2016
11.27

怪談16.11.27


 前回の「泣き顔」と「笑顔」というお話。
 実は、その2つのお話には、さらにもうひとつ後日談があります。

 といっても、この3つ目のお話は、托鉢のお坊さんがB子ちゃんの家にやって来た次の年の春にあったことだとかで、時系列的には、「泣き顔」と「笑顔」の間のことになるんだそうです。
 つまり、後日談は後日談でも、「笑顔」が「泣き顔」の顛末のお話であるのに対して、このお話は「泣き顔」のまさに続きといえるお話だということです。
 
 
 
 それは、B子ちゃんと山頂で写真を撮った帰りのロープウェイの中だった。
 デジカメやスマホのある今だったら、それこそ2人で撮った写真を見ながらいろいろ話していたのかもしれない。でも、あの頃のカメラはフィルムだった。だから、「写真、出来たら焼き増しして送ってね」なんて話をしていた時だった。

 あの時っていうのは、私は楽しくてうれしくて、ついはしゃぎ過ぎてしまったのか。
 それとも、ブラックな冗談を好むあの年代特有の会話がそうさせたのか。つい、心無い冗談を言ってしまったのだ。
「ねぇ、B子ちゃん。
 もしかしてさ。この写真、現像あがってきて見たら、
 また泣いた顔になってたらどうする?」

 言った瞬間、「しまった!」と思った。
 それは、その途端、目を伏せて黙ってしまったB子ちゃんの様子をみても明らかだった。
「ゴメン…。」
 その時というのは、ごめんの先の言葉が全くわからいくらい慌てていた。
 見れば、目を伏せて、さらに私から目を反らすように窓の外をじっと見ているB子ちゃん。
 どんどん迫ってくる下界の風景をバックにした、その横顔をただただ見ているしか出来ない私。
 そんな私の目の焦点は、いつ、B子ちゃんから外の風景に移っていたのだろう。
 いつの間にか、B子ちゃんの目が私の正面にあることに気づいた時は、本当にドキっとした。
「ゴメン。
 あ、だから、ホントにごめん。」
 思わず頭を下げてしまって…。
 そんな私が顔を上げると、B子ちゃんは悲しそうに、でも、ちょっと笑っていた。
「ごめんね…。」
「うん…。」
 そううなずくとB子ちゃんは、ふっと。また、窓の外に目を向けた。
「っ…。」
「……。」
 探せば探そうとするほど言葉が見つからない、そんな沈黙とロープウェイの低い音。グングンと下界が迫ってくる窓の外。
 それを見るともなく見ていると…。

「わたしの写真が泣いた顔になっちゃうっていうのは、もぉないの。
 少なくとも、それ以来は、ね。 
 でもね。でも…、今度はC子がさ…。」
「えぇっ。」

 C子ちゃんは、B子ちゃん3つ下の妹だった。
 ただ、私はC子ちゃんとはB子ちゃんほど親しいわけではなかった。
 というのも、そもそも私の父の家が分家の分家ということもあって、帰省しても本家のB子ちゃんの家には行かないことも多かったのだ。
 それでも、私とB子ちゃんは、親戚の中で唯一同じ齢ということもあって。小さい頃から、何かというと顔を合わさせられていたので、お互い気心が知れてたみたいなところがあったのだが、C子ちゃんとなるとやっぱり齢が3つも離れているからだろう。家に行っても最初に挨拶するくらいで、あまり一緒に遊んだことがなかった。
 さらに…

「B子が体が弱くて、よく寝込んでたのは知ってるでしょ。」
「うん。
 でも、それも托鉢のお坊さんの言った通りに供養して、
 大丈夫になったんじゃないの?」
「うん…。」
「え、大丈夫じゃないの?」
「あ、ううん。それは同じなの。
 お坊さんが言ったように供養してからは、C子もすっかり丈夫になって。
 そりゃ風邪をひいたりっていうはあったけど、
 でも、ずっと寝込んじゃったりってことはなくなったの。
 ましてや、入院なんてことはなかったのよ。
 でもね。そう、確か、托鉢のお坊さんが来て、供養して、その一年後くらいに……」


「C子の様子、どうなの?」
 その日、家に帰ってくるなり、わたしは母に妹のC子の容態を尋ねた。
 去年、家の門の前で托鉢のお坊さんに、ここで亡くなった女性がいるから供養した方がいいと勧められて。
 お寺からお坊さんを呼んで供養してもらったり、毎朝、わたしとC子で水と食べ物をお供えしたりしたことで、わたしの写真が泣き顔になることはなくなった。
 体の弱かったC子も、すっかり丈夫になって。
 前は、年がら年中寝込んじゃって学校を休んでばっかりだったのに、この一年くらい全くそんなこともなくなって、喜んでいた矢先だった。

 いつまでも起きてこないC子を不審に思って。部屋を見に行った母が、布団の中で意識朦朧の状態で震えていたC子を発見したのは、1週間前の朝のこと。
 慌てて救急車を呼んだのだが、即入院。
 意識こそ戻ったものの。いまだ原因不明の高熱がひかずに、1日の大半を眠って過ごしているような状態が続いていた。

「お医者さんが言うにはね。
 熱がひかない状態がこれ以上続くなら、
 もっと設備の整った病院に転院した方がいいかもしれないって…。」
 母はそう言うと、すっと立ち上がった。そして、縁側に立つと、庭の向こうをじっと見つめていた。
 その目つきは、心なしか嶮しくて…
「わたし、ちょっと門の所に行ってくる…。」
 わたしのその言葉にも、母は庭の向こうを見つめたまま何も言わずにうなずくだけだった。

 やっぱり、お母さんも、あの女の人のこと考えてるんだ…
 あれから、お寺からお坊さんに来てもらって供養をしてもらった。
 わたしもC子も、毎朝かかさず水と食べ物をお供えして、心安らかになってもらえるようにお祈りしている
 それなのに、どうしてあなたはわたしたちを許してくれないの?
 何が不満なの?何をしてほしいの?
 言ってよ…
 長屋門の前のところにしゃがんで、そんなことを思いながら手を合わせていた時だった。

 ふいに、後ろに人の気配がして。
「っ!」
 思わず、声にならない悲鳴が口をつき、その気配から逃れるように立ち上がりながら、後ろを振り返ると。
「なんだ、お母さんか。もぉっ。驚かさないでよ…。」
 でも、その時の母ときたら、そんなわたしの声なんか全然聞こえない様子。
 目をカッと見開いて。娘のわたしですら怖くなるような表情で、長屋門の一点と見つめている。
「っ…。」
 そのただならぬ様子に、何か言おうとした時だった。
 長屋門の天井にワーンと、激しく何かがこだました。
「なんなのよ、あなたはっ!
 あなたに、わたしの娘たちが何をしたっていうの。
 あなたが、これ以上わたしの娘たちに何かにするっていうんなら、
 わたしはあなたを許さないから。
 死んで、あなたの許に行って、引っ叩いてやるから…。
 わたしは、あなたがどんなに謝っても絶対許さないからね。
 死人だか、幽霊だかしらないけど、いつまでも図にのってるんじゃないわよ!」
 そう怒鳴った母は、次に右手を大きく振り上げて。
 あっと思った時には、門の入口の左端、水と食べ物が備えられている所に、何かを叩きつけるようにぶちまけた。
 呆気にとられたわたしがそこを見ると、それは大量の塩。
 それは、まるでそこだけ雪でも降ったかというくらいの量で。
 今、目の前で起こったことにポカーンとしたままのわたしの目には、つかつかと家の方に戻っていく母の小さな後姿が映っていた。


 次の日。学校が終わると、わたしは妹の入院する病院に行った。
 妹のところには、珍しく家族の誰もいなかった。
 明るい南向きの6人部屋。妹は病室を入って左側の窓際のベッドで、あいかわらず眠ったままだった。
「どぉ?C子、調子…。」
 わたしがそう言っても、妹は何も反応しない。ただただ眠っているだけ。
 窓から、柔らかな夕日が妹のベッドにまで差し込んでいて、その寝顔をほんのり赤く染めていた。
「ねぇ、C子ぉ。聞いてよ。昨日、お母さんさ……。」
 わたしは、眠ったままの妹に、昨日の夕方の母の鬼気迫る行動を話し始めた。
 ただし、ちょっとユーモラスに脚色して。

「もうさ。お母さんったらさ。
 オバケにケンカ売ったってしょうがないじゃんね。
 引っ叩いてやるとか言ってさ…。」
「……。」
「まったくもぉ…。
 あんたが早く治らないとさ。
 お母さん、ホントにあの人のこと引っ叩きに行っちゃうかもよ。
 だから、早く治りなさいよね。」
 そんなことを言ってみても妹は眠り続けたまま。
 目が覚めている時もあるというのだが…。
 さすがに涙を堪えられなかった。

 やっと落ち着いたわたしは、大きなため息をひとつ吐いて。
 もぉ帰ろうかと、椅子から腰を浮かしかけた時だった。
「お母さんってさ。
 前から思ってたけど、ちょっと短気すぎよね…。」
「え…。」
 見れば、うっすらと目を開いた妹が、枕の上で顔をわずかにわたしの方に向けていた。
 と、見る間に頬に一筋流れた涙。

「な、なによ。今頃、目ぇ覚ましてーっ!」
「お姉ちゃんも短気だなぁー。さーすが、娘っ。フフフ。」
「そんな冗談言ってると、今すぐ連れて帰っちゃうよ。
 まったくー。近頃は、毎朝わたし一人で水と食べ物お供えしてるんだからね。
 早く帰ってきて、あんたもやりなさいよね。フフっ。」
「フフフ…。」
 声はさすがに弱々しかったけど、会話の感じは普段の妹のままだった。
 案外、もう治りかけなのかもしれない。そんなことを思っていた時だった。C子が変なことを言い出したのは。

「お姉ちゃんさ…。」
「なによ?」
「わたしね。ここに入院してから、変な夢見たのよ。
 ううん。いつ見た夢だかわからないんだけどさ…。」
 妹ははそう言って、その夢を話しだした。

