとっての自分の人生というものがある以上、安定した生活というそれには代えられなかったのだ。


 そして、P美さんがそのケーキ屋さんで働いた最後の日。
 それは、お店を閉めた後で、店主と奥さんがP美さんのために店の奥のキッチンスペースで開いてくれたささやかな──でもケーキだけは豪華な──送別会。

「ほら。これはよ、P美さんのために特別作ったんだぜー。」
「わっ。すっごい!
 えー、ありがとうございまーす。」
「P美さん。ウチのケーキを食べること出来るのは、これが最後なんだからねー。
 よく味わって食べてよー。ケラケラ…。」
「そんな…。
 お給料もらったら、真っ先に買いにきますってー。絶対!毎月!」
「あら、今度はお客さま?
 なーんか、シャクにさわるわねー。」
「もぉー。フフフ…。」
「そんなことよりよ、P美さん。
 それ、早く食ってみてくんねーかな。
 実はよ。それ、ウチの新商品として出そうかって思っててよ。
 若い子の感想が聞きてぇんだよな。
 ほら…。オレとこれじゃぁ…。な、わかんだろ?」
「もぉっ。だから、そんなこと言っちゃったらP美さんだって、
 正直なこと言いにくくなっちゃうじゃない。ねぇ。
 でさ、どぉ?どうなのよ?早く言ってよ、もぉっ!」
「ちょ、ちょっと待ってくださいって。今、食べますから…。
 でも、なんていったってケーキですからね。
 まずは、見た目ですよねー。うーん…。」

 それは、3人が店の奥で、そんなお互いの暖かい気持ちをそんな風に楽しく味わっていた時だった。
 ガタン!ガターン!
 ガタガタ。ガタガタ。ガターン!
 ドアがいきなり激しく鳴ったと思ったら。
 バン、バン、バン!バン、バン、バン!
 つづいて聞こえてきた、たぶん、店の表のガラスを叩く激しい音。
「きゃっ!」
「わっ!」
「っ!」
 P美さんたち奥にいた3人は、それぞれに声をあげたり、息を呑んだり。
 でも、それはそれだけ。
 まるで、欲しいものが手に入らなくて駄々をこねる子供が、地団太を踏むように騒ぎたいだけ騒いで飽きちゃったみたいに。ふいに静まったその音。
「……。」
「……。」
「……。」
 音がしなくなっても…。3人とも、誰もがお互いの顔を見合わせているばかりで全然動けない。
 どのくらいそうしていたのか…

「か、風…。風が出たみたいですねぇー。」
 最初に口を開いたのはP美さんだった。
 でも、その口調は今だ動揺を隠し切れてない。
 音がした、背後の店内の方を振り返りたいんだけど、その顔はわずかに動いただけ。それ以上はどうしても振り返れない。
 目だけが忙しく、わずかに振り返った側の視界の端と目の前に座る2人の顔を行ったり来たり。

 その時の店主と奥さんが座ってた位置は、店内からは完全に陰になったところ。そんなところに座る店主が、ふっと口を開いた。
「まったく…。変なタイミングでお客さんが来ちまったもんだな。
 失敗したぜ。シャッター…、さっさと閉めちまえばよかった。」
 店主のその「お客さんが来た」って言葉は、P美さんの体を思わず体が反応させてしまったのだろう。
「お、お客さん!?
 あ、お客さんですか…。」
 そう言って、P美さんはイスから立ち上がりかけた。
「P美さんっ、座って!座ってってば!」
「えっ?」
 立ち上がりつつ、背後の店内の方を振り返りかけたP美さんの顔は。でも、それは奥さんの怒ったような声に引き戻された。
「座って…。
 うん。そぉ。座ってればいいから…、ね。
 だってさ、おかしなもん、わざわざ見ることもないでしょ?」
 見れば、店の奥さんは、なんだか泣き笑いでもしているような顔をしている。
 そう。音はもぉそれっきり。今はなにも聞こえない。

