2014
07.30

私たちの国を戦場にしないためにも、ロシア、北朝鮮との関係は断固として進めるべきだと思う

Category: guchitter


 戦争の恐ろしさというのは、人間はいったん恐怖に陥ったらどんなことでもしてしまうところにあるんだと思います。
 それは人間が集団となって、さらに組織となった場合は、さらに非道なことでも平気で行うようになります。
 そうなったら、もうそれを止める術はもうありません。
 行き着くところまで行くだけです。


 戦争の恐ろしいところは、戦争は絶対計画通りにはいかないということもあります。
 戦争なんて、いざ始まっちゃったら、当初の計画通りに事が進むなんてことは絶対あり得ないって、誰でもわかっているんです。
 わかっているのに、なぜか戦況はコントロール出来ると思ってしまうみたいですよね。

 今月17日に起きたウクライナでのマレーシア航空機撃墜事件は、それをまさに象徴しているように思います。



 ま、確かな状況がわかるわけでもないので、日本のニュースが伝えるまま鵜呑みにして書きますけど。
 
 ロシアとしては、密かに支援しているウクライナ東部の親ロシア派軍が、民間機を撃墜しちゃうなんて事態は想像も出来なかったでしょうし。

 その親ロシア派軍にしたって、まさか自分たちが民間機を撃墜するような破目に陥るなんて夢にも思わなかったでしょう。
 
 さらに言えば、ウクライナの現政権の人たちが、前大統領を追い出した時、こんなことが起こるとは思わなかったはずだし。

 前大統領がウクライナの人たちからそこまでの不満を持たれているというのに、親ロシア派政権ってだけで支援していたロシア政府もそんなことは絶対考えてなかったでしょう。


 ま、ついでなんで。(想像も加えて)言っちゃうなら。

 分裂の危機にあるEUが、求心力を取り戻す手段として、ロシアからウクライナをEUに引き寄せようと工作した時に、こんなことが起こるとは絶対思わなかったはずです。

 そして、それはアメリカのオバマ政権にも、たぶんあてはまるのでしょう。
 内政がにっちさっちもいかないから、せめて外政で点数稼いで。
 ほら、やっぱりアメリカは世界のリーダーだろ?って求心力を取り戻そうと、ロシアに必要以上に圧力をかけた結果、起こった思いもよらぬ出来事が、撃墜事件だったってことなんでしょう。


 「風が吹けば桶屋が儲かる」じゃないですけど、“ある出来事”が起こしたことで、隠れた因果関係のある出来事が次々と発生。
 その次々と起こる出来事の果てに、偶然の必然として“思いもよらぬとんでもない事”が起きてしまった。

 その結果、最初に“ある出来事”を起こした人・組織(画策した人・組織)が、“思いもやらぬとんでもない事”はお前のせいだと責任を擦り付け合い、正義は自分だと言いはっている。

 いや、それどころか。
 責任を擦り付け合い、正義は自分だと言ってる本人たちが事態を掌握しているならまだしも。
 もはや事態は、地域、個々の部隊、個々の人の勝手な思い付きや行動で推移している……

 現在のウクライナ情勢というのは、まさにそんな状態なんじゃないでしょうか。



 すごく冷たい言い方になってしまって、ウクライナの人には本当に申し訳ないとは思うんですけど、現在のウクライナ情勢というのは、まずウクライナに住む人たち。
 そして、かつて同じソ連邦だったロシア。
 さらに、求心力の低下で、かつて世界大戦を起こした時の悪いクセをついまた出しちゃったEU主要国。
 この3つの国・共同体の中の問題であるはずです。

 そこに、なぜオバマ政権が首を突っ込んでいるのかわかりませんし、また、ロシアを除いたG8の国がロシアを除外するってことになるのかわかりません。
 さらに言えば、なぜ日本まで制裁に加わらなきゃならないのかも、サッパリわかりません。


 いや。アメリカは自由主義社会のリーダー国家であるから、自由を守るという大義名分は充分理解出来ますし、そのことは賛成します。
 また、日本はG8(G7?)であり、G20なんだから、世界の平和と安定に責任を持つ必要があるというのも、同盟国・価値観を同じとする友好国だから協力し合わなくてはならないというのも賛成です。
 さらに言えば、震災時のウクライナの人たちの支援に答えなきゃならないというのも、絶対その通りでしょう。

 確かに、それは絶対です。
 でも、だからって、今、ロシアへの制裁に日本が加わることに何の意味があるのでしょう?


 もちろん、外交の基本は二枚舌であり、飴とムチです。
 99%の嘘と、1%の誠実です。
 声高に制裁を唱えているEU諸国もロシアとの断絶は考えてないはずですし、それはもちろんオバマ政権だって同じでしょう。

 そのことは、ロシアで開かれた、ビジネスショーだったか会議だったかで。
 EU諸国の政府は、企業に「行くな」と通達していたにもかかわらず、ビジネスマンは大挙して訪れていたというのを見てもわかります。
(ちなみに、日本の参加予定企業は、全社キャンセルしたんだとか)


 ただ、そうは言っても、ロシア政府(プーチン大統領)は、ウクライナを巡る一件ではEU(およびアメリカ)に対して、相当な不信感を持ったようですよね。

 現在に至るウクライナ情勢の根本は、ロシアではなく。
 むしろ、最初に「仕掛けた」のはEUだと指摘する人は多いようですけど、たぶんそれが“事実”なんでしょう(それこそ、あのNHKが解説では暗にそう言ってたり)。

 そもそも現在のEUに(将来的に)ウクライナが加盟するって時点で、もはや奇々怪々です。

 だって、財政破綻状態という噂のウクライナを、あのEUが巨額の資金援助するってことになってるんですよ。
 去年までギリシア、スペイン等々の財政破綻財政危機で、もはや世界恐慌の引き金になるかとまで言われていた、あのEUが!?ですよ。

 まさか、あんなに騒いでた財政状況が、今年になったらいきなり解決しちゃったなんてことはないでしょうし。
 というか、そんなに簡単に解決できちゃったんなら、金融関係やマスコミ関係者を、今すぐ社会に不穏な扇動をしたとして処罰すべきでしょう(笑)


 なんでもEUは今、それこそフランス等主要メンバーの国ですら、EU離脱と唱える政党が選挙で勝利しているような状態と聞きます。
 つまり、かつての華々しいEUはもはや過去のこと。
 今や、EUは完全に求心力を失った状態なのでしょう。

 いや。個人的には、EUという形態は支持しています。
 ただ、だからって今回ウクライナに仕掛けたような、かつての覇権主義的、あるいはかつての重商主義的なやり方は、絶対するべきではなかった。


 ま、こういう風に言ってしまうと肝心のウクライナの人たちを無視してしまうようで申し訳ないとは思うのですが。
 ただ、そうは言いつつ、ウクライナという国はかつてのソ連邦の一員です。
 ソ連邦の盟主であるロシアとは、昔から密接に関係してきた国なわけです。
 最近では、ロシア主導の「ユーラシア経済共同体」のオブザーバー国家ともなっているようです。

 そんな国がEUに加盟するなんて言ったら、ロシアがいい顔しないのは、プラハの春やハンガリー動乱を思い出すまでもありません。

 あの時のようなことが起こらない保証はないし、それどころかかつての冷戦の復活(もしくはさらにエスカレートする可能性も)になりかねません。
 現に、今回ロシアがクリミア半島を強制的に自国領に組み入れてしまった時は、再び「冷戦」が起こるとさかんに言われました。


 「冷戦」と言っても、現在となってはある意味“歴史”になっっちゃっいましたけど。
 でも、思い出してみれば、当時のソ連という国の薄気味悪さや、ソ連がらみの事件が起きた時に感じたピリピリ感は相当なものでした。

 世界がまたそんな事態になるかもしれないっていうのに、ロシア以外のG8がロシアを一時的に除外すると決めたということを聞いた時は失望しました。

 と言うよりは、ガキの仲間はずれごっこか!って。
 急に、オバマ大統領とはじめとする7人の顔が、とでもないバカ面に見えました。
 あの7人+1人は、今でこそそれぞれの国の元首として敬われてますけど、たぶん歴史的にはクソミソに酷評されることになるんでしょうね。



 とはいえ。
 そうは言っても、現在に至るウクライナ情勢をEUが仕掛けたのかは、ま、本当のところわかりません。
 でも、そう指摘する人が多いのは、状況証拠もさりながら、英仏は過去において同じようなことを何度もやってきたからでしょう。

 そう。かつて、新興国家だったドイツに警戒感を露わにして、さんざん嫌がらせをした結果起こったのが第一次大戦だし。
 また、第一次大戦に負けたドイツが二度と英仏の邪魔をしないように過度な制裁を科したことに端を発するのが第二次大戦です。

 もちろん、二度の大戦の要因それだけではありません。
 でも、それが大戦の流れを形成していった大きな要因であるのは間違いないでしょう。

 もっとも、第二次大戦において英仏は戦勝国ですから。
 「公式の記録」、つまり勝者によって一方的に書かれた歴史では、“ただ、ひたすらドイツが悪かった”となっている可能性はありますけど(爆)


 そうなんですよ。
 今回に至るウクライナ情勢を最初に仕掛けたのがEUであると思ってしまうのは、その英仏がEUの主要国だからだし。
 英仏が、植民地時代から続くその手法をまた使い出したんじゃないかって思ってしまうからなんです。

 って、そんなことを書くと、まるで私は反欧州的な思想に凝り固まっているようですけど、そんなことはこれっぽっちだってありません。
 国家として、イギリスもフランスも好きですし。
 また、イギリス人とフランス人は大好きです。尊敬だってしています。

 とはいえ、かつての両国が世界中を植民地とし、今もそのことが様々な問題の原因になっていることは事実です。
 それは、つい1997年まで香港がイギリス領(租借地)であったことを見ても明らかです。


 今ウクライナで起きているの事が無性に怖いのは、まさにそこなんです。
 今回のウクライナ情勢による制裁やG8除名で、オバマ政権とEUといった旧西側主導の体制に、ロシア(プーチン大統領)の不信感が最大になったのは間違いないでしょう。

 また、反対に。
 ロシアのクリミア編入、さらには今回のマレーシア航空機の撃墜事件で、旧西側諸国のロシアへの不信感も最大になっているのも確かでしょう。

 でも、だからってこのまま角を突き合わせていては、ウクライナ情勢が解決しないのみならず、かつての「冷戦」に本当に突入しかねません。



 「冷戦」は、アメリカと西ヨーロッパ諸国、さらに日本といった自由主義諸国と、旧ソ連を中心とした東欧諸国等の社会主義諸国の間で繰り広げられました。
 朝鮮戦争やベトナム戦争といった戦争は、「冷戦」時代にアメリカとソ連の代理戦争という形で繰り広げられたわけです。

 ただ、両陣営の盟主がアメリカとソ連だったため構図がわかりやすい面もありました。
 (いや、それでも十分すぎるくらい複雑怪奇だったわけですが)

 しかし、もし現在「冷戦」が起こったとしたら、そんな単純な図式にはなりません。
 それは、中国の存在があるからです。
 (もう一つ、イスラム原理主義組織の存在も大きいかもしれません)


 もし、ウクライナ情勢をきっかけに「冷戦」が起こるとすれば、ロシアが中国と組む可能性はかなり高いでしょう。
 一方、私たちの国日本は同盟関係云々以前に、アメリカから離れることは100%ありません。

 日本がアメリカ(&EU)側で、ロシアと中国が組んでいるということは具体的にどういうことなのか?

 もちろん、冷戦=即戦争ということもないでしょう。
 でも、片や日本+アメリカ+EUと、片やロシア+中国の間には張り詰めた緊張関係が続くことになります。
 それは、現在連日連夜続いている尖閣諸島の緊迫状態を、全ての日本人が感じるようなものと言えばイメージしやすいのではないでしょうか。

 日本人も、そして冷戦の相手国も。
 誰もが神経をピリピリさせているそんな最中、偶発的な事件――それこそ、マレーシア航空機撃墜のようなこと――があれば、戦争は即座に始まることとなるでしょう。

 つまり、片や日本+アメリカ+EU、片やロシア+中国の間で冷戦が起こるということは、戦場は日本、およびその近辺になる可能性が高いということです(もう一つの戦場は、間違いなくウクライナでしょう)。


 このことが恐ろしいのは、根も葉もないことではないからです。
 つまり、かつての大戦の戦場も「そこ」だったからです。

 そう。まさにそれが、明治期の日清戦争を巡る情勢から第二次大戦まで。そして、その後すぐ起こった朝鮮戦争、さらには今も続く朝鮮半島の緊迫状態です。

 変なドラマの影響なのか何なのか?最近、かつての日本(大日本帝国)が朝鮮半島を「侵略」したのは、たんに領土的野心だと思っている日本人が時々いますが、それは間違いです。

 いや。領土的野心があったのも事実でしょう。
 でも、当時。強国が弱小国に戦争をしかけて植民地にすることが悪い事ではなかったそんな時代ですら、(領土的野心による)侵略は「大義名分」がなければ出来ませんでした。

 なぜなら、ある強国がその国に領土的野心を持つということは、当然他の強国もその国を狙っていたからです。

 他の強国が納得できる「大義名分」なしで侵略すれば、他の強国はたちまち連合して侵略した国に戦争をしかけます。
 なぜなら、大義名分なしに他国を侵略した悪い国を懲らしめるという「大義名分」が得られるからです。
 ちなみに、戦争の後は侵略された国は山分けにされました。


 つまり、大日本帝国が朝鮮半島(さらには旧満州)を侵略出来たのは、他の強国(欧米列強)を納得させられる「大義名分」があったからです。

 それは、当時ヨーロッパの新興国だったロシア帝国(のちにソ連)の東アジアにおける勢力拡大を防ぐため(に朝鮮半島を支配下に置く)というものでした。
(もちろん、朝鮮半島の人たちからすれば、それは勝手な言い分にすぎません)

 当時の中国は「清帝国」でしたが、その「清帝国」は英仏をはじめとするヨーロッパ諸国の半植民地となっていました。

 植民地経営というのは、その国、その国民を骨までしゃぶりつくしてでもお金儲けをするということです。
 ロシア帝国が東アジアで勢力が拡大すると、せっかくうまくいっている英仏等の「清」での植民地経営(お金儲け)に差し障りが出てきます。
 でも、大日本帝国が朝鮮半島および旧満州にいれば、ロシア帝国の拡大は抑えられます。

 だからこそ、英仏等強国は大日本帝国が朝鮮半島と旧満州を侵略することを賛成(容認)したわけです。
 つまり、それが「大義名分」です。


 一方、当時の日本(大日本帝国)にとっては、その大義名分はあくまで「対外的な大義名分」にすぎませんでした。

 ロシア帝国の東アジアにおける勢力拡大は、英仏等列強が清帝国における植民地経営にとって脅威であるとしたように、当時の日本にとっても脅威でした。 
 英仏列強にとっては植民地経営の障害でしたが、当時の日本にとっては国家そのものに対する脅威だったわけです。

 その脅威の源になったのが、ロシアの伝統的政策である、不凍港を求めて南に勢力を拡大してくる「南下政策」です。

 「南下政策」は、今では当時のロシアを悪者にするための英仏等列強の嘘だという説もあるらしいですが、でも当時はそれが常識でした。
 当然、当時の日本もロシア帝国が南に勢力を拡大してくるのを恐れました。

 ロシア帝国が南に進んで来るということは、旧満州地域を経て、朝鮮半島にも侵攻してくるということです。
 朝鮮半島がロシア帝国に落ちたら、次は日本に攻めてくるということです。

 現在の人は、一概に日本に攻めてくるとは言えないと言うかもしれません。
 でも、そう(冷静に)言えるのはれは、その人が現代の人だからです。
 当時の人にとっては、ロシア帝国が朝鮮半島を占領したら、次は日本に攻めてくると考えるのが当たり前の考え方でした。
 なぜなら、その当時は、強国が弱小国に戦争を仕掛けて植民地にするのは、“決して悪いことではない”というのが「常識」だったからです。

 現に、“スエズ以東で植民地になったことがないのは日本とタイだけ”という言葉があるくらいです。
 また、今でもアフリカ諸国やアラブ諸国の国境の多くが一直線なのは、当時の欧米列強がそのように勝手に国境(植民地の境界)を引いた名残です。

 つまり、強国が弱小国に戦争を仕掛けて植民地にするのは“決して悪いことではない”というのが当時の「常識」というのは、そのくらいの当たり前のことだったわけです。



 当時の朝鮮半島は李朝した。
 つまり、律令国家です。
 ロシア帝国という近代国家に、古代の国家形態である律令国家が敵うわけありません。
 現にもう一つの律令国家「清帝国」は、欧米列強に侵略されて半植民地状態です。

 そこで、明治維新を果たして、やっと近代国家に道筋をつけた当時の日本は、李朝にも近代国家になるよう勧めました。
 それは、朝鮮半島の国が近代国家になることで、対ロシア帝国の共同戦線を張ろうとしたわけです。

 でも、断られました。
 ま、当たり前でしょう。
 旧体制の国家が、新体制になるため自ら革命を起こすなんてことがあるわけありません。
 ましてや、当時李朝は、(列強の半植民地とはいえ依然)大国である清帝国の後ろ盾もあります。

 明治政府は、李朝近代国家になるように勧めたことを断られたのみならず、江戸幕府こそが日本の政庁で明治政府は認められないとまで言われたようです。
 そのことに憤慨して起こったのが征韓論です。