「最初は、どこかの村なのよ。
 秋の稲刈りの季節みたいで、どの田んぼも、もぉ真っ黄っ黄。
 みんな稲刈りしててさ…。
 そうそう。なぜだか、みんな、鎌持って稲刈ってるの…。」
「カマぁ!?」
「でね。いきなり場面が変わって。
 今度は、どこかの家の夕ご飯なの。
 真ん中に囲炉裏があって。
 お母さんが、家族にご飯をよそってるの。」
「お母さん!?ウチの?」
「違う、違う。知らない人。
 でも、たぶんその家のお母さんなんだろうなーって。
 それはわかるのよ。
 でね。家族みんな、笑ってなんか話しながらご飯食べてるの。
 でも、声は聞こえないの。」
「なんなの、その夢…。」
「あぁなんかお腹空いたなぁーって思っているとね。
 その家のお母さんが、わたしに気がついたみたいで。
 しきりと挨拶をするのよ。
 だから、つられてわたしも挨拶したんだけど、
 でも、わたし、その人って全然知らない人なのよ。
 誰なんだろう?って思ってたら、
 もぉお腹いっぱいだよーって、男の子の声が聞こえてくるの…。」
「男の子ぉ!?何それ?
 あ、もしかして、あんたがカッコイイって言ってた同じクラスの子?
 もぉいやぁーねー。
 そんなに好きなら、早く治って――。」
「もー!お姉ちゃん。話、ちゃんと聞いてよ。
 わたしだって、眠くってしょうがないの必死に我慢して話してるんだからさ。」
「え?あ、ごめん…。」
「声の方を見るとね。
 その家の男の子が、きょろきょろ笑って自分のお腹撫でてるの。
 その男の子の頭を、あのお母さんが笑いながら撫でててさ。
 と思ったら、そのお母さんが窓の外を指差すのよ。
 えっなに?ってそっちを見ると、ウチの門が見えるのよ。
 あれは、夕焼けなのかなぁー。
 真っ赤な空の中に、ウチの門がバーンって見えてさ。
 なんでウチの門が?ってわたしが思ってると、今度はわたし、門の前に立ってて…。
 だから、ちょうど道の方から門を見てる感じ…。」
「…!?」
「でね。門の前に、人がたくさん並んでるの。
 子供から大人、お爺ちゃん、お婆ちゃん。
 ホント、もぉいろんな人が並んでてさ。
 何なんだろう?って思って見てると、
 その人たち、みんな、門からウチに入っていくのよ。
 わたし、それ見て、慌ててね。
 ここはわたしの家よ。みんな出てってよ!って叫ぶんだけど、
 誰も振り向かなくって…。
 どうしようって思っていると、
 またさっきの男の子の、お腹いっぱいだよーって声が聞こえて。
 あのお母さんがその子の頭を撫でているの。
 それで終わり。あー疲れた。
 ……。」
「え?なに、それ!?」
 妹が「それで終わり」と言ったのは、もちろん聞いていた。
 でも、それは話の流れとしてあまりに唐突で。わたしの頭の中では、それが「夢の話がそれで終わった」という意味になっていなかった。
 だから、待っていても妹が続きを話そうとしないことに、キョトンとしてしまって。
 見れば、すでに目を瞑って、スースーと寝息のような音をたてているC子の顔。
「ちょ、ちょっとC子っ!
 え?何よ?あんた、だ、大丈夫?」
 大慌てて妹の体を揺さぶると。
「なぁーによー。もぉお姉ちゃん。
 眠くてしょうがないんだから、寝かせてよぉー。」
 心配するわたしの声とは裏腹に、そう言ってまた寝入ろうとする妹の顔に、ちょっとホッとしつつ。
 でも、人の気も知らないでいい気なものねと。ちょっとシャクに障ったから、寝ているその鼻を軽ぅーく人差し指ではじいてやった。
 その途端、クシュッと顔をしかめて、向こう側に向いてしまった妹を見ながら。
「じゃぁ帰るね。
 早く治らないと、今度はそれくらいじゃすまないから…。」

 そう。早く帰りたかった。
 早く帰って、一刻も早く、C子が見た夢の話を父や母、祖母に話したかった。
 ううん。わたしにどうという考えがあったわけではない。
 ただ、そのC子が見たという夢の話を両親や祖母がなんて言うのか聞いてみたかった。
 というのも、素直に考えるなら、その夢に出てきた母親というのは、たぶん門の所で亡くなった女の人なんだろうと。
 でも、その家族や家の門の中に入ってくる人たちって誰なの?って。
 もしかしたら、門のところの女の人以外にも死なしちゃった人がいるってことなんじゃないだろうかって不安になったのだ。

 その夜。
 C子の夢を話すと、父も母も、祖母も。そしてわたしも、それぞれ思ういろんなことを話した。
 いっそ、あの門を壊してしまえばいいんじゃないか?といった話も出た。
 でも、家族みんなで話しているうちに、「お坊さんに供養してもらうことで、それで何事もなくなるのなら、それでいいんじゃないか」って。
 たとえ、それを毎年しなきゃならなくなったとしても、それで済むのなら、そうすればいいじゃないってことになった。


「うん。だから、結局、またお坊さんに供養をしてもらって。
 それで、C子もすっかりよくなったって話なんだけどね。」
「ふーん…。
 まぁC子ちゃんがよくなったんなら、それでいいんだろうけど…。
 うーん…。」
 小4の時に父から聞いた、写真が泣き顔になってしまう話。そして、ついさっきB子ちゃんから聞いた、托鉢のお坊さんが江戸時代に飢えで死んだ女の人の供養を勧めた話。
 どちらも、よくわからない話だった。
 でも、わからないなりに、あぁそういうことって、もしかしたらあるのかもな…と思える話だった。
 だけど、今、B子ちゃんが言った話って、いったい…

「フフっ。わかる、それ。今、Aクンが考えてること…。」
「え?あぁ、だから、C子ちゃんが元気になれば、
 それで全然OKなんだろけどさ。
 でも、何だかなぁ…。」
「うん。だからね。
 これは、お父さんが、これこれこういうわけで、
 また供養をお願いしたいって、お坊さんに言った時の話なんだけどね。
 お父さんの話を静かに聞いていたお坊さん、急に唸りだしちゃったんだって。」
「唸りだした!?」
「うん。うーーーんって。フフっ。
 あのお坊さん、Aクンも知ってるでしょ?」
「あぁ、うん。あのお爺さんのお坊さんだよね?」
「そうそう。あのお坊さん、しばらく唸ってたかと思ったら。
 “話には聞いておったが、そういうことというのは本当にあるものなんじゃな…”
 って言ったっていうのよ。」
「えぇ!?どういうこと?」
「なんでもね。お坊さんが言うには、あかの他人を供養した後。
 稀に、あの家に行けば供養してもらえるって、
 迷っている亡者たちが集まってきちゃうことがあるんだって。」
「も、亡者ぁ!?集まってきちゃう?
 ど、どーいうこと!?」
「さらにね。お坊さんが言うには、
 供養した後もお水と食べ物をお供えしていたのも、
 かえってよくなかったのかもしれないって…。」
「そんなこと言われてもなぁ…。」
「ねぇ。フフフ…。」
「でね。C子の夢の話から考えても、
 集まってきていたのは、全然関係ない亡者ではなくて。
 あの女の人と同じ飢饉で亡くなった人たちだったんじゃないかって…。」

 B子ちゃんのそう言った時だった。
 私の脳裏に、ふっと浮かんだのは、小4のあの時の父が言っていた言葉だった。
 そう。写真が泣き顔になってしまうということを知らずにカメラを向けてB子ちゃんが悲鳴をあげて逃げ出してしまったことに、私が茫然と立ちすくんでいた時、父が言ってたこと…
「あのな、父さんも幽霊がいるかどうかなんてわからん。
 でもな…、でも、世の中には誰も説明のつけられない、
 わけのわからないことっていうのは、本当にあるものなんだ。
 幽霊みたいなものがいるんだって思ってしまった方が納得いくってことがさ。」

 そう。お坊さんの言うそれ。さらにC子ちゃんが見たという夢の話は、まさにそういうことなのだろう。
 つまり、まさしく、「幽霊みたいなものが“いる”んだって思ってしまった方が納得いく」ってことなんだろうし。
 また、それはB子ちゃんの家族が言ったように「お坊さんに供養してもらうことで、それで何事もなくなるのなら、それでいい」ってことなのだろう。
 そう。それは、クスクス笑ってるいるようにも、何かに達観した寂しい笑いのようにも見える、B子ちゃんの今の表情が証明していた。

「わたし、今でもね。
 写した写真が出来上がってくる時は、ちょっと怖いのよ。
 写真が、また泣いた顔になってたらどうしようって…。」
「あ、そうなんだ。今でも…。
 ごめん。さっきは…。」
「うん。あれは、ちょっとヒドイって思ったな。」
「だから、ごめんって…。」
「フフフ。まぁーね。だから、
 もし、さっきAクンと撮った写真が泣き顔になってたとしても、
 その時はまた供養すればいいんだって思うようにしてるの。
 あー、ていうか、
 やっとそんな風に割り切れるようになったのかもしれない…。」


 そんなB子ちゃんの家にまつわる話。
 そうそう。
 長屋門は、現在でもその家の前に建っているらしい。



                            ―― 『寝顔』〈了〉


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2016
11.27

コタツ降臨!


 しっかし、木曜の雪にはビックリでした。

 前日の夜、そんなに寒くもなかったんで。
 ほら、雪の降る前って、普通、「なんだろ?この寒さ!?」って、思わず言いたくなっちゃうような、背中の芯からゾクゾクくるような寒さがあるじゃないですか。
 それがなかったんで、「これは絶対雨だなー。まったく、いつものオオカミ少年天気予報だな」って(笑)

 それは、木曜の起きても、朝の時点で「多少、みぞれ入ってる?」みたいな雨だったんで。
 もぉ完全に雪のイメージなかったんですけどねー。
 とはいえ、まさかの積雪とは!

 いや。そんなの知ってるよって言われちゃいそうですけど、でも、メモがてら記しときますと、なんと11月の降雪(東京)は54年ぶり!積雪の観測は明治以来初めてなんだとか!(笑)
 一瞬、どーせ24日なら、一か月後に降って。
 人生初めてのホワイトクリスマスっていうの見たかったなーとか思っちゃいましたよ(爆)

 でもまぁそんなことがあると、TVでもネットでも、猫も杓子も猪も「ホワイトクリスマス!」「ホワイトクリスマス!」ってバカ騒ぎになっちゃうに決まってるんで。
 それもウンザリなんで、まー、いっか(笑)
 あらためて考えてみると、ホワイトクリスマスって、なぁ~んかダサい言葉ですよねwww


 とはいえ、雪のせいで次の日、やったら寒くって。
 ついに、コタツ降臨です!
 ジャーン! 
 いや。たかがコタツなんで。そんな、ジャーンってほどでもないんですけどね(笑)

 しっかし、コタツって。
 あったかやなー
 あったかやなーって(笑)

 出したその日に、本読んでて、そのまま寝落ちしちゃって。
 パッと目が覚めたら、午前3時と。

 いやもぉコタツ。
 かの千秋真一ですら堕落させちゃう魔力、ホンっトそれは絶大です(笑)


 しっかし、コタツ、11月の下旬に出すなんて。
 コタツって、つい何年か前までは年末に出すものだったけどなー。
 つまり、なんだ、齢ってことか?
 あー、やだ、やだ(爆)



 とはいえ、まぁ、しっかし、雪。
 あちこちの天気予報でいろいろ解説してましたけど、ま、つまりは偏西風の南下なのか?
 それとも、アメーバみたいな形の北極の寒気の張り出した部分、それも特に強大な寒気の張り出しってことなのか?
 なんでも、ちょっと前。モンゴルや中央アジアはとんでもない寒さだったんだとか
 ていうか、その二つは同じことを、ある人は偏西風の南下と言って、またある人は寒気の張り出しと言ってるだけなのか?
 ていうか、ていうか、それ、わかってるなら雪降る前に言えよ!(笑)

 その辺、今一つよくわからないんですけど、前、スキーによく行ってた頃、「初雪の早い年は雪が少ない」って言われてて。
 とにかく、雪はカンベンなんで。
 今は、もー、ひたすらそれを信じることにします(笑)




        毎年、この季節は、不思議とジョン・レノンが聴きたくなるんだよなー



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2016
11.20

いやはや。Post-Truth…


 しっかし、今週は天気予報が逆ってパターンが多かったですね。
 まさにそれっていうのが、水曜と木曜。
 水曜は、予報では一日快晴みたいなこと言ってたのに、朝は晴れてたものの、午前中みるみる曇ってきて、結局一日曇り。
 反対に、木曜は午前中は曇りで午後から晴れと言っていたのが、朝から一日快晴と。

 それは、今日もそんな感じで。
 お昼過ぎまで晴れとか言ってたのに、日が上がってくるとともに霧が出ちゃって…。
 太陽は、11時すぎくらいにやっと出てきたんですけど、でもまぁ雲の方が優勢でしたね。
 そのせいなのか、洗濯物、この時間になってもまだ湿ってます(泣)

 ていうか、それって、考えてみれば当たり前なんですよね。
 昨日あれだけ雨が降って、今朝だって湿度100%って言ってたわけですから。
 それで、予想気温20度、さらに風もないとなれば霧が出るのは当たり前です。

 当り前なんだけどー、でも天気予報で「晴れ」とか言われちゃうと、人というのは、自分にとって都合のいい情報を選択しちゃうものなのか?
 それとも、たんにこの季節、雨降って気温が高くなれば霧が出るっていうのを忘れてるだけなのか?
 まー、その辺はなんともなんですけどね。

 ただ、天気予報はハズレるの法則に従えば、明日は天気いいのかな?なぁ~んて(笑)
 ちょっと、いや、かなり期待! 