「P美さんさ…。」
「はい…。」
「あたし、ずっともしかしてそうかな?って思ってたけど…。」
「…!?」
「そっかー。やっぱり気づいたのよね。」
「うん…。そりゃそうだろう。
 一日中ほとんど奥にいた俺たちですら、気づいてたんだから…。」
「え、なに?え…。」
「あれ…、まだ若い女の子よね。たぶん、P美さんくらいの…。」
「みたいだよな…。」
「えぇっ…。ちょ、ちょっと…、えぇっ!?
 わたしくらいって…、それって、どういう──。」
「まぁ俺なんかからするとよ。
 毎日していることだから、ケーキ屋なんて地味ぃな商売だって思うんだけどな。
 でも、傍から見たらやっぱり華やかに見えるのかなぁ…。
 まぁそうか…。
 お客さんが見たくて見てるのは、あくまでケーキであってよ。
 別に俺の仕事っぷりを見たいわけじゃないもんな…。」
「P美さんね。人の往来の多い所で、こういう仕事をしているとね。
 こういうことってさ、時々あるもんなのよぉー。
 そう…。前は、確か中年の女の人だったよねぇ。」
「あぁ…、あの女か…。
 あの女は長かったよなぁ…。」
「外から見るとさ、なんかこぉパーって華やかに見えるから…。
 ついつい、覗いちゃうんだろうねぇ。
 なんかさ…、人間ってさ…。
 うん。なーんか哀しいよね。
 生きていても、死んでからも、さ……」


 ホントのこと言うとね。
 あの時、店主さんと店の奥さんが言ってたことって、わたし、よくわからないのよ。
 ううん。というより全然わからない!
 だってさ。ああいう風に何十年って夫婦2人だけで、ずーっと仕事してたらさ。あの2人だけが常識っていう、そんな世界があるわけでしょ。

 あのね。わたしさ。ホントのこと言うと、怪談とかって全然好きじゃないのよ。
 ていうかさ、わかんないって言ったらいいのかな。
 怪談が面白いとか、楽しいってさ。わたし、全然わかんないのよ。
 だって、そういう怪談で起こった事っていうのはさ、死ぬしかなかった人の思いじゃない?
 よく思うのよ。幽霊とか霊とかって言っちゃえば、生きている人とは全然違うもののようになっちゃうけどさ。
 でも、それって、あの頃のわたしと何が違うんだろうって…

 そういえばね。
 店主さんと店の奥さんがわたしの送別会開いてくれた時。
 そう。奥さんが、「あれ、まだ若い女の子よね。たぶんP美さんくらいの…」って言っているのを聞いた時…
 それを聞いた時ね。わたし…
 あ、わたしは、もぉここには来ない方がいいんだな…。来ちゃいけないんだなって…
 ふっと、そう思ったの。

 なんだかね。わたし…、自分のことを言われてるような気がしちゃったのよ。
 だってさ、わたしもそうだったの。
 あの、貯金がなくなりかけてるのに、仕事探しもどうにもならないって時…
 やっぱりさ、そんな風にさ。なんの用もないのに、そう…、お金なんて、これっぽっちだってないんだもん。用なんてあるわけないのにさ。わたし、ずっと、あんな風に街のいろんなお店を覗いてたのよ…
 うん。
 同じだったの…
 同じだったのよ。あの店の中を覗いていた人と。
 わたしもね、やっぱりお店の中には入れなかったの……

 あ、ゴメンね。
 わたしみたいに一度死んじゃうとさ…。フフ…。
 でもさ。生きていてもそんな風で、死んでからもそんな風なんてさ…
 そんなの、やってらんないじゃない!

