2016
08.28

怪談16.8.28

 それは、10ウン年前の3月の中旬のこと。
 その日の夕方、Aさんの家の近くで火事があったとかで…


 あれは土曜日で、私と妻のB子、娘のL未とでリビングルームでテレビを見ながらくつろいでいた時だった。
 最初は、「やけに消防車通るよね」なんて言っていたのだが。そのうち、サイレンがひっきりなしに聴こえるようになって。しかも、それがやけに近いことに気がついた。
 「えっ!近く?」と窓を開けると、けたたましいサイレンの音が飛び込んできた。
 見れば、それらはみなウチの裏の方に走って行く。
 私は、慌ててそっち側の部屋に走った。
 窓からそれを見た時には、もう黒い煙が大きく立ち昇っていた。
 しかも、時折、家並みの上から炎がめらっと上がるのまで見えた。
 というよりも、家が燃えていくバチバチという音や、一度だけ聞こえたパーン!という破裂音。その、近所の家が燃えているという、生々しさに驚いた。
 それ以外にも、サイレンの音だったり、野次馬の声だったり、この家の中からでも感じられた殺気だった空気感。
 でも、なによりドキっとしたのは、風の加減で時折漂ってきた、あのなんとも言えない焦げ臭さだったかもしれない。

 ま、付近への延焼はなかったのは幸いだったが、家は全焼で。後で聞いた話では、一人亡くなったらしかった。


 決して、今までに火事を見たことがなかったというわけではなかった。
 でも、火事をあんなにも生々しく感じたことは初めてだった。
 それは、妻のB子、それと当然娘のC未も同じだったようだ。
 夕食を食べている時も、ちょっと興奮気味に、その火事のことや、もし火事が起きたらどうするといったことをずっと話していた。

 ただ、夕食が終わって、それぞれが風呂から上がって。
 リビングルームに集まってテレビを見だした頃には、火事の話題は出なくなっていて。
 気づけば、いつもの休日の夜に戻っていた。


 その夜のことだった。
 ごぉぉぉぉーん ごぉぉぉぉーん ごぉぉぉぉーん
 ごぉぉぉぉーん ごぉぉぉぉーん ごぉぉぉぉーん
 その音を、私はは夢の中で聞いていた。
 それは、やけにくぐもって聞こえるものの、間違いなく電話のベルの音だった。
 あぁ、電話が鳴ってる。出ないと…
 ごぉぉぉぉーん ごぉぉぉぉーん ごぉぉぉぉーん
 鳴ってる。出ないと、出ないと…
 ごぉぉぉぉーん ごぉぉぉぉーん ごぉぉぉぉーん
 なおも執拗に鳴り続けている電話のベルの音。
 夢うつつながらに、「え、なんだろ?こんな時間に電話なんて…」と頭の中で考え始めたその瞬間だった。
「はっ。」
 私は、布団をはぐように上体を起こした。
 しかし。
 ……………。
「……!?」
 電話の音なんて、まったくしてなかった。
 いつも通りの寝室が、カーテンの隙間からかすかに洩れる外の明りがある以外は、暗く沈んでいるばかり。
 まさに「シーン」という音が聞こえそうな、その寝室の中。聞こえるのは妻のB子の寝息の音だけ。
 外から聞こえるバイクが遠ざかっていく音が、その静けさを逆に感じさせる。
 しかし、それ以外一切音はなかった。
 なんだ、夢か…
 そんな私が、まったく馬鹿馬鹿しいって、また寝よう布団にもぐり込んだ時だった。
「あっ!携帯電話っ…。」
 思わず叫んでいた。
 しかも叫ぶなり、飛び起きて。ドタドタと、金曜日の夜に会社から帰ってきてからこのかた、携帯電話を入れっ放しにしていたカバンを置いてある所に走って行った。

 しかし、携帯電話に着信はなく…。
 いや、それは当り前といえば当り前。
 携帯電話がケータイになり、さらにスマホになってと、固定電話と完全に逆転した現在ならともかく。それは、携帯電話の契約数が爆発的に増加した年の前年のことだった。
 ご多分に洩れず、私も仕事で必要性を感じるようになって、特に欲しくもないのに、その年の初めに買ったばかり。
 つまり、その状況というのは、その頃使い始めた多くの人にとっても同じなわけで、夜中の緊急の電話に携帯電話を使うわけがなかったのだ。

「うぅっ、寒みぃっ!」
 まだ3月のこと。
 私は、そんな独り言を言いながら、寝室に戻った。
 そんな私がドアを閉めると、むにゃむにゃ眠た気な、でもちょっと不機嫌なB子の声が聞こえてきた。
「もぉ~、なんなのぉ~。
 こんな時間に大慌てでぇ~~~。」
 時計を見ると、まだ4時前。
 私は、布団にもぐり込みながら、返事というよりは独り言でも言うよう答えていた。
「うん…。
 夢…、なんだと思うんだけどな。
 電話のベルで目が覚めてな…。」
「電話?」
「ジリリーンってさ。
 でも、起きても何の音もないから、
 もしかして携帯電話かと思って、飛び起きたんだけどな…。」
「え?違ったのぉ~~。」
「うん。着信はなかったな…。
 あぁっ、寒みっ!寝よ、寝よっ。」

 そう言って、私が布団に潜り込んで30秒も経たない時だった。
「えぇっ?
 なによ、ジリリーンって…。
 もぉー。携帯電話でしょう?
 ジリリーンなんて、鳴るわけないじゃない。」
 寝室の真っ暗な空間にぽつーんと上がったB子の声。
 それは、もぉ可笑しくてたまらないって感じのくっくっという笑い声に変わった。
「ジリリーンなんて電話、いつの話よ。くっくっくっ…。
 あぁ可笑しい。くっくっくっ…。」

 よっぽど可笑しくて、完全に目が覚めてしまったのだろう。
 真っ暗な寝室の中、一人くっくっと笑っているB子の笑い声は止まらなかった。
 私は、布団にもぐり込んだ途端、一気に睡眠モードに入っていたのだが。でも、B子の「携帯電話がジリリンと鳴るわけないじゃない」という言葉に、一気に覚醒モードに引き戻されてしまった。
「ぶぶーっ!
 そうか!そういや、そうだよな。
 携帯電話がジリリンって鳴るわけないし、
 そもそも普通の電話だって 今はプルルーだよな。
 てことは、やっぱり夢か…。」
「くっくっくっ…。夢よ、決まってんじゃない。
 くっくっくっ…。
 もぉー。わたし、完璧目が覚めちゃったわよー。」
「しっかし、そうだよなぁ…。
 ジリリーンなんて電話、あったのいつだ?
 えぇー、もぉいつのことだったか憶えてないなー。」
「うん。わたしも憶えてない…。」
「そんな昔のことなのに、夢に出てくる電話って、
 いまだにジリリーンなんだな…。」
「そうね…。」
 そう言ったB子はやっと笑いがおさまったのか。何か考えごとでもしているような口調に変わっていた。

 その後も、私は目を覚ましたまま黙っていた。
 それは、B子も同じみたいだった。
 それは、すっかり冷えてしまった体がどうやら暖かくなってきた頃。
「ねぇ~え…」
 B子の声が聞こえた。
「うん?」
「さっき歌ってた歌…。
 あれ、なんていう歌だったけ?」
「歌ぁ?」
「うん…。なんかさ、聴いたことある気がするんだけどさ。
 でも、思い出さないのよ。」
「もぉ寝ようぜぇ~。」
「なに言ってんのよ。
 こんな夜中に、あなたが歌なんて歌うからじゃない。
 思い出せないからさ、すっごくキモチ悪いのよー。」
「えぇっ、歌?俺がぁ?
 歌ってた…って、いつぅーっ?」
「えぇっ。歌ってたじゃない。
 飛び起きて、携帯電話見に行った時。
 わたし、あなたのドタバタで目が覚めてさ。
 何なんだろ?って思ってたら、向こうであなた、歌、歌ってて…。
 何やってんのよー、この夜中にー!って思ったんだけどさ。
 でも、あれ、この歌聴いたことがあるって思ってさ。
 だけど、全然思い出さないのよ。」
「あのさ。オマエ、なに言ってんの?
 こんな夜中に歌なんて歌うかよ。
 それでなくたって、寒くてしょうがねぇのに。」
「えぇー、歌ってたじゃない!
 そりゃそんなに長くじゃなかったけど…。
 でも、絶対歌ってた。
 だってわたし、あれ、これ何の歌だっけ?って、ずっと考えてたんだもん。」
「歌わねーって。歌なんて、絶対ぃー。
 夜中に電話で飛び起きて、なんで歌なんて歌わなきゃなんないんだよ。」
「だから、電話のベルは夢でしょ?
 だって、ジリリーンなんて電話、今ないもん。」
「あっ。だからオマエも夢で歌、聴いたってことだろ。
 さっ、もぉ寝よっ寝よ!
 そう!そうだよ。もう一度寝れば、きっと歌の続き聴けるって。
 ハハっ。」
「なによぉ。起こしたのはあなたじゃない!」

 もはや、B子が何を言っても取り合わず、私は寝たふりをすることにした。
 でも、寝たふりしていた私も、しばらくブツクサ言っていたB子も、いつの間にか寝入ってしまったらしい。
 朝になって目が覚めた時には、2人ともそんなことはすっかり忘れていた。


 その日は日曜日。
 そういえば、昨日の土曜日は暖かかったこともあって。夕食は、久しぶりにどこかに食べに行こうかなんて言っていたのだが、例の火事騒ぎで、とてもじゃないけどそんな気分ではなくなってしまった。
 そんなわけで、代わりに今日行こうかと朝起きた時に話していたのだけれど。でも、あいにくその日は、昨日とはうって変わって強い北風が吹く寒い日だった。
 それは、そんな日曜日の3時をまわったくらい。
 リビングルームで家族3人、昨日借りた映画のビデオを見ながら「寒くて出かけるの億劫になっちゃったよね」なんて言っていた時だった。

 私は見るともなくビデオが映る画面を見ていた。
 ただ、その時、娘のL未が何だかやけにキョロキョロそわそわしているのには気がついていた。
「どうしたの?」
 怪訝そうなB子の声が聞こえた。
「これ、何の音?」
「音?」
「うん。音…。
 なんかさ、低~い。
 うーん、なんて言ったらいいのかなぁ?
 ごろろぉぉぉーん ごろろぉぉぉーんみたいな…。」
「ごろろぉーん、ごろろぉーん?
 何それ!?
 わたしは、何も聞こえないけど──。」
「えぇっ。ママ、聞こえない?うそ…。
 だって、今も聞こえてるよ。
 ほら…。ごろろぉぉぉーん ごろろぉぉぉーんって。
 でも変だなぁ。どっから聞こえてくるんだろ…。」
 そう言って、L未はまた辺りをキョロキョロしだした。
 B子は、そんなL未に視線を残しながらも、顔を私に向けてきた。
「あなた聞こえる?そんな音…。」
「えっ、何、どうした?」
 いや。実はその時、私は何か考えごとをしながらビデオをずっと見ていて。B子とL未の会話は聞こえはしてたものの、内容は上の空だった。

「L未が、何か音が聞こえるって言うんだけど、
 あなた何か聞こえる?」
「音?どんな…。」
 そう言った私は、無意識にその音を聞こうと、耳に神経を集中させた。
 でも、TVから聞こえる映画の音以外特に何も聞こえてこない。
 すると、L未がくるっと振り返った。
「え、パパも聞こえないの?
 ほら、今も聞こえてるよ。
 ごろろぉぉぉーん ごろろぉぉぉーんって……。
 ね?」
「ごろろぉーん ごろろぉーん!?
 え、雷?」
 思わず、窓の外を見たのだが、空に特にそんな感じはなく。
「違うって。雷は、ゴロゴロゴローじゃない。
 そういうんじゃなくってさ…。
 あ、そう!ほら、お祖父ちゃんち…。」
「お祖父ちゃんちぃ!?」
「昔、お祖父ちゃんちにさ、真っ黒い電話があったじゃない。
 すっごい古いの…。
 あれ!あの電話の音みたいな音…。」
「お祖父ちゃんちの電話の音!?」
「真っ黒い電話って…。え?つまり、黒電話ってこと…。
 ねぇL未。そういう…、あぁっ!」
「何だよ。いきなり大きな声だして。」
「ほら、あなた、今朝!」
「今朝ぁ?」
「今朝!ほら、あなた、目ぇ覚ましたでしょ?電話が鳴ったって…。」
「……。
 あぁあぁあぁ、夜中な。……!?」
「L未が言ってるのって、それなんじゃないの?」
「はぁ?なに言ってんだよ…。
 俺が夢で聞いたのは夜中──。
 あぁっ!そっ!そうだ!
 そうだよ、あの音…。
 あの音って、そう。昔、俺んちにあった電話の音だ!
 そうだよ。古くてさー。
 一回、落っことしちゃったもんだから、ジリリンって鳴んなくっなっちゃってさ。
 低ぅーく、ごぉぉぉーん ごぉぉぉーんって…。
 えぇっ?でも、なんでその音なんだ!?」