 で、話は変わるようですけど、何でも、オックスフォード英語辞典が選ぶ「今年の英単語」(っていうのがあるんですね)は、Post-Truthなんだとかで。
 Post-Truthって、訳すと、“客観的な事実や真実が重視されない時代”となるらしいんですけど、天気予報と実際の天気に対する 期待は、いやはや、まさにPost-Truth。
 客観的な事実や真実を重視してなかったなーと(爆)

 ていうか、気象庁のコンピューターには、この季節雨が降った後気温が高くなると霧が出るとか、関東では東北から風が吹くと雨とかって事象は入ってねーのかよ!って(笑)

 ま、つまり、海外でも日本でも、私も気象庁も、みーんなPost-Truthなわけで、まさに今年の英単語だなーと(爆)


 Post-Truthは、主にイギリスの国民投票によるEU離脱選択や、アメリカ人のトランプさんという選択を予測出来なかった(予測しようとしなかった)ことを指してるようなんですけどー。
 思うに、トランプさんが「ホームアローン2」に出演していたり。
 あと、向こうでは無茶苦茶有名なコメディアンとか。
 そんな話って、選挙前、私は全然知らなかったんですけど、実際のとこ、どうだったんでしょう?

 個人的な記憶だと、確かに、コメディアン出身って話はちらっと聞いたような気もするんですけど、でもニュース等で言ってたのは「ドナルド・トランプ=不動産王」ばっかりだったように思うんですけどねー。
 それこそ、ホームアローンに出てたことなんて、選挙前、誰か言ってた???
 Post-Truthって、実はニッポンが本家?(笑)





 で。
 Post-Truthとは全然関係ないんですけど、COP22の記者会見やる時に出てくる後ろの壁。
 それを見ていたら、思わず「えっ!何?そのミョーぉにマニアックな文字!?」って(笑)
           一番下。アラビア文字(たぶん)の下です
                 ↓
ティフィナグ文字IMG_3193

 なぁ~んか見たことある気もするんだけど、でも、どこの文字だろう?って。
 ま、こういう時、ネットはさすがですね。
 「ティフィナグ文字」というのを見た途端思いだしちゃいました(笑)
 そうだよー。トゥアレグ族の文字じゃん!

 考えてみれば、そうですよね。
 モロッコでやってるんだもん。トゥアレグの文字があったって変じゃない……、でもー

 いやぁ、やっぱりマニアック…、じゃないのかなぁ…!?
 ていうか、その辺り、狙ってたんじゃないのかなぁ~って思ったんですけど、どうなんでしょーねー(笑)




 
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2016
11.20

怪談16.11.20


 前回の「泣き顔」というお話には、後日談がありまして。
 それは、「泣き顔」から、時は流れて10年後。
 B子ちゃんは短大の2年生。Aクン(A先生)は一浪したので大学1年生で、やはり夏のこと。
 といっても、夏も終わろうとする頃のことだったといいます。



 父の実家は分家の分家だったから、やっぱり本家は敷居が高いというのもあったのだろう。
 向こうに行っても本家には行かず、B子ちゃんと会わない時も多かった。
 その時というのは、私が一浪で大学に受かった年の夏で。
 その前年や前々年は向こうに全く行かなかったということもあって、B子ちゃんとは、たぶん3年か4年会ってなかったと思う。
 私もB子ちゃんも20歳の時だ。その頃の3~4年というのは、大きく変わる。
 だから、久しぶりに会ったB子ちゃんは綺麗になりすぎていて、正直、どこに目を合わせたらいいのか困るくらいだった。
 そんなB子ちゃんは、ちょっと前にクルマの免許を取ったとかで。
 昼食の後、ドライブに誘われた。

 久しぶりなのと、あと、あのくらいの齢の女の子の華やかさに負けちゃって言葉が出なかった私だったが、クルマに乗ってしまうとB子ちゃんは運転でほとんど前を見ているせいもあり、気恥ずかしさが薄れてきたのだろう。
 気づけば、いつの間にか以前のように会話がはずんでいた。

「それで?Aクン、大学生になって彼女できた?」
「できないよー。理工学部だもん。女の子いないからー。」
「そっかー。バイトとかすれば?
 バイトすると、出逢いがあるんじゃない。」
「バイトかー。秋になったらやろうかなー。
 そういえば、B子ちゃんは?」
「してるよ。1年の時からずっと。ウェイトレス…。」
「違うよ。か・れ・し…。」
 そう言って、私は横目でB子ちゃんの横顔をそっと見た。

「いるよー。バイト先で知り合った人。」
 それは、B子ちゃんの横顔に一瞬だけ現れた、スっゴク嬉しそうな表情。
 私は、ちょっと…、いや。相当ガッカリした。
「なんだよー。それでバイトすれば?とか言ったのかぁー。」
「そういうこと!」
 運転しながら声をあげて笑っているB子ちゃんを見ていたら、何だか思わず私も笑ってしまった。


 山の中腹のロープウェイ乗り場に着くと、爽やかな風が吹いていて、どこか秋の気配があった。
 辺りは、ススキにもう穂が出かかっていて。
「あー、運転疲れちゃった。
 ねぇロープウェイ乗って上に行ってみない?おごるから。」
「いいよ。そのくらいオレだってあるよ。」

 それじゃぁって、ドアを開け外に出かけたB子ちゃん。でも、ふと振り返って、まだクルマの中にいた私に声をかけてきた。
「あー、そぉ。ねぇ、カメラ、取ってくれない?
 グローブボックスに入っているから…。」
 そう言って、さっとクルマの外に出てしまったB子ちゃん。
「えっ、カメラ…」
 B子ちゃんのその言葉に、思わず助手席で固まってしまった私。
 その脳裏に浮かんでいたのは、小学校4年の夏のあの苦い記憶…

「キャーっ!やめてーっ!
 キャーっ!キャーっ!」
 ヒステリック悲鳴をあげながら、私を押しのけるように家の中に駆け込んでいったB子ちゃんの後姿。
 さらに、一人その場に取り残されていた私の姿も…

「何よー。どうしたのよー。」
 クルマから出ようとしない私を怪訝に思ったのだろう。閉めかけたドアをまた大きく開け、B子ちゃんがクルマの外から覗き込んでいた。
 それは、夏にしては青い空をバックに、ドアから覗き込むような姿勢でケラケラ笑っていた。
 その時、たぶん私は強張った顔でB子ちゃんを見ていたんだと思う。
「カメラって…。」
 B子ちゃんの顔に、さっと差した暗い何か。でも、それはすぐに消えてしまって。代わりに、B子ちゃんはふわっと笑った。
「…?」
「そっか…。
 わたし、あの時のこと、謝ってなかったんだよね。」
「謝るなんて…。悪かったのはオレの方だから…。」
 B子ちゃんは、シュンとなってしまった私を元気づけるように、わざとケラケラ笑いながら言う。
「Aクンさ、上で話そうよ。上は眺めいいから気持ちいいよ。
 わたしね、写真、大丈夫になったの。だからカメラ取って。
 だから、上で話そぉー。ね。」


 そんな、はしゃぎ気味のB子ちゃんの言葉とは裏腹に、ロープウェイの中で私たち2人はずっと黙ったまま。
 上に行くにつれどんどんひろがっていくパノラマを、2人してただ眺めていた。
 横目で見たB子ちゃんの横顔は、何かずっと考えているようだったし。
 私は私で、B子ちゃんの言った「わたし、写真大丈夫になったの」という言葉の意味を考えていた。
 ロープウェイを下りると空は一気に高くなって、それは一足早い秋の装い。
 なのに、陽射しはまだまだ夏のそれ。ギラギラやたら眩しく、まわりの木々ではツクツク法師達がまだ現役だった。
 私たちは展望台の手摺りにもたれながら。ロープウェイの続きのように黙ったまま、広がる光景を眺めていた。
 子供がはしゃぐ高い声に振り返れば、それは家族連れが何か言いながら私たちの後ろを通り過ぎていくところ。
 それぞれの手に、ソフトクリームを持って。
「B子ちゃん、ソフトクリーム食べようよ。おごるからさ…。」
 私はそう言うなり、B子ちゃんの返事もまたずに売り場に駆けていった。

「チョコとバニラどっちがいい?」
 そう言って、私が両手を差し出すと。
「Aクン、わかってないなー。女の子はバニラに決まってるのよ。」
 B子ちゃんは、私の右手からソフトクリームを受け取った。

「あぁうまいなー!」
「うん。おいしい…。」
 そんな季節の空の下。話は、そんな風に始まった。
「でね。中学生の時。うん。1年生の時。
 梅雨の頃なんだけど、でも晴れて暑い日だったの。
 ウチの長屋門あるでしょ。
 あそこにね、托鉢のお坊さんが立ったっていうのよ。」
「た、托鉢のお坊さん!?そんなのまだいるの?」
「うん。わたしも話を聞いた時ビックリしたんだけど、
 大きな駅とかには、今でも立ってること、よくあるんだって。
 まぁわたしは学校に行っててその場にはいなかったから、
 これはお母さんとお祖母ちゃんに聞いた話なんだけどね。
 昼ごはん食べてたら、どこからともなくチリーンって音がして。
 見たら、長屋門のとこに、笠をかぶったお坊さんが立っていたらしいのよ…。」

 B子ちゃんの家は母屋こそ建て直してしまったものの、敷地には昔ながらの長屋門がまだ残っていた。
 雨が降った日なんかは、その下でよく遊んだものだった。

「うん。もちろんお母さんもお祖母ちゃんも。
 托鉢のお坊さんとは、また珍しいものが来たもんだって。
 二人で門の所に駆けつけたらしいの。
 お米とお金両方持ってね。
 どっちがいいのかわかんなかったから…。」
「へぇー、本当にお米とか受け取るものなんだ。」
「うん。そうなんだって言ってた。
 でね……。」


 その、B子ちゃんがその後続けて話したこと。
 それは、私にとって、あの小4の夏に聞かされた話以上に不可思議な話だった。

 門の前で熱心にお経を唱えている、托鉢のお坊さん。
 B子ちゃんのお母さんとお祖母ちゃんが、頭を下げながらお金とお米を差し出すと、お坊さんも笠のまま頭を下げた。
 で、立ち去るのかと思いきや…。
 そのお坊さん。唱えていたお経をピタリと止めて。
 そして、門の左の所をじーっと見ていて…。

 つられるようにそこを見るお母さんもお祖母ちゃん。
 でも、そこに何があるわけでなく。二人は、わけがわからず顔を見合わせた。
「なにか…。」
 お母さんが、お坊さんにそう言うと。
「ご当家には、13歳くらいの娘さんがいますね?」
 お坊さん、今度は笠を手で上げて自らも顔を見せ、お母さんの顔をじっと見てそう言った。

「えっ、ええ。いますけど…。」
 お母さん、ちょっと変な人と関わっちゃったのかな?というのもチラリと頭をかすめつつ。
 でも、笠を上げたそのお坊さんのきちんとした顔立ちに、思わず正直に答えていた。
「いつのことか、正確には私にもわかりません。
 たぶん江戸時代とかその頃の事でしょう。
 一人の女の方が、門のそこの所でお亡くなりになっています。
 どうも飢えで亡くなられたようです。
 ここは東北も近いですから、飢饉かなにかで、ここまで流れてきたのかもしれません。」
 お坊さんはそこで言葉を止めると。一瞬、目を門の先ほどの所に向けた。お母さんもお祖母ちゃんも、つられてやっぱり目を向けた。

「その女の方は、お宅で何か食べる物を乞うたようです。
 でも、当時のご当主は拒否した。
 女の方は、その後この門のその場所で亡くなられたようです。」
「……。」
「いや。私は当時のご当主が悪いとか、
 そういうことを言っているのではありません。
 もし、飢饉であったとすれば、この辺でも食べ物に困っていたのかもしれない。
 とにかく、何らかの理由でご当主は、その女の方に食べ物をめぐむのを断った。
 結果、その女の方はこの場で亡くなってしまった。」