 あ…、ゴメン。
 そんなこと、生きてる人にはわかんないよね。


                  ―― 『根も葉もあるお話:17.11.4 -下』〈了〉

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2017
11.03

根も葉もあるお話:17.11.3 -上

 
 現在は、ある会社で事務の仕事をしているP美さん。
 でも、その会社で働く前のほんの一時期、その頃住んでいた下町のとあるケーキ屋さんでバイトをしていたことがあったんだとか。

 それは、P美さんが前の会社を辞めて。仕事先を探さなきゃと思いつつも、ついズルズルと先延ばしにしていた、そんな頃。
 ある時、ふとこのままいったら貯金も底をつくと、P美さんは慌てて仕事探しを始めた。
 でも、人生なんて、そうそう都合よくはいかないもの。
 仕事の方は全然決まらない。なのに、貯金の残額の方はどんどん少なくなっていく。そんな状況の中、P美さんはこのままだと本当にヤバいことになると、とりあえずバイトをしようと思いたった。
 もちろん、仕事探しは続ける気だったから。それなら事務仕事みたいな、前まで働いていたような会社でのバイトの方がよかったんだろう。
 でも、P美さん、今になって思うには、それはとにかく自分の日常にパぁーっとした何かが欲しかったからだったんだろうなぁ…と。


 女性だったら、幼い頃に将来何になりたい?って聞かれて。
 「ケーキ屋さん」とか「お花屋さん」って答えた憶えのある人は多いって思うんだけど…とP美さん。

 今だったらさ、その気持ちってたんに「かわいい」って言葉だけで表しちゃいがちだけどさ。
 でもね、それっていうのはさ。たぶん、ケーキ屋さんだったり、お花屋さんだったりの…。そう、たんに華やかさっていうのとはまた微妙に違う、何とも言えないあのパぁーっとした何かへの憧れ? それに、自分が少しでも近づきたい…みたいな感じっていうのかなー。
 とにかくね。あんな、いつ貯金が尽きるかもしれない、でも仕事探しもままならないみたいなさ。来る日も来る日も、日々日常がそんな不安に追いかけられているような毎日だとね。夜中、ふっと目が覚めた時っていうのが一番怖いの…
 そういう時ってね。自分のこれからってもんが悲観的なもの、絶望的なものにしか考えられないものなのよ。
 もぉね。それはホント、今思い出してもゾッとするくらい…。
 あぁ。もぉ死んじゃうしかないんだろうなぁ…みたいなさ。
 そんな思いに取り憑かれちゃってさ……

 どうやったら楽に死ねるかな?
 電車に飛び込むのがいいのかなぁ…
 でも、それじゃぁ電車止めちゃうから、毎日真面目に仕事にいってる人たちに迷惑かけちゃうよね。
 じゃぁ、どっか高いとこから飛び降りるのは?
 この近くだったら、あぁあそこ。あのマンションかなぁ…
 高いし、裏通りから非常階段まですぐ行けそうだし…
 あー、でもなぁ…。
 それって、あのマンションに住んでる人は堪ったもんじゃないよなぁ…

 やっぱり、どこかで首吊るのが一番いいのかな…
 紐はさ…
 あ、ベルトかなんかでもいいのか……
 なんてさ。部屋の中を何気に見ると、真っ暗だっていうのに、なぜかかけてあるベルトが見えてくるのよ。
 うん。あの頃はわたし、ホントそんなだった。
 毎晩……

 そんな風にね。どんどん、どんどんさ。深いとこ、深いとこに落ちってちゃうの…
 もちろんね。そんな、電車に飛び込んだら迷惑かかるとか、そんなこと考えられるうちは自殺なんてしないんだとは思うの。
 でもね、だからこそなのよ。
 自分に死にたくないっていう正気が残っているからこそ、そんなことをずっと考えていることに自分に気がついちゃうのが堪らなく怖いの。

 ううん。そんな時はね。それこそ、自分を布団からパって起こしてやってね。
 とりあえず冷たい水でも飲んでさ。あと、ちょっとでいいから…、うん。それは、ホントなんでもいいの。なんか、ちょっと体を動かしてやれば、「こんな自分だって、今を頑張ればまだまだ道はあるって!」って気持ちが湧いてくるもんなのよ。
 うん。あれはホント不思議。
 動物って言うけどさ。まさに人間も動物で、動かないと変な考えに捕らわれちゃうってことなだなーって思った。