 明け方に目を覚ました、夢の中の音の正体をやっと思い出した私だったが。
 でも、それってだからどういうことなんだ!?って。
 そもそも、何でそれが…と、私もB子も、思わずきょとんと顔を見合わせていた時だった。

 ♪Uh~Uh~ UhUhUhUhUh~ UhUhUh~~
 突然聞こえてきた歌声に、私は思わずびっくりした。
 「えっ!」って見れば、それはいつの間にか窓のところに立っていたL未の後姿。
 ♪UhUhUh~ UhUhUhUh~ UhUhUhUhUhUh~~
  UhUhUhUhUh~ UhUhUhUh~ UhUhUhUhUh~~
  UhUh~ UhUhUhUhUhUhUh~ UhUhUhUh~~

 それは、私から見ると後姿で、本当にL未が歌っているのかどうかはわからなかったのだが…。
 でも、それはL未の立っているその場所から聞こえてきたし、また、その声は間違いなくL未の声だった。
「ちょ、ちょっと、L未…。」
「おい、L未!」
 ♪Uh~Uh~ UhUhUhUhUh~ UhUhUh~~
  UhUhUhUh~ UhUhhUh~ UhUhUhUhUhUh~~
  UhUhUhUhUh~ UhUhUhUhUhUhUhUh~~
  UhUh~ UhUhUhUhUhUhUhUh~~

 その時というのは、私もB子も何だか呆気にとられてしまったのだろう。
 声をかけたっきり、窓の外を見て歌っているL未の後姿を、しばらく見っ放しだった。
 もちろんそれは、L未がたんに歌を歌いだしたんだと思ったからだったのだが。
 ただ、その後姿を見ていたら、どこか普段のL未と違うような気がしてきたのだ。
 ただならぬ思いにとらわれた私は思わず声をあげたが、それはB子も同じだった。
「ちょっと…。L未!」
「おいっ、L未!」
 
 L未の様子がおかしいことに気づいたのは、B子の方がほんの0.何秒か早かったのだろう。
 L未のもとに駆け寄る私が見たのは、B子姿がL未の両肩に手をかけて。そのまま、こちらを向かせたその時のL未の顔だった。
 その一瞬。
 いや。何だかわからない。その時、私が見たL未の顔が、ほんの一瞬だけ、自分の娘とは違っているような気がしたのだ。
「え…」
 その声が出たのと、それはほとんど同時だった。
 両肩に置いたB子の両手から、ストンと。崩れるように落ちていくL未のその体。
「L未!」
「L未!」
 
 そんな風にB子と私が叫んだ、その直前だったと思う。
 後から思い返すと、私が「え…」っと声を漏らしたのと同じタイミングだった。
 それは、「きゃ…」っと短く叫んだB子の悲鳴。
 つまり、それは、B子もL未が一瞬見せた、自分の娘とは何か違うそれを見たということなのだろう。

                            ~ つづく! 
                           ―― 『怪談16.8.28』〈了〉


注!無断転載禁
  断りなく転載されるのは非常に不愉快です。やめてください
  ブログの記事は全て「著作物」であり、著作権法の対象です
      ↑
    ちょっと剣呑で、ゴメン(^^;)



スポンサーサイト
Comment:0  Trackback:0
2016
08.28

爵位を復活させよー!(笑)


 アベノミクスなんて言葉が出来て。円安になって、これで日本経済復活!なんて、みんな大喜び!
 な~んてぇのは、もぉすっかり過去の話になっちゃいましたねー(爆)

 最近は、その円高が進んで、100円を割ったり。
 円安をもたらした、日銀の金融政策はもぉ賞味期限切れ(というか、消費期限切れですよね)という話が普通に語られたりでー。

 ま、それは、いわゆる、アベノミクス第三の矢がパッとしないというのはあるわけですが、でも、成長戦略というのは民間企業だってやれるわけですよね。
 というか、本来は民間企業こそが、やることなんじゃないのぉ~と思うわけですが、まぁもうダメかもしれませんね(笑)
 だって、賞味期限(消費期限だと思います)が切れる前に、成長軌道ののせるどころか、ビジョンすら描けなかったわけですから。


 だだ、そうはいっても、独自のビジョンを描いて社員一丸頑張ってる民間企業だっていっぱいあるわけで。
 要は、そういう所の経営者を、国民に知らしめ、そこの社員が誇りに思ってもらえる制度があってもいいんじゃないかと思うんですよね。
 というか、そういう制度がないから、今のニッポンの企業(経営者)は、な~んかこうやる気が起きなくって、ちゃんと仕事しないんじゃないの~?って気がするんです。

 ま、叙勲みたいなものはあるわけですけど、でも、叙勲って、こういっちゃぁなんですけど庶民感覚からするとイマイチ、マイナーというか(笑)
 いや。実際は、天皇陛下から直にもらったら全然違うんだとは思います


 で、思うのが「爵位」の復活…、いや、「位階」の方がいいのかなー。
 「爵位」って、イマイチ順列がわかりにくいんだもんwww

 いわゆる、「正一位」とか、「従三位」とかってやつですよ(笑)
 いや。別に、男爵、子爵、伯爵、侯爵、公爵でもいいですけどwww

 ついでに、位階(爵位)を授けられた人は、「帯刀」を義務づけて。 ←たんなる歴史オタク(笑)
 帯びる刀(当然小刀ですよねwww)は国が与えて。
 その刀も位階によって拵えが違えば、たぶんみんな、上の位階になろうと国民や国のために頑張ろうって気になってくれるんじゃないかと思うんだけどなぁ…(笑)
 
 位階は本来は臣下に与えられるものですけど、臣下だけでなく他の国の駐在大使なんかにもあげられるようにしてもいいですよね。
 某隣国の大使は最近関係が改善方向にあるから、従八位の下。
 そっちじゃない某隣国の大使はやたら剣呑だから、無冠とか。
 って、おっこるぞぉ~(爆)

 位階を授ける基準も、新しい技術を開発したとか、業績が好調だけでなく、ちゃんと雇用と賃金を守っていれば位階が上がるとかすれば、大企業の社長だけやたら位階が高いって風にならないと思うし。
 ていうか、「ウチの会社は中小企業ですけど、社長は従三位です」とか言ったら、新卒社員のリクリートにも効果絶大だと思うんだけどな!(笑)

 あと、大企業だけど不祥事をやっちゃった、「●芝」とか「●菱自動車」なんかは、新社長の位階をどんどん下げちゃえば、国民も「正二位だったあの会社の社長が従七位下?そんなに悪辣だったんだー」なんて(爆)
 そのダメっぷりが、よくわかっていいと思うんだけどなー(笑)


 って、まぁ経団連等経済団体とベッタリ(言いなり?)な今の政治じゃぁ、まるっきりファンタジーなんでしょうけどね(爆)
 でもまぁこのままいったら、そのうち大手町を国民がデモ行進する日もそぉ遠くはないんじゃないですかねー。
 で、それが、たまたま4年後だったりして(笑)




              *グロすぎ、おバカすぎ注意!(笑)

 
Comment:4  Trackback:0
2016
08.20

ま、結果オーライ(笑)


 雨の止み間を狙って、買い物に出たら…

 八百屋で買い物をしているうちにまた降ってきちゃって、結局びっしょ濡れ(笑)

 でも、すぐ止んじゃったんで。
 どーせ濡れちゃったんだしと、一度戻ってからまた行こうと思ってた買い物まで済ませちゃって。
 ま、結果オーライだったかな(笑)


 家に帰ったら、友だちからメールが来てて。
 見たら、「買い物に行ったら、雨に降られて参ったー」なんて書いてあって。
 まぁつまり、今日は同じような目にあってる人、他にもたくさんいるんだろうなぁ…(笑)


 https://www.youtube.com/watch?v=n7wFielRTKs
 *大瀧詠一 颱風 ←って怒られるか?(笑)

 しっかしまぁこのトリプル台風にはビックリですけど、それにも増してビックリだったのが、台風10号の動き。
 房総半島のすぐ南で発生して、西南の方向に向かってくっていうんだから、もぉ「はぁ?」の世界です。
 というか、天気予報でそれを見た時、思わず「はぁ?」って言っちゃいましたwww

 それもこれも、日本の東の海上でやたら頑張ってるオホーツク海高気圧のせいなわけですけど、アレ、来週の予想天気図でも相変わらず出ずっぱりなんですよね。
 つまり、来週また、関東の南海上で台風が発生して全然おかしくないわけで、「えぇ?どーなってんの!?」と過去の天気図を見てみたら…。
 http://www.tenki.jp/past/
 *tenki.jp 日本気象協会 

 なんと、アレ。
 7月の下旬からずっと出ずっぱりだったと(呆)
 こりゃホント、ここしばらく天気どうなっちゃうんだろ?って、ちょっと憂鬱(泣)

 って、まぁこうなっちゃうと、「夏はもぉいいから、早く秋来い!」って感じですかね(爆)



 ていうか、今日はま、雨降ったり止んだり忙しいわけですが、それでも台風11号が来る前だから、東北からの風で涼しいんですけど。
 11号は今夜ぬけちゃうようで、てことは明日はまたあのあっづい南風が吹くと思うと、もぉ「あぁ~あ」って感じですね(笑)

 ま、そんな、今年の夏の終わり……




Comment:2  Trackback:0
2016
08.20

怪奇!呪われた本(笑)

Category: R&R

 いっやー。
 呪われた本…、読んじゃいました。

 だからね。
 面白いのに、読んでいて、なぜか寝ちゃう……


 いや。だから、それ、面白くねーんだろーって言う人もいるんんでしょうけどねー。
 ううん。ホント、面白かったんです。
 ていうか、コレ、結構好き、ですねー。
 雰囲気がいいんだよなーwww

 どのくらい好きかというと、『十角館』『時計館』『霧越亭』は読み終わった後、すぐ知り合いにあげちゃったのに。
 でも、「うん。コレはとっとこーかな!」って(笑)

 そうです。
 呪われた本の正体、それは、綾辻行人『人形館の殺人』(笑)
 そーいえば、確かに呪われてそーなタイトルだwww

人形館の殺人IMG_3103
最近、アマゾンって、検索しても旧版が出てこないんですよねー。
でも、今回、「読書メーター」の旧版からアクセスする技を知っちゃいました(笑)


 コレ、新装版っていうのもあるらしいんですけど、絶対旧版の表紙の方がいいと思いますねー。
 お話の内容に合ってるというか、雰囲気が“ぽい”っていうか。
 ていうか、新装版で描かれている木、ビ・ミョぉに桜っぽくない(笑)


 で、まぁそれはそれとして、しかし、何でまた読んでいて、あんなにスコン、スコン寝ちゃったんだろーなーって(笑)
 いや。だから、お話は面白いんですよ。とっても。
 でも、読んでいて、なぜか寝ちゃう。
 ていうか、気がつくと「あれ!?また寝ちゃった…」って(笑)

 いやもぉ。
 ヒドイ時は、それ、一晩に3回やってました(爆)
 3回目に目が覚めた時は、さすがに寝ることにしましたねー

 変な話、3行読んで寝ちゃったこともあるくらいで…
 ねぇ。3行っていったら、そもそも面白い、面白くない以前じゃないですか。
 一晩で3回寝落ちした時なんか、あきらめて寝ることにした時にページを見たら、なんと!読み始めたページだったと(爆)


 だから、それって、面白くなかったってことじゃないの?って言われちゃいそうですけどねー。
 まぁ読んでる時、暑いから…、っていうのもあるのかな?
 いや。だから、面白かったんですって。
 だからね。
 たぶん、いわゆる、定番な「館モノ」じゃなかったのがよかったんだろなーって(笑)

 「館モノ」とか「孤島モノ」は、ま、時々。年に1回とか、2年に1回くらい、やたら読みたくなる時、あるんですけどねー。
 そんなこと書いてたら、マイケル・スレイドの『髑髏島の惨劇』が読みたくなってきちゃったwww
 でも、基本的に舞台はオープンな方が好き!、ですね(笑)

 「館モノ」とか「孤島モノ」だと、ほら、どうしても、“ミステリー小説、ミステリー小説した、ミステリー小説”になっちゃうじゃないですか(爆)
 “王道になっちゃう”って言ったらわかりやすのかな?
 パズルになっちゃうというか、ぶっちゃけ、人を殺すのにそんなめんどくせーことしねーよ!みたいな(笑)
 人の意図よりは、偶然に翻弄されるみたいな方が好きなんです

 ていうか、この『人形館の殺人』って、単純に(“単純な”ではなく)ストーリーがいいなーって。
 以下ネタバレ(もろ)、とうかあらすじバレ
 独白の主人公(子供の時の記憶が曖昧)が、育ての親である母親の妹(叔母)と、父親の住まい兼アトリエだった、京都の家に帰ってくる(?)と。
 そこは、あちこちに変なマネキン人形が配してあって、かつ、アパート部分にも変わった住人が住んでる。
 なおかつ、付近では連続する殺人事件が起きていて…
 と、何やら不穏な雰囲気。
 さらに、合間合間に、謎の人物の途切れ途切れの独白のようなものが入って、不穏さを煽る。

 そんな中、「密室」のアトリエに、まるで殺人事件のように人形あったり、主人公に妙な手紙が届いたり、自転車のブレーキが壊れてたり。
 ニャンコが昇天しちゃってたりと、さらに不穏さが高まってくる中、ついに起きた事件。
 火事によって、「館」の住居部分が焼け落ち、叔母は死んでしまう。

 そんな中、島田潔なる名探偵らしい人物(忘れてましたwww)から電話がかかってきて、その建物に中村青児が関わっている(そうそう。そんな設定あった!)と教えられて。
 各人形の顔の向きが、主人公の父親が自殺した庭の桜の木を指していることに気がつき、掘ってみると母親を模した例の人形が出てくる。
 って、これ、誰が埋めたの? え…!?