 その時は「征韓」は行われませんでした。
 しかし、朝鮮半島がロシア帝国に侵略され、ロシア帝国領にするのを恐れた明治政府は朝鮮半島情勢に口を挟むようになります。

 当然、それは当時の李朝の宗主国である清帝国と間で軋轢を生みます。
 その結果起きたのが日清戦争です。

 大日本帝国が日清戦争に勝利すると、近代化の名の元に朝鮮半島を支配します。
 さらに旧満州でも権益を得るようになります。
 ロシア帝国との衝突は、もう時間の問題です。

 そんな、起こるべくして起きた日露戦争で、当時の日本は辛くも勝つことができました。
 というか、当時のロシアは帝政への国民の不満が増大する一方で戦争を続けられる状態ではない為、戦争をやめるしかありませんでした。


 結局、大国ロシア帝国と直接対峙することは避けられませんでした。
 戦死者も相当数にのぼりました。
 しかし、日本国内で戦争が行われなかったという意味で、大日本帝国が朝鮮半島を侵略し支配下に置いたのは、国家の政策としては間違いではなかったのでしょう。
 なぜなら、朝鮮半島がロシア帝国に侵略されていたら、対馬や九州北部が戦場になっていたわけですから。
 そうなれば、民間人に犠牲者が相当数出ていたはずです。


 しかしそれは、朝鮮半島に住む人たちからすれば迷惑この上ないことです。
 でも、当時の日本が朝鮮半島を侵略しなくとも、ロシア帝国がそこを侵略し、領土としていたであろうことは容易に想像できます(それは、今日のウクライナの状況を見ても明らかです)。

 英仏等列強がいくら頑張っても、朝鮮半島は自国からははるか彼方です。
 シベリア鉄道で、いくらでも物資を輸送できるロシア帝国には敵わなかったはずです。

 つまり、あの時、もし日本が朝鮮半島と旧満州を支配下に置いてなかったならば、現在その地域はロシア領になっているはずです。
 それどころか、ソ連に攻め込まれて、中国の北の国境は万里の長城になっていた可能性だってあります。

 なぜなら、歴代中華帝国の北の国境は、本来万里の長城だからです。
 現在は、(万里の長城の北側に住んでいた)満州民族等が中華人民共和国の国民であるため、そこは現在国境ではありません。
 しかし、もしロシア(ソ連)がもし満州等を占領していたら、そこは当然ロシア領であるはずです。


 現在、そのことを言う人はいません。
 なぜなら、大日本帝国は第二次大戦で負けたからです。
 「歴史」に負けた側の都合は反映されません。

 でも、そのこと(旧満州や朝鮮半島がロシア領であった可能性が高い事)は、当然ながら今の中国・韓国両政府は知っています。
 両政府だけじゃありません。
 第二次大戦後欧米から独立した東南アジアの国々の人も、そのことは当然知っています。
 現在、そのことを忘れている――忘れたふりをしている――のは日本人だけです。


 話を戻します。
 日露戦争で日本は勝ちました。
 でも、勝ったことで今度は朝鮮半島および、旧満州を支配する「対外的な大義名分」を失うことになります。

 つまり、ロシア帝国が植民地経営に悪影響をおよぼすと考えていたからこそ、英仏等列強はロシアから盾となる大日本帝国をそれまで支持していたわけです。
 でも、そのロシア帝国がなくなってしまえば(ロシア帝国ソ連になって、植民地どころではない)、英仏等列強にとっての邪魔は、今度は大日本帝国です。

 ちょうどその頃を前後に、清帝国は滅んで中華民国が起こります。
 中華民国は、大日本帝国と対峙するようになります
 さらに、時間軸的にハッキリしなくて申し訳ないですが、中国では共産党が勢力を拡大し始めます。

 その結果、中国に勢力を拡大する大日本帝国は、中華民国や共産党と小競り合いをするようになります。
 一方、大日本帝国の勢力拡大をよく思わない欧米列強は、中華民国や共産党に肩入れするようになります。
 それは、自国の邪魔になる国を排除するために、欧米の国々がよく使う手です。

 当時の中国に権益を持ってなかったアメリカも(イギリスとの関係からか)中華民国に肩入れし、大日本帝国に徹底的に敵対するわけです。
 結果、まず、大日本帝国は中国大陸で泥沼の戦争へと進んでいって。
 さらに負けるとわかっている太平洋戦争へと突き進み、敗戦となります。
 しかし、この地を巡る戦争はそれで終わりではありませんでした。


 それが朝鮮戦争です。
 今度は、大日本帝国に勝って戦勝国として日本を支配していたアメリカが、朝鮮半島で戦争をせざるを得ない状況に追い込まれるのです。
 それは、当時、資本主義と共産主義がぶつかる地域が、ちょうど東アジアのその辺りだったからです。

 当時、日本を支配していたマッカーサー元帥は、日本を自らが支配して初めて日本が朝鮮半島に侵略支配した意味がわかったといいます。
 つまり、朝鮮半島が共産主義国家の手に落ちれば、次はマッカーサー元帥自らが支配する日本が共産主義の侵略先になるわけです。
 マッカーサー元帥は日本にいることで、かつて日本人が感じていた恐ろしさを、やっと実感したわけです。

 かくして、アメリカは朝鮮戦争に突入しました。

 そして、朝鮮戦争は未だ終わっていません。
 あくまで停戦中であって、現在も「継続中」なのです。
 朝鮮半島、およびその北側南側というのは、(近代だけでも)そのくらい戦争が繰り返されてきたエリアなのです。



 現在の朝鮮半島、およびその近辺の状況は、各国とも戦争は自国の利益にならないため、さすがに戦争はしない方がよいという認識は持っています。
 とはいえ、政治的な対立の構図は、明治期から朝鮮戦争時代までと全く変わっていません。
 現に北朝鮮と韓国は、ついこの間もドンパチしています。


 この状況で「冷戦」が起こるということは、いったん戦争が起きたら朝鮮半島、もしくはその南の辺りが戦場になる可能性が高いということです(日本から見ても、中国から見ても、遥か彼方の孤島である尖閣諸島よりは戦争しやすいし、また起こりやすい)。

 現在、韓国はアメリカ側、北朝鮮は中国側ということになっています。
 つまり、かつての資本主義vs社会主義がぶつかった朝鮮戦争のように、朝鮮半島で戦争が起きる可能性が高いといえます。

 誰だって自国が戦場になるのは嫌です。
 でも、韓国がアメリカ・EU側につくとなれば、戦場は必然的に朝鮮半島であり、日本は前進基地になる可能性が高いでしょう。

 ただ。
 自分の国を戦場にするという選択を、自らがするものなのか?

 つまり、韓国政府は、アメリカ・EU側について自国が戦場になるよりは、ロシア・中国側について。
 自らは前進基地となり、戦場は日本とした方がまだマシという選択肢をとる可能性は大いにあると思うんです。

 というか、私が韓国人だったら絶対そうします。
 だって、自分の国が戦場になるのは絶対嫌ですから。
 それこそ、韓国政府は大っ嫌いな日本が戦場になるんだから一石二鳥という考え方をするんじゃないでしょうか。


 ただ、朝鮮半島にはもう一つ国がありますよね。
 北朝鮮です。

 北朝鮮というと、中国の友好国。だから中国についてアメリカと戦うと思いがちですが、北朝鮮って国はそんな単純な国ではありません。

 まず、中国との関係です。
 確かに北朝鮮は、同じ共産主義であり、また隣国でもあることから中国とは仲良くしてきました。
 でも、内心では中国を恐れ、恐れるからこそ疎んじるっていうのも絶対あるはずです。

 中国にとっては、北朝鮮がそこにあることで、韓国という自由主義で繁栄している国から緩衝地帯になるというメリットがありました。
 でも、中国は今や世界2位の経済大国です。国民もそれなりに繁栄を享受しています。
 もはや韓国と直接国境を接しても、それはデメリットではありません。

 ましてや、最近中国と韓国は反日という価値観を共有することで蜜月ムードです。
 まるで、かつての冊封関係のように中国を宗主国としているかのようです。

 一方、昔は仲が良かった北朝鮮は、中国の言うことを聞きません。
 おまけに核などという物騒なモノを持っています。
 つまり、現在の中国からすれば、韓国が中国を宗主国としてくれるなら(アメリカから離反してくれるなら)、北朝鮮は排除して韓国で統一した方がいいはずです。


 ただ、そのことは北朝鮮も充分わかっているはずです。
 あれだけ外交に長けた国が、そのことがわからないはずがありません。
 つまり、もしアメリカ・EU vs ロシア・中国の「冷戦」が起こったとしたからって、北朝鮮が単純に中国につくとは思えないのはそのためです。

 現在の北朝鮮にとっての最大の関心事は、「現体制による北朝鮮」の継続です。
 つまり、北朝鮮にとって“敵”とは、「現体制による北朝鮮の継続」を否定する国なわけです。

 それは、逆に言えば、「現体制による北朝鮮の継続」を認め、支援してくれる国こそが“味方”ということです。

 ということは、冷戦やそれによって発生した戦争が起きたとしても、北朝鮮は友好国云々よりも、北朝鮮を認めてくれる側につくはずです。
 さらに言えば、その事態を利用して、北朝鮮による朝鮮半島の統一を支援してくれる側につくはずです(同じことは、韓国も考えているはずです)。

 つまり、もし韓国がロシア・中国の側にまわるという不測の事態(というよりは、起こりうる事態)が起きたとしても。
 北朝鮮をうまく取り込めれば、日本が戦場なるという最悪の状況を回避できる可能性が高くなるのです。
 北朝鮮、韓国ともにアメリカ・EUについたとしたら、戦場はさらに日本からは遠のきます。



 いや。身勝手な言い分だとは思います。
 でも、戦争というのは、生きるか死ぬかという「異常事態」です。
 身勝手だとか、そんな甘っちょろいことを言ってられる事態ではありません。

 ハッキリ言いますけど、国家の大事な役割は、(たとえ他国を犠牲にしてでも)自国民を守り、さらに自国への被害を最小限にすることです。
 現在の世界情勢において、それが出来ない国は侮られます。

 第二次大戦前の常識が「強国が弱小国を侵略し植民地とすることは決して悪いことではない」だとしたら、現在の常識はまさにそれといえます。
 つまり、現在の世界の価値観というのは、「自国民を守る、あるいは自国に被害がないようにする」という大義名分が得られるなら、戦争でも侵略でも許される」なのでしょう。

 あえて嫌な言い方をしましたけど、でもそれは、現に今現在ニュースで報道されている“あそこで起きている事”であり、また、“そっちでも起きている事”と言ってしまうなら理解しやすいのではないでしょうか。



 ま、そんな世界情勢の中、たまたまなのか、必然なのか。
 それとも、それらを進めた結果、それを止めるためにそれが起きたのか?(いや、さすがに“それ”は、いくら何でもとは思いますけど…)

 ま、その辺りはなんともですが、とにかく現在日本はロシア、北朝鮮との友好関係にむけて進んでいます。

 そんな中、世界ではウクライナ情勢を巡ってロシアは非難されています。
 また、北朝鮮はミサイルを発射して、国連決議違反と非難されています。

 一方、イスラエルはガザ地区で地上戦を展開して、一般市民に犠牲者が何百人と出ていくことで、アラブ諸国は国連で非難しようとしています。
た だ、オバマ政権は停戦こそ口にするものの、イスラエル支持の姿勢は一貫して変わりません。

 また、拉致事件調査再開で北朝鮮に対する独自制裁を一部解除した日本に対して、韓国政府は三国間の協調を乱すと非難しています。
 そのことでは、オバマ政権まで最近になって非難口調になりつつあります。

 なぜ、そういうことが起こるのか?

 ロシアが非難されるのは、たぶん、冷戦時代から続くアメリカ政府の伝統的政策だからなんでしょう。

 また、アメリカ政府が常にイスラエル支持なのは、たぶん、ユダヤ系アメリカ人のアメリカ政府に対するロビー活動のせい、あるいはユダヤ系アメリカ人政治家の政治力のせいなんでしょう。

 ということは、日本が北朝鮮への独自制裁を一部解除したことを、オバマ政権が非難口調になるのは、韓国政府のアメリカ政府へのロビー活動の結果なんでしょう。

 韓国政府から、あるいは韓国系企業から特定の議員にそれ相応の援助がなされて。
 議員は、議会のねじれ状態で内政がぼろぼろになっているオバマ政権をせっつく。
 その結果、安倍さんと寿司屋に行ったオバマ大統領は、次の日に行った韓国で、吐き捨てるような口調で暗に日本を非難すると。
(二枚舌は外交の基本とはいえ、あそこまであからさまでは信頼を失います)



 こんなことを長々と書いたのは、私たち日本人は今一度「自分たちの平和」というものを考えるべきだと思ったからです。

 金日成時代、北朝鮮は確かに日本の敵国でした。
 それは、朝鮮戦争から冷戦へとつながっていく時代で、日本は自由主義国家、北朝鮮は共産主義国家だったからです。

 金正日時代の北朝鮮は、拉致事件や麻薬も密輸(出)等、冷戦の敵国であると同時に実害をもたらす国でした。

 そして、現在。
 金正恩時代の北朝鮮は、本当に日本の敵なのか?

 というようなことを書くと、敵に決まってるだろ!って言う人が大半だと思います。

 でも、よく考えてほしいんです。
 なぜ金正恩時代の北朝鮮、つまり現在の北朝鮮が敵なんでしょう?

 拉致問題があるから?
 拉致を指示したのは金正日です。金正恩じゃありません。

 弾道ミサイルを発射するから?
 ここ数年、弾道ミサイルやロケット砲を発射するのは、日本を威嚇しているのではありません。
 威嚇しているのは、韓国に対してです。
 日本は一切関係ありません。

 それは、ミサイル等を発射して騒ぎを起こすタイミングが、必ず米韓軍事演習をしている時だったり、オバマ大統領が韓国を訪問している時なのを見ても明らかです。

 おそらく、韓国政府(or米韓政府)は、その北朝鮮の威嚇行動をわかった上で、共同軍事演習等で挑発しているのでしょう。
 なぜなら、ミサイルを発射することは国連決議違反だからです。
 国連決議に違反すれば、世界に向かって北朝鮮を堂々と悪者と非難できます。
 韓国政府(or米韓政府)は、明らかにそれを狙っているフシがあります。


 北朝鮮の国民が虐げられているから?
 それはあるでしょう。
 ただ、それも金正日時代のイメージが強い面があるんじゃないでしょうか?
 去年NHKが取材した北朝鮮は、意外なくらい普通のアジアの素朴な光景で、ちょっと驚いた記憶があります。

 というか。
 北朝鮮という国を、もしかしたら日本人は誤解していた、というよりは“誤解させられていた”んじゃないかって、ハッとさせられたのがまさにそれでした。

 考えてみれば、日本人が接する北朝鮮の情報っていうのは、ほとんどが韓国(政府)経由の情報なんです。

 それこそ、日曜の夕方民放で流す、北朝鮮の町の隠し撮りの光景です。
 誰もが貧しい格好をしている市場に、裸足の子供が食べ物を求めて彷徨ってるみたいな。
 思い返してみれば、そんな同じような映像を何度見てきたかわからないくらいです。

 でも、よく思い出してください。
 ここ十年かそこら、韓国は日本を中傷するデマ情報を世界にどれだけバラ撒いてきたか。
 あれは、韓国政府が日本人を悪者にするための、明らかにプロパガンダです。

 つまり、韓国政府は、それと同じことを北朝鮮に対しても行ってきたのではないか?
 日本人は、韓国政府によるそのプロパガンダを単純に信じていただけではなかったのか?

 確かに金正日時代の北朝鮮って国は異常でした。
 しかし、逆に言えば金正日時代が異常だっただけに、韓国政府のプロパガンダを容易に信じれた、とも言えます。


 いや。
 別に、韓国と付き合うのはやめて、これからは北朝鮮とだけ仲良くするべきだとか、そういう差別的なことを言っているのではありません。
 韓国とは、もちろん今まで通り仲良くしていく。
 でも、北朝鮮とも仲良くしていく。
 それでいいんじゃないでしょうか?