「その女の方は、ご当家の娘さんに何か悪さをしているようです。
 でも、その女の方も、決してしたくてそんなことをしているわけではありません。
 それもこれも飢えの辛さゆえであるようです。
 どうでしょう?
 お水と、あと何か食べる物をお供えしてあげられたら。
 それと、もしよかったらお寺に頼んで、供養してあげられたらどうでしょう。
 では、これで…。」

 二人が気づいた時には、道のずっと向こうを歩いていくお坊さんの後姿。
 チリーンという音が、また聞こえていた。


 お母さんとお祖母さん。実は、そのお坊さんの話を聞いているうちに、体の震えがワナワナと止まらなくなっていた。
 それは、B子ちゃんの家には、確かにそういう話が代々伝わっていたから…

 江戸時代のある時期。
 飢饉でここまで逃れてきた一人の女性が、門の前で死んだと。
 しかも、それは、その托鉢のお坊さんの言う通り。
 何か食べる物をと、しきりと乞うその女性の目の前で、当時の当主は無慈悲にも門を硬く閉じてしまった。
 そして、次の日の朝。
 門の前には、その女性の息絶えた姿が…

 B子ちゃんの家というのは、代々女の子になんらかの禍があることが多かった。
 まだ小さいうちに病気で亡くなる子が多かったり。
 育っても、ある者は子供が生まれなくて嫁ぎ先を追い出されたり。
 またある者は、ある年齢を境に急に素行が悪くなって、行方知れずになってしまったり。
 気がふれたり、身投げしてしまったりそれは様々。

 最初の頃こそ、祈祷などもしたらしい。
 でも、した時こそ効き目はあるものの、また年月が過ぎると別の娘になんかしら禍が起こる。
 いつしか、祈祷などしても無駄という思いと、年月が経つにしたがって禍そのものもなくなったということと相まって、今では昔話としてそういうこともあったと代々伝わってきた。

 ところが、B子ちゃんが生まれてから何かが変わった。
 B子ちゃんを写す写真が、なぜか泣き顔にしか写らないというのがまずあって。
 そして、次はB子ちゃんの妹のC子ちゃん。
 そのC子ちゃんは生まれつき体が弱く、なにかというとすぐ風邪をひく。
 いったんひくと、何日間も寝込むというありさま。
 救急車を呼んだことも何度もあるくらいで、お父さんお母さん、お祖父ちゃんお祖母ちゃんは、これがあの話によるものなんだろうか?と、随分話し合ったりしたのだという。


 托鉢のお坊さんの話を聞いた後。
 B子ちゃんのお母さんとお祖母ちゃんは、すぐに台所に走ると残っていたご飯を握って。
 水とともにその場所にお供えした。
 さらに、その夜お父さんと話をして、お寺に頼んで供養してもらうことに。
 そして。
 お寺に頼んで供養してもらった後は、毎朝B子ちゃんと妹が、長屋門のその場所にお水と食べ物をお供えするのが習慣になった。


「うーん…。
 そんなことって本当に──。」
「あるのよ。本当に…。
 ううん。あるんだね。本当に…。」
「あるのよ本当に」と言った時のB子ちゃんの怖いくらいな真剣な顔。
 そして、その後言い直した時の、なんともいえない、そのふわっとした笑顔。
 それを見た瞬間だった。私の胸に何かがわーっと去来したのは。
 それは、B子ちゃんが話してくれた事。そして、B子ちゃんがかつて背負っていたいろんなことや思い。
 それを、やっと理解できたような気がした。
 そんな私の手には、ソフトクリームを食べ終わった三角錐の紙だけが残っていて…
 あれっ?全然食べた記憶がない。口ものどもカラッカラ。
 だから、もうひとつ食べない?って言おうとした時だった。

「それ、ちょうだい。捨ててくるから…。
 でさ、捨ててきたら写真撮ってよ。
 あ、それより誰かに撮ってもらおうか?
 Aクンと2人で撮った写真ってないわけだし…。ね?」
 そう言って、思いっきり微笑んでいるB子ちゃん。
 そのやけに眩しい笑顔。それは、目と目の間にしわを寄せて、ちょっと流行りっぽい気もしたけど、でも、それも含めて100%B子ちゃんの笑顔だった。



                                 ―― 『笑顔』〈了〉

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2016
11.19

あー、メンドくさい(笑)

 
 月曜はどこのTV見ても、スーパームーンが見れない、見れない、そればっかで、「あー、また、おんなじこと言ってる…」って(笑)

 ま、スーパームーンはいいんですけどー。
 でも、そんなこと言うようになったのって、少なくとも日本ではここ何年のことですよね。
 で、その月曜は68年ぶりの超スーパームーンってことだったらしいですけど、でも、68年前にスーパームーンなんて言ってた人、いないと思うんです。
 68年後にも、そんなこと言ってる人もいなかったりしてねwww
 
 じゃぁ“68年ぶりの超スーパームーン”って言葉は、報道として変でしょ?(笑)
 だって、物理的に“68年ぶり”なのかもしれないけど、でも、ライフスタイル的には“初めての出来事”なんだもん(爆)


 まぁーねー。
 “興”ってことなんでしょうけどねー。
 でも、“興”なら“興”で、宵の明星は、最近毎夕キレイだぜ!(爆) ←“興”のわからないヤツ


 ちなみに、これは次の日の月
 超スーパームーンの次の日だから、さしずめ超スーパームーン・マイナス1?
超スーパームーンマイナス1IMG_3184
    って、結局、見てんじゃねーか!(爆)




 でもって、最近流行りとかいう「ヌーハラ」(爆) ←そんなの話題にするなwww
 http://mainichi.jp/articles/20161024/gnw/00m/040/003000c
 *毎日新聞

 毎日新聞のサイトを見ると、ツイッターのあるユーザーが、「外国人観光客が麺をすする音を聞いて不快に感じるのをヌードル・ハラスメント。略して、「ヌーハラ」としたらしいですけどー。

 言葉を略しちゃった時点で、そのツイッターのユーザーってニッポン人ってことですよね。
 てことは、外国人観光客は、(文化の差異で)不快に感じてたり、もしくはSNS等で書き込んでいるのかもしれないですけど、少なくともそれを「ハラスメントだ」とは言ってないってことですよね(笑)

 ちなみに、今の日本での「ハラスメント」の定義は、“嫌がらせ”や“イジメ”ということのようです。
 意識的に行ったことを不快に感じた場合、「ハラスメント」になるってことなんでしょう。
 そう考えると、麺をすするのは習慣で無意識にやってるわけで、たとえそれを不快に思う人がいたとしても、その人に対する「ハラスメント」にはなりません。
 つまりは、その辺りをちゃんと理解している人の意見(ツイート)ではないということになります。
 ま、なんだ。とりあえず、“ハラ”つけとけ!的な。
 最近よくある、学級委員会的ヒマ人による安直な言葉遊びにすぎないってことなのかなーと(笑)

 よって、「ヌーハラ」なんてもんは存在しません(爆)


 ていうか、その「ヌーハラ」のツイートをした人って。
 その人がイタリアに行って、「スパゲティをすするのはイタリアではマナー違反です」って言われたらハラスメントだって思うんでしょーか?
 インドに行って、「インドではカレーは手で食べます。だからこの店にスプーンはありません」って言われたら、ハラスメントだって思うんでしょーか?
 どっかの国に行って、出てきた料理が口に合わなかったら、ハラスメントだって思うんでしょーか?

 うーん。
 変な人だなぁ…(笑)
 なんだろ?おもてなし原理主義者とでも言えばいいんだろうか?


 まーねー。
 新聞やTVに最近ミョーに蔓延ってる、ネットコンプレックス(ネットジェラシー?)もわかるんですけどー(笑)
 でも、それって、ある人の、たんなる“つぶやき”ですよね。
 もしかしたら、子供がヒマだったから、特に深い考えもなくテキトーにツィートしただけなのかもしれないですよね。
 ていうか、“釣り”って可能性もあるわけでしょ?(笑)

 そんなどこのウマの骨とも知れない話を、大新聞だったりTVが話題として取り上げるって、ちょっとどうかしてない?って(笑)
 ま、メディアやネットっていうのは、ちょっとした出来事をことさら過大に表現するのが仕事なんでしょうけどねー。
 でも、そんなことばっかやって悦にいってるから、トランプさんの勝利もイギリスのEU離脱も天気予報も当んないだよ(笑)
 
 やーい!ダッセぇ~(爆) 
 ま、天気予報は違うかwww




 そーいえば、「ヌーハラ」をネットで検索してたら、“いまだにパスタをすすって食べてる田舎者”なんて書いてる人がいましたけど。
 でも、じゃぁ箸で食べる「五右衛門」はどうなっちゃうんだよ!って(笑)
 ていうか、それを言うなら“パスタ”ではなく、“スパゲティ”って言うべきだと思いまーす!
                                 ↑ 
                               イヤミなヤツ(爆)



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2016
11.13

体に聞いてみたい(笑)


 最近は、やっと天気も安定してきたみたいですけど、相変わらず野菜は高いですね(泣)
 特に、この頃はキャベツやレタスの類がどんどん上がってきて。
 今週は、キャベツが300円近い値段で、さすがに買う気がおきませんでした。
 レタスは、200円くらいだったんですけど、それでもパス!です。

 ま、ウチの辺りはピーマンが採れるのか、それは比較的安くって。
 あと、ジャガイモの値段が安定してきたのと、それからサトイモが季節で安いんで。
 とりあえず今週は、その3つでしのぐとするかなーって(笑)
 あ、あと、カリフラワー! 


 ま、そんな最近の食生活ですけど、ほら、近頃、カカオ分の多いチョコレートって流行ってるじゃないですか。
 ていうか、昔からありましたけどね(笑)
 でも、最近はなんでも流行りなんだとかで、確かにスーパーでお年寄りが買っているのをよく見かけます。

 私、ここ数年、チョコレートはガーナブラックかガーナミルクって決めてるんで。
 ていうのは、アレ、ウマいんですよね(笑)

 そんなわけだったんですけど、気になっていたせいなのか、たまたま安売りしているのが目について。
 先週、明治の「チョコレート効果カカオ86%」っていうのを買ったんです。
 ちなみに、カカオ分のもうちょっと低いグリーンのパッケージのヤツは好きで、出た頃さんざん食べました(笑)

 で、食べてみて。
 思わず、「うわっ!にがっ!」だったんですけど(笑)
 ただまぁ、ワルくない苦さかなーなんて。
 ま、そん時はそれで終わっちゃったんですけどー。

 何回か食べた後でした。
 ふと思ったのは、これ(チョコレート効果カカオ86%)って、1つ(板チョコの2カケラくらいの量)食べただけで満足するよなーって。

 そう考えてみると、ガーナブラックは、1回に必ず2列食べるし。
 ガーナミルクは、3列食べないと満足出来ません。
 しかし、チョコレート効果カカオ86%は1つ食べれば満足できると。
 現に、1週間経っても箱にはまだ残っています。

 チョコレート効果カカオ86%はスーパーで213円くらいなんですけど、一つ食べれば満足だから、意外とガーナより安上がりかもなーなんて思ったり(笑)
 ずっとチョコレートが好きだって思ってたんだけど、カカオ分を欲してただけってこと!?