 そのうち主人公は、母親が死んだのは、主人公が線路に石を置いため事故が起きたのだという、過去の記憶を思い出す。
 一方、島田潔との電話で、アパートの住人がその事故の犠牲者の遺族だから、一連の出来事の犯人であるかもしれないと知らされた主人公。

 そんな中、第二の事件が発生。
 アパートの住人が殺される。

 で、いよいよページも少なくなってきた頃。
 いままでずっと主人公の独り語りで進められてきたお話が、いきなり島田潔の視点で語られだす。
 とはいえ、読んでいて感じる、アパートの住人との会話のミョーっな違和感(笑)

 うん?うん?
 なんだ、これ!?って思いながら読んでいくと…
 さすがにこの辺りは寝ないで読んでました(笑)

 ストーリーに時々絡んできた、主人公の幼馴染が現れて、そこにいた島田潔に声をかけ、犯人を暴く。
 なんと、一連の事件を引き起こしてた“ヤツ”は多重人格だった……

 最後は、その幼馴染と、幼馴染の勤める大学の研究室の女子学生の会話の場面で終わる。
 彼女は、途中、主人公の想い人になったり、犯人に襲われたり。
 また、助けられたりと、なかなか忙しい(というか重要)役割なのだが、主人公のことは事件後でもそんなに悪く思ってないようで。
 その幼馴染がもっと早く動いてれば、事件は防げたのではないかと責めるが、彼は言葉を濁して話は終わる。

 と、思ったら、最後の最後に例の島田さんの手紙が出てきて、「京都の人形館は中村青児は関係ねーんだってよー」とあって、読者は「えーっ!」となる、と(笑)


 犯人が多重人格なのはともかく、途中、いきなり視点が変わったその人が“ちゃんと”犯人だったのは、思わず「おーっ!」って(笑)
 あそこ、好きwww

 ただ、最後(手紙の前)の幼馴染が言葉を濁すくだりは、どうなのかなぁ…。
 正直、ない方がスッキリしてよかったようにも思うんだけど、でも、それはもしかしたら、その濁す理由を考えるのが(眠くて)面倒くさかっただけかもしれません(爆)

 建物が、例の中村青児と関係ないのが知らされるくだりは、「なるほどなー」とは思いましたけど、ま、私はこの「館」シリーズの熱心な読者ではないんでー(笑)
 「館」シリーズのファンからすればうまい展開ってことなんでしょうけど、(ファンではない)私は、そこはどーでもよかった…、かな?(爆)

 個人的好みを言わせてもらうなら、そこに凝るよりは、付近で起こってる連続殺人事件の場面をもっと詳しくしてほしかったですね。
 それこそ、その視点もあったら不穏さが増してよかったんじゃないかなーって。
 ま、違う作家が書いたらこうみたいな話は意味ないんでしょうけど、このネタで折原一が書いても面白かったかもなーなんて思いました(笑)
 ていうか、そもそも折原一っぽいお話ですよねwww

 ま、ついでなんで。
 さらに好みを言っちゃうなら、舞台がもっと広がってたらよかったんじゃないかなーって。
 せっかく、京都なんだし。
 主人公と、例の女子学生のデートシーンとか入れて。さりげなく、女子学生が「犯人って…」と違和感を抱かせるような会話があったりしたら、不穏さをもっと楽しめたんじゃないかなーと思いましたね。

 思ったんですけど、な~んか、私。
 最近、小説に求めるものとして、“謎”は必要条件で、“不穏さ”を十分条件としているようなとこがあるのかもなーって気がしました(笑)



 『人形館の殺人』は、最後に登場人物が言葉を濁す場面があって、読んでる方は「え…」って違和感を覚えるわけですけど、そのパターンのお話で、こっちは、その覚えた違和感に違和感を覚えたお話(笑) ←ややこしい

女彫刻家IMG_3099
 創元文庫は表紙のセンス悪いって書いてる人いましたけど、これなんか、まさに!って感じです(笑)


 『女彫刻家』ミネット・ウォルターズ著

 あ、だから、いきなりネタバレ(でもないか?)ですけど、コレ、“最後の違和感”の文章が思いっきり取って付けた感があるんですね(笑)

 つまり、そこまではとっても面白いのに、最後にある、その“違和感”があることで「はぁ?」みたいな。
 いや。ストーリーは、とっても面白いんです。
 面白いんですけど、よくよく思い返してみると、このお話って、なんかところどころ意味不明な展開があって。
 ま、その意味不明な展開(“思わせぶり”とも言う)は、最後の違和感につながってるんでしょうけどね(そこはわかる)。
 でも、ぶっちゃけ、「え?どれをどうやったら、つながるの!?」みたいなー(笑)

 主人公が刑務所に会いに行く、母親と妹を殺し、その死体をばらして並べ替えたという女性を、人を操るのに長けた「異常者」と、作者は読者に思わせたいんでしょうけどね(きっと)。
 でも、そうなるには、そのいくつかのエピソードが、枝葉が語られるだけに終わっちゃっていて。
 ただの、「ちょっと気味の悪い人」にしかなってない気がするんですよねー。

 実は、ミネット・ウォルターズって、一作目の『氷の家』もピンとこなくって。
 合わないのかなーとも思うんですけど、この『女彫刻家』はストーリーが面白かったんで、また何か読んでみたいですね。





 ていうかー。
 『女彫刻家』を読んだ7月の時は、そんなに眠気に襲われなかったんで。
 そう考えると、眠くなるのは、やっぱり暑さが原因なんでしょうね。
 だって、今読んでる本も寝ちゃうもん(爆)



Comment:4  Trackback:0
2016
08.15

怪談を我等に(笑)


 今朝、「モーニングチャージ」という番組を見ていたら、最近、“怪談で地域おこし”っていうのが流行りなんだとかで。

 あ、いや、番組で言ってたのは、“妖怪で地域おこし”だったんですけどね(笑)
 でもまぁそんな小さいコト、どーでもいいやぁーね?って(爆)


 番組で紹介されてたのは、まず、兵庫県福崎市の河童(♪)



 河童は、毎日午前9時~18時分おきに出没というんですから、もぉ町役場の職員なみですよね(笑)
 なんで、河童やねん?って話ですけど、福崎町は、かの柳田國男の出身地なんだとか。
 ちなみに、費用300万円で、設置後は観光客が35%増になったというから大したものです。
 ま、そもそもそんなに来てなかったんじゃない?っていうのもありますけど、それは言わないことにwww


 次は、京都一条妖怪ストリート。
 https://a-port.asahi.com/projects/youkai/
 *A-port(朝日新聞のクラウドファンディングサイト ←って何?www)

 ま、ここは有名ですよね。
 でも、ARを使って、専用のゴーグルを通して街を見ると、商店街のあちこちに妖怪を出現するっていうのは番組見て知りました。

 これは、面白そうだなー。
 「うん。行ってみたい!」とか思っちゃったもん(笑)
 ていうか、これ、ポケなんちゃらGOより面白そうじゃん!なんて(爆)
 そう。ポケなんちゃらGOといえば、親会社は確か京都じゃなかったでしたっけ?
 あっ!さては、パクったなぁ~。任●堂!(爆)
 ちなみに、一条妖怪ストリートのAR妖怪は7月から実施


 最後は、岐阜市柳瀬商店街の「岐阜柳瀬お化け屋敷~恐怖の細道」。
 http://www.gifu-obake.net/
 *主催:「やながもん」柳ケ瀬お化け屋敷製作委員会
 …って、何だ。これ、アイツが絡んでんのか。ゲェ~(笑)

 なんでも、入場料大人700円で、入場すると、出てくる!出てくる!ひたすら口裂け女ばっかり。それが6分間って、おい、ちょっと高くね~か~(笑)

 ま、お客は子供中心でしょうから。高校生500円、中学生以下300円でいいんでしょうね。
 ていうか、口裂け女(役の人の)のバイト代は?(笑)
 なんでも、口裂け女役の人はオーディションして選んだって話ですけど(笑)、ギャラもそうですけど、その人って普段は何やってるんでしょうね?
 やっぱり、口裂け女?(笑)

 柳瀬商店街というのは、かつては県内有数の繁華街だったらしいんですけど、今はすっかりさびれてしまったとかで。
 地元の建設会社を経営している人が仕掛け人だそうですけど、その人によれば「これからは、よりリアルなもの、よりショッキングなものを使っての町おこしがこれからの時代を切り開いていくと思う」ってことなんですけど、それで口裂け女かー!って(笑)

 いや。何でも“口裂け女は岐阜がルーツ”だとかで(そういえば、そうだった)、ま、なんだ。今風な言い方するなら、マイルドヤンキー流町おこしなのなかーって(笑)
 仕掛け人の方がマイルドヤンキーなのかは知りませんけどーwww


 怪談とかオバケって。
 学校通ってた頃は、先生が脱線して話すネタの中では一番人気があったじゃないですか。
 そんな風に、本来怪談とかオバケってみんな大好きなはずなのに、なぜか「バカバカしいモノ」とか「キライ!」っていう人がほとんどなんですよね。

 ま、それは今の“科学的であることが正しいこと”的な、理屈や論理に偏重した風潮によるところが大きいんでしょうけどね。
 ただ、怪談ファンの私からすると、あまりにマニア寄りになっちゃってる、怪談(やホラー)の送り手の人たちのせいでもあるんじゃないかなーって思うんです。

 ほら、授業中に先生が怪談を話してくれた時って。
 それこそ、授業やってる時はずっと寝てるヤツまで起きちゃって、笑ったり怖がったりして楽しく聞いてたもんじゃないですか。
 つまり、怪談やオバケって、本来はみんな大好きなんだと思うんです(笑)

 そんな風に、今そこ、怪談やオバケをマニアから奪い返して。
 みんなが楽しめるモノにしようじゃないですか!