 それを悪いと言う人は、現在の韓国政府の関係者か、もしくは韓国政府の息がかかっている人(お金をもらっている人)です。

 ハッキリ言います。
 現在こじれまくっている日韓関係は、北朝鮮と国交を結んだ時点で解決するはずです。

 なぜなら、現在国際問題ということになっている北朝鮮をめぐる問題は、実は「韓国と北朝鮮の二国間の問題」にすぎないからです。

 と言ってしまうと語弊があるかもしれません。
 というのは、その問題はかつては確かに国際問題だったからです。

 でも、冷戦が終わって。
 冷戦の遺産ともいうべき金正日が亡くなり、金正恩時代となった現在。
 それは、朝鮮半島を北朝鮮が治めるのか?それとも韓国が治めるのか?あるいは、両国で治めるのか?という、「北朝鮮と韓国、二国間だけの問題」に変わってしまったのです。

 なのに、日本人はいまだに国際問題だと思っている・・・
 というよりは、韓国政府と、韓国政府のいいなりになっているオバマ政権に、いまだに国際問題だと思い込まされているのでしょう。

 隣りの家の家主になるのを兄弟でもめていたとしても、どっちも普通の人であるなら、近所としてはどっちが家主でもかまわないのです。
 ていうか、それは近所が口を出すことではありません。
 隣りの家の人だけで決めることです。
 つまり、「北朝鮮問題」というのは、今となってはその程度の問題にすぎません。


 確かに、核だとか、弾頭ミサイルの問題、武器輸出の問題、さらにはニセ札や麻薬といった、現在も行われている犯罪の問題はあります (拉致問題は、一応現在は行われていることではないので、とりあえず横に置きます)。

 でも、北朝鮮の場合、核や弾頭ミサイルは外交上の脅し的意味合いが強いわけです。
 原則として、北朝鮮はそれらを他国には使えません。
 なぜなら、もしそれらを使ってしまったら、たちまちその何倍もの核や弾頭ミサイルが降ってくるからです。

 それがわからない北朝鮮じゃないはずです。
 現に、異常だった金正日時代ですら、それら(核、弾頭ミサイル)を他国に使ったことはありません。

 アメリカが問題にしている武器輸出や犯罪は、おそらく北朝鮮が経済的に困窮しているからそれをしているにすぎません。
 冷戦時代から続く、反米を唱えていれば援助がなされるという異常な状態を脱して「普通の国」になれば、それは自然とやめるはずです。
 だって、「普通の国」として繁栄するには、国際ルールを守るしかないからです。


 つまり、もう何年も前から6か国協議だの何だのと全然進展しない「北朝鮮問題」というのは、自立した国になるようにちょっと支援してやれば、たちまち解決するはずなのです。

 それは本来、世界のリーダーなんだから、アメリカがやればいいことです。
 でも、アメリカがそれをやれば中国が騒ぎ出します。
 というか、それ以前に韓国政府に援助されている議員が圧力をかけているオバマ政権ではそれは出来ません。
 韓国政府にとって北朝鮮は、今まで通り問題国家で、貧乏である方が都合がいいからです。

 そういう意味では韓国がやればいいとも思いますけど、それは自動的に韓国が北朝鮮を吸収するのとイコールです。
 北朝鮮は、それは絶対受け入れません。

 くどいようですけど、北朝鮮問題というのは、北朝鮮が現体制での存続させるために起きた問題であると同時に、韓国政府が現体制での存続させるための政治工作によって起きている問題なのです。

 冷戦時代からの付き合いである中国とロシアが北朝鮮を支援するというやり方もあるんでしょうけど、それだと今までの延長になってしまいます。

 つまり。
 北朝鮮を普通の国になるよう支援できるのは、たぶん現在の世界情勢では日本しかないってことなんでしょう。
 しかし、その現在の世界情勢ゆえに、おそらく日本はそれを出来ないでしょう。

 なぜなら、韓国政府とつるんだオバマ政権が、日本に圧力をかけてくるからです。
 そしてそれは、今年秋のプーチン大統領の訪日でも同じでしょう。

 いつも通り、日本政府はオバマ政権に従うのみです。
 なんら状況は変わりません。

 状況が変わらないどころか、もはや外政で点数を稼ぐしかなくなったオバマ政権は、ロシアとの対立をますまるエスカレートされる可能性があります。

 その結果「冷戦」状態になれば、今まで書いてきた通りです。
 ロシアと中国は反米でくっつきます。

 つまり、アジアの覇権を握って、かつての大唐帝国のように各国と冊封関係を復活させたい中国には願ったりかなたっりの状況が発生するわけです。
 中国はここぞとばかり、日本とのとの戦争のきっかけを探ってくる可能性があります。

 ただ…
 歴史的に見て漢民族っていうのは、戦争はからっきしダメなんだけどなぁ……(爆)



 とにかく。
 情けない話ですけど、日本政府はアメリカがダメと言ったらもうそこで終わりです。
 それ以上の自らの意思を通すことは絶対ありません。

 でも、何度も言うようですけど、今日本がロシア、北朝鮮との友好を進めなかったら、冷戦が起きた時には、日本が戦場 になる可能性があります。
 私たちは、そんな事態だけは絶対避けなければなりません。

 例えば、いつも通り政治家が簡単に折れてしまったとしても。
 でも、私たち日本人みんなが、親ロシア、親北朝鮮の声を上げて世論つくり、国論になっていけば事態は自ずと変わるはずです。

 だって、アメリカは、何より国民の声を尊ぶ、自由主義・民主主義の盟主なんですから(苦笑)



 最後になりましたけど。
 撃墜され亡くなった方々とそのご家族に哀悼の意を表すとともに、ウクライナに一刻早く平穏が訪れることを願ってやみません。

 それと、全体にウクライナを突き放した論調になってしまったのは心苦しく思っています。
 いや。実を言うと、ついこの間までウクライナ情勢に関しては、もっと冷淡な感想を持っていました。
 それがガラリと変わったのは、1か月前くらいに最近のウクライナの一般市民の生活を紹介したテレビ番組を見たからだと思います。

 人というものは…
 そんな風に個々の人の顔を知れば、その途端相手のことを思いやれるものなのではないでしょうか。
 当然、戦争をしようなんて気持ちだってなくなるはずです。



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2014
07.27

梅雨明けでぇ~い!(って、もう明けて5日ほどたったけど…)



 夏だ、夏だ、夏だ、夏だ、夏だ、夏だ、夏だーーーっ!!


 てやんでー!
 暑いじゃねーか




 暑い時って。
 考えてみると、

 
 “暑おすなぁ~”

 なぁーんて、京都風(?)にほげーっとつぶやきたくなる時と。


 “あっちーじゃねーか、コノヤロっ!テメっ!”

 みたいに、ま、言ってみれば、エセ江戸っ子がケンカ売ってる風につぶやきたくなる時がありますよね(笑)


 どんな暑さ?どんな暑さのシチュエーション?の時に、江戸っ子風or京都風につぶやきたくなるんだろうって、つくづく考えてみたんですけど、でも、なんでそんな風に使い分けるのか、その法則がわかりません。


 みなさんは、どう思いますか?


 
 え?何?
 そもそも使い分けない?

 うっそぉー!
 それって、つまんなくなぁ~い?(爆)




 http://www.youtube.com/watch?v=EPfUl_vNTVc

 
 わかるかい?
 夏なんてもんは、通り雨と一緒に連れ立ってっちゃうもんなんだぜ




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2014
07.26

74話目-その2

Category: 怪談話


 あの日、オレたち4人が古い町並みで有名なQ町に行ったのは、ホントたまたまだった。

 Q町って、もちろん名前くらいは聞いたことはあった。
 Q町とその古い町並みをテレビか何かで見たことだって、もしかしたらあったかもしれない。
 ただ、Q町に行きたいなんて思ったことは一度だってなかった。
 そして、それは一緒に行った3人も同じだったと思う。
 


 その旅行の日。
 大場クンとその彼女の未名子さん。大場クンの親友の尾宮クン、さらに尾宮クンの彼女の夕美さんの4人の乗ったクルマは、高速道路をずっと走っていた。

 実はその時、大場クンたちはどこに行くかまだ決まってなかった。
 そんなわけで、次のサービスエリアでどこに行くか決めようと話していた。
 そんな大場クンたちのクルマがサービスエリアに着くと。
 4人は、パーキングエリアの横にあった大きな観光地図を見たり、置いてある観光案内のパンフレットをいくつも貰ってきたり。
 そう。大場クンたちがQ町に行くことになったのは、たまたまだったのだ。


 そういえば、そんな当日になってもどこへ行くとも決まってない旅行に、大場クンたち4人が行くことになったのもたまたまだった。

 その何週間か前のこと。
 4人で飲み会をしていた時、「旅行に行きたいね」と、最初に言ったのが誰だったかは全く分からないらしい。
 でも、「旅行に行きたいね」って話は、いつの間にか「いつ行きたい?」って話になっていて。
 誰かが「今度のゴールデンウィーク、空いてるけど」と言うと、たまたま他の3人も空いていた。
 急にテンションが上がった4人。
 具体的なことなんて誰も言わなかったのに、その瞬間ゴールデンウィークにクルマで旅行に行くことが決まっていた。

 いや、もちろんその時だって、行くならどんな所がいいとか、TVでやってたあんな所に行きたいとか話は出た。
 それどころか、4人はそんな話でずいぶん盛り上がった。
 そのくせ、具体的にどこに行こうとはならなかった。


 
 大場クン、その時は行く日までにはまだ時間があるからって思ったし。
 また、そもそも旅行にどこに行くかなんてことは、女性2人が決めるものであって。男は、それについていけばいいと思っていたから安心しきっていた。
 もっとも。大場クンとしては、女の子と泊まりがけの旅行するのなんて初めてだったから、楽しみな反面いろいろ不安や心配はあった。
 でも、クルマでの旅行ということもあって。
 ま、最悪泊まる所がないとかあったとしても、帰ってきちゃえばいいんだからなとも思っていた。

 でもまさか、行くその日クルマに4人が乗り込んだ時点でも、行き先が決まってないとは思ってみなかった。
 未名子さんと夕美さん女性二人に言わせると、大場クンと尾宮クン男性陣が考えてるんだと思っていたって言うし。
 大場クンと尾宮クンは、自分たちはクルマの運転だけ考えてればいいんだと思っていた。



 今になって思うと、なぜオレたちはそんな風に思い込んでいたのだろう?
 旅行に行く前の週っていうのは、オレと未名子は毎晩のように電話で話していた。
 また、それはもちろん尾宮と夕美さんだって同じなんじゃないかと思うのだ。
 その週は、尾宮とだって何回か連絡をとった。
 未名子と話をしていた時だって、尾宮と連絡をとった時だって、当然その週の旅行の話はした。
 なのに、なぜかその週に行く旅行の行き先の話はしなかった。

 そして、その当日の朝。
 4人が集まったら、オレもみんなもとにかく楽しくって。みんな、顔がはち切れんばかりにしゃべったり笑ったりしていた。
 でも、クルマに乗り込んで、やっとそのことに気がついた。
 「はて?今日って、これからどこに行くんだっけ?」って。
 あの時っていうのはオレたち4人、思わずきょとんと顔を見合わせていた。
 でも、その一瞬後。
 オレたち4人はクルマの中で、それこそ腹を抱えるようにして笑っていた。

 そんな、5月の朝だというのに夏のような色鮮やかな日の光が差し込んでいたクルマの中。
 オレたちは、旅行に行くっていうのにクルマを1センチも動かすことなく、ただただ笑い転げていた。


 そう。あの瞬間っていうのはオレも、尾宮も。それから未名子も夕美さんも、とにかく楽しくて楽しくて仕方なかったのだ。
 旅行当日になってもどこに行くか決まってなかったことを、行く間際になって初めて気がついたことも可笑しかったし。
 さらに、そんなマヌケな自分たちも可笑しくてしょうがなかった。
 もう、4人してクルマの中で大爆笑だったのを憶えている。

 オレたち4人の旅行は、そんな風にメチャクチャ楽しく始まったのだ。



 そんな楽しく始まった大場クンたち4人の旅行だったが、クルマをどこへ走らせたらいいのかさえ決まってないというのは、さすがに困った。
 でもそれは尾宮クンが変な、しかしとても面白い案を出したことで、たちまち解決した。
 つまり、
「オレは東北道、夕美が関越。
 大場は中央で、未名子さんは東名ってことにしてさ。
 でさ、ジャンケンで勝った人の高速をとりあえず走ってよ。
 そっから先は、また途中途中でジャンケンして決めるってことでどうだ?」

 尾宮クンのその案がすっかり気に入った大場クンたちは、ある高速をずっと走った。
 そして、たまたま入ったサービスエリアで、たまたま目に留まったパンフレットが古い町並みで有名なQ町だった。



 それからは、今まで行き先が決まらなかったのがウソのように、あれよあれよとそのQ町に行くことが決まってしまった。
 ただ、考えてみればそれも変な気もする。
 だって、オレたち4人は、そんな古い町並みなんかに興味を持つようなタイプじゃなかった。

 まぁオレたち4人っていうのは、いわゆるミーハーというタイプ。
 それなのに、あの時っていうのはオレたち4人揃いも揃って、パンフレットに載っていた煤けたような町並みを「うわーいいなぁ」「こんなとこ行ってみたーい」って歓声をあげていた。
 もっとも、たんに4人とも行き先が決まらないってことに、内心密かにストレスを感じていて。誰か一人がいいって言ったから、もうそこにしちゃおうって気持ちもあったのかもしれないが。

 とにかく。やっと行き先が決まったオレたち4人は、そのサービスエリアを後にして、一路Q町へとクルマを走らせた。
 フロントガラスの上には、まさに5月晴れっていう青い空がどこまでも広がっている、そんな日。
 助手席には未名子が笑っていて、後ろには高校以来ずっと親友の尾宮と夕美さんが何か話している。
 カーステから流れているのは、この日の為に作ったお気に入りの曲ばかりのテープ。
 そう。あの日っていうのは、そんな日だったのだ。



 大場クンたちがQ町に着いたのは、お昼過ぎだった。
 サービスエリアで軽く食べたとはいえ、4人とも腹が空いていたこともあり、まず食事をしようってことに。
 大場クンたちは、普段はファストフードが大好きっていう方なのだが、旅行なんてもんをすると味覚が変わるものなのか。
 それとも、たんに呼び込みのおばちゃんに誘われだけなのか、気がつけば、郷土料理の看板がかかった店で手打ちソバをすすっていた。
 店内は、いかにも旅行中って感じのおしゃれというか、ラフというか…な格好をしたいろいろな年代の人たちでいっぱい。
 そんな中、ふいに「ヤバいんじゃないか?」って言いだしたのは尾宮クンだった。



「おい。ヤバいんじゃないか?」
「えー、何がー。」
「宿…、今日泊まるとこ…。
 ここだって、こんなに混んでんだぜ。
 早く食っちまって、宿探さないとヤバいって。」
 尾宮っていうヤツは、昔からよく気がつくというのか、万事抜かりががないってタイプだった。
 その時も店の混雑ぶりを見て、今夜の宿を確保しないとヤバイって気がついたらしい。
 オレなんて、初めて食った手打ち蕎麦のウマさに驚いて、夢中になってすすっていたっていうのに。
 ただ、店員のおばちゃんに聞いたら、「すぐ近くに宿泊案内所があるよ」ってことで、「ま、メシ食ったら真っ先に行ってみようや」ってことでとりあえずは落ち着いた。


 そんなオレたち4人。
 食事を終え店を出て、街並みを歩く観光客がさっきより全然増えているのを見た時はさすがに慌てた。
 オレたちは宿泊案内所に、もう半ば走るように向かっていた。
 そんな息せき切って駆け込んだ宿泊案内所は、お客なんて一人もいなくって。
 なんだか、ちょっと拍子抜けした。
 というか、旅行っていうのは、普通あらかじめ宿泊先を決めてから来るものなんだろう。
 そんなわけで、「泊まる所を紹介してほしいんですけど」って、オレたちが入っていくと。
 よっぽど暇だったのか、ずっと小さなテレビを見ていたらしいお爺さんが、やたら慌てて応対してくれた。


「えっ!今日かい?うーん…、どうだろう…。
 それで部屋は1部屋?2部屋?
 あー、まー、アベックさん2組だもん、そりゃ2部屋だよねぇ…。」
 宿泊案内所のお爺さんはそう言いながら、何やらノートの上からずーっと指をなぞっている
「いえ。ないならまぁ1部屋でもしょうがないんですけどー。
 でもまぁなるべく2部屋あるとー。」
 まぁそんなに恐縮がる必要もないんだろうけど。
 ちなみに、オレたちは──少なくとも今日は──オレと尾宮、未名子と夕美さんという組み合わせで泊まるつもりでいた。
 つまり、オレと未名子、尾宮と夕美さんも、まだそんな関係ではなかったのだ。

「あっ!お兄さんたち…。」
 ノートを眺めていたお爺さんが、嬉しそうに顔を上げた。
「あ、ありました?」
「お兄さんたち、運がいいよー。
 Q旅館で、今日キャンセル出てるねー。
 うん。2部屋。」
「えっ、ホントですか!やった!
 おい、大丈夫、あるってよ。うん、2部屋!」
「やったーっ、ラッキー!お爺さん、さすがっ!」
 尾宮とオレが振り返りながらそう言うと、未名子と夕美さんもやっぱり手を取り合って大喜び。調子よく、宿泊案内所のお爺さんをおだてたりしてていた。


「あれ?
 そういえば、お兄さんたちって何で来てるの?
 クルマ?」
「はい。クルマですけど…。」
「うん。ならいいや。
 いやね、このQ旅館っていう旅館、ここからちょっと離れてるんだよね。
 つったってね、クルマなら5分くらいのとこなんだけどね。
 まぁクルマだってことだし…、いいよね?」 
「ええ、全然。」
「うん。じゃあさ、ちょっと待ってよねぇー。
 電話しちゃうからさー。」
 
「ま、いいよな?」
 空いている宿がなさそうだったんで、尾宮とオレは速攻で決めちゃったのだが。
 でも、女性二人の意見も聞かなきゃマズかったかなと、オレは慌てて未名子の顔を見た。
「うん、うん。ホント、あってよかったよね。
 泊まるとこなかったら困るもんねー。ねー夕美さん。」
「うん。でも、どんなとこだろ?
 何だか楽しみ…。」

 そんなオレたちの話を聞くともなく聞いていたのだろう。
 宿泊案内所のお爺さんは、まだ相手が出ない電話の受話器を耳につけたまま、顔をこっちに向けた。
「Q旅館って、ちょっと離れてんだけどね。
 でもこの辺より静かだから、かえってゆっくり出来ていいと思──。
 あ、出た。ちょっと待ってねー。」
 そう言って、今度は旅館の人となにやら話している。

「あれ?そういえば宿泊料金っていくらなんだっけ?」
 と、オレが尾宮の顔を見ると。
「うん。だから…。そういうのも含めて、
 今、お爺さんが確認してくれてんじゃねーのか?」
「あ、そういうことか…。」
 ちょうどそのタイミングだった。
「お兄さんたちさ。
 飛び込みだからおまけして、
 一人、一泊朝夕付きで5500円だって言ってるけど…。
 どうだい?」

 それから3分も経たなかったろう。
 オレたちは、そのQ旅館に向かってクルマを走らせていた。


 オレは旅行とかあまりする方じゃなかっから、旅館の相場なんてよくわからないのだが。
 5500円って聞いた時は、まぁいくらなんでも高いとは思わなかったけれど、でも特に安いとも思わなかった。
 まぁどんな旅館かわからない時点で高いも安いもないんだろうけど。
 でも――その当時――5500円という宿泊料金は「まぁそんなもんだろ」っていう感じだったように思う。
 現にその時、オレ以外の3人もその料金について、特に何も言わなかったのだから、オレと同じような感覚だったのだろう。



 一泊2食で5500円というのは、現在の金銭感覚だと「安すぎない?」と感じる人も多いかもしれない。
 でも、大場クンのこのお話の当時だったら、一泊5500円(この場合飛び込みなんで普通に泊まったら6000~6500円くらいか?)というのは、ごく一般的な宿泊料金だろう。

 つまり。
 泊まる所を探している→空いていた部屋がやけに安い→夜、怪異に出遭う→そこは出る部屋だった。だから安かったという、実話怪談の常套の流れを想像している人も多いと思うのだが。
 いや、もちろんそれは間違いではない。
 間違いではないのだが、でも、大場クンのこのお話は、「出る宿(部屋)だから空いていた。故に宿泊料金が安い」というのとは、また微妙に違うように思う。
 


 ただ…
 それは起こるのは、まだまだ先のこと。




 ── 本日これまで!
                 74話目-その2〈了〉 /74話目その3に続きます

                             メルマガ配信日:11.5.8


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               ↑
         ちょっと剣呑で、ゴメン(^^;)




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2014
07.21

海のひぃ~



 うぅみぃ~に 

 お舟ぇを浮かばぁ~せぇてぇ~ 

 行ぃ~ってみたいな

 よそのぉくぅ~にぃ~~






 うーん、行きたいよねー、よその国。

 でもさ。
 ぶっちゃけ、行くんなら飛行機の方がいいよなぁ…

 ていうか、この人。
 自分が浮かばせた船じゃなきゃダメなんか?