 
 な~んて、やたらケチクサイ話ですけど、とはいえ、ケチるのって意外と楽しかったりもするんですよね(笑)
 とか言ってると、黒田さんが顔をしかめるのが目に見えるようです(爆)

 



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2016
11.13

怪談16.11.13


 写真にまつわる怪談というと心霊写真が思い浮かびますが、その中でも顔がドワーンとデカく写っちゃってるのを見ると、やっぱりゾクっときます。

 ただ、最近は画像作る技術が進みすぎちゃって…。
 何を見ても作り物にしか見えない。
 まぁ中には本物もあるのかもしれないですけどねー。
 でも、「心霊」などという定義すらないものが作り物と区別つかなかったら、それは作り物と言うしかないじゃんって思ったりもして(笑)
 まぁそういう意味では、心霊写真という物が怪談として成立しえたのは90年代半ば位までなんでしょう。

 このお話は、中学の時に聞いたA先生のお話が元になっています。
 A先生が小学生の頃というのですから、たぶん、「心霊写真」なんて言葉すらなかったか、もしくは、あっても一般的な言葉ではない1960年代のことだと思います。


 その夏。私は、前々から欲しかったカメラを、夏休み前に買ってもらってはしゃいでいた。
 当時、私は小学4年生だった。
 クラスに自分のカメラを持っているヤツなんて何人もいなかった。
 5年生になったら林間学校があるし、6年生なら修学旅行もある。
 みんなを写すことでたっぷり自慢できると、私はワクワクしていた。


 誰もがカメラがついたケータイを四六時中持ち歩き、家には買い換えで使われなくなったデジカメがゴロゴロという現代では考えられないかもしれないないが、当時、カメラは所有していない家の方が多かった。
 そんな頃だったから、私が買ってもらったカメラは、いわゆる「バカチョン」ってヤツ。
 ただ、バカチョンだろうが一眼レフだろうが、当時は全てフィルムカメラ。写すにはフィルムを買わなければならないし、写した写真を見るには現像が必要で、当然現像代がかかる。
 そんな大金、小学4年生だった私にあるわけない。
 だから、せっかくカメラを買ってもらっても、その夏に写したのはフィルム2本だけだった。
 でも、それで充分満足、幸せ。そんな時代だった。


 その夏に私が写した1本目のフィルムは、カメラを買った時にサービスでつけてもらった12枚撮りのフィルムで、それはカメラ買ってもらった嬉しさでたちまち全部写してしまった。
 2本目のフィルムは、カメラを買った時に一緒に買ってもらった36枚撮りのものだったが、でも、それはお盆に父の田舎に行く時に使うつもりだった。
 そう。従兄弟たちに自慢ができるように、大事にとっておかなければならなかった。

 そして、やっと来たお盆。
 従兄弟たちと久しぶりに会えるだけでも嬉しくてしょうがないのに、今年の夏は自分のカメラがあった。
 私は、行く前日からもぉはしゃぎまくっていた。

 父の実家に着くと、まずは仏壇にお線香をあげて。
 それから、祖父と祖母、そして叔父と伯母に挨拶しなければならない。
 子供の頃、私はそれがどうも苦手だった。
 そんな苦手な挨拶をしていると、後ろからクスクス笑う声が聞こえてきた。
 その声が嬉しくて、私は思わず振り返ってしまった。でも、すかさず母に頭をピシャリと叩かれた。
「ちゃんと挨拶してから!」
 その途端、従兄弟たちが後ろから囃す声が聞こえた。

 いや。そうやって私を囃しからかってた従兄弟たちも、挨拶をしないで怒られていた。
 もっとも、父の田舎に来るとそれはいつものことだった。
 だから、私も従兄弟たちも怒られたことなんてすぐ忘れて。さぁ何をして遊ぶかと夢中になるのもいつのことだった。
 叔母さんが切ってくれたスイカを縁側に座って食べながら。私は来る前からずっと気になっていたことを従兄弟たちに聞いた。
「今年は、カブトやクワガタどうなの?」
「今年は、上のため池のクヌギ林はダメだなぁー。
 でも、墓場横の栗畑にはかなりいる。」
「えぇー。あそこぉ…。」

 当時、私は墓場横の栗畑がずっと苦手だった。
 父や祖母は「ウチのお墓なんだから、お前に怖いことなんてするわけないだろ」って言うんだけど、やっぱり怖かった。
 なぜなら、あそこには死んだ人がそのまんま埋まっているから…
 
 当時、父の田舎はまだ土葬だった。
 棺桶が腐るせいだったか、それとも埋められて間もない新しいお墓だったか忘れたが、たまに足がズボッと地面に潜り込む場合があるとかで。
 お墓に行く時というのは、いつも緊張して行ったものだった。
 農村だから、お墓は各家ごとに、田んぼや畑の中にポツンポツンと点在していた。
 お盆の夜ともなると、先祖の霊を迎えた印である提灯を持って墓から家へと戻る灯りが暗闇の中あちこちに見えて…。
 それが人だとわかっていても、なんとなく薄気味悪かったのを憶えている。
 今考えれば、幻想的で美しい光景だったのだろう。


 いくらお墓が怖いといっても、カブトやクワガタの為、私はそこはぐっと我慢することにした。
 なぜなら、その夏がいかに充実した夏休みだったかというのは、カブトとクワガタの捕れた量と比例するからだ。
 それに、今回はカメラもあった。
 木の幹をのっしのっしと歩き回るカブトやクワガタの写真は、絶対撮りたかった。

「今回はさ…、ジャーン!」
 それは、待ちに待った瞬間だった。
 私は、従兄弟たちに誇らしげにカメラも見せびらかした。
「うぉっ!カメラじゃん。
 えっ、オマエのかよ?スッゲーっ!おいっ写そうぜ!」
 従兄弟たちと写真を撮ったり撮られたり。
 気がつけば、フィルムをたちまち半分以上使っていた。
「あっ、もぉこんなに写しちゃった。
 もぉダメ。後は明日。カブトとクワガタを写すのにとっておかなきゃ。」

 次の朝。私は、まだ薄暗いうちから起きて、従兄弟たちに連れられてカブトムシとクワガタ採りに行った。
 あの夏は大漁だった。もちろん、カブトムシやクワガタの写真もバッチリ撮った。


 楽しい時が過ぎるのは、早いもの。
 あっというまに4日がすぎ、帰る日になってしまった。
 私も従兄弟たちも無性に寂しくって。昨日までの元気が出てこない。
 そんな午前中、私は従兄弟たちに手伝ってもらって。採ったカブトムシとクワガタを持って帰れるよう荷造りしていた時だった。

「あーら、B子ちゃん大きくなったわねー。
 ウチのAより全然大きいんじゃない。」
 縁側から聞こえてきた母の声。
 その声に振り返ると、ちょっと大人びた感じのする少女が縁側に立って私に手を振っていた。

 B子ちゃんは、親戚の子供たちの中で、唯一私と同じ歳だった。
 とはいえ、B子ちゃんの家は一族の本家で、私の父の実家はその分家のさらに分家にあたっていたこともあり、田舎に行く度会うというわけではなかった。
 今思うと、子供の頃私は、そのB子ちゃんのことが好きだったんだと思う。
 B子ちゃんは、しっかりして面倒見のいいお姉さんタイプだった。
 一方、私は一人っ子でだったから、同じ歳なのに、いつもこんなお姉さんがいたらなぁーと思っていた。

「なーんだ。今日帰っちゃうんだー。」
「うん。」
「たまには、ウチにも泊まりにおいでよー。」
「うん。」
 小学校4年生といったら、女の子の方が全然大人びている。
 しばらく会わなかったB子ちゃんはすっかり女の子っぽくなっていて、その時、私はすっかり照れていた。
 何か話さなきゃと思うんでけど、でも何を言ったらいいか、全然わからなくて。
 どうしようか、どうしようかと、頭の中が真っ白になりかけた時だった。

「あっ!そうだ。B子ちゃん、ちょっと待ってて。」
 何を話したらいいかわからなくて、すっかり困ってしまった私が思いついたのはカメラだった。
 フィルムは、確か何枚か残っていたはずだった。
 B子ちゃんに、これは私のカメラなんだと自慢したかったし。また、写真を撮ってあげたらB子ちゃんも喜ぶだろうと思ったのだ。

「B子ちゃん。ほら!写してあげる。」
 駆け足でB子ちゃんのところに戻ってくると。私は後ろに隠していたカメラを振り返ったその顔の目の前で構えた。
 その瞬間、私は得意の絶頂で、たぶん満面の笑みを浮かべていたと思う。
 それは、カメラのファインダー越し。私の声に振り返ったB子ちゃんの笑顔。
 それがあっという間に歪んだのは見ていたと思う。
「キャーっ!やめてーっ!
 キャーっ!キャーっ!」
 いきなり辺りに響いた、B子ちゃんの悲鳴。
 私は驚いて、思わずカメラから顔を離した時だった。
 それは、まるでカメラを押しのけるように家の中に駆け込んでしまったB子ちゃん。
 そんなB子ちゃんの行動と声に驚いちゃって、その場に立ちつくす私。
 B子ちゃんのただならぬ悲鳴に、縁側からこちらを見ている私の父と母の顔。
 祖父と祖母の顔。
 B子ちゃんのお母さんの顔。大人たちみんな……

「ぼ、ぼく、何もしてないよ。
 た、ただ、写真を撮ってあげようと…。」
 ふと、肩を叩く感触に気がついて。振り返ると、一番年上のいとこが困ったような顔をして笑っていた。
「A、気にすんな。
 B子ちゃんだって、別にオマエのこと悪く思っちゃいないから。
 ただ…。ただ、そう。ちょっとビックリしただけなんだ。
 だから気にすんな。」
「僕は、写真を撮ってあげようとしただけだって!」

 半べそになって大声をあげた私の両肩を後ろから抱えたのは、父だった。
「おいっ、A。
 女の子を撮る時は、ちゃんと写していいか断ってからじゃないと嫌われるんだぞ。」
 父はそう言ってゲラゲラ笑ってたから、私はちょっとだけホッとした。
 それでも、まだみんなの目は私を責めているようで、胸の動機はまだおさまっていなかった。
「だから、僕は写真を撮ってあげようと――。」
 その後は言葉にならなかった。
 もちろん、B子ちゃんにカメラを自慢したかったんだ、なんて言えなかった。

「おい、A。
 話すには、ちょうどいい時なのかもしれない。ちょっと来い。」
 そう言って、父は僕を手招きすると。1人、スタスタと納屋の向こうへ歩きはじめた。
「なんだよー。」
 私は、ちょっと不貞腐れてみせながらも。でも、そっちに行けば、みんなの目から逃れられると急いで父の後を追いかけた。

 納屋の向こうはお盆の太陽に直接照らされいて、とても暑かった。
「ふぅー。あっちいなぁー、ここ…。」
 それだけ言って何も語らない父。
 怒られるんだろうと、ずっと下を見ている私。
 でも、何も言わない父に、私は恐る恐るその顔を見上げた。
 そんな私に気づいているのかいないのか。父は、何やらじっと空の方を見て黙ったまま。
 すぐ脇の庭木の手が届くところで、ツクツク法師が鳴きだした。
 今なら捕まえられる、そんなことを思った時だった。

「なぁA。お前は幽霊っていると思うか?」
「えぇっ!?」
「幽霊…。まぁ幽霊でもいいし、宇宙人でもいい。
 雪男でもいいし、ネッシーでもいい。
 お前、そういうのって、いると思うか?」
「宇宙人やネッシーはいると思うな。
 でも、幽霊はいないんじゃないかなぁー。」

 私のその答えに、父は大笑いだった。
 それは、ツクツク法師も驚いて鳴き止んでしまったくらい。
「幽霊はいないっていうくせして、
 なんでこないだの夜、お墓に行くの怖がってたんだよー。」
「……。」
 痛いところをつかれ、何も言えない私。
 そんな自分に無関心な2人の様子に安心したのか、再び鳴きだすツクツク法師。

「あのな、父さんも幽霊がいるかどうかなんてわからん。
 でもな…、でも、世の中には誰も説明のつけられない、
 わけのわからないことっていうのは、本当にあるものなんだ。
 幽霊みたいなものがいるんだって思ってしまった方が納得いくってことがさ…。」
「…!?」
「お前も自分のカメラ持ったことだしな。今後、これだけは約束しろ。
 B子ちゃんには、絶対カメラを向けちゃダメだ。
 今後、B子ちゃんにカメラ向けたら…。
 いや。お前が、B子ちゃんの前でカメラを出したら、
 お父さんは、カメラ取り上げるからな。いいな。」