 って、それほどのもんじゃねーやね(爆)
 ていうか、私。今年は怪談やめようと思ってたんだけどなーwww





 ていうか、ていうか。
 この間、録画してそのままになってた『海街ダイアリー』を見たんですけど。
 いや、あれ、怪談仕立てにリメイクしてみたいなーって(爆)



Comment:4  Trackback:0
2016
08.15

怪談16.8.15‐夏休み企画第三弾(つづき)

Category: 怪談話-番外

「でな、その次の年のことだったそうなんだ。
 やっぱり、夏の終わりに…。
 若い女性が、1人で島にやってきたんだそうだ。」
「はいっ!?
 話、終ったんじゃないんですか?」
「おいおい。松下よぉー。お前って、バっカだなぁー。
 一郎さんが自殺しただけじゃ、怪談でもなんでもないだろ。
 後があるんだよ。後が…。」
「でもほら、南部のことも心配だし…。」
「松下!オマエ、黙ってろ。
 で、先生。それから。どうなったんです?」
 なんと。山田先生にはさっさとご退散願いたい私とはうらはらに、他のみんなは先生の怪談を聞きたいらしいのだ。

「ほぉ~らみろ。松下、いいからお前は黙ってろ。
 でな、若い女性が1人でキャンプっていうのも、何だか変な話だなぁーって。
 ほら、その前の年の一郎さんの一件もあるわけだろ?
 というのも、なんかこう、雰囲気も変だったらしいんだな。
 どことなく、ぼぉーっとしてるっていうか。
 そのくせ、変に目つきが据わっているというか…。
 で、キャンプの受付に来た時に、飲み物を勧めたりして、
 いろいろ話しかけたらしいんだな。
 そうしたら、驚いたことに。
 なんと、例の一郎さんの友だちだって言うんだとさ。
 管理人のおじさんは、友だちなんて言ってるけど、
 こりゃおそらく一郎さんの彼女だろって、ピーンときて。
 後追い自殺なんかされたら、また大騒ぎになると思って。
 女性1人でキャンプなんて危ないし、今はシーズンオフで管理棟に部屋空いてるから、
 そっちに泊れって、勧めたらしいんだな。
 そしたら彼女、意外にも素直に頷いたそうなんだ…。」

「とりあえずは、一安心だったんだけど、
 そうは言っても、ずっと管理棟にいさすわけにもいかないし。
 でも1人にすると心配だしで、まぁ他に客はいなかったし。
 その日はボートに乗せて湖を案内したり、
 夜はバーベキューをしたりで、なんとかやり過ごしたそうなんだ。
 彼女は2泊の予定だったから、次の日は朝から応援を呼んで。
 みんなで、それとなく見張ってたらしいんだな。」

「で、まぁそんな風に2日目も無事過ぎて。
 夜は、また彼女と管理人のおじさんと応援の若いヤツみんなで、
 メシ作ったり、花火やったりしてたら、
 彼女は、来た時とは見違えるように明るくなってきたんで。
 もう大丈夫だろって思ったんだそうだ。」

「いやー、清楚な感じの綺麗な女のコだったそうだ。
 いかにもいい家で育ったらしく、素直ぉーな感じで。
 言葉遣いなんかも、ものすごく丁寧で…。
 応援で呼んだ若いヤツなんか、もぉぽぅーっとなっちゃって。
 明日の朝は、ボートで湖のどこそこに案内しようかな!
 なんてはしゃいでたらしい。
 そしたら、彼女も、明日晴れるといいなーなんて。
 ニコニコ笑ってたらしいんだな…。」

「ところが…。
 次の朝、彼女がいつまでたっても起きてこないんで。
 こりゃマズイって部屋に行ってみたら、案の定部屋にはいない。
 大慌てで島を捜したら…。
 それは、やっぱり…、と言ったらいいのか。
 例の、一郎さんが湖の底めがけて歩いてっちゃった、
 あの岩の所に、彼女のサンダルが揃えてあって。
 結局、彼女の遺体も見つからなかったんだそうだ……。」

 山田先生が、そこまで話した時だった。突然、私の前で話を聞いていた杉野クンが、「うーん。怖いですねぇー、その話…」なんて、しみじみつぶやいたのだ。
 お陰で、山田先生はすっかり得意がっちゃって。
 「どうだ!」とばかり、私の方を見てニヤニヤ笑うもんだから、なんか癪にさわって。
 だから言ったのだ。
「先生、それだって、その女の人が自殺しただけじゃないですかー。
 怪談じゃないじゃないですかぁー!」
「あーあー。まったくもぉ。
 松下よぉー。オマエっていうのは、本当にバカなんだな。
 怪談はよ、これからなんだよ。これから…。
 本当に怖いのは、これからなんだよ。」
「そうだよ、松下。オマエは黙ってりゃいいんだよ。
 先生、それからどうなるんです?」
 なぜか私は、杉野クンをはじめ、テント中から総スカン。

「うん。でな。そんなこともあったんで、
 その年は、もうキャンプ場は閉めたらしいんだ。
 いずれにしても、キャンプシーズンは終わってたしな。
 で、次の夏が来たんだけど…。
 でも、なにせ自殺の行方不明が2年連続だろ?
 お客、気味悪がって、もぉ誰も来ないんじゃないかと、
 管理人のおじさんは、心配してたらしいんだな。
 でも、特にそういうこともなくって。
 例年通り、お客はいっぱい来たんだそうだ…。」

「でな。おじさんが言うには、
 ある時、親子連れの客が帰る時に言ってたのが
 後になって思えば、最初だったんじゃないかと思うって。
 なんでも、迷子を捜してるようなんだけど、何だか唐突で。
 ちょっとオカシイ人なんじゃないかって気味が悪かったって…。
 ま、そのお客が、迷子を捜しているようだったなんて言うもんだからさ。
 ほら、これだけ大きいキャンプ場だろ?
 迷子なんて日常茶飯事なわけさ。
 だから、管理人のおじさんも聞き流しちゃったらしいんだな。
 ところが…。
 その後も、そんなような話を、お客から何度も聞くんで。
 ある時、気になって詳しく聞いてみたんだそうだ。」

「すると。お客が言うには、夜中に島の遊歩道を散歩してたら、
 桟橋の方から、若い女性が1人で歩いて来るのが見えたそうなんだ。
 あっちにテントはないのに、若い女性一人って変だなぁーって。
 そんなことを思いつつも、
 そうは言ってもキャンプ場だしなーみたいに思って。
 そのままそっちに歩いてたそうなんだ。
 で、その女性とすれ違ってすぐ。
 お客は、その女性に呼び止められたらしいんだな。

 “あのぉ…、すみません。”
 “え?あ、はい。なんでしょう?”
 振り返れば、お嬢さん風のきれーいな女性。
 どこか憂いを帯びた目が、そのお客の目をグッと見つめてくる。
 口からは、消え入りそうな細ーい声で、
 “ちょっとお聞きしたいのですが、一郎さんは、どこにいるか知りませんか?”
 “はぁ?”
 “一郎さんは、どこにいるか知りませんか?”
 “一郎さん!?”
 こくりと頷くその女。
 “さぁ…”

 そう言った途端だったそうだ。
 その女の、目つき顔つきがギラリって変わって…。
 お客は、そのあまりの変容ぶりに思わずゴクリ。
 しかし、すぐにもとのちょっと寂しげな感じの穏やかな顔に戻って、
 “そうですか。どうもありがとうございました。
 失礼します。”
 そう言って、女は深々と頭を下げ、向こうに歩いていく…

 そこまで聞けば、もうその女って誰なのか、
 わかったようなもんだろ?
 でも、おじさん。
 一応、その女の人ってどんな人でしたか?って、そのお客さんに聞いたらしいんだ。
 そうしたら、顔の感じや体型、服装まで、あの時の一郎さんの彼女とピタリ。
 管理人のおじさんも他のスタッフも、もう肝潰しちまって。
 例の彼女が来た時にいた若いヤツなんて、横で聞いてて、
 もぉガタガタと、しばらく震えが止まらなかったらしい。」

「そしてな。
 その後も、毎年、必ず何人か、
 その話をするお客っていうのがいるんだそうだ……。」

 そこまで言って、山田先生は話を止めた。
 そして、黙って私たち1人1人の顔を順番にじーっと見回すもんだから、もぉ誰一人、何も言えない。
 
「でな…。
 キャンプに来たお客が、夕方や夜、こんな風にテントの中で過ごしたりするだろ。
 そんな時、テントの入口の辺りを、サワサワと触れるような音がして。
 何だか、誰かが窓を覗いてるような、そんな気配を感じたなぁーと思っていると、ふいに…

 “あのぉ…、すみません…。
 ちょっとお聞きしたいのですが、
 一郎さんは、どこにいるか知りませんか…”」

 それは、山田先生が細ぉーい声で、一際小さくそう言った「どこにいるか知りませんか?」の最後のところ。
 夢中になって話を聞いている杉野クンの顔のまん前で、山田先生が「知りませんかっ!」と、いきなり声を最大ボリュームにしたもんだから堪らない。
 杉野クンは「うっ!」って声を出したっきり、そのまま固まってしまったのだ。
 山田先生が、すかさずその肩をポンっと叩いたら、杉野クンはその場にへなへな~っと崩れちゃって。
 いやもぉ私たちは、どっと大笑いだった。

 …って。
 何だか、どこまでがホントで、どこからが山田先生が作った話なのかわからなってきたが。
 いや。私は、そうツッコミを入れようとしたのだ。
 でも、その時、遠くから「山田先生ぇー!どこですかー!」という声が聞こえて。
 それを聞くや否や、山田先生は「おっ!ヤベっ。すっかり長居しちまった。じゃぁな」と言って。
 慌てて靴を履くと、その声がした方に駆けて行ってしまった。
 というか、今にして思うのだが、あの時、山田先生は、なぜ担任のクラスの生徒ではない私たちのテントで、怪談をあんなに長々と話していたのだろう。


「ヤバイ。今、外にいる…。
 今、開けたら大変なことになるっ!」
「えっ!?」
 いつもとは全く違う吉居クンの強張ったその表情。
「な、な、なんなんだよー。吉居ぃぃー。
 そういう冗談はやめよぉぜぇぇー。」
 和田クンは、南部クンが霊にとり憑かれたようになった事件以来、いつも首からぶら下げることにしているお守りを握り締め。不安そうに吉居クンの顔を覗き込む。
「今…、オレの後ろにいる…。
 外からテントの中、覗くようにまわりを歩いている…。」
「お、おい。な、なんなんだよ、それぇー。」
 和田クンはじめ、みんなは吉居クンの顔を見つめるばかり。
 というか、怖くて怖くて。とてもじゃないけど、それ以外の方を見ることができないのだ。

「しぃーっ!今、入口のところに――。」
 吉居クンのその言葉が終わるより早く。
 サワサワ、サワサワ…。
 入口の辺りから聞こえてきた、テントの生地を誰かが触っているような音。
 さらに、それがかすかに揺れだして…。
 それは、まるで何モノかが外から入口を開けようと、ファスナーを探しているかのように。
 上、下、右、左、また下と入口の生地を揺らしていて……

 それは、突然だったと。
 テント全体が、ゆさゆさと揺れだしたのだ。
 まるで、それは何モノかがテントの入り口にある支柱を掴んで、力まかせに揺らしているかのよう。
 突然起こった事態に、和田クンも他のみんなも、吉居クンさえも身動きひとつ、いや、声すらあげられない。
 次の瞬間――。
 和田クンたちにテント全体が、ウワーっと迫ってきて!
「っ!」


 和田クンたちのテントの近くにいた生徒によれば、水辺近くにあったそのテントが急にわさわさと揺れだしたので。
 あれっ?風が吹いてきたのかなぁーなんて思ったらしい。
 ところが、そう思ったその一瞬後にはテントはペッシャンコ。

 近くにいた生徒たちはもうビックリ。
 慌てて和田クンたちのテントに駆け寄ったら、つぶれたテントから「わーっ!わーっ!」とがくように和田クンと何人かが這い出してきたと。
 しかも、出てきた和田クンたちときたら、もぉ目ん玉剥き出し状態で、ハァーハァーと息をつくばかり。
 何を聞いても、誰も全然答えられない状態で、こりゃ大変だと一人が山田先生を呼びに走ったらしい。
 つまり、私がテントで聞いた山田先生を呼ぶ声はそれだったのだろう。


 山田先生がかけつけてみると、吉居クンとあと誰かは、つぶれたテントの中で気を失ってたとかで。
 まぁそんなこともあったからなのか何なのか?その夜、和田クンたちの班は先生たちのバンガローに泊まっていたような記憶がある。

 その時は、テントがいきなりつぶれたということもあり、生徒たちはかなり大騒ぎになった。
 ただ、その場は山田先生はじめ、先生たちの一喝で治まって。
 結局、その夜のキャンプファイヤーの時に、管理人のおじさんが出てきて、「この湖ではまれに局地的な突風が起きるから、そのせいだろう」という説明がなされた。
 先生の中には当然理科の先生もいるから、こういう山に囲まれた湖のようなところでは、積乱雲がある時には急な突風が起きやすいという補足の説明もあったりで。
 まぁみんな、なんとなーく納得し――そこは中学生だ――その何分か後には、お決まりの♪燃えろよ燃えろ~よって歌っていた。


 私は、和田クンと親しかったので。その時の状況は、林間学校から帰ってきてから和田クン本人から聞いた。
 ただ、何だか変だなーと思ったのは。
 いつもの和田クンなら、この手のことは、その時々の状況を事細かく語るはずなのに。この一件に関しては、なぜかおおまかな事を言うだけ。
 おまけに、林間学校から帰ってきてから、あんなに好きだった心霊現象系の話や「こっくりさん」をパッタリやめてしまったのだ。

 もしかしたら、他にも何かあったのかもしれない。



                        ―― 『林間学校といえば…』〈了〉


注!無断転載禁止
  断りなく転載されるのは非常に不愉快です。やめてください
  ブログの記事は全て「著作物」であり、著作権法の対象です
        ↑
    ちょっと剣呑で、ゴメン(^^;)



Comment:2  Trackback:0
2016
08.14

怪談16.8.14‐夏休み企画第三弾

Category: 怪談話-番外

 夏といえば、夏休み。
 夏休みといえば、林間学校。
 林間学校といえば、怪談ってくらいで、まぁ林間学校と怪談は切り離せないものですよね。
 そんな、中学校の夏の林間学校のお話。
 舞台は、超有名観光地の某湖に浮かぶ小さな島。
 ま、言ってみりゃ怪談の定番中の定番、…かどうかは知りませんが、松下さんという方の中学一年の時のお話です。