                 き、金太郎?

 本当はビーチボーイズにしたかったんだけど、なかったんで適当に海が出てきたやつをチョイスしちゃいました(笑)



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2014
07.21

74話目

Category: 怪談話


 多古山さんは、高校からの親友の大場圭クンが最近元気がないのは、彼女にフラれたからだと思っていた。

 というのも大場クン、最近どうも付き合いが悪いのだ。
 飲み会だのに誘っても全然のってこない。
 「体調が悪い」なんて言い訳はまだいい方。
 ひどい時は、「はぁー…」って。
 さもウンザリって感じに大きな溜息を吐いた後。ぼそっと「気乗りがしない」、それだけ。


 多古山さんっていうのは、ま、良くも悪くも周りのことに気にかけない方だった。
 それはある意味、全て自分のいいように考えるってタイプなわけで。
 そんなわけで、この頃大場クンが付き合いわるいなんて、これっぽっちだって気づいてなかった。

 そんな多古山さんが、「あれ?最近大場って付き合いわるいよな」って思ったのは先週。
 やっぱり高校からの友だちの山田クンから、合コンの話が回ってきた時だった。
 いや、なんでも。
 相手側の女の子のグループに、前から大場クンのことが気になってる子がいるとかで、ご指名なんだと。

 多古山さんとしては「何で大場なんだよ?オレじゃねーのかよ!」ではあるのだが、ま、そこは物は考えよう。
 実は大場クン、ちょっと前からある女の子と付き合いだして。
 付き合いだしたばかりだから、当然その子に夢中。
 つまり、大場クンが合コンに来るってことは、合コンにおけるライバルが一人減るわけで、彼女のいない多古山さんにとってこんなウレシイことはない。
 そんなわけで多古山さん。
 もうウハウハ状態で大場クンに合コンの連絡を入れたのだが……


「わるい。最近体調悪くってさ…。」
 そう。つまり多古山さん、その時初めて気がついたのだ。
 ここ最近、大場クンを誘ってもずっと断られてることに。
 もちろん、全て自分のいいように考えるタイプな多古山さんだから、この合コンは絶対決めるぞっていうのがまずあった。
 それは絶対的な大前提だったのだが、一方で「え!?大場、どうしちゃったわけ?」と親友を心配する気持ちも、ま、多少なりはあった。

「オマエさ、最近どうしちゃったわけ?
 付き合い、ムチャクチャわるいよな。」
「ううん…。
 あー、だからー、体調が悪くってさ…。」
 その、なんとも煮え切らない口調。そして、気怠げに言う体調が悪いという言い訳も、そういえば前も聞いたよなって多古山さん。
「体調悪いって、何?どこ?」
「うん?あぁ。体…、体がだるくってさ…。」
「そういえばよ。オマエ、こないだ誘った時は、
 合コンとか興味ないとか言ってたよな。
 それ、どういうこと?」
「あぁ、うん…。」
「つまり、例の彼女とうまくいってるってことか?」
「あぁー。」
 その肯定だか否定だかさっぱりわからない言葉の後に聞こえてきた、「はぁーーー」とやたら深いため息。


 そう。そうだった。
 最近の大場クンは、とにっかくため息が多いのだ。
 多古山さん、そのことも今初めて気がついた。
「よぉ何なんだよ、オマエー。
 あぁーって、どういう意味なんだよ?
 あのさ、今回の合コンってさ。
 オマエが来るの期待してる子がいるらしいんだよ。
 つまりよ、状況わかるだろ?
 オマエが来ないと、山田の立場がないわけよ。」
「そうかー。
 でも、わるい。オレ、無理だから。
 オレが謝ってたって、山田に言っといてくれ。」
「えぇぇ。つまり、そんなうまくいってるってこと?
 例の彼女と。
 まさかオマエ、結婚するとか言うんじゃないだろうな。」
「えぇっ。例の彼女?
 あぁー。」
 その後聞こえてきたのは、またもや深いため息。
「はぁーーー……」
「あのさ、何なんだよ。さっきからそのため息はよ。」
 それは多古山さんがそう言っている最中。
 受話器の向こうから漏れてきたのは、「別れた…」というつぶやきだった。
「えぇぇっ!別れたぁ?」
「あぁ。」
「別れたって、えぇぇ?
 オマエ、連休前に一緒に旅行行くとか言ってなかったけ?」
「あぁ…。あ、うーん…。」
「え?で、結局。旅行は行ったのか?」
「だから、別れた…。」
「…………。」

 さすがの全て自分のいいように考えるタイプな多古山さんも、大場クンの連休前のはしゃぎっぷりを見てただけに、一瞬言葉が出てこない。
 一方、大場クンは、多古山さんの言葉が途切れたのはこれ幸いと思ったのだろう。

「うん。もう切るな。
 実は、今も調子悪くてさ。
 山田には、オレが謝ってたって。頼むよ。」
 カチャ。
「え?あっ、何だよ、おい!
 もしもし!もしもし!」



 普段なら、多古山さん、即座にもう一度電話をしていたはず。
 なのに電話しなかったのは、大場クンが「彼女と別れた」と言っていたことを色々と――全て自分のいいように考えるタイプの多古山さんなりに――思い巡らせていたからだろう。

 連休前ってさ…
 4月の末、大場と会った時は、全然いつも通り…、ていうよりいつも以上にバカだった。
 もー、やたらカルくって、はしゃぎまわってて。
 なんでそんなカルいんだ?って聞いたら、「秘密ぅぅぅ~」なんて、もぉ体中でニヤけまくってて。
 「秘密ぅぅぅ~」なんて言ったくせして、彼女と旅行に行くことを自分からペラペラベラベラしゃべりだして。
 おまけに「旅行、オマエだったらどこがおススメぇ~?」なんて。
 はた迷惑以外何者でもない、完璧な浮かれバカだった。

 なのに…
 あー、あれっていつだったろ?
 確か雨が降ってたから、6月になってたのか?
 駅に着いて電車を降りたら、たまたまアイツ、隣りの車両から降りるところで。
 一瞬目が合ったんで声をかけようとしたら、アイツ、すっと目を逸らしちまって。
 なんだよって思ったら、アイツ、いきなり速足で改札階段に向かってくから、オレは慌てて追いかけて、改札出た所でやっと追いついた。
 後ろから肩を思いっきりド突いて、「逃げたとこみると、さてはこれからデートか?このヤロ!」って笑ったら…
 そう、そうだよ。
 アイツ、確かあん時もため息吐いてたんだよな。


 そうか。そういうことか。
 つまり、あの時にはもう別れてたんだな。
 オレが、ついデートなんて言っちゃったもんだから…
 彼女のことを思いだしちゃって、ため息吐いたってことか…。

 え?でも、あれが6月だとして。
 つまり、オレはアイツと5月丸々会ってないわけだけどー。
 連休前に会った時はアイツ、連休に彼女と旅行に行くって浮かれバカだったわけだから……

 ははーん、な~るほど。
 つまり、そういうことか!
 そうだよなぁ…
 アイツは、デリカシーってもんがないからなぁ…。
 たぶんよ、もうまさにソレって勝手に決めて、旅行に行って。
 ムードも一切無視して、ガツガツ、ガツガツ…。
 うん。
 そりゃまぁフラれるわなぁ……


 とまぁ多古山さん。
 まさに全て自分のいいように考えるタイプらしく、自分の普段の行動そのままを大場クンに当て嵌めちゃって。
 さらに…
 そうだよ…。確かアイツって、
 本格的に女と付き合うのは初めてだったよな。
 つまりは、すっかり落ち込んじゃって。
 メシも食えなくなっちまったってことか…。
 まーなー、最初はなぁ…
 辛いんだよなぁー。
 うん。わかるぜ……
 なんて、最近げっそり痩せてきた大場クンの顔を思い浮かべている。


 と、まぁ全て自分のいいようにしか考えない多古山さん。
 全て自分のいいようにしか考えないっていうことは、その後やることなすことも全て自分のいいように考えたままということ。
 つまり…
 フラれた時は、まず親友が話を聞いてやること。
 そして、何よりの特効薬は別の女と付き合うこと。
 ……だよなと。

 そんな、大事な親友のためにひと肌もふた肌も脱ぐ決心を固めた多古山さんだったのだが。
 ただ、そうはいっても山田クンから話が回ってきた来週の合コンは合コンで、それはとっても大事。
 ていうか、「そもそも、オレがハッピーじゃなきゃ、大場の相談にのってやれないじゃん!」って、全くどこまで全て自分のいいようにしか考えないんだか。


 てことで、その合コンが見事大撃沈だった多古山さん。
 多古山さんにとって合コンで撃沈なんていうのはよくあることで、全然サバサバしていた。
「ま、オレも傷心状態だし。
 フラれた者同士、とことん飲んで、お互いの傷をえぐり合うか」なんて。
 つまりはまぁ、表向きは大場クンを元気づけるっていう大義名分で、実のところは「やーい!フラれてやんの」とひやかして楽しもうという趣向。

 つまり…
 親友が落ち込んでる時は、それを茶化して笑い飛ばしてやることこそが、真の「男の友情」だと。


 そんな多古山さんの真の「男の友情」に。
 誘いをずっと断ってきた大場クンが、それにのってきたのは、やっぱり誘いを断り続けてすまないという気持ちがあったからなのか?
 それとも、たまたまそういう時期だったのか?
 というわけで場面は、もうすぐ梅雨も明けようかという7月のある週末の居酒屋に移る。



 団体客がやけに騒々しい。
 いや。団体客以外にも、とにかく店内は混んでいた。
 てんやわんやの店内では、店員さんはあっち行ったりこっち行ったり。
 そんな中、店の座敷の奥。
 そのムチャクチャ混んだ店内の、そこだけは妙にこじんまりとした一画。
 そこにいるのは、多古山さんと大場クン。
 とはいえ。奥に座っている多古山さんは、女子大生風のバイトの女の子が気になって仕方ないらしくて……

「なぁ大場。あのコ。
 ほら、さっきビール持ってきたコだよ。
 あのコ、むっちゃくちゃカワイイぜ。
 なぁオマエどうだ?声かけてみろよー。」
 その多古山さんのゲヘヘニヤけ顔ときたら。
 一方、大場クンはそれとは全然対照的。
 眉にしわ寄せ、今にも「はぁぁー」と例のため息を吐きそうな辛気臭い顔。

「ひょぇぇー、なにオマエ、そのクっサイ面ぁ~。
 いいかげん止めればぁ~。
 そんな顔してっとさ、オマエ。またフラれんぞぉー。」
「オマエさ…。」
「なんだよぉー。」
「前から言いたかったんだけどさ。
 オマエって、ソレしかないのか?」

 いや。実は、そう言っている大場クンが一番「ソレしかない」ってタイプだったのだ。
 つまり、ゴールデンウィークの前までは。
 でも、その以後ときたら…。
 いつも辛気臭い顔して「はぁー…」「ひぃー…」、そればかり。
 
 多古山さん、実はあれからいろいろリサーチしていた。
 それによると、大場クンはゴールデンウィーク、彼女と、あと誰かとその彼女の計4人。どうも、ダブルデートの旅行だったらしいと、そこまでは嗅ぎつけていた。
 ダブルデートの旅行ってことは、つまり大場クンと彼女の関係は(いわゆる)ソコまで深い仲まではいってなかったはず(だって、ソコまでいってるなら旅行は二人だけでいったはずだ)。

 しかし、そうだとすると。
 ガツガツしすぎな大場クンのデリカシーのなさに彼女に愛想つかされフラれたという、多古山さんの仮説が成り立たなくなる。
 てことは、旅行は無事終わって、その後大場がガツガツしすぎてフラれたってことかって多古山さん。相変わらず自分の普段の行動があらゆる人に当てはまると思っている。

 

 そんな多古山さんの前に座っている大場クンは、何を考えてるんだか何とも得体の知れない表情。
 魂を抜かれちゃったみたいにボーっとしているようでいて、反面ピーンと張り詰めているような。
 前はいつも表情のどこかに笑みがあったのに、今はそれが全くない。
 ていうか、最近笑った顔っていうのを見たことないような?
 調子が悪いって言うけど、確かに病気にでもかかっているかのような青い顔。
 おまけに、最近げっそり痩せてきた。

 そう。ここに来るのに会った時も、そんななりで一人ぬぼーっと歩いているから。「オマエはゾンビか!」って、思わず脳天空手チョップをしてしまったくらい。

 というか、ゾンビのほうが食い気っていう覇気があるだけ、まだマシなんじゃないかって。
 焦点の合わない目でボーっとしているくせして、妙にオドオドした風。
 おまけに、なんかの拍子に急にビクっとしては、辺りをキョロキョロしてみたりしてみたりと……


 
 
「なぁオマエさ、フラれた女のことなんて、
 いつまで考えてたってしょうがねーだろ。
 もう2ヶ月以上になるっていうのに、だらしねぇっ!
 見損なったよオレは。
 オマエってヤツをさ。」
「あのさ、多古山。
 オメーさ、もしかしてすっげー勘違いしてないか?」
「勘違い?知らねーよ、そんなこと。
 でもよ、オマエが女にフラれたのは本当のこったろ。」
「……。」
「バぁーカっ!
 女にフラれたくらいで、
 いつまでも辛気臭ぇ面ぁしてんじゃねぇんだよぉっ!
 ほら、見てみろよ、あのコ…。
 オマエ、あれはマジかわいいぜぇー。
 オマエがいかねーんなら、
 もったいねーからオレがいこうかなぁ…。」
 なんて、ヨダレでも垂らしそうな顔で、店内を忙しそうに動き回っているバイトの女の子を眺めだした多古山さん。
 その、何とも幸せそうな顔……


 多古山さんのその幸せそうな顔を、じっと見ている大場クン。
 その表情は、何と言ったらいいのか。
 怒っているようにも、今にも泣きだすようにも、全てのことを諦めきったようにも。
 しかし、その目がふいに我に返ったようになって。
 うーん…と、今度は自分の頭の中を覗いているようなそんな目。
 ただ、バイトの女の子ばかり見ている多古山さんには、そうは見えなかったようで。

「何なんだよオマエ、その顔はよっ!」
「うぐっ!」
 驚いた、大場クン。
 目を上げれば、やたら目の前に多古山さんのどアップ顔。
 しかも、その目がギロンギロン睨んでくる。
「オメぇーよ。
 そのヒーハー辛気クサ面のオマエからすればよ。
 そりゃオレはバカに見えんのかもしんねーけどよ。
 でも、その小馬鹿にしたような目はやめろよ。
 だってよ。ついこの間まで、
 オマエだって一緒にバカやってたんだろ。」
「っ!――。」

 それは、大場クンの中で何かがカツーンと突き抜けた瞬間だった。
 そう…。
 オレも、つい何ヶ月か前まではそんな風に楽しくバカやってられた。
 でも、今は…

「オレだってよ、フラれたことくらいあんだよ。
 だからよ、今のオマエの気持ちわかるんだよ。
 でもよ。わかるけどよ。そんな風に――。」
「うん。いや、わるい。わるかった。
 いやさ。だからよ、別にそんな小バカにしてたとか、
 ホントそんなことないって。
 ちょっと、いろいろ考えごとしてただけだって…。」
「いいや、違う。さっきのオマエのあの目っていうのは、
 間違いなくオレのことを馬鹿にしてた。」
「……。」
 大場クン目の奥をグイグイと見つめてくるその目は、いつもの脳天気で軽薄な多古山さんとは思えない。
 そのこともそうだが、それより何より。たった今、何かがカツーンと自分を突き抜けたその感覚に気をとらわれている大場クンは、うまく言葉が出てこない。