 私は、この時、父が何を言っているのか、全くわからなかった。
 父が何かとっても真剣に話しているってことだけは伝わってきたものの、でも、私に何をどうしろって言ってるんだろう?って。
 だから、その後に父が話した事に、私は世界がちょっと変わってしまうくらいの衝撃を受けた。

「これは、なぜだかわからない。
 人間っていうのは、なぜだかわからない時は、
 幽霊だとか、神さまだとか、そういう物を持ち出して
 無理にでも納得するしかないんだ。
 世の中には、そういう事だってあるってことなんだ。
 だから、お父さんはお前に、この事がなぜってことを、お前に説明する事はできない。
 でも、こういう事実があって、
 だから、それをしてはいけないんだということだけを憶えておけ。
 いいな!」
 父はそう言って、私の目の奥をグッと見据えてきた。
 その有無を言わせない強い目に、私は目を反らすことすらできず、コクリとうなずくしかなかった。

「B子ちゃんは、生まれてからこのかた、
 写真を撮ると、なぜか泣き顔にしか写らないんだ。
 どんなに笑っている時に写しても、絶対泣いている顔なんだ。
 写真屋さんに頼んだってそうなんだ。
 だから、B子ちゃんは、お前がカメラを向けた時、逃げ出しちゃったんだ…。」

 傍のツクツク法師は、いつの間にかどこかに飛んでいってしまったのか?
 でも、あたり一面、いろんなセミが鳴く声がワンワン聞こえてきて。
 あの時、夏はまだまだ真っ盛りだった。

 父は、それ以上は語ろうとしなかった。
 でも…
 いつも聞けば何でもわかりやすく教えてくれる父がそんな風な説明しかしてくれないということで、私はそれがとっても異常なことなんだって気づいた。


 そして、後日。
 確か、夏休みももぉ終わりって頃の午後だったと思う。
 田舎で写した写真が出来てきて、母と見ていた時だった。
 ふと、私は、母にそのことを聞いてみたのだ。
 母も、しばらく何も言わなかった。

「その話はね、母さんもそんなによくは知らないの。
 でもね。そのどうしても泣き顔になっちゃうって写真、
 母さんも1度だけ見たことあるの…。」
 そこで話を一端区切った母は、窓の向こうを見て。またしばらく黙ってしまった。
 私は、その横顔をじっと見ていた。
 やがて、母はまた私の方を見て話し出した。
 でも、その目は、何だか私のはるか後ろを見ているようで、ちょっと怖かった。

「あたし、今まで、あんなに怖い物、見たことないかもしれない…。」
「え…。」
「写っているのは、確かにB子ちゃんなの。
 でも、違うの…。」
「!?」
「そこに写っているのは、間違いなくB子ちゃんなのよ。
 でも、見ていると、いつの間にかそこに違う女の人が写ってるの。
 ううん。知らない人。誰も知らない女の人…。」
「…?」
「母さんが見た写真は、
 B子ちゃんが幼稚園に上がる前くらいの時の写真なんだけど、
 じっと見てるとね。
 B子ちゃんの顔が、大人の女の人に見えてくるの。
 大人の女の人が、泣き崩れているような顔に見えてくるのよ。
 泣いているんだから悲しいんだろうと思うの。
 でもね。その悲しさが悲しさを通り越して、ツーっと、怒りが伝わってくるのよ。
 その瞬間が、とっても怖いの…。」
「……。」
「そんなこと言っても、まだわからないよね。
 大人にならないと、わからないかもしれないな…。」

 母の話を聞きながら、私はずっとB子ちゃんの顔を思い出していた。
 でも、それが違う女の人の顔に見えるっていうのがどういうことなのか、よくわからないでいた。
 母の話は、まだ続いていた。
「でね。母さん、その写真を見た夜、お父さんに言ったの。
 たぶん、ああいうのが怨念っていうものなのよね、って…。」

 そのイメージが浮かんだのは、すぐ後だった。
「そしたら、お父さん、言ったの。
 あぁやっぱりお前もそう感じるんだなぁーって。
 でね。聞いたの。何があったのって。
 でもね、教えてくれないのよ。
 っていうより、お父さんも詳しい事は知らないみたい。
 お父さんが言うことには、分家の人間には教えてもらえないんで、
 あくまで推測でしかないんだけど、怨念だとか、祟りだとか。
 本家には、そんな因縁めいた話があるらしいって…。」

 その一瞬、そう言っていた母の顔が知らない女の人の顔に見えた気がして…。
 思わず、後ずさってしまったのを憶えている。



                          ―― 『泣き顔』〈了〉


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2016
11.13

イヤミス時代の大統領(笑)


 「いよっ!大統領」
 
 って声をかけたくなっちゃうくらい、今週はトランプさんの独り舞台って感じでしたね。
 大方の予想を覆してヒラリーさんに勝っちゃうのもさりながら、勝利が確定してからの世界中を「…???」ってさせちゃう変容ぶりにも唖然とさせてくれました(笑)

 まー、なんでしょう?
 あの暴言のオンパレードは、マスコミをはじめとする世論が歯向かってくるから、つい吠えちゃってただけなのか?
 持ち上げて接すれば、もぉやたら「よっしゃ!よっしゃ!」って、極端なお山の大将タイプの人なのか?
 というか、ホントは自分でも信じていなかった大統領の椅子が転がり込んできちゃったことに驚いちゃって、その責任の重さに神妙になっちゃっただけなのか?
 だって、このままだったら支持率最低の大統領として歴史に名が残っちゃうのは確実ですもんね
 とりあえずは、単純にネコかぶってるだけなのか?
 というか、勝利が確定してからのトランプさんの背中が丸まって見えることが多いの、あれは何なんでしょう?
 ミシェルさんと対面している時のメラニアさんの背中が、やたらピンとしてたのと対照的

 いっやー、ホンっト、全っ然見当がつきません。
 変な話、これからどんな風になるんだろう?って。
 なんだか、ミョーっ!に楽しみっという、こんなアメリカの大統領選挙は初めてです(笑)


 ただまぁなんて言うんですかねー。
 もちろん、“トランプさんが勝った”というのはもちろんありつつ。
 今回は、“ヒラリーさんが負けただけ”という面も多分にあるような気がしますね。
 それを一番実感したのは、ヒラリーさんが敗北宣言した時の顔でした。
 あれを見た時、あの選挙戦を通じて、ヒラリーさん、あの時が一番いい顔してたんじゃないかって(笑)

 いや。揶揄じゃなくってね。
 アメリカの大統領って、大統領になってからはともかく。
 大統領になるまでは、みんな笑顔に魅力があるように思うんです。
 でも、ヒラリーさんの笑顔にはそれを感じられないんですよね。
 思えば、それは8年前にオバマさんと民主党の候補を争った時からずっとそうでなんですよ。
 一生懸命なのはわかるんだけど、見ていていつもアップアップで。
 言い方は悪いですけど、女の人のああいう言動を見た途端、たぶんほとんどの男は「あぁカンベン…」って思うんじゃないでしょうか(笑)
 選挙ですから、有権者から見ての単純なイメージはやっぱり大事です

 そう考えると、トランプさんの方がユーモアがある分、まだマシだったかもなーって。
 犬畜生にも劣ることを言うようなヤツだなーって思いつつ、でもクスっとしちゃうところもある(笑)
 誰も言いませんけど、意外とそれはあったんじゃないかなーって思います(笑)

 暴言にしたって、SNS等で誰もが「理想の自分」「正義な自分」を演じていて、それに疲れちゃってる状況っていうのはアメリカ人も同じだと思うんです。
 そんなワルグチを言いたくてもカッコワルイから言えない疲れ切った毎日の中で、あっけらか~んと口汚くののしってくれる大統領候補にある種の救い(ていうか、快感?)を見出だしたみたいなとこ、あるんじゃないですかね(笑)

 ま、「イヤミス」がアメリカでも流行っているかは知りませんけど。
 でも、“イヤミスな時代の大統領”なのかもなーって。
 なんか、そんな変な言葉が浮かんじゃいました(笑)


 というか、先週の日曜の夜にNHKでやってた「揺らぐアメリカはどこへ~混迷の大統領選挙」ですよ。
 http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20161105
 https://www.youtube.com/watch?v=6wi4P39w8QA

 あれ、私が見たのはトランプさんが勝ちが決まってからだったんですけど、ホンっト、久々に見応えのあるNHKの番組見たなーって(笑)
 冗談抜きで、大アマゾンのガリンペイロの回以来?(爆)

 ま、トランプさんの勝利が決まってから見たんで。当然、そこにはバイアスがかかってるとは思うんですけど、それでも“あの格差による分断の根深さ”ていうのは相当なものだと思いました。
 あれなんか見ちゃうと、今のアメリカにはトランプさんの言ってることに共感しちゃう人たちがたくさんいる(いた)っていうのがよくわかるし。
 また、人種差別的発言は醜くて嫌だけど、でも、金持ちとウォール街しか興味のない既存の政治家はもっと嫌だっていう人もたくさんいるっていうのも実感出来るんですよね。
 極端な話、それらの多くの層を眼中にしてこなかった、今までのアメリカ(政治や経済、マスコミも含めて)の代表とも言えるヒラリーさんという選択は最初からなかったんじゃない?って思っちゃったくらいでした。
 日本の政治や経済の人たちも、東京ばっか見てるといつか足すくわれるよ(笑)

 ただまぁそうはいっても、アメリカ国民の投票数ではヒラリーさんの方が得票数が多いとかで、まぁなんともですけどねー(笑)


 というか、トランプ大統領が誕生するのが決まった今は、逆にその反トランプの数こそが衝撃(脅威)ですよね。
 最初、トランプさんが出てきた時、戦争って、こういう人がきっかけで起きてくんだろうなーって思いましたけど、もぉそれ以前ですね。
 もちろん、トランプさんが意外に善政をする可能性もあるわけですけど、でも今までのイメージ通りだとしたら、アメリカの治安は最悪になるんじゃないでしょうか。

 現に、反トランプの人たちによる暴動が起きたわけですしねー。
 (経済の格差が続く限り)それはこれからも続くでしょうし。
 また、トランプさんが意外とまともな政治をした場合、今度はトランプさんに投票した層が黙ってないでしょうし。
 よくて、70年代80年代の頃くらいの治安状態。
 場合によっては、内戦に近い状態って可能性もないとはいえないんじゃないでしょうか?
 変な話、(こんなこと言うと怒られますけど)もうすでに暗殺というシナリオを描いている人も組織もいるような気がします。
 というか、それを前提で候補者にした可能性だってあるのかも?