 湖の中にあるのだから、島といっても小さなものだった。
 ただ、小さな島なのに、キャンプ場の規模は結構なものだった。
 背の高い松の木が鬱蒼と立ち並ぶ中、三角形のテントがズラーッと並んでいる光景を見た時は、ちょっと圧巻だった記憶がある。

 テントというと、最近は、薄い生地で設営だって簡単にできる、ドーム型テントやオートキャンプ用のテントをイメージするかもしれない。
 でも、そのキャンプ場のやつは常設の屋根型テントだ。
 生地なんか、分厚くって相当ごっつい代物で。
 支柱やフライシートからは太い張り綱がピーンと、これまたごっついペグ(というよりは鉄の杭)に結わえてあって、もう頑丈そのものって感じだった。

 島は、真ん中が小山のように高くなっていて、ごつごつした岩と背の高い松の林に覆われ、上には古い神社があった。
 小山のまわりには、島を一周できる遊歩道のような道があり、テントはほとんどがその道の湖側、炊事場等は小山側という風になっていた。
 そこは、島だから、当然船でしか出入りできない。
 キャンプ場からちょっと離れたところに、遊覧船をつけることのできる大きな桟橋があって、そこには貸しボート屋なんかもあった。


 さて、林間学校2日目の行事のハイキングも終わった夕方。
 夕飯の準備の前のぽっかり空いた自由時間。
 本来なら一番楽しい時間であるはずなのに、昼間の豪雨の中のハイキングで全身びしょ濡れになって。乾いた服に、やっと着替えられてやれやれ…という状況では、散歩する気にもなれなかった。
 そんなわけで、仕方なく、それぞれのテントの中で馬鹿話をして過ごしているわけだが、こういう時中学生が話すのは、好きなコの話かエッチな話。でなければ、怪談と相場は決まっている。
 つまり、ご他聞にもれず、私たちのテントは怪談で盛り上がっていたというわけだ。
 昼の豪雨はおさまったというものの、空には黒雲がたちこめ、おまけにキャンプ場は鬱蒼といってもいいような松の林の中。
 テントの中はかなり暗いので、怪談にはうってつけ。
 …なのだが、真っ暗になるとさすがに怖いので、前後を全開にしていた。

 そんな時だった。
 山田先生が、私たちのテントの前をフラリと通りかかったのだ。
 山田先生というのは、私たちのクラスの担任ではないのだが、私にとっては所属する部の顧問の先生だった。
 なおかつ山田先生のクラスには、南部クンとか和田クンといった、私と親しい友人がゾロゾロいて。
 つまり、ソイツらがあることないことチクるもんだから、その山田先生とは、顔を合わせると何か怒られるという関係だった。

「おっ!松下。お前、南部見なかったか?」
 その時、私はテントの入口のところに座っていた。
 だから、山田先生はすぐ目についたのだろう。
「南部ですか?
 さぁー?ハイキングの時は見ましたけどねー。
 どうしたんです?」
「いやさ、またアレやってんじゃないかって思ってよ…。
 ちょっと注意しとこうと思ったんだけどな。
 でも、ヤツらのテントにはいねーんだよ。」
「じゃぁ和田んとこでしょ。
 和田と吉居クンは一緒の班ですから。
 みんなでアレ、やってんじゃないですかー。ハハハ。」

 “アレ”というのは、年頃の男の子がなぜかやりたがる、煙草やシンナー、その他変なコトではない。「こっくりさん」のことだ。
 実は1学期に、山田先生のクラスで「こっくりさん」が流行して。
 放課後に南部クンと和田クン、吉居クンとその他何人かが「こっくりさん」をやっていた時に、南部クンに霊がとり憑いたようになって大騒ぎになったという事件があったのだ。
 それ以来、「こっくりさん」禁止令が出ていた。

「いや、和田んとこは今見てきたんだ。
 和田と吉居が一緒の割には、真面目にスケベな話で盛り上がってたな。
 ふーん。そうかぁー。
 どぉこ行きやがったのかなぁー、南部のヤツ。
 ところでお前らは何だ?怪談か?
 まさか、アレ、やってねーだろうなぁ~。」
「やりませんよー。この班は、もぉ臆病モンばっかですから。」
「なんだよお前ら、幽霊なんて怖いのか?
 しょーがねぇーなー。
 じゃ、オレが、この島で昔あったとっておきの怖い話してやるか!」
 な~んてニヤリと笑うものだから、私はもう大慌て。だって、山田先生なんか、テントの中に入れたら何をされるかわかったものじゃないからだ。

「せ、先生。南部を捜してるんじゃないんですか?
 南部、今頃アレやってそうだなぁー。」
「いいよ、南部なんて。ほっぽっとけ。
 和田や吉居と一緒じゃなきゃ、南部はやらないから大丈夫だ。
 ほらっ!お前ら、奥につめろ!オレを中に入れろ!」


 さて、そんな風に私たちのテントで山田先生が怪談話を始めたちょうどその頃。
 そこは、和田クンと吉居クンのいる班のテント。
 山田先生の指導の元、始まったエッチ話も話題がつき、なんとなーくしらけたムードが漂ってきて…。
 エッチな話には目がない男子中学生とはいえ、そこは中学1年生。経験ゼロじゃ続けようがない。
 ましてや、和田クンや吉居クンのように心霊現象の知識なら大人以上だけど、エッチ方面となると幼稚園児以下みたいなのが集まっている班だ。
「なぁ…。山田(先生)、もぉ来ねーんじゃねーのー。」
「キャンプファイヤーの準備だってあるだろうしさ。
 大丈夫だろー。
 やろーぜー。順番に入口で見張りしてさ。」
「そーだよ。せっかくの林間学校だぜ。
 やらなきゃつまんねーよ。」
 悪い相談というのは、すぐまとまる。


 一方、私たちのテントでは、山田先生がテントの真ん中にどっかと座り込んで怪談を熱演中。
「ある夏の終わり。
 司法試験だかなんだかで浪人中のヤツ…、
 まぁ浪人中だから、とりあえず一郎さんとでもしとくか。
 その勉強に疲れきった一郎さんが、
 1人でこの島にキャンプに来たわけだ。」
「ちょっと先生、それ、ホントの話なんですかぁー。
 普通、1人でキャンプ来ないでしょう?」
「おっ!お前、疑うわけ?
 じゃぁ今すぐ、(キャンプ場の)管理人のおじさんのとこ行って聞いてこいよ。
 オレだって、去年管理人のおじさんに聞いたんだから。」
 お話の出所が、この山田先生ではなく、キャンプ場の管理人さんということであればそれなりに信憑性も出てくる。
 私は、渋々先を聞くことにした。


「えーと。
 そうそう。その一郎さんはだな、1人でキャンプに来たんだ。
 それは夏の終わり頃。
 観光客なんか、ほとんど来なくなった頃のことだったそうだ…。」
「おっ!なんか怪談っぽくなってきたじゃないですか。」
「お前な。呑気に茶々入れてられるのも、今のうちだぞぉぉ~っ!
 でな、1日2日と、一郎さんは湖を眺めたり、ボート漕いだり。
 あと、島を散歩したりして過ごしていたらしいんだな。
 でも、それは3日目のことだったそうなんだ。
 管理人のおじさん、その時は偶然見ちまったらしいんだけど、
 ほら、このテントの横の道(遊歩道)あるだろ?
 あれをずーっと桟橋の方に向って行くと、島の形に沿って曲がるようになってるだろ?
 あそこん所に、ちょっと岩が湖に突き出してるとこあるの、知ってるか?」

 そこは、キャンプ場からは、ちょっとはずれたところ。
 岩といっても、断崖みたく切り立っているわけではなく。岸から5メートル位岩が突き出していて、先端にいくにつれ徐々に湖に没しているようになっていた。

「管理人のおじさんが、夕方、片づけをしている時。
 その岩の所に、一郎さんがぼーっと突っ立てるのが見えたらしいんだ。
 その日は、天気は曇りだったらしいんだけど、風はなく。
 湖面にも波はなかったんで、おじさんは、特には心配もしなかったらしいんだな。
 ところが、おじさんが何か作業をしてて、ちょっと目を離したその後。
 何気にその岩を見て、一郎さんの姿がないのに驚いて、辺りを見回したんだそうだ。
 そしたら、その岩の先、7、8メートル位の湖面に、
 腰から上だけが見えている一郎さんの姿が。
 慌てたおじさんは、とにかく声をかけたんだが、
 そうしている間にも、一郎さんはどんどん沖に進んでいく。
 今、腰から上が見えてたのに、あっという間に首から上だけ。
 そして、その首から上も湖面の下に見えなくなって…。
 おじさんは大急ぎでボートを出したらしいんだけど、一郎さんは見つからない。
 その後警察に連絡入れたりして、捜索されたらしいんだけど、
 何も見つからなくて…。
 結局、行方不明ということになってしまったらしいんだな。」
「えっ、それは自殺ぅ…、なんですか?」
「まぁそれ以外考えられないよな。
 駆けつけた家族が言うには、
 試験勉強に疲れきってた感じだったって言ってたらしいし。
 まぁノイローゼによる自殺ってことなんだろ。」


 一方、和田クンたちのテントでは…。
 山田先生に「こっくりさん」を禁止されてからというもの、クラスのメンバーだけっていうのは久しぶりで、一同気合タップリ。
 背の高い松の木がいっぱい生えた、それでなくとも薄暗い島のキャンプ場。
 空の黒雲が頭がつっかえるように低く垂れ込め、夏の夕方だというのにこの湖の辺りだけ真っ暗。
 対岸の灯りが、やけにキラキラ浮き立って見える。
 おまけに、なぜかおあつらえ向きに和田クンたちのテントだけ湖岸近くにちょこんと離れていて。
 ちゃぽん、ちゃぽんという波の音が、すぐそこに聞こえていた。

 
 ところで、説明を忘れていたが、「こっくりさん」が学校で禁止されたのは、南部クンに霊がとり憑いたみたいになった事件があったと前に書いたが、実はその時、南部クンが狂乱状態で暴れていたのを鎮めたのが、和田クンと仲のいい吉居クンだった。
 狂乱状態の南部クンが、いわゆる「霊感」みたいなものが異常に強いというのは、実は小学校時代から知られていた。
 でも、吉居クンもそんな「霊感」みたいなものがあって。なおかつ、とても強いというのは、みんなその時初めて知ったということだった。


 そんな吉居クンもいる、和田クンたちのテントの中。
 リーダー格の和田クンと、「霊感」の人である吉居クンとあと一人で、始まった「こっくりさん」。
 吉居クンがいるせいなのかなんなのか、10円玉はすぐにするする紙の上を滑り出した。
「あなたは、こっくりさんですか?」
 10円玉は、するっするっと「はい」を往復。
 思わずフーっと息を吐き、顔を見合わせるテントの中の面々。
 そして、鳥居のマークにもどった10円玉に声をかける和田クン。
「今夜、雨でキャンプファイヤーは中止になりますか?」
 再び、「はい」。
「やったー!」
 思わず、みんな大喜び。
 というのも、キャンプファイヤーはかったるいので、中止になんねーかなーって、みんな言っていたのだ。
 とかいって、実際は中止にならなかったのだが、まぁそれはそれ。
 そんな感じで「こっくりさん」は進んでいった。
 そして…

「この島ってさ。暗くって、なんか不気味じゃん?
 霊がいるのか、聞いてみようぜ。」
 1人がそんなことを言った。
「おー、それいいな。それ聞こうぜ。
 こっくりさん、こっくりさん、この島に霊はいま――。」
「シーっ!」
 突然、和田クンのその言葉を、吉居クンが遮った。
 さらに、吉居クンは口元に指をあてて。和田クンたちみんなの顔を順に見回すのでびっくりだった。
 久しぶりのみんな揃っての「こっくりさん」。つい、見張り役まで一緒になって夢中になっていた。
「ヤバイっ!山田(先生)か?おい、外の様子見てみろ。」
 その和田クンの言葉に、慌てた見張り役が入口のファスナーに手をかけようとした時だった。
「おいっ!今、そこ開けるな!」
 吉居クンの口から、鋭く飛んだヒソヒソ声。見張り役は、ひっと声にならない声をあげて振り返った。
 いや。見張り役だけではない。和田クンをはじめ、テントの中にいた全員が、思わず吉居クンを見つめていた。
「ヤバイ。今、外にいる…。
 今、開けたら大変なことになる…。」
 暗いテントの中、吉居クンの押し殺すような声。
 その顔を、一つだけ点けていた懐中電灯の橙色の灯りが照らしていた。



                               ―― 明日に続きます


注!無断転載禁止
  断りなく転載されるのは非常に不愉快です。やめてください
  ブログの記事は全て「著作物」であり、著作権法の対象です
         ↑
    ちょっと剣呑で、ゴメン(^^;)


Comment:0  Trackback:0
2016
08.13

怪談16.8.13‐夏休み企画第二弾(笑)

Category: 怪談話-番外
 
 実はこのお話、前にも書いたのですが、あえて途中を省いたんです。
 というのは、あまりに×××だから省いたんですけど、まぁシーズンですしね。
 ここら辺りで、完全バージョンを公開しちゃうのもいいかなーって(笑)


 A島さんが小学6年生の時のことといいますから、もうウン十年前のこと。
 夏休みに、子供会で肝試しをやったんだそうです。
 場所は、A島クンの住む住宅地の奥にあった寺の墓地。
 A島さんたち6年生と5年生がお化けになっておどかし役。
 4年生以下は二人一組で、墓地の中の通路を一周するという風になっていたそうです。


 さて、いよいよ始まった肝試し。
 ちなみに、今夜のオレの格好は、幽霊の定番コスチュームである白い経帷子(ただし、“風”)。
 顔は、これまた定番の血まみれメイク。
 頭には、またまた定番の三角の布と、トリプル定番でバッチリ決め、もう誰が見ても「幽霊」そのものだった(?)