 やがて。
「うん…。
 変わっちまったんだよな。
 なんかさ、あのことがあって…。
 なんていうかな?
 こうさ、今までみたく出来ないっていうか、
 したくないっていうか、する気が起きないっていうか…。」
「……!?」
「うん。こんなこと言うとオマエ怒るんだろうけどさ。
 もう一つ言っちゃえばさ、
 今までみたいなことやってるヤツも見たくないっていうか…。」
「あのなっ!」
「いや、だからゴメンって…。
 オマエのことを言ってんじゃなくってさ…。
 と言っても、うん。
 ま、オマエに当てはまっちゃ――。」
「あのよ。オメぇって馬鹿か?
 だからってよ、いつまでもそんな辛気臭ぇ顔して、
 はぁーだのひぃーだのばっか言っててもしょうがねぇだろ。」
「……。」
「あんなぁ、バカやってねぇーとつまんねぇーだろ。
 だってよ、生きててよ、面白くねーとつまんねーだろ。」
「……!?」
「……。」
 ふいにプッツリ。話すのを止めてしまった二人。


 そんな二人の耳に急に流れ込んできた、この居酒屋の喧騒。
 呂律が回ってない会話。
 それは、さっきから同じことを延々と…。
 かと思うと、ふいにどっと湧く笑い声。
 それは、二人が座る畳を這うようにやってきて、腹にどっと響く。
 耳障りな若い女の嬌声……

「っるせーなー、あの馬鹿ヤツら…。」
 喧騒に顔をしかめ、他のお客にガンをとばしている多古山さん。
「え……!?」
 それは、そんなガン飛ばしに一生懸命な多古山さんの視界の端。
 じーっと自分を見ていた大場クンの目。
「な、な、なん…。」

 大場クンが、ゴールデンウィークにあった「そのこと」を語りだしたのはそんな時だった。




 ──── 本日これまで!
                74話目-その1〈了〉 /74話目-その2に続きます
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・メルマガ配信日:11.5.7




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2014
07.20

夏は短し、遊べやオレ(笑)



 本日、なんでも中国四国地方が梅雨明けしたとのことで、おめでとうございます(笑)
 
 
 ま、昨今は夏というと、イコール猛暑、酷暑のイメージが強いんで。
 梅雨が明けて夏になっても、な~んかなぁ…っていう人も多いとは思いますけど。

 でも、ま、夏は夏。
 山だ、海だ、川だ、はたまた平地だ、近所だー!って、夏だからこそ楽しい所や事はイッパイあるわけで。

 カーって照りつける太陽をガンガン浴びまくり、真っ黒黒になって。
 (この際批判は受けつけません!笑)。

 ガハハ、ブハハ、デヘヘ、イヒヒ、へへーンと、バカ笑いのため、明日の活力のため、人生のため、目一杯遊びまくりたいものですね。



もぉエアコンのリモコンなんか捨てちめーっ!(爆)





  とか言って、捨てられるわけもなく(だって、高かったんだも~ん)、しょーがないからコレでも見ると(笑)
        http://www.bs-asahi.co.jp/tenpukutai/
        アウトドアロックンロール~サラリーマン転覆隊が行く~

 




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2014
07.20

百ポ:6話目-2

Category: 怪談話


 少年っていうヤツには、そんなことしたって全く意味がないって自分でもわかっているのに、でもどうしても意地を張っちゃうって時があるもの。
 つまり、その時のQ少年がまさにそれだった。


 パチーン
 パチーン
 辺りはもうすっかり暗くなっちゃったというのに、相変らず石段の一番下に座っているQ少年。
 さすがにセミはいなくなっちゃったけど、その代わりにジーーーっと延々聞こえるクビキリの声。

 で、Q少年はといえば。
 その石段の座った場所から、5、6メートルくらい向こうにある一本の木の枝からぶら下がった運動靴──スニーカーという呼び名もあったが、小学生のQ少年からすれば運動靴というものでしかない──に向かって、延々石を投げていた。


 つまり、そのパチーン、パチーンという音は、Q少年が延々投げている石が落ちる音だった。

 運動靴に当てるだけなら、全然楽勝だった。
 でも、その木からぶら下がった運動靴の中に石を入れるのは、意外なくらい難しい。
 運動靴は、靴ヒモでぶら下がっているだけだからか。運動靴に石が当たっても、ぶらーんと揺れるか、でなければくるくる回るばかりで中には入らない。

「ちっきしょっ!このやろっ!」
 例によって、いつの間にかムキになっているQ少年。
 ……って。
 相手は木の枝から靴ヒモでぶら下がっているだけなのだから、力強く当ててもその勢いで揺れるだけ。


 神社の入口の所は、たまたま街灯が点いていたせいもあったのか?
 それとも、他の季節と違って、その空気の中にどこか人の気配が感じられる夏の夜だったからなのか?
 辺りは、すっかり真っ暗になったというのに、Q少年はその木の枝にぶら下がった運動靴に石を投げ入れるのにもう夢中。
 いい加減腹も減ってるだろうに。意地はってないで、さっさと家に帰ればいいのに。
 とはいえ、ここまでくると空き過ぎちゃって。逆に空腹を感じないっていうのもあるのか?


 しっかしまぁ。
 つまらない意地を張っているQ少年もQ少年なら。こんな暗くなっても探しに来たりしないQ少年のお母さんの方も相当なもの。
 海沿いの小さな町。引っ越したばかりの小学4年の男の子が行くところなんて、簡単に予想がつきそうなものなのだけれど…

 というかまぁ。Q少年が気づいてなかっただけで、あんがいお母さんは、こっそりQ少年がその神社にいるってことを確認していたのかもしれない。


 そのQ少年はといえば、あいもかわらず神社の石段の下。
 運動靴に向かっての石投げに夢中。
「そうか…。勢いよく投げちゃうとかえって入らないのか!」
 やっとコツをつかんだQ少年。
 なんのことはない。アンダースローで山なり気味に石を投げてやれば意外なくらい簡単だった。
 もちろん、投げた石、百発百中ってわけにはいかないけれど。でも、今度は投げた石が、面白いようにその運動靴の中に入っていく。

 と、いきなり。
 ジャリジャリジャリーって音がして。
 それは、投げ入れた石の重みでぶら下がった運動靴の傾きが大きくなって、中に溜った石がジャリジャリこぼれた音。
 そして、石が落ちてしまった運動靴は、木の枝の下でぐらんぐらん揺れている。

 一方、Q少年はといえば…。
 そのいきなりのジャリジャリジャリーって音には驚いたものの。
 でも、今度はその石が落ちる瞬間がまた見たくて、運動靴に向かって石投げ再開。

 ポツっ
 ポツっ
 ジーーー………
 そこは、夜の神社の石段の下。
 Q少年の投げる石の音。
 クビキリの鳴く声……



 Q少年、そんなことをどのくらい続けていたか…
 相も変わらず神社の石段の一番下に座って。次に投げる石を拾おうとしていて、ふと──
「うん!?」
 Q少年が視線を上げた、その街灯の明かりの真下。
 いきなり、そこに立っていた大人たちに、Q少年は口も利けないくらいにびっくり。

 いや。別に悪いことをしていたわけではなかった。だから、そんな慌てることもなかった。
 とはいえ、Q少年は小学4年生の子供。しかも、引っ越してきて1週間くらいのほとんど何も知らない町。
 その大人たちに怒られるって思ったとしても何の不思議はない。

 そんなわけでQ少年。何だかわからないけれど、とにかく謝っちまえとは思ったのだが。
 でも、その大人たちの出現がいきなりだったもんだから、ちょっとパニクり状態。
 石段から腰を半分浮かしたまま、ただただ「あ、あぉ…。あぉ、あぁおわおあぉ…」ばかり。

 ただ、その大人たちも変だった。
 いくら夏休みのこの時期とはいえ、すっかり暗くなったそんな時間の神社に見かけない子供が一人でいて。
 しかも、大人の姿を見て慌ててるというのに。
 その大人たちは黙ったまま、つーっとQ少年を見ているだけ。

 やがて……
 つまり、その大人たちは、Q少年のことを悪さをしているクソガキではないとわかったということなのか?
 その石段の一番下。半分腰を浮かしまま固まっちゃったQ少年の横を、するりと避けるように階段を上りだした。
 それは、一人一人。
 どの横顔も、ひと言も言わない。
 もはや、そこにいるQ少年など存在しないかのように。
 誰もがしずしずと、階段を縦一列に……


「…!?」
 何がどうなってどうなっているんだか、さっぱりかわからないQ少年。
 絶対、その大人たちに怒鳴りつけられるのかと思っていたのに。
 何だか、置いてきぼりにされたみたいというか…。
 
 Q少年の経験からすれば、大人というモノはそういうものではない。
 普通、こんな時間に子供が一人でいれば、何やかにやと言ってくるものなのだ。

 の、はずなんけど…って、その大人たちの姿を追うように見上げた石段。
 それは、すっかり真っ黒になってしまった木々の間。濃い青に伸びる石段を一列に登っていく大人たちの後姿。
 最初、大人たちを見止めた時は、そこまで気が回らなかったが。
 静々と階段を上っていくその後姿を見れば、男や女。Q少年のお父さんお母さんくらいの人から、お爺さんお婆さんもいるような…。

 ただ、子供は一人もいなかった。
 それらは、全員大人の後姿……


 やがて、一番上の石段の向こうに見えなくなってしまったそれ。
 きょとんと見上げたままのQ少年。
 その目に映っているのは、今ではその青黒く延びた石段とその上の星空ばかり。
 ジーーーっと。
 クビキリの鳴き声。


 何かの行事なのかなぁ…!?
 …って。やっとQ少年の頭がやっと動くようになった時だった。
 ジャリジャリジャリーっと。
 Q少年近くで、いきなり音が聞こえてきたしたと思ったら。
 次いで、間髪入れずパーン!と乾いた音。

 いや。その最初のジャリジャリジャリーっていう音。
 もちろんQ少年としては、その音に心臓がドッキーン!って跳ね上がるくらい驚いた。
 ただ、それはあの運動靴から石が落ちた音だって、すぐに気がついた。だから、驚いたそばからホッとしていた。
 でも、その間もなく聞こえてきたパーンって音に、Q少年は目を白黒。
 え?え?え?
 一体何の音だー?
 音がした暗がりに目を凝らしても、そこにはあるのは、ジーーーっと間断ないクビキリの鳴き声だけ。


 しかしQ少年、音のした方を見ていて、すぐそれに気がついた。
「あ…、運動靴がない!」
 そう。ついさっきまで、あそこの木の枝にぶら下がっていた運動靴がなかった。
「あ、そうか…。
 石の重みで紐が切――。」
 そんな、どこか怪訝な思いを抱きながらつぶやいている最中だった。
 パタパタパタパタパタパターーーーっ!
 いきなり聞こえた、ソレが石段を急ぎ駆け上がって行く音と、その様。
「うっ、うっ、うわーーーーっ!」

 Q少年、今度という今度は、驚いたなんてもんじゃない。
 背中から頭のてっぺんにまで一気に何かが突き抜けていったような、そんな感覚。
 その途端、Q少年は、まるでそこから弾き飛ばされたみたいに…。
 もう、駆けて、駆けて、駆けて、駆けて、駆けて…
 ドっキ、ドっキ、ドっキ、ドっキ、ドっキ…。
 胸にあるはずの心臓が、耳の横で鳴っている。

 そこは、夜に青く染まった家並の中の路地。
 そんな中を脇目も振らず駆けていくQ少年。
 その脳裏では、今見たあの光景が延々繰り返されていた。
 そう。あの運動靴が石段をパタパタパターっと駆け上がって行った、その様が。

 急に込上げてきた感情は、もう耐えられなかった。
「うっ、うっ、うわーーーーっ!」



 そんなQ少年が、やっと人心地がついて、口がきけたのは…
 自分の家の明るい食卓で、お母さんが作って待っていたカレーライスを一気に2皿たいらげたあと。




6話目終わり。フっ!
      ────  第6話目「階段話、おかわり!」〈了〉 メルマガ配信日12.4.25



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2014
07.19

海の日の連休だっていうのに雨なんで、久々に面白かった怪談本やら、怪談考やら……ていうか、早よ梅雨明けろ!

Category: R&R


 まー、ブログ。
 2か月くらいサボって…、じゃなかった、ジェダイの修行に行ってて(笑)、更新出来なかったわけですけど。


 実はその間、結構…、というか、まぁ多少くらい?(笑)、本はいろいろ読んだました。
 ま、本ったって難しい本ではなく、エンタメ小説の類ですけどね(笑)

 そうそう、本を読んだっていえば、村上春樹を何冊か読んじゃったり。
 いやもー、初・村上春樹!(笑)

 と、思ったら。
 読んでいて、そういえば『ノルウェイの森』は、出たばっかの頃読んだっけなーなんて思い出したりもして。


 きっかけは、他の人のブログで『蛍・納屋を焼く』って短編集を勧められて。
 その中の『めくらやなぎと眠る女』(だったっけ?)の、あの時代の雰囲気がとっても気持ちよくて、つまりはまぁ他のも読み始めちゃったと(笑)


 ただ、今回何冊か読んだ中では、そんな昔のでもない『アフターダーク』ってヤツが一番よかったかな?

 『アフターダーク』のあの夜の雰囲気は、『めくらやなぎと眠る女』のあの時代の雰囲気とどこか似ているような…。


 なーんてこと書いちゃうと、村春ファンに怒られそーだから、やめとこーっと!(爆)



          村上春樹っていうと、私はこんなイメージがあるんですけど…

   



 てことで、“久々に面白かった怪談本『残穢』


 うーん、でも、「怪談本」というよりは、「(元ネタのある?)ホラー小説」と言った方が適当な気もしますね。
 ただ、読んでいて感じるテイストは「怪談本」なんで、ま、「怪談本」(笑)

 とかなんとか言って、実は“けっこー怖かった”。
 爆!爆!爆!



 ま、ネタバレしちゃうっていうか、そもそも「タイトルがネタバレだろーっ!」って気もしますんで、大体の流れを書いちゃいますけど。
 つまり、まさにタイトルにある「穢」(死穢)の“感染”のお話なんですね。


 とかなんとか言って、“感染”という素材(解釈)はホラー・怪談の世界では『リング』以来すっかりお馴染みになっちゃって。
 ある意味、今となってはすっかり陳腐になっちゃったテーマなわけですけど、そこは小野不由美。
 ちゃんと、ゾクゾクくるように仕上げて(ると思い)ます。


 
 特に前半、主人公の「わたし」(作者自身とはどこにも書かれていない)が、その読者である久保さんから教えられた怪談話に既視感を感じて。
 調べてみたら、別の読者からきていた同じような内容の怪談話が、実は同じ住所らしいとわかる。
 それを聞いた久保さんが近所を聞いてみると、怪異な出来事があそこでも、あの家でも…と出てくる。
 そんな前半に続々語られる怪異エピソード。
 中でも、ある人が「その場所」から引っ越した後、引っ越し先のアパートで死んじゃうエピソードは、たぶんこの本でも一番ゾクゾクくるところだと思います。


 いや。それぞれのエピソード自体は、ま、ありきたりな「怪談話」なんですよ。
 そのある人が引っ越し先で死んでしまうそのエピソードも、お話単体で読んじゃうならば、ホ~ントありきたりな「怪談話」ですしね。

 なのに、何だか妙ぉぉーぉっに、ゾクゾクくるものがあって。

 
 そこが、よかったなーって(笑)



 『屍鬼』でもそうでしたけど、小野不由美は、こういう細かいエピソードの表現がウマい…、というか、細かいエピソードにムチャクチャ怖い時がありますよね。

 個人的には、あの感じで、また何か書いてくんないかなぁーって思うんですけどねー。

 でも、小野不由美のファンは、そっち方面は望んでないみたいだからムリなんだろうなぁ…(笑)


 とかなんとか言って。
 『屍鬼』の続編とか出てきちゃったら、なんだかなぁ~って思うに決まってるんですけどね(笑)
 (とか言って、絶対読むに決まってるんですけどねwww)
 


 

 ま、そんなこんなで『残穢』、前半は結構ゾクゾクなわけですがー。
 惜しむらくは、中盤以降。

 
 というのは、展開が進むにしたがって、話(出てくるエピソード)が何だか淡々としてきちゃうんですよね。



 まーねー。
 読んでいる方が、話の展開に慣れちゃうっていうのもあるし。
 また、怖さに慣れてきちゃうっていうのも、間違いなくあるとは思うんですけどね。

 最後の最後にオチ(?)として、有名な怪談話が出てくるんですけど、そこまでくると、正直「あー、な~んだ。ソレにオチるのね…」みたいになっちゃうっていうか(笑)


 個人的には、前半の小池壮彦の怪談話ルポ物を思わす展開に、「わー、ゾクゾク(笑)」(褒め言葉です)だっただけに、中盤以降もうちょっとオーソドックス(ありきたり)でない展開があってもよかったんじゃないかなぁみたいなのはありましたね。


 だって、書いてる人が小野不由美なわけでしょ。
 あの『屍鬼』の。

 いわゆる「実話怪談収集家」じゃないわけで、そこはどうしたって読む方はハードル上げちゃいますよねー。



 ま、ただ。
 あくまでこれは小野不由美の中では、小説家小野不由美の「小説」ではなくて。
 小野不由美が、「怪談好きの小野不由美という立場」で書いた、いわゆる「怪談話」なんでしょうね。

 だから、読者はそこを楽しむべきなんだろうなぁ…って気はしますし。
 また、「怪談話」である以上、夏の夜、縁側でお祖父ちゃんにソレを聞かされる孫よろしく、丸め込まれてワーキャー楽しむことが大事!っていうのもあるのかなぁ…とも思います(もちろん、褒め言葉です)。



 そういう意味じゃ、この『残穢』。
 梅雨時の真っ暗な雨の降る夜に読む、あるいはお盆時期に読む「怪談本」のチョイスとしては、昨今の中ではベストなんじゃないでしょうか。
(ま、最近全然「怪談本」読んでない私が言うのも何ですけどwww)



 そうそう。
 怪談といえば、この『残穢』は『鬼談百景』という本とセットになっているらしくって(ただし、出版社は違う)。
 ま、安かったんでそっちもついでに買ったんですけど、個人的には、ちょっとそっちはイマイチだったかなぁ…(笑)


 あ、いや。
 たぶんね、普通の人(ただし、怪談キライでない人)は面白く読めるんだと思うんです。

 私は、「怪談“本”」は、今はもぉ飽きちゃったみたいなところが、たぶんあるんでしょう。
 あれは、何なんだろうなぁー。
 それこそ、人から聞く怪談話は、今でもホント楽しくて大好きなんですけどねー。

 でも、ひとたび「本」になっちゃうと、怪談はちょっともういいかなぁーみたいなのがありますね(寂)



 てことで、『残穢』は、そんな私でも楽しく読めたってことで!!
 おススメ♪




 





 以下は、
 ヒマ人、物好き、おバカ、怪談好き等々、その類の方だけご覧ください(笑)
 


 怪談っていえば、怪談話の投稿グランプリの「超―1」、今年はついになくなっちゃいましたね。

 年々、投稿数が少なくなっていって、去年は始まっても投稿されない日が延々…みたいな感じだったんで、これももう終わりかなぁって思ってたら、やっぱりそうなっちゃいました。

 まーね。
 私は怪談好きでも、「超‐1」テイストの怪談はでぇっ嫌ぇっ!って方だったんで、まぁ特に何もないんですけどね(笑)


 ただ、「超-1」というと、今でも印象深いお話が2つあって。
 (でぇっ嫌ぇっ!とか言ってるくせして、実は投稿作品全部読んでました ←ヒマ人)

 その一つが、「短怪談(みじかいだん)」が売りの超‐1でも、極端に短い、なんと「一行怪談」!