 眠ってる時ってさ、誰だって無防備じゃない。
 それはさ、たぶん目が覚めた直後も同じなんじゃないかって思うの。
 そんな無防備な時にさ、不安しか感じられてない毎日のことなんかを真っ先に思い出しちゃったらさ。誰だって「もぉいいや…」ってなっちゃうんだと思うのよ。
 うん。だから、わたし…、あの頃はね。布団に入る前にさ、「もし夜中に目が覚めちゃったら、その時は絶対起きて水を飲みに行くんだからね。絶対、行かなきゃダメなんだからね。」って自分に言い聞かせてから寝るようにしてた。
 ううん。ホントよ。ホントにそんな風に口に出して言ってた…

 でもね。
 人ってさ、なかなか布団から出られないのよ…
 でも、出られないとね、布団の中で心だけがどんどんどんどん落ちてっちゃうの…
 わたし、そのたんびホント怖い思いしてさ。
 なんとか、やっと起きて水飲んだ後はね。髪なんかさ、もぉ洗った後みたいにびっしょり濡れてるの…
 ねぇわかる?
 それが、どんなに怖いか……

 こんなこと、言っていいのかどうかわかんないんだけどね。
 ほら、毎朝会社に行くのに電車使ってるとさ。たまぁに人身事故ってことで電車が遅れてたりすることがあるじゃない。
 あれがあると、いつも思うの。
 心がそこまで落ちちゃう前に、布団から出さえすれば…
 えい!ってさ。とにかくなんとか布団から出てさ。冷たい水飲んでさ。
 あと、なんかちょっと体を動かしてさえやれば…って。
 たったそれだけのことなのよ。たったそれだけのことで、その人だって、絶対まだまだ全然頑張れてたはすなのよ。


 そう。ケーキ屋さんよね。
 とにかくさ。ああいうものってさ、目の前にあるだけで違うじゃない。
 気持ちがさ、いい方向に変わってくるのよ。ふふふっ。
 うん。自分自身変わるのもあるんだけどさ。それもあるんだけど、ほら、ケーキ屋さんに来てるお客さんだって、みんな楽しそうじゃない?
 いろんなケーキの中から、どれがいいかなって選ぶだけで楽しいしさ。
 あと、誰かと食べたり、人にあげたりするんだったら、その時のことを想像したり、相手のことを思い浮かべたりしたらさ、もっと楽しいじゃない。
 そういう人を見てるとさ、こっちまで楽しい気持ちになるものなのよ。

 そう、だからさ。いかにもケーキ屋さんなんてほとんど入ったことないって感じの男の子がオドオドと店に入ってきてさ。
 「友だちの女の子の誕生日なんですけど、どんなのがいいでしょう?」なんて相談されちゃったりとかね。ふふっ。
 友だちの女の子なんて言ってるけどさ、それって絶対彼女じゃない?
 それも、たぶん付き合って間もない…。
 それってさ。それこそ、一番ウキウキワクワク、あとドキドキもしてる頃じゃない。
 ね。だからさ、なんだかさ。わたしまでね、ワクワクドキドキしてきちゃうのよ。
 うん。だから、わたし、あのケーキ屋さんでバイトしたことで、ホント気持ちが救われたの…
 それこそね。もしかしたら、あの時あのケーキ屋さんでバイトさせてもらったからこそ、わたしは現在ここにいられるのかもしれないって…
 でもさ。でも……



 そのケーキ屋さんがあったのは、東京の下町を走る私鉄の、とある高架の駅の下をくぐるように伸びる狭くてごちゃごちゃした商店街の中ほど。
 そこは、下町らしい細くて、緩くうねった通り。
 小っちゃな店がごちゃごちゃと並んでいる商店街だけに、当然その店もそんな大きな店ではなくて。それでも、全面ガラス張りで。店の中にあるショーケースに並ぶケーキやその他お菓子が外からでもよく見える、オープンな雰囲気の明るいお店だった。
 店の中から見て、右側にはこげ茶色の木の枠の上下にガラスがはまったドアがあって。ドアの左側は、外から中を見るのに邪魔にならない高さに、様々なディスプレイをするやっぱりこげ茶色の棚。
 その棚は、店の左側の焼き菓子等を並べてある、幅の狭い3段の棚にそのままつながっていた。
 ケーキを並べてあるガラス張りの保冷ショーケースは、その焼き菓子等を並べてある3段の棚が終わったところから、Lの字の形に奥に長く伸びていた。
 ケーキが並んでいるL字型のガラス張りのショーケースの内側は、さらに奥のケーキやお菓子をつくるキッチンスペースへとつながっていて。
 そこは、丸見えってわけではないものの。それこそ外からでも見ようと思えば、それとなく見えるような造りになっていた。
 そんなウナギの寝床みたいなケーキ屋さんでのP美さんが任された仕事はお客さんの応対だった。