 しかし、こうなってくると、日本として怖いのは東アジア情勢ですよね。
 つまり、アメリカ人がそうであるように、ニッポン人も政治や防衛に無関心でいい時代は終わったってことなんでしょう。

 そのことは、マスコミや世論調査、あとは経済や投資の専門家の予想がまるっきり見当違いだったのを見ても明らかです。
 思えば、それは5月のブレグジットの時もそうだったわけで、つまり、それはこれからも同じってことです。
 戦争は、間違ったリーダーが起こすものではなくて。
 「戦争は絶対いけない」と言ってた人たちが、いつの間にか先頭に立って戦争を叫ぶことで起きていくもののような気がします。







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2016
11.06

最近、なんだか世界はドテドテ

 なんだか、最近、世界は、とってもドテドテ(ドゥテルテ?)変わってるみたいです(笑)
 イギリス(EU)しかり。フィリピンしかり。韓国しかり。
 あとは、そう。つまり、アメリカも変わるってことなのかなー(爆)

 ま、ドゥテルテ氏の言ってることは、どこまでホントなのかわからないんで(笑)
 ていうか、全部リップサービス?
 何とも言えない部分はあるんだけど、アメリカの悪口言うのに、しれっとEUも混ぜちゃうのとか見てると、もしかしたら、植民地支配されてきた国々からの欧米批判の始まりになるのかもなーなんて勘ぐってみたり。

 ただ今大騒ぎの韓国は、あれがきっかけで、その矛先が財閥に向かって。それこそ、何年か後、国の仕組みがガラッと変わっちゃってるなんてこともあるのかもしれない。

 EUは、イギリスは結局離脱するんだかしないんだかわからなくなってきてるけど(笑)、とはいえ変わらざるを得ないだろうし。

 あと、日本人には(知らされないんで)よくわからないけど、中央アジアや中東、さらにはアフリカや東南アジア(オセアニアも?)辺りは、表に出てこないいろんなネットワークが出来てきてるらしいし。

 ていうか、今や日本もその変化の渦中ですよね。
 ロシアとの関係は、これでトランプ氏が大統領になった日にゃぁ、さらに加速していくんじゃないでしょうか。
 ロシアとの関係が緊密になると、日本の国内も変わるはずですよね。
 これからは、窓口となる北海道および日本海側が、にわかに脚光を浴びることになっていくんじゃないでしょうか。

 アメリカの大統領が誰になるかはともかく、日ロ関係っていうのはこれから進展していくことになることになると思うんですけど――そもそも今までの関係が不自然でしたよね――それはそれとして、はたしてアメリカ人はトランプ氏を大統領に選ぶのか?
 それは、ちょっと見ものですよね。

 ま、日本からすれば、トランプ大統領というのは短期的には、たぶん災厄に近い出来事になるのかもしれないですけどねー(笑)
 個人的には、あの奥さんの顔をニュースで見なきゃならないって、無茶苦茶災厄だと思いました。
 トランプ氏はねー、思うに、女性の趣味がワルすぎ。もぉその一点で大統領の資質がないと思う(爆)
 ただ、長期的には――ま、いろいろ苦労するにしても――日本にしても、ニッポン人にしても、いいような気がするんですけどねー。

 ただ、思うのは。
 ま、素人発想だとは思うですけど、トランプ大統領という選択はアメリカの時代の終わりの始まりなんだろうなーって。
 ていうのは、トランプ氏を支持しているアメリカ人を見てると、あー、アメリカ人も普通の弱い人間なんだなーって思っちゃったんですよね。
 ていうか、今さらそれに気がついちゃったっていうか(笑)

 だって、ジョン・ウェインは映画で性差別なこと言わないでしょ?
 スターウォーズで描かれる、その理想とする世界は、いろんな宇宙人が共存してる社会でしょ?
 ロックンロールは、ずっとラブ&ピースを歌ってきたわけでしょ?
 だから、アメリカはカッコよくて、世界の憧れだったんだと思うんです。
 アメリカの強さの源って、つまりソコですよね?

 昔、なんかのCMのコピーに「アメリカがアメリカだった頃のアメリカがある」っていうのがあったじゃないですか。
 その感覚からすると、トランプさんとかトランプを支持している人たちって“アメリカ人なのにアメリカじゃない”んですよね。
 アメリカ人なのに、カッコワルイって言ったらいいのか。
 もしくは、ジョン・ウェインであることをやめちゃった人たちとでも言ったらいいのか……


 ま、トランプさんでもクリントンさんでも、どっちでもいいんですけど、でも、やっぱりアメリカはアメリカでいてほしいなーって思うんです。
 おめえら、それでもアメリカ人かよ!
 ニッポン人の永遠の憧れのカッコイイアメリカ人じゃねーのかよ!
 アメリカ人の矜持ってもん、ないのかよ!
 中島みゆきだって言ってるぞ、永遠の嘘をついてくれーっ!って(爆) ←実は、それが言いたかっただけだったりするwww
 https://www.youtube.com/watch?v=Mnb0DpmsgD0


 しっかし、今年のノーベル文学賞がボブ・ディランっていうのも、そう考えると妙に暗示的だよなぁ…
 
 


 ま、それを知った時はもぉ向こうは大騒ぎだったんで。
 実際は、何とも言えない部分はありますけど、隣国の例の一件は、大統領が謝罪会見したことで、逆に火に油注ぐ結果になったように見えましたね。

 あれが、それこそどこぞの国の自民党の人だったら、知らぬ存ぜずを決め込んじゃって。
 まぁ多少の騒ぎになるものの、人の噂も七十五日で済んじゃったようにも思うんですけどねー(笑)

 それこそ、渦中のオバサンなんて、海外にいたわけですもん。
 とりあえず亡命させちゃって。
 あとは、事の成り行き見て首をキュッとやっちゃえば、それで後は全て闇の中だったと思うんですけどね―。
 というか、隣国のスキャンダルで、今一番ホッとしてるのは豊洲市場のデタラメに関わっていた都庁の職員と、たぶんそれを指示していた都議会の議員たちでしょうね(爆)

 隣国の大統領は、日本にイチャモンつけるのがとってもお好きなようですけど、そんなことしてる暇があったら、どこぞの自民党にもっといろいろ学んだらいいのになーっとか思っちゃいました(笑)

 しかしまぁあの事件で大騒ぎする国民と、オリンピック関連、豊洲市場とあんだけワケわかんないことに金が消えててものほほーんとしている国民。
 どっちもどっちだよなぁーとは思いつつ、玄界灘を越えただけでここまで違うことにちょっと呆れます(爆)



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2016
11.06

怪談16.11.6


 これは、仕事場が都内のマンションにあるB美さんのお話。

 わたしは、小さなデザイン事務所に勤めている。
 仕事場があるのは、都内の某駅から15分ほど歩いたところにあるマンションの一室だ。
 山手線の某駅から歩いて15分くらいの所というと、さぞかし賑やかなところだろうと思うかもしれないが、それはハズレ。
 駅の周り、歩いて5、6分くらいの範囲だと商業施設やオフィスビルもあるのだが、そこを越えると風景は一転、住宅街に変わる。
 もちろん、今時の住宅街だから低層のマンションやアパートも多いのだが、それは郊外も同じだろう。
 ただ、そこは都心だ。郊外のように空地はない。

 そんな、都心とも思えないくらい住宅然としたウチの事務所の周りだが、わたしが仕事をしている平日の昼間、辺りはホント森閑としている。
 それは、ちょっと驚いちゃうくらいで、わたしは都下のマンション住まいだが、たぶんそこよりも静かなんじゃないかと思う。
 ウチの会社はデザイン事務所という仕事柄、残業や徹夜が多いのだが、夜、それも9時をまわって以降の方が、よっぽど人の気配が濃厚に感じられる。
 それは、最終電車に乗るのに駅に歩いて行く時の方が、昼間よりも歩いている人を見かけるのをみても確かだ。

 そんな静かなウチの事務所。社長のA山さんは、ほぼ毎日クライアントのところに直行で、顔を見るのは夜になってからってくらいだし。
 また、もう1人の社員の、わたしより古くからいるデザイナーのC子さんも昼間は打ち合わせが多いから出ていることが多い。
 だから、昼間はわたし一人のことが多い。
 もっとも、電話はひっきりなしだし。バイク便や宅配便の荷物の受け取り、その他外注さんも出たり入ったりするから、事務所の中にいる分には静かだなんて感じない。
 というか、忙しくて、そんなこと感じている暇もないくらいだ。
 だからこそ、昼食を買いに行くなど外に出て、玄関のドアを閉めた瞬間、辺りがあまりに静かなことに驚くんだと思う。

 そんなわたしの仕事場だが、あれは2年前の…、そう、確か12月に入って間もなくのことだったと思う。
 小春日和というと、季節がピンとこなくなってしまうが、その頃の季節によくある、カラッと晴れた日のお昼すぎ。
 年末の仕事のラッシュはもう始まっていたが、その日は忙しいのと忙しいのの合間みたいな日だった。
 A山さんとC子さんは、例によって朝から打ち合わせで出ていた。
 あの時っていうのは、確か校正待ちだったんだと思う。わたしは一人、事務所の自分の机でコーヒーを飲んでいた。
 西日が背中にあたるせいかやけにポカポカして、ちょっと汗ばむくらいだった。
 その時は、連日の最終電車帰りのせいもあって、わたしはその時、少しウトウトしてしまったのだろう。
 いつもかけているFMラジオのDJの声が、なんだかやけに遠くから聴こえてくるようで。
 すーっと、一瞬意識が途切れた時だった。

「はぁぁー。」
 すぐ後ろでした、溜め息の音にわたしは慌てて目を覚ました。
 ま、忙しい時は昼も夜もない、しかも社員3人の会社だから。居眠りしてたってどうということもないのだが、でも、そこは仕事中。
 反射的なものなのだろう。わたしは、とにかく慌てて椅子から身を起こそうとした。
 その時だった。
 たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ…
 いきなり耳に飛び込んできたリアルな靴音に「わっ!」って。体がビクンと椅子の上で跳びはねた。
 あの時というのは、とにかく、何が何だかわからない。
 でも、わからないなりに何かこう、身の危険が迫ってるように感じたんだと思う。
 だから、その靴音をたてている何かから逃げようとして、でも、次の瞬間、わたしは椅子からずり落ちてポカーンとしていた。
 後ろを見たが、もちろん誰もいなかった。
 窓の外の青一色の空に光が差しているのが見えただけ。

「え…。」
 というか、ここは事務所とはいえマンションの一室。床はフローリングだし、そもそも靴は玄関で脱ぐから…
「そんなわけないか…。」
 わたしは、思わずそう口にしていた。
 確かに、窓の外にベランダはある。そこを歩くことも出来る。下はコンクリートだから、もしかしたらあのような靴音がするかもしれない。
 でも、わたししかいないこの部屋のベランダを歩く人がいるわけないし。そもそも聴こえた靴音は、ベランダよりはるかに長かった。

 なら、その向こうは…
 そんなわけないとわかりきっているのに、その時は思わず立ち上がって窓の向こうを見ずにはいられなかった。
 だって、ここは7階。
 ベランダの向こうを歩けるわけがない。
 なら…

「あ…。」
 もしかして、向かいのマンションの通路を歩く靴音?
 でも、そこは思っていたよりずっと遠くて。
 いい天気とはいえ、外の空気がすっかり冬のそれになった今日では、は窓をピッチリ閉めているから靴音なんてたぶん聞こえない…、というか、思い返してみても、いままでにそんな音を聞いた記憶がなかった。

 いきなり耳元で聞こえて、そして遠ざかっていったその音は、今でも生々しく耳に残っていた。
 あの足を出すテンポの早い、そして一歩一歩がズシリと重い音は、たぶん男性が歩く靴の音だった。
 それも、たぶんアスファルトの上を歩く音。
 というか、思い返してみれば、最初に聞こえた溜め息も男性のそれだったような…。
 だから、たぶん中年くらいの…。

 どこか、ボーっとした頭で、そんなことを考えていた時だったと思う。
 たんっ、たんっ、たんっ、たんっ…
 耳に残っているその靴音と同じような音が聞こえてきたのは。
 それは、窓のガラス越し――。
 たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ……
 それは、そうしている間も歩き続けていた。
「えぇっ!」
 首の後ろの両側から背中にゾワッというものが走ったのを感じつつ。わたしは窓に駆け寄ると、それをカラカラっと勢いよく開けた。
 たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ……
 ガラス越しに、どこかくぐもって聞こえていたそれが、途端に生の音として耳に飛び込んできた。
 スリッパのままベランダに飛び出したわたしが見たその靴音の主は、スーツ姿の男性の後姿。
 たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ……
 それは、ホント、その靴音通りに足を動かして、今、まさにマンションの敷地から道に出ようとするところ。
 たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ…
 靴音とともに、マンションの敷地に植わっている樹木に見え隠れしているスーツ姿の男性の上半身。
 たんっ、たんっ、たんっ……
 その姿が見えなくなると同時に、その靴音も聞こえなくなった。