 と、まぁ真っ昼間に見ようものなら、子供でも笑いだしちゃう格好だったが、夜の墓地でいきなり「ばぁ」ともなれば、そこはまた違う。
 そんなわけで、オレは墓石の影に潜んでいるわけなんだが、なぜか肝心のおどかされ役がなかなかやって来ない。

「なー。」
「なー、B山。なー…。」
 じっと待っているのにすっかり飽きちゃったオレは、近くの墓石の影で潜んでいるはずのB山に声をかけた。
 でも、何度呼んでも、B山からの返事はなかった。

「なーって言ってんだろ!おいっB山、てめえっ!」
 夜の墓地で一人怒り出したオレに、さすがに呆れたのだろう。
 B山の、しょーがねーなーって感じの声が、オレの背後、通路を挟んで向こう側の墓石のあたりから聞こえてきた。
「なーんだよー。用もねーのに呼ぶなよー。
 声を出すと、ここにいるってバレちゃうだろ。」
「なー。いったい、いつになったら来るんだよ?
 蚊が、すごくってさ。勘弁してほしいんだよな。」
「A島ぁ。オマエ、虫除けくらい持ってこいよ、使えねーなー。
 しょーがねーなー、じゃぁ貸してやっからよ。
 ほらっ。投げんぞ。いいか?」
 そう言われて、オレは慌てて後ろを振り返った。
 それは、思っていたより遠くの墓石の後ろ。白い着物姿の幽霊がにゅうっと現れ、オレに虫除けスプレーを投げてきた。
「サンキュー!」
 そう言うと、暗闇に浮かぶ血まみれの顔がニヤーっと笑った。

 しかしまぁ、夜の墓地で幽霊が虫除けを貸し借りしているというのも、傍から見たら相当珍妙な光景だったろう。
 でも、案外ホントの幽霊たちもそんな風に、「早いとこ、誰か来ねぇかなぁ~」なんて。
 そんなことを思いながら、毎晩、いつもの場所にいるものなのかもしれない。

 そんな本物たちのことはさておき。
 やっと、向こうの方に見えてきた提灯の灯り。
 それは、立ち並ぶ墓石や卒塔婆の間にチラチラっ、チラチラっ。

 すると、はるか向こうから、「う~ら~め~し~や~」という声とともに、「ワー!」とか「キャー!」とか聞こえてきた。
 オレは、「おっ、いいぞ、いいぞ」とニヤニヤしていたのだが。
 しかし、なんと。
 その後聞にこえてきたのは、「あーっ!Pちゃんのお姉ちゃんだー」という、ケラケラ笑う声。

 それを聞いて、オレは思わず一人舌打ち。
「ちぇっ!しょうがねーなー。全然怖がられてねーじゃんか。
 よし、こうなったら。
 ここに来たら、通り過ぎたところを、後ろからぐわーっ!と脅かして。
 あとは、スリーパーホールドかけちゃって。もぉギャンギャン泣かせてやる!」
 なぁーんて、そんなよからぬことを思った時だった。

 いきなり、後ろから頭をゲンコツでゴッチーン!って。
 オレは、「イテっ!」っ叫ぶなり、間髪入れず後ろを振り返ったのだが、なぜか誰もいない。
 「えっ?」って辺りを見回してみても、ただただ群青の闇の中に墓石たちが、ぼわぁ~んと立っているばかり。

 その時オレは、小学6年だった。だから、当然バカだった。
「イッテーなーっ、B山!」
 後ろから頭をひっぱたいてさっと隠れるっていうのは、当時オレたちがよくやっていたイタズラ。
 当然、いきなり後ろからオレの頭を殴ったのもB山だと思ってそう言ったのだ。
 すると、ちょっとタイミングがおくれて。ずいぶん向こうから、B山の声が聞こえてきた。

「だ~から、なぁA島ぁー。
 オマエ、わっかんねーヤツだなー。
 声出すと、ここにいるとわかっちゃうって言ってんだろー。
 低学年のヤツら、もぉすぐそこらまで来てるんだぜー。」
 その、やけに離れた所から聞こえる感じのB山ののヒソヒソ声。
 たぶん、遠くからの声に聞こえるように、向こうの方を向いて声を出してるんだろうとオレは思った。
「バーカ!バレてんだよ、B山。
 オマエ、今オレの頭、ぶっ叩いたよな!」
「頭ぶっ叩く?
 はぁ!?オマエ、なにワケわかんないこと言ってんの?」
「コノヤロ、B山、オマエ…。
 しらばっくれてんじゃねーぞ!」

 その時だった。オレとB山の声が聞こえたのだろう。オレのいる場所からいくつか前の墓石から、やはり幽霊役のC藤の血まみれの顔がヒョイっと覗かせた。
「オメェらよ、少し黙ってろよ。
 もう、すぐそこまで来てんだぞ!」
「なぁなぁ聞いてくれよぉ、C藤ぉ~!
 B山がさぁ、オレの頭ぶっ叩いて、しらばっくれてんだぜぇ~。」
「だ~から、オマエの頭なんか叩いてねぇって言ってんだろー。
 オレの所からオマエの所までこんなに離れてんのに、どうやったらぶっ叩けんだよ。」
「何が、こんなに離れてんのにだ!
 すぐ近くに隠れてるくせして。
 おい!B山。そんなこと言うなら、顔出してみろよ!」
 
 オレがそう言った時だった。
「なぁ、A島―。」
 B山の方を向いてしゃべっていたオレの背後から、C藤の声がした。
 だから、すぐそっちを振り返ったのだが、振り返る瞬間、向こうの墓石の影からB山が首を出したのを視界の端でとらえていた。
 それは、まさにB山が、さっき虫よけスプレーを投げたその場所で、その意外な遠さにオレは一瞬違和感を覚えた。
 でも、その瞬間というのはC藤に話しかけられていたので、そこまで気が回らなかった。
 
「なぁA島さ。
 オマエ、そりゃもしかして、ホンモノじゃねーのぉー?」
「なんだよ、ホンモノって?」
「ユーレイだよ、ユーレイ。ホンモノの…。」
「バカ言ってんじゃねーよ。」
 その時オレは、C島のその言葉に思わず噴出してしまった。
 しかし……

 その「ホンモノの幽霊」って言葉、後からじわっじわっと効いてきて。
 いやもぉあの時というのは、オレ自身よくわからない。
 「えっ?えっ?えっ?」という感じで。みるみる異様な怖さに襲われたオレは、思わず後ろを振りかえってしまったのだ。

 後から思えば、そのタイミングが全てだったのだ。
 振り返った、まさにそのタイミングでそこに立っていた白いモノ。
 そこにいるはずのない、その姿にオレは、
 うぐっ…。
 一瞬、言葉は詰まってしまったのだが、でもすぐに。
 「ウェェェーっ!」と、まるっきり素っ頓狂な悲鳴をあげていた。
 

 実は、ソレ、その白いモノの正体はB山だった。
 これは後で聞いたのだが、B山も、C藤の言った「本物じゃねーのー」というのに急に怖さがこみ上げてきて。
 堪らなくなって、オレのところまでやってきたらしい。
 でも、怖くて何気に後ろを振り向いたタイミングで、ソレを見てしまったオレにそんなことわかるわけがない。
 もぉびっくりしたなんてもんじゃない。思わず、大声をあげてしまったのだ。

 ところが、そのオレの大声にもっと驚いたのが、誰あろう、オレに大声をあげさせたその白いモノ…、つまり、急に怖くなってオレのところにやってきたB山だった。
 その時、B山は驚きすぎて、もぉ何が何だか分からなくなってしまったらしい。
 「うごごぉぉぉぉーっ!」と、くぐもった変な声を発したかと思うと、墓地の通路を一目散に逃げだしてしまったのだ。

 一方、やっぱり、突然のオレの大声で肝をつぶしていたC藤。
 そんなC藤が見たのは、異様な声を発しながら通路を駆け抜けていく幽霊の姿。
 もちろん、それはB山なのだが、怖くて頭の中がいっぱいになった状態で、そこまで頭が回るわけがない。
 もぉ心臓が頭の天辺まで跳ね上がっちゃって、「ワー!」とばかり通路に転がり出て。今見た幽霊(B山)とは逆の方に走り出した。

 後から思えば、つまり、その時オレが見たソレはC藤だったのだろう。
 でも、あんな場面で、変な声をあげてオレの方に駆けてくるソレを見てしまったら、誰だって逃げ出すと思う。
 だから、オレも「わーっ!」って。
 もぉ何も考えられなかった。とにかく駆け出していた。


 つまり、後はもぉドリフのコントさながら。
 変な声をあげながら通路を駆けてくる幽霊たち(オレとC藤)に、まず、おどかされ役で通路を歩いていた低学年の二人は「ギャっ!」っと一声。
 でも、2人は叫ぶより早く、スタート地点目がけ逆走を始めた。
 一方、通路の反対方向には、奇声を発しながら走りまわるB山もいた。
 肝試しの時怖いのは、実は脅かされる方より1人でジッと潜んでいる脅かす方だとよく言うが、それはホントその通りだったのだ。
 墓地のあちこちに潜んでいた幽霊役の5、6年生たち。
 みんな怖い気持ちをなんとか押し殺していたところを見てしまった幽霊――オレたち3人のことだ――に、たちまち気持ちがプッツンしちゃって。
 ワーワー叫びながら、大挙して通路を逃げ出した。

 さて、こうなってくると問題なのは、脅かされ役の低学年の連中がいるスタート地点だ。
 墓地のあちこちから、ワーだとかギャーだとかスゴイ悲鳴が聞こえてくるもんだから、「えー、そんなに怖ぇ~のかよ…」って。
 そんな戦々恐々なところにもってきて、こっちの通路から、泣き叫び逃げてくる脅かされ役の二人。さらに、その後を変な声と共に追って来る幽霊たち(オレとC藤、あとその他)。
 そっちの通路からは、B山の幽霊を見てプッツンしちゃった幽霊の大集団がダダダーと駆けてきたもんだから、辺りはもぉ阿鼻叫喚の大騒ぎ。
 1年坊主なんか、ワンワン泣き出しちゃうし。金切り声をあげる女の子までいたり。
 もぉ付き添いの親たちまで右往左往の、とんでもないパニックになってしまったのだ(笑)


 ま、そんなこんなの大騒動だったが、それはやっと落ち着いた後。
 そもそものコトの起こりは何なんだと探っていくと、原因はオレとB山、C藤だとすぐバレて。
 墓地の集会所みたいなところで、オレの母親をはじめ、大人たちから大目玉を食らうことになった。
 しかし、しつこいようだが、その時のオレは小学6年だった。
 だから、当然バカだったのだ。
 よって、相変わらず、
「B山が、オレの頭ぶっ叩いてしらばっくれてるから悪いんだ。」
 と、その一点張り。

 一方、B山はベソをかきながらも「絶対やってない」とキッパリ。
 そこまでキッパリ言われると、オレもB山の言ってることがホントのように思えてくる。
 とはいえ…

「じゃぁ、あの時のゲンコツって誰なんだよ?」
 と、オレは親たちの顔を見上げた。
 しかし、そう言われても親たちだって困る。
 誰って、そりゃぁたぶん…
 でも、この場でそれを口にしてしまうのは何だかちょっと…と、しょうがないから他の親たちと顔を見合わせるばかり。

 そんな、一同思わずシーンとなってしまった中だった。
 今まで黙っていた、幽霊役の女の子の1人おずおずと、
「ねぇ…。そういえばさ、変な声…、ずっと聞こえてなかった?」
 と言えば、別の幽霊役の子も、
「うん。待ってる時、なんか笑ってるみたいな声、聞こえた…。」
「……!?」