 見た目、50代後半から60代前半くらいの店主と、やはり同じくらいの奥さんは、入ったばかりのP美さんにちょっと心配顔で。だからなのだろう。やたら忙しく、キッチンスペースと店内を行ったり来たりしていた。
 でも、P美さんが慣れてからは、2人とも店内は任せっぱなしで、奥でケーキやお菓子作りに没頭していることが多くなった。
 といっても、ま、そこはなんといっても街のケーキ屋さん。
 まぁクリスマス前とかでもあれば、また全然違うんだろうが、それこそP美さんだけではお客を対応しきれないほどお客さんが並ぶなんてことはほとんどなかった。
 でも味はいいし。お店の雰囲気もよいこともあり、お店のファンも多いのか、日々それなりにお客は来ていた。
 

 そもそも店の全面をガラス張りにして、外からお店の中の様子がよくわかるようにしてあるせいか──それともケーキという誰でもワクワクする商品を扱っているお店のせいか──歩きながら中をそれとなく覗いていく人は多かった。
 P美さん、それこそバイトを始めたばかりの頃は、道行く人たちからの視線にちょっとドギマギしてしまったくらい。
 でも、店の奥さんはそのことはすぐにわかったのだろう。
 なにかの作業をしている時、すっと感じられたその視線の触感に、P美さんがハッとした顔をしていると。
「大丈夫よー。P美さんがいっくら美人でも、ウチのケーキには敵わないからぁー。」
 奥さんは、ケラケラ笑いながらそう言っていて。
 とはいえ、P美さん。奥さんのその言葉の意味がいまひとつわからないでいると。
「あたしもね、この店始めたばかりの頃は
 外を歩いている人の視線が気になっちゃってしょうがなかったのよ。
 ほら、その頃はあたしもまだ若くてキレイだったからさ…。」
「…………。」
 今度は、奥さんにどう答えていいかわからないP美さん。
 でも、その瞬間。
「ケラケラケラ…。
 いやぁーねー。P美さんって正直で。失礼しちゃうわ、ふん!フフ…。」
「いえ、そんな意味じゃ…。」
 そんな慌て顔のP美さんに、ちょっとイタズラっぽい目をした店の奥さん。
「ね、P美さん。ちょっと外に出てさ。歩きながら店の中を見てみてよ。
 あたしは、ここ(ショーケースの内側)にいるからさ。」
「はい?」
「いいから。外に行って、中を見てみなさいって。フフフ…。」

 ワケがわからないながらも、なんだか追い立てられるように、外に出たP美さん。
 でも、中を見たら。すぐに店の奥さんの言っていたことを理解した。
 つまり。外からガラス越しに店の中を見ると、ガラス張りのショーケースに並ぶケーキはよく見えるのに、その内側に立っている奥さんは人影としか見えなかったのだ。

 P美さんがそのことに感心しながら店の中に入ると、奥さんはやっぱりケラケラ笑っていた。
 なんでも、店主である旦那さんがそういう風になるように設計してもらったとかで。そのことを自慢顔で話す奥さんに、P美さんもなんだか嬉しさが湧き出してきちゃって。
 一緒になってケラケラ笑いながらP美さんだったが、ふと、あ…。わたし、こんな風に笑ってるの、もしかしてスゴイ久しぶりよね、と驚いていた。