 一行だけに、ここにあらすじ書いちゃうと、自動的に著作権法違反になっちゃうっていう、別の意味でおっとろしーお話(笑)なわけですけど、まーつまり。

 要は、その人(お話の語り手)が、ある夜、友だちと心霊スポットに行くわけです。
 その事後、つまりアフター心霊スポットのお話なんですね。
 で、まぁその人。
 そんな、さんざんっぱら心霊スポット巡りを楽しんで。
 でもって友だちと別れて一人、自分の家(たぶん一人住まい)に戻ってきたら、部屋になぜだか見たことのない女性がいらっしゃったと。
(お話はそこで終わり)


 ま、実際の文章よりあらすじの方が長いっていうのも、すんごい変な話(まさに怪談?爆)ですけど。
 つまり、その投稿作品は、上記をさらっと1行で書いてあるわけですね(実際の文章、何となくは想像つきますよね?)。


 で、そのお話。
 実は、短ければ短いほど評価が高くなる「超‐1」でも、“いくら何でも短すぎだろ”って、もう悪評ばっか(超-1は読者が採点と講評をする)。
 ただ、私的にはスッゴク面白かったっていうか、そーきたかー!っていうか(笑)

 ていうか、その状況ってムッチャウクチャ怖いだろー!って思っちゃったわけなんですが、まー、それが悪評だったって意味でも、超-1テイストっていうのは私には合わないんだなーって、何だかクスっとしちゃいました。


 ただね、そのお話。
 実は最後の語尾っていうのが、“女がいる”と現在形だったんです。

 つまり、何が言いたいかっていうと、その状況で現在形っていうのは、ちょっとあり得ないんじゃないかって思うんですよ。

 だって、“女がいる”で文章が終わっているってことは、その女が部屋にいるまさにその状況の中で、お話を書いて投稿したってことになるわけじゃないですか。
 というか、文章を読んで思い浮かぶ光景は、今まさにそこに“女がいる”場面ですよね。

 当然、その状況っていうのは、怖さで緊迫した状況であるはずです。
 なのに、そんな怖い状況であるにもかかわらず、お話の語り手(投稿者)は呑気にもパソコンを立ち上げ、怪談話を書いていたと。
 さらに、投稿までしているってことになっちゃうわけで、なんだか読み終わった後脱力しちゃうっていうか(爆)


 ホント今でもつくづく思うんですけど、あの投稿者は、何で“女がいる”って現在形にしたんだろうなーって。
 もし、語尾を過去形(つまり、“女がいた”)にしてたら、評価は全然違ってたりして(読後の余韻が全然違いますよね?)って思うんですけど、ま、今となってはどうでもいいことですかねー(笑)



 とまぁ長くなっちゃいましたけど、ま、ほとんどの方はとっくに他のブログに行っちゃってると思うんで(笑)、ついでだから書いちゃいます。

 もう一つ印象深かったお話は、ある地方都市のクラブでDJをやってる人のお話でした。

 なんでも、そこのクラブには東京の有名なクラブでDJをやってた人がいて。
 ある時その人が、お話の語り手のDJに「呪われた曲(レコード)」の話をするわけです。
 何でも、その曲(レコード)をクラブでかけると、必ず幽霊が現れるんだとか。

 ま、そこまではありがちっちゃぁありがちなお話なんですけど、このお話の面白いところはその曲(レコード)なんです。

 何と、その曲は、トムズ・ダイナー!!
 (オリジナル、DNAミックス、どっちも出る…んだとかwww)


 トムズ・ダイナーは、オリジナル版がCMにも使われてたんで知っている人も多いと思います(ただし、ある程度の年齢ならwww)。
 でも、あれで踊れる人いるの?というツッコミは、まぁ横に置きます(笑)

 ていうか、ウチにもトムズ・ダイナーのDNAミックスあるけど、ユーレイさん出ないけどなぁ…。
 あ、そうか!ウチにあるのはレコードじゃなくCDだから出ないのかなぁ?なんていうことも、まぁ横に置きます(爆)


 そんないらぬツッコミより面白いのは、お話の中で、東京から来たDJはこんなことを話すことです。
 その曲は80年代にティシューペーパーのCMに使われ、そのCMに出ていた子供が死んだことから、それ以来「呪われた曲」として知られていると。

 確かに、あるティシューペーパーのCMに使われた曲が呪われているっていうのがウワサになったことありましたよね。
 週刊誌にも出てたんで(私が見たのはフライデー)、その当時中学生以上くらいの方だったなら憶えている人は結構いると思います。

 ただ。
 そのティシューペーパーのCMに使われた曲っていうのは、トムズ・ダイナーではないんですね。

 現に、その投稿作品は、講評者(読者)たちから曲のことでボロクソ突っ込まれてました。
 ただ、ま、お話そのものは結局、そのトムズ・ダイナー(レコード)をかけるとクラブのホールの中央に幽霊が現れて大騒ぎになった…みたいな結末で終わります。



 「超-1」っていうのは、あくまで「実話怪談」なわけです。
 「実話怪談」っていうのは、“本当にあった怪談話”ということですから。
 つまり、“本当にあった”ってことは、登場人物に“勘違い”や“思い違い”があるのは、全然普通なわけですよね。

 だって、私なんか年がら年中勘違いや思い違いをしてますし。
 また、それは他の方だって同じだと思います(笑)

 てことは、「呪われた曲」とウワサになったティシュペーパーのCMの曲をトムズ・ダイナーと“思い違い”をすることは、普通にあり得るとことだと思うんです。

 ただ。
 その東京からきたDJに“思い違い”があるのはOKだとしても、実際「呪われた曲」とウワサされた曲はトムズ・ダイナーではありません。

 にもかかわらず、トムズ・ダイナーをかけたら(東京からきたDJが伝え聞くウワサ通りに)幽霊が現れたというのは、いったいどういうことなのか?

 このお話が面白い(興味深い)のは、まさにそこです。



 例えば、仮に。
 あくまで仮に、あのティシューペーパーのCMの曲が「呪われた曲」で、レコードをかけると何かしら怪異が起こるとして。
 ただ、それはトムズ・ダイナーではないわけです。

 ということは、トムズ・ダイナーのレコードをかけても何も起こらないということになります。

 でも、実際は(お話では)トムズ・ダイナーをかけたら幽霊が現れた(のを投稿者は見た)わけです。
 「呪われた曲」とは違う曲であるにもかかわらず。



 くどいようですけど、超-1に投稿されるお話は全て実話、本当にあったお話ということになっています。
 つまり、この投稿話も本当にあったこととするならば、その現れた幽霊というのはどこに存在していたのか?という疑問が生じます。

 だって、トムズ・ダイナーのレコードが呪われているというのは、東京から来たDJの“思い違い”なわけですから。
 「呪われた曲」と思い違いしているトムズ・ダイナーのレコードからは、幽霊は出てこないはずです(あくまで、仮の考察ですよwww)。


 にもかかわらず幽霊が現れた(それを見た)っていうことを単純に、かつ合理的に解釈するならば。
 それは、あらかじめ聞かされた「呪われた曲で、かけると幽霊が現れる」というのが暗示になって、錯覚を起こしたということになるでしょう。

 ただ、その解釈が成立するのは、幽霊を見たのが「呪われた曲」という話を聞いたその投稿者と東京から来たDJだけの場合ですよね。
 お話では、話を聞いていないはずのお客も見たということになっているわけですから、その解釈では整合性がとれません。


 いや、まーね。
 「超-1」が実話を謳ってるとか言っても、実際はどれも作り話んだよと言ってしまうなら、ま、それこそが一番“合理的な解釈”であり、何より“正解”であるわけなんですけど(爆)

 ま、実際のところ「超-1」は、一部の投稿者と読者(講評者)は「実話というのはあくまでタテマエ」を暗黙の了解として楽しんでいたみたいなフシがありましたしね。
 ただ、そうは言っても、「実話」がタテマエなんだから、あくまで「実話」として解釈するのが筋だろー!っていうのもあるわけで。 ←イヤなヤツだー!(爆)


 とまぁそういったことはともかく。
 このお話が面白いのは、その矛盾点を突き詰めていくと「怪談話」というものの本質(構造というべきか?)のみならず。
「怪異な現象」というものの本質(構造?)も、おぼろげに浮かんでくるというところにあるんじゃないでしょうか。

 つまり、二人の人が心霊スポットに行って、一人は幽霊がいたと言い、一人は何もなかったと言ったとしたら、それはどっちが「実話」か?

 もう一つ言うなら、どう見ても宇宙人の乗り物としか思えないモノが着陸しているその横にたまたま幽霊がいたのを見て、ソレを「UFOの横に宇宙人がいた」と言ったとしたら、それは「実話」と言えるのか?

 さらに、上記のお話で言うなら、呪われた曲でない曲のレコードをかけて幽霊を見たとしたら、その幽霊っていうのはどこに存在するのか?
 レコードの中なのか?それとも、脳の中なのか?
 脳の中だとしたら、それは暗示によるたんなる錯覚なのか?
 それとも、昔から言われる「幽霊」というものは、暗示等何らかの“情報”を媒介として人の五感に触れてくる“未知な何か”なのか(という考え方だってもあるんじゃない?www)等々。



 ってまぁ、長々と書いちゃいましたけど(ていうか、もう誰も読んでねーかwww)。
 そういう意味でも、もっと面白い怪談話を聞いたり、読んだりしてみたいなー
 って?(笑)



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        ちょっと剣呑ですよね。ゴメンなさい(^^;)



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2014
07.19

百ポ:6話目

Category: 怪談話


 百ポ:6話目のこのお話。
 実は、メルマガをやっていた頃、初めての読者投稿ネタだったりします。




百ポ:6話目


 Qさんの、子ども時分に住んでいた町っていうのは海がすぐ傍にあった。
 ただ、海が傍にあるといっても、漁師町という感じではなかった。
 もちろん町には漁師さんもいたんだけれど…、というかQさんが通っていた学校の同じクラスには、もちろん親が漁師さんっていう友達もいた。
 でも、大概は会社勤めだったり、商家だったり、また農家だったり。
 そういうQさんのお父さんも会社勤め。
 実はQさん、その町にはお父さんの転勤で小学校4年生の夏休みに引っ越してきて、1年ばかし住んだだけだった。

 それはQさん…、いやQ少年がその町に住むこととなった、その小学校4年生の夏休みのこと……



 Q少年、その日は朝っぱらからお母さんと大ゲンカ。
 いや。ケンカというよりは、一方的に怒鳴られ、引っ叩かれただけっていう方が事実に則しているのだろう。
 とはいえ、「こんな家、出てってやる!」って捨て台詞(?)を吐いて家を飛び出したことだけは、自分でも(自分だけは)ちょっとカッコよかったよなって思っていた。

 ただ……
「あぁーっ!
 くっそぅ…。ハラへったなぁ……。」


 昼時、あちこちの家からそれとなく漂ってきたいい匂い。
 育ち盛りでとかくハラが減るQ少年にとって、それは地獄の責め苦。
 とにかく匂いのしない所へ、匂いのしない所へとそれから逃れるようにさ迷っていたら、いつしか町を見下ろす神社の境内にいた。

 神社の石段のてっぺんに座って…
 足を投げ出し、手は後ろについて。
 下に広がる海との境にあるわずかな屋並と、圧倒的に大きな海をぼーっと、見るともなく見ているQ少年。
 海の遥か向こうの、やたらでっかい入道雲。
 潮騒と、ワンサカ鳴いているセミの声。
 
 とはいえ、まぁ。
 今のQ少年に、そんなものはどうでもいいこと。
 ハラ、減ったなぁ…
 つまり、そこ。


 くそっ。水でも飲んでくっか…
 誰もいない神社の境内には手水代わりの水道の蛇口があって、水だけはいくらでも飲めた。
「あっちっ!」
 水を出そうと握った蛇口のハンドルは、太陽の光ですっかり焼けていた。
 Q少年、とてもじゃないけど熱くて触れないもんだから、蛇口のハンドルをポンポン叩くように回して。
 やっと出てきた水を飲もうと口を近づけたら。
「うわっちっ!」って、またびっくり。
「なんだよこれ!?お湯じゃねーか!」
 しかし、蛇口のお湯はすぐに生ぬるい水になって。
 ゴクゴクゴクゴクゴクゴク、ゴクゴクゴクゴクゴクゴク……
 ゴクゴクゴクゴクゴクゴク、ゴクゴクゴクゴクゴクゴク……
 ゴクゴクゴクゴクゴクゴク…、ってまだ飲んでいるQ少年。

「あぁーーーっ!」
 声をあげながらQ少年。口を拭いながら見上げれば、それはわっさわさ茂った木々の緑の中の水色の空。
 いや、この場合は空色と言うべきか?
 腐るほど聞こえるセミの声は、聞こえすぎて逆に音になってない。
「しっかし、ハラへったなぁ…」
 って、結局そこ。


 水を飲んだQ少年、今度はお社の方に歩いていく。
 なぜか、抜き足差し足…
 それは、神社の壁の手の届く所にアブラゼミがとまっているのを見つけたから。
 そぉーっと、そぉーっと。
 みりみりみりみりみりみりみり……
 まるで辺りの空間が歪んでいるのが見えそうな、そのデカイ鳴き声。
 そぉーっと、そぉー
 びっ、びりびびびびっー…
「あ、クソっ!」
 Q少年、セミにも見捨てられ……


 結局、元通り石段の一番上で座っているQ少年。
 やっぱり、両足を投げ出し両手を後ろについて、ぼーっと屋並と海を見るともなく見ている。
「あぁ~あ…。ハラへったなぁ…。」
 そんなに腹が減ったのなら、セミなんて捕まえようとしなきゃいいのに。
 なぁ~んて思うのは、少年って生き物の習性がわかってない人の言うこと。
 つまり、少年というのはそこに虫という獲物がいたら、何があっても捕まえようとしなきゃいられないのが習性なのだ。

 いや。別に、食べるわけではない。


「あぁーあ。こんな町に引っ越してなきゃなぁ…。」
 そう。Q少年、この町に越してくる前に住んでいた町なら友達がたくさんいたから、昼飯一食くらいなら友達の家に遊びに行ってありつくことも出来た。
 でも、ここは1週間前に引っ越してきた町。Q少年を家に招き入れ、「ご飯食べってっちゃえば」なんて昼飯をごちそうしてくれる友達なんて一人もいない。
「あーあ…。
 オレんちって、何で引越しばかりなんだろう…」
 いや、Q少年。そんなことわざわざつぶやかなくたって、それはお父さんの仕事の関係でしょうがないんだっていうのはわかっていた。
 でも、AクンやBクン、その他仲良かった前の町で通っていた学校の仲良かった友達を思うと…。
 というか、それを言うならその前の町の時の友達だって、その前の学校の時の友達だって……



 それにしても暑かった。
 まぁ真夏のお昼過ぎの直射日光に晒された石段の上。暑くないわけがない。
 Q少年は日陰を求めて、仕方なしにお社の方に移動することに。
 しかし、その歩調ときたらやけにノロノロ歩き。
 実はQ少年、神社のお社っていうのが、ほんのちょっとだけ怖かった。
 いや。神さまなんてものは本当はいなくて、それどころかオバケや幽霊なんて物もいないっていうのは、Q少年だって知っていた。
 知っていたんだけれど、なぜだか不思議と怖いわけで。
 お父さんは、男は大人になればそんなモン、いつの間にか怖くなくなるんだって言うんだけど…。


 だって、写真に写ってたんだしなぁー。
 それは、引っ越す前にAクンが見せてくれた雑誌に載っていた心霊写真ってヤツ。
 よりによって、こんな時に思い出したくもない、どこかの家の階段の前に真っ白い女の姿がぼわぼわぼわーって写っていた姿……


「っ!?」
 思わず後ろを振り返っちゃったQ少年。
 もちろんそこは、お社が真夏のギラギラ太陽の下に、のんび~りと建っているだけ。
 とはいえ、そんな時にこそ、意味もない好奇心が何の脈絡もなく湧いてくるのがこのくらいの男の子なわけで。
 つまり。その時ふいにQ少年の頭に湧いた疑問は、この建物(お社)の中っていったい何があるんだろう?ってこと。
 いやー、そりゃ神社だもん。
 中には仏像があって(神社に仏像はない!)、あとは…、そう、提灯とか灯篭とか(はぁ?)ある…、のかな!?
 なんてQ少年、そんな意味不明なことを考えていたら、また新たな疑問が浮かんでしまった。
 でもさ…
 そんなものしか入ってないわりには、この建物(お社)って、ちょっと大きすぎねーか?
 いつの間にか好奇心が恐怖に勝っちゃったのだろう。
 Q少年は、つい今の今までお社にビクビクしてたことなんかすっかり忘れちゃって。今度は、正面のお賽銭箱が置いてあるところまで登って、中を覗こうと……

 ……した時だった。
 あぁっ!アリ地獄っ!
 いや。お社の中に地獄があったんじゃなくって。
 それは、お賽銭箱のある場所に上る階段の下。
 そこは黄色っぽい色のさらさらした砂地になっていて、アリ地獄の穴がいくつも開いていた。
 となれば、次は…

 えーと…。アリ、アリ、アリと。
 お社の中がどうなってるかなんて、そんなことはもう完璧にどうでもよくなってしまったQ少年。
 というよりは、少年という生き物の本能(使命?)としては、アリ地獄を見つけたら、そこにアリを落とさずにはいられないわけで。
 つまり、それは絶対!