 まさに、肝が試された夜だった。




                             ―― 『肝試しな夜』〈了〉


注!無断転載禁
  断りなく転載されるのは非常に不愉快です。やめてください
  ブログの記事は全て「著作物」であり、著作権法の対象です
        ↑
    ちょっと剣呑で、ゴメン(^^;)


Comment:2  Trackback:0
2016
08.11

今日は、開闢以来初めての「山の日」(笑)


 しっかし、台風5号一過、火曜日のあの暑さはスゴかったですねー。
 気温もさることながら、驚いたのは、あの熱い風!
 いやもぉ、あれは昔の東西線のホームも真っ青!
 わかる人にはわかるネタwww

 ていうか、あれ、フェーンだったから、大気の乾燥にもびっくりでした。
 湿度30%って、もぉ真冬なみ!
 でも、乾燥しただけあって、次の日の朝方は涼しかったなー(笑)

 ていうか、それ以来(関東地方は)涼しいよーな。
 東海以西は酷暑らしいですけどーwww

 いや。暑いのは暑いんですけどー。
 でも、37.7度でしたっけ?
 火曜の最高気温(東京)。
 それと比べちゃうと、30度なんて、なんと7.7度も低いんじゃん!って(笑)

 とはいえ、週間予報を見ると、関東地方、16日以降はずっと曇りになって、つまり、夏はもぉ終わりってことなのかなぁ…。


 ってまぁいつものお天気ネタでした(笑) ←お天気オタク






Comment:4  Trackback:0
2016
08.07

あっづいー



 あっづいーーー 

 って、もぉ笑っちゃうしかない暑さなんですけどー。

 でも、台風のお陰で、今日はいい風入ってくるぅ~♪ 


 セミは朝からミンミン、ジージー。
 夜はあっちでもこっちでも、花火がドンドン。
 梨はウマいし、いやもぉ盛夏!盛夏!(笑)

 立秋なんて、ゴミ箱ポイっ!(爆)


 しっかし、台風5号。
 なんでまた真夏のこの時期にあのコースなんだろ?

 …って、そりゃつまり夏の高気圧が弱すぎるわけで、ここ何日かの夏ーっ!って陽気も、そう考えると束の間なのかもなぁ…。

 





 で、まぁ最近は、TBSの「ひるおび」とか、昼間の主婦向け番組の方がよっぽど硬派だし、また突っ込んだ内容だよなーと思うわけですが、今週はNHKの「あさイチ」、“外国人に戦争を聞く”は、タイトル見て、バッチリ録画の予約しちゃいました。
 http://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/160804/1.html


 うん。まぁ番組中何度も、「夏休みですから子供からの意見をお待ちしてます」みたいなこと言ってたのみてもわかるように、ホントざっくりって感じで。ちょっと期待外れかなーって感じでしたけどね。
 でもまぁ番組のテーマとしては、いいとこついてたんじゃないかなーって。
 だって、日本にいる外国人に、その国であった戦争について語ってもらうって、ありそうで、なかったですもんね。

 個人的には、最初のシリアのマンスールさんという方の話が、(今なシリアの話だけに)一番興味深かったですね。
 日本人は、もっと自分たちの国の平和に関心を持たなきゃダメだと思うとか、だからこそ選挙には行かなきゃダメとか、日本人がまず考えなきゃならないことを語ってくれたのがよかったと思いました。

 シリア情勢って、政府と反政府勢力、さらにISの三つ巴で語られがちですけど。でも、そこに宗派の対立、部族の対立が絡んでいて。
 それらには、それぞれ他の国、他の部族が絡み、さらにアメリカとロシア、もう一つイスラエルの思惑が絡み。
 そのもっと下には、(もぉそこまでいくとほとんどわからないですけど)サイクス・ピコ協定なんかも絡んでるわけですよね。

 この時期に“日本人が考える戦争”として、それが適当なのかは別として、その辺りをもっと詳しく教えてくれる番組をつくってくれないかなーって。
 まぁ都知事選挙も大事なんでしょうけどね。
 でもまぁそれはホントに大事なコトだけに絞って(アラさがしとか揚げ足取りはいらないからwww)。
 それこそ、ここ何日か中国の艦船と漁船何百隻が尖閣諸島に押し寄せている状況とか――いや。それじゃ視聴率取れないのはわかるけど――ちゃんと知らせて解説して欲しいなーって思いましたね。

 ただまぁなんというか。
 ネットで、「あさイチ、戦争」で検索するとやたら出てくるように、番組で、そんな「戦争への危機感を表明」なんてことはしてなかってと思うけどなー。
 少なくとも、「表明」なんて、そんなキッパリな発言はなかったですね。

 ていうか、なんでそのネットに出てくるどれも書いてあること同じなんだろ?(笑)
 戦争っていうのは、庶民たちのそういう横並びの感覚を為政者が利用することによって引き起こされるパターンが多いんじゃないかと思うだけどなぁ…。




Comment:7  Trackback:0
2016
08.07

怪談16.8.7‐夏休み企画第一弾(笑)

Category: 怪談話-番外
 このお話は、かなり昔のお話です。
 終戦してからそんなにたってない頃のことだと聞きましたんで、60年以上前のことだと思います。
 そんな時代のとある農村でのお話です。

 梅雨もあと少しで明けようというくらいのある宵こと。
 ある家の縁側に若い衆が集まって、百物語を始めたんだそうです。
 百物語といったって、縁側でやるわけですから、ローソク立てるとかそんな本式のヤツじゃなくって。
 実はその家、見渡す限り田んぼが広がる高台の上にあって、暑い季節でもそこそこいい風が吹いてくるんだとかで。
 つまり、百物語が目的というよりも、涼みに集まって、たまたま百物語を始まったということなのでしょう。

 その場に何人いたのかはわかりませんが、話は宵の口から始まって、いつの間にか深夜。
 気がつけば、今は81話目が終わって、残すところ18話。
 それとも19話キッチリ話して、100話完結させるのか?
 誰もがそんなことを考えつつ、次の話を待っていました。

 昼ならば、この縁側からはるか向こうまで広がる田んぼが見渡せるのですが、今は夜。ただただ真っ暗な空間が延々とあるだけ。
 代わりといっちゃなんですが、田んぼに住む無数のカエル達が様々な声で鳴いているのが聞えてきます。
 ゲロゲロゲロゲロ…
 ガーガーガーガー…
 グワーグワーグワー…

 82話目が話し始まった時でした。
 真っ暗に広がる田んぼの中ほどに、ポッと灯った、一つの青白~い火。

 それが現れた途端でした。
 今度は、最初に灯った火から一直線。等間隔に、ポッポッポッポッポッポッポッポッと……
 同じような青白い火が、次々に並んでいく。

「おっ!狐の嫁入りか。」
 そう言っている間にも、暗闇の中の火はどんどん長く。
 と、次の瞬間、その火の列は、一斉にパッと消えてしまう。
 少しの間があって。
 今度は最初の火の少し向こうに、ポッ…

 灯った火は、また一直線。等間隔に、ポッポッポッポッポッと…
 さらに。
 今度は、その火の列よりはるか向こうの暗闇で、ポッと灯ったかと思ったら、そちらもやはり、ポッポッポッポッポッポッ……
 それは、真っ暗な空間にひろがる、2列の青白~い火、火、火…

 すると。
 後から灯った火の列の中ほどから、1つの火がポンと手前に出たかと思うと。
 それがツツツツーと移動して、最初に点った火の列の方に向っていく。
 そのひとつの火が最初の列に交わった瞬間、全ての火が一斉に、パっ!
 そこには、もとどおりの暗闇が広がっているばかり。

 21世紀の世に暮らす私達がこんな場面を目にしたら、どんな大騒ぎになるのでしょう。
 でも、当時こうした「狐の嫁入り」みたいな現象は、ごくごく当たり前のことだったといいます。
 もちろん夜毎に見られるというものでもなかったようですが、それでも思い出したように現れては、人々はその幻想的な光景を見入っていたそうです。

 縁側の若い衆は、現れた直後こそ話を止めて、その火の饗宴に見ていたものの、すぐに飽きて百物語を再開しました。
 一方、狐の嫁入りは、そんな若い衆達の話とは関係なく。火が灯っては、ポッポッポッポッポッ…と並んで、消え。
 そして、また灯っては並ぶのを繰り返していた。

 話は順調に進み、100話まであと12話となる88話目を話し終えた時でした。
「あっ、やっぱりだ。」
 縁側の若い衆の1人が言いました。
「どうした?」
「狐の嫁入りを見てみ。なんか変じゃないか?」
 彼はそう言って、向こうの暗闇を指さしました。
 それは、暗い田んぼに並んでいる青白~い火の列。

「えぇっ?どこが変なんだ!?」
 そこにいる誰もが彼に言います。
「俺も、ちょっと前に気がついたんだけどな。
 さっきから火が全然動かねぇんだよ。
 それとな、火の数を数えてみな。12あるだろ。
 でも、たった今まで13あったんだ。
 88話目を終えた途端、ひとつ消えたんだ。」
「お前よぉー、なに変なこと言ってんだぁ。」
「本当だって。
 87話目の時も86話目の時も、話が終わった後にひとつずつ消えたんだから。」
「オマエ、それ、もしかして89話目の話のつもりかよ。」
 そう言って、誰もが笑うばかり。彼の言うことなど信用しません。
「そんなこと言うなら、89話目は俺が話すから。
 見てろよ。絶対消えるから。」

 彼がそう言って話しだした話は、やがて佳境に。
 しかし、誰もが話なんかそっちのけ。息を呑んで暗闇に並ぶ火を見つめています。
 それは、その話が終わった時でした。
 端の1つの火がスぅぅ…

 真っ暗な空間にゆらめく青白~い火は、残り11です。
「なんだ?えー、なんだぁーっ!」
「待て待て、1回じゃわからんぞ。じゃ次、俺が90話目。
 えーと。これは、ウチの祖父さんに聞いた話だ。」

 それは、話終えるとやはりスぅーっと消える。
 その不思議さに面白くなったのでしょう。
 縁側の若い衆たちは、「次は俺が話す」「次は俺が話す」と次々に話し出します。
 青白い火も、その都度、スぅーっと消えていきます。

 それは、闇にゆらめく火が残り2つになった時でした。
「おいっ。あと2話、話し終えるとどうなるんだ?
 何か起きるのか?
 あ、もしかして連中がやって来るとか──。」
 その途端、また火が1つ、スぅぅ…

 それを目の当りにした一同はびっくり。
 もぉ百物語どころではありません。
 何も言わずに思わず顔を見合わせ、皆で頷きあって。
 そーっと立ち上がり、いっせいに室内に飛び込むやいなや、障子を両側からビシャっ!と。
 後は、夜が明けるまでひ、たすら仏壇を拝んでたといいます。



                            ―― 『縁側の百物語』〈了〉


注!無断転載禁止
  断りなく転載されるのは非常に不愉快です。やめてください
  ブログの記事は全て「著作物」であり、著作権法の対象です
         ↑
    ちょっと剣呑で、ゴメン(^^;)



Comment:2  Trackback:0
2016
08.06

「遊園地ホラー」と「テーマパークなホラー」

Category: R&R
 てことで、『ジョイランド』ですよ、『ジョイランド』!
 御大、スティーブン・キングの久々(というか、『キャリー』以来?)のシンプルなお話(笑)

ジョイランドIMG_3092
 これ、知らない人が見たら、ジョイ・ランドという作者の『スティーブン・キング』という本と思っちゃいそうです


 とかいって、最近はほとんど読んでないんですけどね。
 『スタンド』の上巻(下巻は挫折www)読んで、あと、『霧』が映画になった時に、それが入ってる扶桑社のヤツを読んで以来だから…、何年ぶり?
 まぁもぉ、とにかく相当ご無沙汰です(笑)

 そんなわけで、到底ファンとは言えない“ファン”の感想なんで、スティーブン・キングのファンの方や、あと、スティーブン・キングを読んだことない方の参考には絶対っ!ならないと思います(爆)


 あらすじは……
 ぶっちゃけ、「ジョイランド」。
 ですね、コレ(笑)

 つまり、1973年、アメリカはノースカロライナにある遊園地のお話、と。
 以下は、わかる人にはわかるネタバレ
 わかる人にはわかるということは、つまりわからない人にはわからないとwww

 実は、読み始めて、たちまち引っかかったのがそこでした。
 だって、コレ、ホンっト、「ジョイランド」(での話)なんだもん!
 もぉ延々延々延々延々……、えーんえん(笑)

 でもね。
 帯のコピーは、“恋人に振られたあの夏、幽霊屋敷で僕は――”だし。

 背表紙の紹介だって、
“海辺の遊園地、ジョイランド。彼女に振られたあの夏、大学生の僕はそこでバイトをしていた。そこで出会った仲間や大人たちとすごすうち、僕は幽霊屋敷で過去に殺人があったこと、遊園地で殺人を繰り返す殺人鬼がいることを知る。もう戻れない青春時代の痛みと美しさを描くキングの筆が冴え渡る!感涙必至の青春ミステリー。”
 なわけですよ。