 そんな風に楽しく、そして心地よい忙しさがある毎日。
 さらに待望のバイト代も入って。とりあえずは明日の心配をすることもなくなると、P美さんは夜も気持ちよく眠れるようになった。
 それは、「今度バイト代入ったら、なんか服買いたいなー。あ、あと、少し髪も切りたいな…。」なんて、そんなやっと人心地がついたような頃。
 そう。P美さんがそれに気がつくようになったのは、初めてのバイト代をもらってから、ちょっと経った頃だった。

 最初は、視界の端の違和感だった。
 ガラス張りのショーケースの内側に立っていた時に感じた、左目の視界のギリギリのところでチラっチラっとしている何か。
「っ!?」
 って。P美さんが視線を向けても、そこは店の正面の大きなガラスがあるばかり。
 表のガラスの向こうの、昼下がりの商店街を通り過ぎていく人たちは、時間が時間だけにのんびりした歩調の人が多い。
 でも、ケーキよりは和菓子って人の方が大多数であろうお年寄りが多いせいもあるのか、ケーキ屋の中に興味深げな視線を向けてくる人はほとんどいない。

「…!?」
 首を傾げながらもP美さん、そんな些細な違和感にいつまでも付き合っているわけもなく。
 そうそう。暇な時に、箱とラッピングペーパーを整理しておいてって言われてたんだったと思い出した。
 そんなわけで、ガラス張りのショーケースに背を向けて作業していると、今度は、右目の端に入ってきた違和感。
「え…。」
 慌てて、それを感じた方を見ても、もちろんさっきと同じく店の大きな表のガラスがあるばかり。
 P美さん、もしかして、小っちゃな子供かなにかが店の壁のとこに隠れながら店内をのぞいているのかな?って。
 ガラス張りのショーケースの外に出たP美さん。ドアを半分だけ開けて首を左右にめぐらすも、そんなような子供の姿はない。右も左も、ただただのんびりした雰囲気の商店街が、ゆるやかにうねって並んでいるばかり。
 そんな、ドアから首だけ出して首をひねっているP美さん。
 それって、さっきから何度目?

 P美さんは、小っちゃな子供かなにかが表のガラスの端のところから店内を覗いていて、わたしが顔を向けると隣りの店との壁に隠れちゃうのかなとも思った。
 そう。よくよく見れば、隣りの店はそんな隠れるスペースがないくらいすぐの所にある。
 でも、そこを見ても、そんな小っちゃな子供の姿なんてない。
「変ねぇ…。」
 そんな言葉が、思わず口から出ちゃったP美さん。あきらめてドアを閉めようとしていて何気に視線が行ったのは、はす向かいにあるお肉屋さんの店先に立っている赤いのぼり。
 そのパタパタはためく様子を見ていて、「あ、風が出てきたのね…」とひとり言。
 空を見上げれば、朝来る時は全然青空だったのに、今は空のあちこちに千切れたような濃いグレーの雲があちこちに浮かんでいる。
 なんだか、すぐにでも天気が変わりそうなその空を、一瞬何もかも忘れて見入っちゃったP美さん。
 そして…
 あ、いつの間にかそんな季節になったんだ…
 そんな、何より大事なはずの自分の時間を無駄にしていた、つい昨日までを思い返していて、ふと気づいた。
 あ、風だったってこと?


 なのに、店の中に戻ってからも、なんだか妙に外が気になってしょうがない。
 いや、それはさっきの違和感のことでなく。
 そのことは、P美さん自身よくわかっていた。
 外が、なんだか無性に気にかかる…。
 なんだか、自分が大事なことを放っぽりだしているような…。
 そのくせ、それが何だか全然わからない。
 それが頭のどこにあるかわかっているのに、そこを探っていると、いつの間にかどこか別のところに行ってしまう。そんな変に気が急く思いにとらわれ、ケーキの並ぶガラスのショーケースの内側に戻って作業の続きを出来ないでいた時だった。ソレと視線が合ったのは。