 ということでQ少年。さっそくアリを捕まえちゃ、アリ地獄のすり鉢に落として。アリがアリ地獄に食われちゃうのを見るのにもう夢中。
 かと思うと、今度はアリ地獄の方をすり鉢から引っ張り出しちゃぁ、アリの巣の傍に置いてみたりと。
 ま、この年頃の少年なら、神社の中身が気になるよりは、そっちの方がよっぽど普通で健全……
 とは、いえるかもしれない。



 時間っていうのは、夢中になっちゃうと意外なくらい早く経つもの。
 そのジリジリ、ミンミンとやたらうるさいセミの声の中、カナカナカナという声が混ざっているのに気がついたQ少年。
 ピクって上げた顔。
 そして、不安そうに辺りをキョロキョロ見回す顔。
 空の感じからして、たぶん6時くらいか?
 もちろん、夏の盛りの6時だから、まだまだ全然明るい。
 明るいのだけれど…
 Q少年といえば、また何にも音のしないお社の中が気になって仕方がない。
 って、今さら?

「そぉーだっ!水飲んで来よーっとっ!」
 必要以上に大きく、そして意味もなく楽し気な声でそう言ったQ少年。
 でも、なぜか水を飲んだ後もお社の方には戻ることなく…
 って、結局またあの石段の一番上。
 あぁー…。ハラへったなぁ……。
 ついでに、そのことも思い出した。


 いや、Q少年。一瞬、もう帰ろうかな?とも思った。
 でも、今朝のお母さんとのやり取りを思い出したら、なんだかまたムカムカしてきちゃって。
 そうだよ!男が一度「こんな家、出てってやる!」って言ったんだからな。
 なぁ~んて、無意味な強情。
 ま、それもこの年頃ならではなのだろう。


 石段から見る海は、きらきら光ってそれは見事だった。
 その向こうの濃い青の中、滲むようにある入道雲。
 真っ昼間よりは少なくなったアブラゼミとミンミンゼミの声。
 そして、やけに涼しく感じるヒグラシの声。
 気がつけば、石段の下の屋並はすっかり青黒くなっていた。
 所々で早々に明かりが灯っている窓も。
 そういえば、「夕焼け小焼け」が流れてから、もうずいぶん経ったような気がする。

 つまり、夜はすぐそこ……



 それは、後悔……。
 夕闇が漂ってきたその時刻になってQ少年が初めて思うのは、まだ明るかったさっき散々アリ地獄に落として殺したアリたちのこと、アリの巣の傍に置き去りにしたアリ地獄のこと。
 アリ地獄の大きなアゴに挟まれ、もがいてもがいて、その末にきゅぅ~っとばかり死んでいった何匹ものアリたちの姿……
 そして、快適な巣穴から無理やり引っ張り出され、アリの巣のある堅い地面に置き去りにされ身動きがとれないアリ地獄の姿……

 それは、今Q少年が座っているその場所から10メートルくらい後ろでやったこと。
 考えてみれば、そこはよりにもよって神社のお社の下。
 あぁ~、なんでオレ、あんなことやっちゃったんだろ…。
 もちろん、気のせいに決まってるんだけどQ少年としては、さっきから背中がやけにムズムズするような気がしてしょうがない。
 そのすぐ後ろが気になって、気になって、振り返りたいんだけど、いくら頑張ったって、振り返ることが出来ない。
 そんな時だった。


 カツーン!
 その後ろ──つまりお社の方──でいきなり響いた鋭い音。
「…っ!」
 もはや、声なんか出なかった。
 息を止めたまま、ダダダーっと。
 石段を一気に駆け下っっていったQ少年。

 なのに、Q少年、相変わらず強情はって、今度は石段の一番下に座っている。
 まったく…。
 もういい加減帰ればいいのに。

 だって…
 夜というのは、怪しげなモノたちのためにある時間なのだから。




―─―― 本日これまで!
                6話目-1〈了〉 / 6話目-2に続きます

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ メルマガ配信日12.4.24


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2014
07.18

夕飯、久々に大失敗して、ブログでグチ …って、結局グチです(笑)



 そーなんです。
 夕飯、久々に失敗しちゃって…

 それも、麻婆茄子なんて、何十回(ていうか軽く3桁は作ってるか?)って作ったメニューだけに、落ち込みもひとしおでした(笑)


 だってさ、出来上がって、さぁ食うぞー!って、一口食ったら……

 うわっ!しょっぱーっ!!


 まー、基本的にものぐさなんで。
 調味料の分量を計らないのと、何度も作ってるメニューだからって味見をしないのが悪いんでしょーねー。



 しかし、それにしてもどこでこんな塩っ辛くしちゃったんだろ?って。
 つまりはまぁ、頭にガンガンくるくらい塩っ辛い、その麻婆茄子を食べながら、つらつら原因を考えてたわけです。
 てことで。

 考えられる原因:その1
 ナスが例の「大長ナス」で、火を通す前は結構分量あったのに、火を通したらやけに少なくなっちゃった。
 つまり、ナス(の分量)に対して、調味料が多かったってことか?

 
 考えられる原因:その2
 ずっと使ってた豆板醤がもうほとんどなくて。
 その豆板醤の容器に、新しい豆板醤やら他の調味料を適当にぶっ込んで合わせ調味料を作ったんです。
 豆板醤の容器が1キロとデカかったため目分量を見誤って、つい作り過ぎたってことか?

 考えられる原因:その3
 容器に残ってた、(以前からの)豆板醤が見た目より多かった。

 
 考えられる原因:その4
 最初にナスを炒めた時、ぱらっとふった塩が思ったより多かった。

 

 でもね、原因:その1~3については、出来上がった時、見た目特に調味料が多いっていう感じはなかったんですよねー。
 その3にしたって、特に辛いっていうのはなかったし…。

 となると、一番可能性が高いのは、その4。
 つまり、塩をつい多くふっちゃったってことか?

 まー、確かに。
 シンプルなだけに、ありがちかもなーって。



 そんなことをつらつら考えながら、あまりの塩っ辛さに1/3食べたところで、さすがに食うがイヤになって。
 しょうがないから、皿なんかを洗っていたら。
 (ちなみに、残りをどうやって食うかは思案中)。

 そんな時、ふと閃いた!と。

 あーっ!!
 もしかして、新しい豆板醤って塩分が濃いとか?



 もう、皿等洗うの速攻で中断して、舐めてみましたよ。
 そしたら…

 うん!?
 あ、塩っ辛い?

 かな…


 いや、ね。
 モノが豆板醤だけに、大量には舐められないじゃないですか。
 だから、ちょっとだけ舐めたんですけど、そーいえば何とな~く辛味より塩味の方がくるような気がするぅ? ←目をパチクリ(笑)



 しっかし、塩分がそんなに強いんだとしたら、これから使う時、いろいろ注意しなきゃならないわけでー。

 なのに1キロビンって、あーなんだか憂鬱……



 でも、ま、夏だし。
 毎日あっつくて、汗イッパイかくわけだもん。
 それも、また良し!って?(爆)
 (って、前の1キロ瓶、ゆうに半年はもったような…)






     世界の車窓から~モロッコ編、毎日楽しみにしてまーす!



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2014
07.16

グチのないブログなんて…(笑)



 前の記事って、ホントなら日曜日の夕方に載せようと載せようと思ってたんです。

 なのに、ワケのわからない営業マンが来ちゃって、もぉっ!!(怒)



 もーね、その営業マンって。
 何をしたいのか(何を売りたいのか)、話が全っ然見えてこないんですよ。
 不動産会社ってだけで、会社名すら言わないし。
 聞いて、やっと出てきたのは、どことも知れぬ社名だけ。



 でね。
 ま、これはその営業マンが帰ってから、夕飯を作っていて思ったんですけど、
アレって、もしかして空き巣の事前調査だったてことはないんだろーか?って。


 いやもぉさすがに薄気味悪くなっちゃって。
 即座に警察に電話して、これこれこういうことがあったんですけどって言ったら。
 警察の方が言うには、
なんでも最近市内で、そういう強引な営業をする不動産会社の苦情が多々きているんだとか。

 「てことは、ソレは一応会社は会社なんですか?」って聞いたら、「それは定かじゃない」とのことなんで。
 「じゃぁ被害とかは?」って聞いたら、「それは今のところない」ということだったんで、ま、ちょっとは安心したんですけどねー(笑)



 しっかしまぁ何と言うか?
 泥棒なら泥棒でいい…、って言っちゃったら、ま、いくら何でも暴言…ていうかヤバいですけど。
 でも、何が目的なのかその意図がわかんねーっていうのは、ムチャクチャ気持ち悪いんだよなー。


 ていうか、アレが一応会社なんだとしたら、どんな商品やサービスを提供するのか、最初の1分で客にわからせられなかったら商売になんねーじゃんね。

 そういう意味じゃ、あの営業マンって。
 最近ありがちな、たんなる勘違いなアホバカが起業した、社会に依存するだけで世の中に迷惑しかかけられない会社――起業ブームで最近そんなのばっか――に就職しちゃって。

 でもって、最近ミョーに社会に蔓延ってる「仕事でしょ」的な、子供っぽい仕事のポリシーやら責任論によってつくられた業務方針を押し付けられてるだけなのかなーって気もしたり……




 んなこと思ってたら、前から読んでみたいなーって思ってて、でもめんどくさいんでほったらかしにしてた『仕事をしたつもり』。

仕事をしたつもり (星海社新書)仕事をしたつもり (星海社新書)
(2011/09/22)
海老原 嗣生

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 もしかして、読む、いい機会なのかなーって。 ←意外と殊勝でしょ?(爆)


 なんだか、そんな気にもさせられた出来事でもあったとさ。
 チャンチャン(笑)
 (とかなんとか言って、結局読まなないっていうのも、ありがち、ありがちwww)





      The Muffs - Lucky Guy ←ってか? (爆)




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2014
07.16

ま、例によって特にネタもないけど、だからってグチでもないけどwww



 “グルメ(爆)”カテゴリーでブログ書くなんて、いやーホント久しぶり。
 ていうか、それ以前にブログ自体久しぶりだろーって(笑)


 というのも、ひっさびさにお気に入りの食材を見つけちゃったからなんです。

 それが、コレ大長ナス♪

IMG_2716.jpg
             


 いやー、こんなナス、初めて見ました!
 袋からゴロン出したところは、ウナギかヘビ、はたまた巨大ミミズ(一度見たことがある!)のどれかの大群って感じで(笑)、一瞬ギョッとしちゃいます。


IMG_2712.jpg



 この、大長ナス。
 なんでも九州や東北の一部では栽培されてきたとかで、ま、そっちの方に住んでいる方には昔っからのお馴染みなんでしょうねー。
 なーんか、ちょっとうらやましいような…(笑)

 *旬の食材百科
 http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/nasu-Oonaga.htm

 そういえば、コレって、以前「鉄腕DASH」だったかで出てきませんでしたっけ?




 で、この大長ナス。
 何がいいって、その細長い形状のせいなのか、それともそういう性質なのか、素揚げしなくてもとろっとろに焼きあがるところがスッゴク気に入ってまして。

 つまり、麻婆茄子や茄子味噌で使うと、楽ちんでウマ~イ♪(笑)

 心なしか、火の通りも普通のナスより早いような…
 近くの八百屋で、8本くらい入って100円っていうのも大好きです(爆)


 ただ、この大長ナス。
 火を通すと、カサがミョーに減っちゃうのが難点(泣)

 普通のナスだと、ま、一袋5つくらい入ってて、麻婆茄子作って、茄子味噌つくってって2回(食)分くらいはあるんですけど、こっちは1回(食)分だとちょっと余るってくらいですね。

 とはいえ、ま、この季節は野菜が安くて、量も多いですから。
 余った分はその他もろもろと一緒くたに料理しちゃって、あぁウマ、あぁ幸せってな感じです(笑)
(今週末は2袋買っちゃおーっと!)




         UB40 - Food For Thought




 ところで、この大長ナス。
 私はその形状から、親しみを込めてウンコナスと呼ばさせてもらってまーす(爆)

 てなこと書くと、怒っちゃう人もいたりして?
 でも、ま、それは家庭の事情だからさ。ツッコミはなしね(あっはっは)



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2014
07.13

ブログといっても、特にネタもないんで、まぁボヤキでも




 なんでも奄美諸島、梅雨明けだそうで。


 いいなーっ!
 くそーっ!
 うらやましーっ!


 そういえば、
 来週は、いよいよ海の日なわけで、
 関東の梅雨明けの平均の日なんだけど、
 どーなんだろ? 
 



 まーねー。
 梅雨が明けたら、いよいよ夏ーっ!!なわけでー
 そうだなぁ、中華屋でチャーハン食って、コーラの一気飲みかなんかしてみたいかな(笑)


 そうそう。
 夏っていえば、今年はセミの気が早いみたいで、ウチの辺りではもうちょこまか鳴いてますね。
 祭りの準備もしてるし、花火大会のポスターも貼られたし。

 なんかこう、夏に向けて着々と盛り上がってるよーな!!



 てことで、
 夏といえば、まーやっぱり酷暑と熱帯夜の出番です(爆)


 いや、というのもね。
 今朝のニュースで県庁所在地レベルでの、熱帯夜ランキング、猛暑日ランキングっていうのをやってたんですけど、これがミョーに面白くって。

 最初に、熱帯夜の多い都市は、1.那覇 2.大阪 3.東京 4.名古屋っの内どれか?
って始まったんですけど、これは悔しくも見事に引っかかりましたね(笑)

 最近はヒートアイランドが酷いから、ま、東京だろって思ってたら、なんと那覇。
 
 ま、後々よく考えてみたら、クイズ慣れした人なら選択肢がその4都市ってことで、たぶん一発で那覇って答えてるでしょうね(笑)

 
 
 と、まぁ順位はともかく、驚いたのはその日数です。

 なんと、那覇の熱帯夜、年間108.3日

 これは、もうダントツで、2位以下を大きく引き離して、
 2位 鹿児島 62.8日
 3位 神戸 51.9日
 4位 大阪 45日
 5位 長崎 44.3日

 なんだとか。

 ちなみに、東京は10位(36.1日)。
 名古屋は19位(28.9日)、京都が23位(27.2日)。


 意外なところでは、盆地で暑いイメージがある甲府は36位(7.8日)。
 そして、ホンっトうらやましい最下位は、やっぱり札幌(0日)。


 ちなみに、上記は04年~13年の過去10年の平均日数ってことですが、ま、あくまで(たぶん)気象庁の観測データなんで。
 つまり、地上何十センチだかで、風通しがよく直射日光のあたらない場所の気温ってことでしょうから、実際に人間が通常暮らしてるアスファルトの上とかの温度でみたら、全っ然変わってくるんでしょうね(笑)



 しっかしまぁ、那覇の熱帯夜が、ダントツ108.3日っていうのも驚きますけど、札幌の0日っていうのも呆気にとられちゃうっていうか(笑)

 そういえば、昔(といっても80年代頃)、北海道の友だちに、北海道ではクルマにエアコンは必要ないから、ほとんどついてないって聞いたことあるんですけど…
 
 いや、まさか、最近では普通についてるんですよね?(笑)

 ま、もっとも。80年代なら、こっちでもエアコンないクルマって普通にありましたよね(80年代っていうと、 “バブルで超豪華”ってイメージしかない人もいると思いますけど、実際はそんなもんで、今の方が全然豪勢に暮らしてるんですってwww)。





 で、まぁそれはさておき。
 熱帯夜ランキングでも十分に面白かったんですけど、今回は次があって、それが、
やっぱり夏といえば…の猛暑日ランキング!!


 まず、ベスト(ワースト?)7は、
 1位 京都 20.4日
 2位 甲府 18日
 3位 岐阜 17.9日
 4位 熊本 17.7日
 5位 名古屋 17.3日
 6位 佐賀 16.4日
 7位 大阪 15日


 そう。ワンツーは、見事盆地!!(岐阜と熊本は盆地?)