「……。」
 靴音は、まだ頭の中で鳴っていた。
 でも、今の今まで何か得体の知れないものだったそれは、たんなる靴の音に変わっていた。
 下を歩く音が風の加減か何かで上がってきて、妙に間近に聴こえて驚くということは普通にあることだった。
 靴音の主であるスーツ姿の男性は、このマンションの住人か?
 それとも、このマンションのどこかに来た営業マン?
 そういえば、このマンションは、ここと同じように事務所として使っている部屋もいくつかあったから、そこの社員ということもあるだろう。
 あるいは、その会社に来た外注さんということも。
 そう。いずれにしても、何のことはない。あれは、下を歩くただの足音だった。
 きっと、ウトウトしている時に聞こえたもんだから、驚いてしまったのだろう。
 驚いたといえば、2回目に靴音を聞いた時、背中に何かがゾワッと走ったように感じたのはビックリした。
 ああいうのって、ホントにあるんだ…
 そうそう。お昼、まだだったっけ
 コンビニ行って、お昼、買ってこようかな…
 あれ?そういば、今日は電話がないなー
 お昼だし、A山さんもB子さんも電話してきそうなもんだけど…
 2人とも打ち合わせが伸びてるのかな?
 大変ねー
 あ、そうだ。行く前に、メールだけチェックしとこっ……


 事務所を出ると、ホンっト、空が真っ青だった。
 もぉ師走だっていうのに、その日差しは意外なくらい強烈で、ポカポカと暖かかった。
 事務所を出る時、コートを着てこうか迷ったのだが、着てこなくて正解
 ていうか、いやもぉポカポカ、ポカポカ、ちょっと暑いくらいで。気づけば、セーターの腕をまくり上げていた。
 そう、小春日和って、インディアンサマーとも言うんだっけ
 冬なのに、春だとかサマーって、変なの…

 辺りには、相変わらず人通りがない。
 ま、いつものことだけど…
 そんな静まりかえった街並みとは裏腹に、家々の庭は赤やら黄色の葉っぱでやたら賑やか。あと、木になった無数の赤い実が今日の陽光にキラキラ光っていて。
 それらは空の青と相まって、まさに秋真っ盛り…、あ、違う。もぉ12月だった…
 はぁー
 早いなぁ…

 そんな秋のような外の風景とは裏腹に、コンビニの中はクリスマスや正月で大賑わい。
 そうかー。もぉすぐクリスマスだったんだなーって。
 またもや溜め息を吐きつつ、コンビニでお昼を買って、外に出た時だった。
 あれ…
 ふと、前を歩く見覚えのある背中に目が止まった。
 なぜか、その人を事務所に午後に来るといっていた外注さんと勘違いしてしまった、わたし。忘れ物でもしたのかな?と気安く声をかけようとして、すんでのところで、その靴音に気がついた。
 たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ…
 あ…
 そうそう、この靴音。さっきのあの人じゃない…
 そのスーツ姿の靴音氏は、事務所に戻るわたしと同じ方向に歩いていた。
 なんだろ?やっぱり忘れ物!?
 あ、そうか。あのマンションに事務所がある会社の人なら、同じようにお昼を買いに出たとか…
 あ、違う、違う
 だって、お昼会に行くのにいちいちカバン持ってかないもん

 さっき、上から見ていた時は気がつかなかったが、スーツ姿の靴音氏は右手に皮のカバンを下げていた。
 ということは、やっぱり営業マンか何かなのか?
 カッチリとスーツを着ているところからしても、そんな感じがあった。
 というか、何よりもその歩き方、靴音…
 たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ…
 やたらテンポのいいその歩き方は、正直言って、わたしにはかなり早すぎる。
 なのに、なぜかその時、わたしはそのスーツ姿の靴音氏の後を追っていた。
 別に、魅かれるところがあったとか、そういうことではない。
 また、さっきの事務所で靴音を聴いて驚いたことで、そのスーツ姿の靴音氏に何か変な感じがしたとかいうことでもない。
 その時、わたしがそのスーツ姿の靴音氏の後を追ったのは、今考えてみても「なぜか」と言うしかない。

 たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ…
 しっかし、歩くの早いな…
 セーターの腕はまくっていたが、もぉ体がポッポと熱くなってきて、そのセーターも脱ぎたいくらいだった。
 とはいえ、手には買ったお昼をぶら下げていたから、それは出来ない。
 たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ、たんっ…
 それは、疲れてきたわたしが気を抜くと、たちまち引き離されてしまう、そんな速さ。
 はー、はー、はー
 気づけば、ちょっと息が上がっていた。
 ていうか、なんでわたしはあの人のこと、追いかけてるんだろ?

 それは、そんな当たり前なことに気づいて、スーツ姿の靴音氏の後を追うのを止めようとした時だった。
 見ると、スーツ姿の靴音氏が立ち止まっていた。
 わたしはといえば、歩調こそ遅くなっていたとはいうものの、なおもそのスーツ姿の靴音氏に一歩一歩と近づいていた。
 一方、件のスーツ姿の靴音氏はといえば、立ち止まったまま。
 右を見たり、左を見たり。
 そこは、住宅に囲まれた小さな十字路。
 どこへ行くつもりなんだろう?
 とはいえ、ここは住宅街。何軒かマンションも建ってるが、目印になりそうなものは何もなかった。

 その時には、わたしはいつもの自分の歩調で歩いていた。
 そのスーツ姿の靴音氏に、別に興味があるわけでもなかった。後を追ったのはたまたまで、それは自分でもなぜなんだか、よくわからなかった。
 だから、別にスーツ姿の靴音氏がわたしに気づいても全然OKなわけで。実際、その時にはもうわたしは、立ち止まったままのスーツ姿の靴音氏の横を通って事務所に戻るつもりだった。

 だんだん近づいてくるスーツ姿の靴音氏は、まだそこに立ち止まったままだった。
 あれ?タブレットなんか見てる
 地図で目的地を探しているのだろうか?
 ということは、やっぱりあのマンションに事務所がある人ではないんだな…
 でも、何の営業マンなんだろう…

「あのー、すみません。」
「へっ!?」
 いや、もぉ驚いたなんてもんじゃなかった。
 だって、いきなり。ていうか、話しかけられるなんて思ってもなかったから。
 声をかけてきたスーツ姿の靴音氏は、タブレットを見せるような仕草をしながらわたしにつかつかと近寄ってきた。
 その時、わたしの目は、スーツ姿の靴音氏の示すタブレットの画面と、あと、なぜか歩道に置きっ放しにされたカバンを行ったり来たりしていた。

「○○さんのお宅に行きたいんですけど、
 Q町の5丁目って、この地図にないんですけど…。」
 え?Q町の5丁目…
 あ、そうそう。
 Q町の5丁目って、確かにわかりにくい…
「あぁQ町の5丁目ですか。
 確か、あそこ、5丁目だけ飛び地みたくなってて…。」
 
 わたしは、その差し出されたタブレットの画面しか目に入ってなかった。
 そう。
 とはいえ、生憎とこの日差しだ。
 差し出されたタブレットの画面は真っ青な空が映っているばかりで、地図なんて全然見えない。
「あ、ちょっとすみません?」
 そう言って、タブレットを受け取ったわたしは、すかさず地図をフリックして、その5丁目が載っている地図を出した。

「あった、あった。ここです、ここ。」
「ありがとうございます。」
 差し出したタブレットに、スーツ姿の靴音氏は覗きこむように近づいてきた。
 わたしはその時、タブレットのそこを指さしながら、
「ホント、わかりづらいんですよねー、ここ…。」
 さらに、5丁目に行く方向を指し示そうと道に目を向けた。
「だから、とりあえずこの道をずっと行ってもらって――。」


 実を言うと、わたし、そこから先は憶えていない。
 憶えているのは、「袋、落としましたよ」という声。さらに、その一瞬前、それの落ちるカシャっという音を聞いたこと。
 見れば、人の良さそうなおばさんが、わたしの方にスタスタ小走りに寄って来るところだった。
 その視線の先を見れば、わたしの足元にレジ袋が落ちていて、ついさっき買ったばかりのお昼が道に飛び出していた。
「あっ…。」
 慌てたわたしが屈むより早く、おばさんがそれを拾っていた。
「はい。」
「あ、すみません。ありがとうございます。」
 なんだか、ぼーっと。わたしはレジ袋を受け取りながら、それを拾ってくれたおばさんが笑っているのを見ていた。
「えっ、なに?あたし、顔に何かついてる?」
「えっ?あ、あぁあぁ。いや、別に…。
 すみません。なんか、わたし、ボーっとしちゃって…。
 何だろ?変だなー。ハハハッ。」
「えぇっ。どうしたの?あなた…。」
「え?」
「真っ白な顔して…。
 こんないいお天気だっていうのに、なんだか、オバケでも見たみたいな顔してる…。」
「……。」
「もうっ。まだ若いんだから!
 シャンとして!フフフ。」

 それは、笑いながらわたしの腕を軽くたたいて。クスクス笑いながら向こうに歩いて行く、おばさんの小さな後姿。
 オバケでも見たみたいな顔してるって…
 だから、オバケ、見ちゃったんだもん
 しょうがないじゃない……

 いや…
 ホントのこと言うと、見たソレがオバケだったかはわからない。
 だって、あの時、わたしはタブレットのそこを指さした後、5丁目に行く方向を指し示そうと道に目を向けて、初めて…。
 そう。変な話だが、あの時わたしは、そこに行く道を指し示そうとして、初めてあのスーツ姿の靴音氏と目を合わせた。
 だから、その顔は…
 そう、そうよ。わたしは、それを全く憶えていない。
 というより、なんでわたしはそれまで、あのスーツ姿の靴音氏の顔を見ていなかったのだろう。
 あの時…
 憶えているのは、スーツの上にあった、その顔はあきらかに人ではなかったということ。
 それは、まるで、その日の空のように真っ青だった。
 それと、もぉ一つ。
 その真っ青な顔が、「先ほどは脅かしてしまったみたいで、すみませんでした」と言ったこと。
 そう言って、その真っ青な顔は、わたしにくるっと背中を向けると。
 あの、たんっ、たんっ、たんっという音とともに足早に行ってしまった…



                        ―― 『インディアン・サマー』〈了〉

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2016
11.06

風景はお嫌い?

 
 どこそこの紅葉が見事だー!、○○山が初冠雪だー!って。
 ニュース等でその映像が見せてくれるのはうれしいんですけけど、でも、なぜか必ず画面の上の方が見えないんだよなぁ…(泣)

 番組名だとか、見出しだとか、時刻だとか。
 なぜか、TVの画面の上は文字ばっかり。
 NHKの火山報道は、必ず火口に文字をかぶせちゃうしね(爆)
 ブラタモリなんか、タモリの面白がる風景より、タモリの顔ばっかり映ってるし(爆)

 おかげで、富士山が映る時は、必ず(といっていいくらい)頂上が隠れてるし。
 この間やってた、○○ダムの紅葉は、画面の上半分が紅葉で下半分がダムだから、見えるのはコンクリートばかり(笑)

 しっかし、まぁそんなに風景を見たく(見せたく)ないのかなー(爆)
 というよりは、「紅葉だ」「初冠雪だ」っていう“情報”こそが大好き!ってこと?

 小学校で、テレビの優れた点は速報性と映像が見られることって習ったけどー、今はもぉ違うんだろうか?
 ていうか、それならいっそ、文字だけの放送にしちゃえばいいのに(爆)
 それだと、ネットのニュースと一緒だから、きっとみんなTVに親しみを感じてくれると思うよ(笑)

 TVに関わってる人たちって、プライベートではTV見ていないんじゃない?
 ていうか、見ていても、番組を楽しんで見るなんてことないんだろうなー。

 ていうか、ていうか、それは、TVを見ている人たちも同じ?(笑)



 

 とか言って、今朝のニュースの札幌の大雪には、思わず目がテンになっちゃいました。
 昨日の映像とあまりに違いすぎるんだもん!



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