 “感涙必至”ですよ、感涙必至。
 感涙、したいじゃない(爆)


 でもね、このお話。
 ま、最初に不実な恋人との別れ(ていうか、自然消滅に近い)はあったのはあったんだけど、それからは延々ジョイランドぉー!な、わけですよ。
 いや。幽霊屋敷(だから、アトラクションの、ね)の殺人事件の話(を知る場面)はちゃんとあるし。
 また、その事件にまとわりつく不可思議な兆しもちゃんとある。

 でもさ、とりあえずは、それは、ちょこっと触れるだけなんだよなー(泣)
 その後は、延々「ジョイランド」で働いてるお話が続くと(爆)
 主人公のデヴィンが、小さな女の子がホットドックで窒息しそうになったのを助けたエピソードとか、ハウイーという犬の着ぐるみ着て踊るエピソードとか……

 そうそう。
 背表紙にある、“そこで出会った仲間や大人たちとすごすうち、僕は幽霊屋敷で過去に殺人があったことを知る”は大ウソです(笑)
 正しくは、ジョイランドの面接に行って中を見物した後。レインという、このお話で重要な役割を務めることになるジョイランドの観覧車の係員に下宿先を紹介され、そこの女主人に聞くんですぅぅー(爆)


 だから、まーね。
 これって、「青春の物語」、なわけですよ。
 だから、読む方としては、当然“そこで出会った仲間”とのエピソードを期待するわけですよ。
 でも、その仲間(トムとエリン)の出番、少なすぎ!(泣)

 トムとエリンが生涯の友人になったことは語られるんですけど、それにしてはそのエピソードが少ないんですよねー。
 だって、主人公のデヴィンとその2人が付き合ったのは、そのジョイランドでバイトしたひと夏だけなわけです。
 その後は、(たぶん)連絡は取り合ったり、たまには会っててたにせよねー。
 ちなみに、お話は60代(たぶん)になったデヴィンの回想

 ま、トムは、3人で例の(アトラクションの)「幽霊屋敷に行った時に、一人噂の殺された若い女性の幽霊を見るという重要な役割があるし。
 また、エリンは、その幽霊屋敷であった殺人を図書館等で調べているうち、実は連続殺人ではないかと思いあたるという重要な役割があるわけですけどねー。

 でもまぁなんというか、つまり、まさに「役割」なんですよね。
 主人公のデヴィンにとっては生涯の大事な友人でも、読んでる方としてはたんなるその程度の役割を与えられた「端役」にすぎない(印象を受ける)んですよ。

 それは、下宿の女主人や、ジョイランドの女占い師も同じで。
 どちらも、それなりに意味ありげなキャラクターとして登場するわりには、それぞれご託宣だったり情報だったりを与えるだけだったりで。

 つまり、私としては、読む前この『ジョイランド』というお話に、“遊園地の幽霊”だったり、“トムやエリンとその幽霊を探る”という「青春の物語」を読み始めたわけです。
 でも、それらを触れるのは触れるんだけど、でもそれは、それらの要素全てを多少かすめるって程度なんですね。

 よって、失恋の物語なのか、青春の友情の物語なのか、遊園地の幽霊の話なのか、遊園地でのバイトの話なのか…、「えぇっ!このお話って何の話なの!?」って。
 つまり、お話の本籍地がわからないです。
 だから、変な話ですけど、読んでいてどこをどう愉しんだらいいのかがわからない。

 ま、カンタンに言っちゃうなら、「それじゃ感涙しないだろー」ってことなんでしょう(笑)


 でも、中盤、その流れが変わってくるんですね。
 やっと(笑)

 夏が終わって、トムとエリンが去った「ジョイランド」に一人残った主人公デヴィン。
 ある日、マイロという犬とその飼い主のマイクという難病を患ってる少年、そして、その母親のアニーという登場人物(と犬)と出逢うわけです。
 その2人と1匹によって、このお話(のお愉しみ部分)の方向性が見えてくるわけです。
 やっと(笑) ←しつこい

 いや。最初の“出会い”では、まだわからないんです。
 でも、主人公との絡みが、最初はマイク(犬)を通じて。次に、マイロの飼い主であるマイクという少年を通じて、それは、徐々に、徐々に濃くなっていく。

 デヴィンとマイクのつながりが、さらにその母親のアニーとのつながりになって。
 さらに、デヴィンのもっかの仕事先(大学休学中のバイト)である「ジョイランド」へのマイクの招待という、物語の最初のクライマックスとその後の静かなクライマックスによって、「あぁこのお話って、こういうお話なんだ…」ってわかるんですね。
 やっと(笑) ←ホントしつこい

 つまり、あの、延々続いたジョイランド(で)のエピソードって、一生懸命ジョイランドでバイトしたデヴィン(へ)の“成長”というご褒美――青春の物語には付きものですね――の伏線(みたいなもの)でもあったんだなーって気づくと(笑)
 あとで登場人物紹介見たら、なんと2人と一匹はトムとエリンより先に書いてあるじゃん

 ただ…
 その伏線(なのか?)を“鮮やか”と思うかどうか、ですねー(爆)
 うーん…。
 私は、そうは思わなかった…、かもしれない(笑)


 いや。読み終わって――ちなみに、その最初のクライマックスとその後にあった静かなクライマックスのさらに後に、「動」のクライマックスがあります――、ちょっと経ってから。
 あー、そういえば、私自身も学生時代にバイトでがんばった時もご褒美がやってきたっけなーなんて(爆)
 もっとも、デヴィンほどではなかったですけどね(笑)

 ま、そういうのは、おそらく誰しにもあることだと思うんで、読み終わった今となっちゃぁ、「ま、よかったんじゃない?うん。」ではあるんですけどねー(笑)

 ただ、それを描きたいんなら、
 別にそこに遊園地の幽霊を混ぜ込まなくてもお話成立出来たんじゃない?
 とも思ってしまうんですよねー(笑)

 変な話、身も蓋もないこと言っちゃうなら、「動」のクライマックス、も別になくてもよかったよーな(爆)
 別に、遊園地の幽霊も殺人事件も謎だった…で終わっちゃっても、お話としては成立しちゃえるような気がするんですよねー。

 ま、確かに、犯人の正体っていうのは、デヴィンにとって、あるいはジョイランドにとって、とても切ない事実なわけで、そこはそこでお話の肝ではあるんでしょうけどね。
 そもそも、スティーブン・キングだもん。オバケの一つも出なきゃ読者が納得しねーだろーっていうのもありますしね(爆)

 ていうか、そこですよね。
 つまり、これが、スティーブン・キングが書いたお話(本)であるということ。
 御大スティーブン・キングが書いた本、しかも久々の青春モノだけに、売らなきゃならない、感動しなきゃならない、みたいなとこ、ちょっとあるんじゃないのかなー。
 出版社も、読者も、さ(笑)


 いや。最後まで読むと、すごくよかったー!って思うんですよ。
 難病で歩くのが不自由で。しかも、ちょっと前に肺炎を患って興奮すると発作が起こる可能性があるので遊園地に行けないなマイクを「ジョイランド」に連れていく、最初のクライマックスは生の喜びに満ち満ちてるし。

 一方、興奮すると発作が起こる可能性があるので、マイクが遊園地なんてとんでもないと言っていた母親のアニーが、「ジョイランド」で楽しんでいるマイクを見て心を癒す場面もいい。

 そして、何といっても、その後のデヴィンとアニーの時間。
 あれがいいんですよねー、な~んか青春で。
 読んでる方までうれしくなっちゃう(爆)

 そして、その静かなクライマックスが、ラストの海辺の凧上げのシーンにつながっていく、その余韻。
 ホント哀しい場面なんだけど、でもそれは哀しみの終わりでもあるわけで……

 だから、それらがいいだけに、「これ、オバケ、いらなくない?」ってなっちゃうわけさ!(爆)


 そんな風に読んでて変なジレンマがあったのは、コレは小説より映像の方が向いてるんじゃないのかなーっていうのがあったからなのかもしれません。
 「ジョイランド」の各アトラクションの動きがイメージしにくいのとか、あと、何よりそこの華やかを見たいっていうのかなー。
 時は1973年ですから、ベトナム戦争の最中か、終わってたにしてもアメリカの社会がそれによって傷ついてた頃ですよね。
 そういえば、デヴィンやトムは徴兵されなかったの?

 でも、そういう時代だったからこそ、“アメリカがアメリカだった頃”の象徴のような「ジョイランド」は華やかだっと思うんです。
 それは、それこそでっかいペロペロキャンディのような、どぎつく、けばけばしい、あのアメリカらしさ(いい意味での)の溢れる所だったわけじゃないですか。

 それは、決してイメージ出来ないわけじゃないんですけど。
 でも、やっぱり一つの憧れ(としてすり込まれちゃったもの)であるがゆえに、だから、コレは映像で見たい!って思っちゃうんでしょう。


 てことで、ま、なんだ。
 ぶっちゃけ言っちゃうなら、ホラー小説として読んじゃったら、陳腐な話、なんだけどー(爆)
 でも、そこに、作者があのスティーブン・キングだったり、その他諸々“読者のあえかな思い入れ”が加わっちゃうから、感涙必至にしちゃうみたいな、そんな名作! 

 て、とこでどぉ?(笑)






 てことで、ホラーついでで、『バイロケーション』。
 ちなみに、本ではなく映画(DVD)の方の感想です。
 https://www.youtube.com/watch?v=-NMttcrDgHY
 三木清良、今回はバイオリン弾きでなく、絵描きです(笑)


 ちなみに、「バイロケーション」というのは、同じ人間が同時に複数の場所で目撃される現象を言うんだそうです。
 「ドッペルゲンガー」と似てるが、ドッペルゲンガーは、本人の意思に関係なく生じる場合を含むのに対して。バイロケーションは、自分の意志でほかの場所に姿を現すという意味合いが強いんだとか。 ―以上、ウィキペディアより
                   

 「バイロケーション」って、横文字にしちゃうと何だかやたらもっともらしくなっちゃうわけですが、ぶっちゃけ、コレ、日本でいう「生霊」ですよね?(笑)
 映画では、本人が押し殺した想いを実行しちゃう存在みたいに描かれてましたけど、まさに「生霊」って気がしました。


 てことで、『バイロケーション』ですけど、いや、コレ、わるくはないと思うんですけどねぇ…。

 少なくとも、貞子さんvs呪怨さんみたいに、その場の勢いで「つくっちめー!」みたいな映画ではないし。
 いや。見てない人のイメージです(笑)
 また、(今や死語となった)Jホラーでよくあった、女子高生が主人公の幼稚園ホラーでもない、と思うんです(笑)
 ていうか、ここ何年かの日本のホラー映画の中では、よくつくってある方なんじゃないかなーって。
 とかいって、最近はホラー映画、ほとんど見てないですけどねwww

 でも、これはヤだなー(笑)
 だって、ホラーにミステリ小説の叙述トリック風な手法を用いて、「ほら、あなたも騙されたでしょう?」みたいな風なんだもん(爆)

 なんだか、「あらゆるものがIT化されたスマートな時代の、これが今のホラーですよ」みたいに言われちゃってる気がしちゃってさ。
 カチッと出来すぎちゃってて、「うわっ。なんだか、最新流行のテーマパークみたい!」とか思っちゃいました(笑)
 わるくはないんだけどなぁ…

 あ、だから。
 これも、 “超自然な存在を描いたホラー”を期待しないで見れば、たぶん結構面白く見ることが出来たんじゃないかなーと思うんです。
 それこそ、「あなたは絶対騙される」みたいなこと謳ってたら、たぶん「あっ、そういうことか。くっそー」みたいな感想になったんじゃないのかな?って気もするんです(笑)
 もっとも、「あなたは絶対騙される」だったら見なかったけど…

 ま、「ホラー」の定義が、怖い超常現象のお話から、人が無残な形(グロく)で殺されるお話に変わってしまった今となっちゃぁーねー。
 「ホラー」にも、SFにあるようなもっともらしい理屈(似非科学的な)や、「え?」と思わすトリック(展開)が必要なんだなーって。
 なんだか、とっても勉強しちゃったかも!なんて(笑)


 ま、本にしても、映画にしても。
 (超常現象を扱った)ホラーの傑作というのは、“極々まれ”で。
 もしかして、実際にオバケを見ることより難しいのかもかなーなんて思っちゃいました。
 はっはっは!




もっとも、スティーブン・キングの青春物語だしね。ていうか、スティーブン・キングにしては“青春”してたかも!

 ていうか、ま、ジョイランドだけに、これが聴きたくなると(笑)
 https://www.youtube.com/watch?v=oZ42W4N8-j8


Comment:6  Trackback:0
back-to-top