 それは、表のガラスのこっち側。飾り付けをする棚の一番端、淡いベージュ色の塗り壁とくっついた所。
 そこにあったのは、壁に寄りかかって座っていたロンドンの兵隊さん──赤い上着に黒い帽子の近衛兵──みたいなギョロ目の人形。
 あれ?こんな人形あったっけ
 あ、あったか…
 そう。あれは、店の定休日の次の日。
 店に来たら、店先のガラスの手前の棚の飾りつけが変わっていて。
 そう。そうだった。あの時からずっとあったけ…。
 えっ。なら、さっきの誰かが見ていたみたいな違和感って、この人形ってこと?
 それに引かれるように近寄っていくP美さんの足。
 その40センチくらいの人形は、近くで見れば思ったより傷やら、汚れやらがあった。
 なんだろ?アンティークなのかな…。
 でも、なんなの?このギョロ目。
 あんまりカワイクないなぁ…
 あ、うん。違う。
 さっきの変な感じって、これじゃない…

 そう。確かにそのロンドンの兵隊さんみたいな人形のギョロ目は、ギョロ目すぎちゃって逆に視線って感じにはならない。
「うんん…っ。」
 そんなため息とも、そのなんだかわからないことへの抗議ともいえる声をのどの奥から発したP美さん。
 そしてそれは、その直後。2歩3歩と、無意識に後ろに下がった時。
「っ!」
 右目の後ろに走った人影に大慌てで振り返れば、そこはドアの外。
 それは正面じゃないから、ちょっと歪んで見えてハッキリと確認できたわけではない。でも、たぶんその人の足の向く先はここに来ようとしているお客さん。
 そう。ドアのガラスの斜め向こうでゆがんでいた人の姿は、黒っぽい女の人らしい姿に変わって。
 そして。ドアに手をかけた、その女の人。
 わずかに開いたドアから流れ込んできた外の音。
 そして、小さな子供のヒソヒソ声。
 それは、内側に開いたドアの隙間に見えたほっそりした手首と、その下をくぐるように入ってきた、パタパタとした歩き方の小さな男の子。
「ちょーっと、A太。お店の中ではママのそばにいてよぉー。」
 ちょっと遅れて、そんなちょっと鼻にかかったような声も店の中に入ってきたと思ったら。それは、やけにスラーっと背の高い、おしゃれな若いお母さんの姿になった。

「いらっしゃいませー。」
 ドアに手をかけたまま…。笑顔の一歩手前みたいな表情で、ひょいと小さく頭を下げたそのお母さん。そして、そのまんま、なんだか盗み見るような目で、P美さんの顔をチラリと見返した。
 そんなすらりと背の高いお母さんのすぐ後ろ、陰になってよく見えない女の人は一緒に来た友だちかなんかだろうか?
「A太!だから、先行かないでって!」
 一瞬、パーッと駆け出しかけたその子の手をすんでのところでつかまえたからだろう。そのお母さんのもう一つの手がドアから離れ、その途端、ドーン!と大きな音が店内に轟いた。
「きゃ。」
 思いがけず、勢いよく閉まったドアがたてた大きな音に驚いたのだろう。そんな、小さく悲鳴を発したお母さん。
 手をつながれたままの男の子も、目をまん丸にしてお母さんの顔を見上げている。
 そんなお母さんの顔が、さっとP美さんの方に向いて言った。
「ご、ごめんなさい…。」
「いえ。申し訳ありません、こちらこそ。
 このドア、ちょっとバネが強いみたいなんですよねー。
 ホント、すみません。
 ボクぅ、ビックリしたぁ?大丈夫ぅ?」
 P美さんが、そんなことを言っていると、ドーンというドアの音にやっぱり驚いたのだろう。奥から、店の奥さんがバタバタと飛び出してきた。
「ど、どうしたの?何があった…、あ、いらっしゃい、ませ。え!?」

 店のドアのバネがちょっと強かったのは確かだった。
 でも、それにしてもドアが閉まった勢いは強すぎたような…
 いや。P美さんがそんなことを思ったのは、ずっと後のことだった。



                   ―― 『根も葉もあるお話:17.11.3 -上』〈了〉

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       ちょっと剣呑で、ゴメン(^^;)



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