 で、鹿児島が22位(7.9日)、東京は29位(5.6日)、神戸は32位(3.7日)。
 でね。
 まぁ例によって、最下位47位はこれまったうらやましー、札幌の0日なんですけど、驚いたのが46位。
 なんと、那覇、猛暑日0.1日で、47都道府県中46位って、ホントかよー!って(笑)



 そういえば、3位に岐阜は入ったものの。
 毎年最高気温で話題になる熊谷を擁する埼玉県と、館林を擁する群馬県が出てこねーじゃねーかって、埼玉県民と群馬県民は歯ぎしりしきりかもしれませんけどね(爆)

 そういう意味じゃ、この熱帯夜と猛暑日のランキングを見て、毎夏つくづく思う、最高気温が高い関東北部と最低気温が高い関東南部って、どっちが“酷暑”なんだろう?っていうのをあらためて思っちゃいましたね。




 ま、そんなこんなで今年も夏ーっ!がやってきます(笑)


          夏といえば、やっぱりコレ…



          …ですよね?(爆)


       え?もぉそんなのは卒業した?
       まー、まー、そんなこと言わないのっ!!(笑)




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2014
07.12

ブログったって、特にネタもないんで、まぁグチでも



 いやもぉ、今朝じゃー、グチの一つも(というか、2つも3つも、いやそれ以上)言いたくなるってもんです。


 ほら、昨日って暑かったじゃないですか。
 なもんで窓、全開で寝てたんです。


 そしたら、♪ぴゃんぴゃん!ぴゃんぴゃん!
 ってあの音が、防災無線から辺り一面、ぐぁんぐぁん轟きわたりやがって。

 
 もーね、「ウギャーっ!」でしたよ。
 大慌てで一気に飛び起きて、ジタバタしながらテレビ付けました。
 (ウチの辺りは震度2ってことだったらしいですけど、え?いつ頃揺れたの?)




 でね、その後また寝たんですけど、もー全っ然眠れなくって。

 私、寝るのは得意技なんで、どんな時でも(それこそ起きたばかりだって)速攻で眠れるんですけど、今朝ばっかりは、もー目がクカーン!って冴えわたっちゃって。

 気分は、もぉガンダムかマジンガーZみたいな…(笑)


 いっそ起きちゃおうかとも思ったんですけど、天気予報じゃ天気よくなるみたいなこと言ってたのに小雨が降ってるし(泣)
 ったく、♪ぴゃんぴゃん!で叩き起こされた上に、雨かよ!って、ふて寝してやりました。



 しっかしまぁ、あの♪ぴゃんぴゃん(緊急地震速報の音)。
 音自体聞いたのも久しぶりなんですけど(幸いなことに)、防災無線から直接聞いたのもホント久しぶりだなーって(泣)


 とはいえ、いまだに聞くと途端に頭の中が「ワー!」ってなるっていうか、一瞬で辺りの空気が凍りつくというか。
 この世であれくらい怖い音はないんじゃないかってくらいなもんですけど、でも震災前は特にどうってことなかったんで、やっぱり頭の中であの瞬間がよみがえるってことなんでしょうねー。


 まー、何と言うか。
 いまだに言葉がなくなっちゃいます。





         Pharrell Williams - Happy (Official Music Video)
 




 


 タイトルにグチと書いてあっても、ま、魚の方を想像した人もいないでしょうけどねー。

 まーね、“愚痴”ネタって、読む人からすればホントどーでもいいって感じなんでしょうけどねー(笑)
 でも、書く方からすれば、ガス抜きにはなる、ブログの更新も出来ると、こんないいこともないよなーなんて。
 (ていうか、ブログとグチは切っても切れない関係だったりして?爆)


 ま、なんだ。
 (ブログの)グチを疎かにするヤツぁ、ブログのネタ探しに泣くことになるんだぜ、と(笑) 

 え?そんなこともない?
 へー、そぉ?(爆)



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2014
07.06

百P:5話目

Category: 怪談話

 
 2か月ぶりのブログ更新ってことなんですが、ま、やっぱり怪談話でいきます(爆)

 ま、だからって、怪談話ってそんなに好きってわけでもないんです。
 ホントは、あま~い、あま~いラブ・ストーリーかなんかが大好きなんですけど、
そっちの方は、全っ然!ネタがないっていうか、そもそも縁がないっていうか。

 てことで、相も変わらず怪談話です。
 ただ、怖い怪談話っていうのはありがちですからねー。
 ましてや、最凶とか、禍々しいなんて枕詞がつくのは下品の極み(笑)
 当ブログは、笑って踊れる怪談話を目指します(笑)





百P:5話目


 Rさんの住んでいる所は、昔ながらの団地。
 2部屋(2世帯)ごとに階段が上に伸びている(当然エレベーターなんてない)、今風な言い方をしちゃうなら「昭和の香りのする」、あの団地。

 この団地も昔はたくさんの人が住んでいて、あっちでもこっちでも、子供が遊ぶ元気な声が聞こえて、ホント賑やかだったらしい。
 いや。Rさんが住み始めた頃だって、普通に住民が住んでいた。
 でも、いつの間にか空き部屋の方が目立つようになって。
 住人がいる部屋もお爺ちゃんお婆ちゃんだけの世帯が多いから、いつでもシーンを静まり返っている。

 とはいえ。
「ここって古いからさ、木がみんな大っきいでしょう?
 俺はそれが好きなんですよ。
 見ていて、何だかホッとしてくるって言うのかなー。」
 ただ。
 そう思うのはRさんだけみたいで……


 ある土曜日のお昼時。
 Rさんの家では、いつもの話の真っ最中だった。
 つまり、新築のピッカピカのマンションを買って、こんな古臭い団地とはとっととおさらばしたい奥さんと小学生の娘さん、息子さんvs特に引っ越したくもないRさんの、ここ一年くらいR家ではすっかり御馴染みになっちゃった話。
 
 経済的な問題ではなかった。
 Rさんとしては、奥さんと結婚と同時に住み始めたその団地が、なぜかやたらと気に入っちゃっていただけ。
 というより、まぁ妙に馴染んじゃったってことなのか?
 この1年というもの、何回か奥さんにつき合って新築マンションのモデルルームを見たり、既存のマンションを見学させてもらったりしてたんだけど…。
 どれを見ても同じようで、見ているとため息が出てくるというか、疲れてくるというか。
 Rさんとしては、俺はマンション…、それも今風のマンションっていうのは、どうも好きになれないなぁーって思うばかり。

「あの、変にキレイすぎちゃうのがイヤなんだと思うんです。
 なんていうかな?
 ああいうのって、俺みたいなのの居場所がないって感じ?」
「エントランスっていうんですか?あの入口のとこ…。
 ほら…。
 例えば、仕事から帰ってきた時。
 あんな風なやけに小ギレイな場所で、
 俺みたいなのがエレベーターを待ってるわけですよね。
 ね、わかるでしょう?
 いったい、どんな顔して待ってたらいいんだろ?って。
 それ考えると、何だかゾっとしちゃうんですよ……。」
 
 そのRさん。
 自分では「俺みたいなの」なんて言っているけど、実はスラーっとした体型で、齢より全然若く見えるタイプ。
 まぁ着る物なんかは、どっちかと言えば奥さんにお任せって方なんだけど。でも、所々で妙にこだわりを持つ一面があるっていうか。
 それは、時計だったり、クルマだったり、趣味のモノだったり。
 いったんこだわりだすと、それについてはとことん凝るってタイプ。

 それは仕事でも同じ。
 小さい会社ながらも会社を経営していて、しかも経営は年月が経つにつれ、ますます軌道に乗ってきている。
 来年は、社員を2、3人増やして…
 あとは、前々から話があるあっちの方にも手を伸ばして…なんて考え出したら、もう止らない。
 一番上手くやるにはどんな方法があるかとか、資金はどうしたらいいとか、その他アイデアが次々と湧いて出てくる、そんなタイプ。


「L実だって来年は4年生なのよ。
 いつまでもP男と同じ部屋ってわけにいかないじゃない!」
 そう言って、Rさんの顔をじっと見ていた奥さん。
 例によってRさんの頭の中が、また仕事のことに行ってしまったのがわかったのだろう。
 そんな奥さんがドン!と叩いたテーブルの音に、Rさんが「えっ?」って見たその顔は、かなり険悪なムード。
 Rさん、奥さんが何を言っていたのかなんて完全に右から左だったけど、そのキンキン声は耳に残っていた。


 もっともRさん、その辺は心得たもので。
 奥さんがあのキンキン声になった時は、何をどうしたところで、もうどうにもならないってことは百も承知。
 チラッと見上げた時計は、現在1時10分すぎ。
 そう…、2時まで話につきあって…。
 それから、ちょっと事務所に行ってくるか。
 月曜日に使う資料、確認しとかないとヤバイ気がするし…


 Rさんがそのように割り切ってしまえば、逆に奥さんでも手に負えるものでもなかった。
 言いたかったことを言いたいだけ言ってしまった奥さんは、2時ちょっと前には、すっかり落ち着いちゃって。
 出かける準備をしながら、機嫌よさげに鼻歌なんか歌っている。

 とはいえ、そっちはともかく。 
 事務所に行くのに、例のお気に入りのクルマに乗り込んだRさん。
 いつものように煙草に火をつけ、ハンドルを握って、ふと。
 そうか…。
 L実も、来年はもう小学4年なんだな。
 そういえば、時々こまっしゃくれたこと言うようになったもんな。
 Rさん、フロントガラス越しに、娘さんがそんなことを言う時に見せる小生意気な顔を思い浮べながら、事務所に向かってクルマを走らせている。
 


 その夕方、6時をまわったくらい。
 事務所から戻ってきたRさん、いつも通り自宅のある棟からはちょっと離れた所にある駐車場にクルマを置いて。
 団地のメインストリートともいえる、ケヤキの木が生い茂った並木道を自分の家のある棟に向かって歩きだした。

 陽はもう沈んでしまったものの、空にはまだ光が残っているそんな時間。
 団地のあちこちに灯っている街灯は、辺りがまだまだ明るいせいか、何だかポカーンと間の抜けた感じ。
 視線を上に向ければ、そこは土曜の夜だっていうのに、ほとんどの部屋に明かりがない団地の光景。ほとんどの窓は、そのガラスに夕方を黒々と映しているばかり。

 たしかになぁ…。
 俺は、夜の遅い時間にしか帰ってこないから、人がいなくて当り前だけど。でも、昼間をここで過ごしてたり、こんな位の時刻に帰ってくるアイツらからすれば、うらぶれて寂しいとこって思う――。
 あー、うん、そう…
 ま、そういうのもあるんだろうな、ふふっ。
 と、昼間の奥さんとの話を思い出していて。思わずクスッと笑ってしまったRさんの脳裏に浮かんできたのは、いつだったか奥さんと行って見たマンションの光景。
 あれは、日曜だったか、土曜だったか。
 不動産屋の係りの人に連れられて、入り口から入ったところはなんだか変にガラーンと広く、そしてシーンと静まりかえっていて。
 普通の家とも思えないくらい磨かれた床と、変に無機質に見える鉢植えの観葉植物の並んでいる、その様。
「ふぅぅぅ……。」
 まぁな。
 気持ちはわからなくはないけどな。



 Rさんの家のある棟は、そのケヤキの並木道の突き当たり。
 そのちょっと高くなった場所に、Rさんが歩いている並木道から見て斜めに建っていた。
 群青色のまだらな空を背景に、ほとんど黒の壁のようになって建っている棟の4階の右端でクッキリ黄色に灯っている明かり。そこが、Rさんの家だった。
 ただ、そこまで行くには、その場所から棟を左にぐるっと回り込まなければならない。

 ま、確かに不便っちゃぁ不便か…。
 とはいえ、こんな寒くもなく暑くもない季節の静かな夕方。
 そんな夕方の平穏さ楽しむのには、そんな不便も悪くもないってRさん。
 あいつらはなぁー。
 そう。情緒を味わうってもんがないんだよなぁ……

 ケヤキの並木道が終わって、自分の家のある棟に沿った道を歩いているRさん。
 そのちょっと上り坂になった道から並木道を振り返れば、夕闇に黒々とケヤキの木たちが連なっているのが見える。
 そう。Rさんは、この光景が好きだった。
 何十年も前、この団地が出来たと同時に植えられた木々。
 今では幹もすっかり太くなって、アスファルトの下にしっかと根を張り巡らし、もっさもさ葉を生い茂らせている。
 そんな、当たり前すぎるくらい当たり前の光景。
 うん…。
 仕事帰りとかに、ここをぼーっと歩いてると、
 なーんか、ほっとするんだよなぁ……



 Rさん、そんなことを考えつつ歩いていて、気がつけば自分の部屋へと通ずる階段の前にいた。
 何を見るでなく、一瞬上の方を見上げて。
 それを意識することもなく階段の上り口を5段ほど上れば、そこは1階の部屋の玄関が向かい合わせにある踊り場。
 そこを、左にくるり。
 回るように、また階段を上がっていくRさん。
 1階と2階の間の踊り場から見える、その夕方のなんとも平穏そのものの団地の光景を、やっぱり見るともなく見ている。
 
 2階の部屋はどちらも住んでいない。
 そのせいなのだろう。2階のその踊り場は、どこか冷たい静けさがある。
 いや。だからって、1階で特に物音があったわけではないのだが。

 そんな2階の踊り場を、左側にまたくるりと。
 Rさんは、階段を上っていく。
 
 それは、2階と3階の間の踊り場。
 ここまで上がってきて、空が大きくなったからなのか?
 それとも、向こうの家並が黒々と広がっているせいだろうか、思ったよりまだまだ明るいその光景。
 天気、明日もよさそうだな。
 そうだ。買い物つき合って帰ってきたら、P男とサイクリングにでも行くのも悪くないな。
 あ、でもアイツ行くかな?
 アイツ、最近はゲームばっか──
「ん!?」
 それは、踊り場を左にくるり回って、続く階段に足をかけた時。
 Rさん、視界の上の端に動くものを感じて、反射的に顔を上げた。

「あ…。
 こ、こんばんは…。」
「こんばんわー!」
 明るく返ってきた声の主は、まだ大学生ぐらいって感じの若い女性。
 丁度、今帰ってきたところなのだろう。
 右手でドアのノブに鍵を差し込んだまま、ニッコリ人懐っこそうな笑みを浮かべている。
 そのRさんがその女性を見ていた、その0.何秒か――。

「あっ、どうぞ。」
 その若い女性は──というか、Rさんからすれば「女のコ」と言った方がしっくりするくらい──先に階段を上がってくださいとばかり、すっと踊り場の奥に身を引いた。
 それにつられるように「あ、すみません」ってRさん。
 軽く会釈しながらも、足早に階段を上ったそこは、その女性のいる3階の踊り場。
 相変わらずノブの鍵穴に鍵を差し込んだまま、ドアの方に身を寄せてRさんを先に通そうとしている、若い女性。
 その、こぼれるような笑み…
「あ、ど、どーも。」
 一体がどうなっているんだか?
 照れている自分に気づいたRさん。ある意味、その笑みから逃れるように足早に3階の踊り場を足早に通り過ぎようと…
くるり。
 3階と4階の間の踊り場へと続く階段上がりだせば、それはふいに感じたかすかな夜風。
 その途端。ほんの一瞬前に感じていた、ふわっと甘い青味のある香りに初めて気がついた。
 うん!?
 香水?
 もはや、あと2歩で3階と4階の間の踊り場。
 くるりとRさんが振り返ったのは、無意識だったのか、それとも…

 その途端、ぶつかった人懐っこい笑み。
 黒目が目立つ、きょろっとした目…
 肩までのふわっとした髪の毛…
 ふっくらとした頬の線…
 そして、ほんのりと赤い唇の下で笑っている白い歯……

「ど、どうもー。」
 振り返った途端、自分の目が3階の踊り場のその女性とピタリと合ってしまったことに、思わずドギマギしてしまったRさん。
 慌てて、もう一度軽く頭を下げ、そう言いながら階段をポンポンと。
 踊り場で、またくるり。
 左に回りながらRさん、たった今見た女性のその笑みを脳裏で引きずっていて、ふっと――。
「…?」
 あれ!?
 誰だっけ…
 どこかで逢ったことがあるような…
 ……って、当たり前か。
 3階の人だもん。そりゃ会ったことあるよな。ふふ…

 自分の家のドアへと続く階段を上っているRさん。
 妙に心が湧き立っていた。
 頭の中で、その心が湧き立った原因である、つい今あったことを思い巡らせていたのだが。
「えっ、誰…!?」
 もちろんそれは無意識な行動だった。
 今の女性をもう一度見ようと、くるりと。
 やっぱり、左側に体をひねったら――。


「うん!?」
 それは、いつの間にか階段をストストと降りていたRさん。
 いや。「うん!?」と訝しくなったのは、階段を降りたそこが、どう見ても1階の踊り場の光景だったから。
 視線の先に見えた、配電盤等が収まる鉄の扉。
 そして、左右の部屋の玄関のドア。

「…!?」
 その状況に混乱しているRさんとは裏腹に、階段を降りる足は止まらない。
 それは、いつも通りの階段を降りる動作。
 くるり。
 踊り場を右に回るRさん。


 気がついたそこは、階段を降りて外に出たコンクリートの上。
 それは、もはやすっかり暗くなった外の光景。

「え…。」
 Rさん、思わずキョロキョロと周りを見回しても、何が何やら。
 その唐突な状況を全く呑み込めない。
 な、なんだ?
 ど、どういうことだ?

 と、いきなり。何が何やらRさん、矢も楯もたまらずって気持ちになって。
 泡食ったように何歩か走って、振り返る。
 はぁー、はぁー、はぁー…。
 なぜだか、息が荒かった。
 そのことに気づくと、心臓がドクドク激しく動いているのも感じた。
 何気に髪の毛をはらったら、手はビッショリ。
 一息入れて、階段を見上げる。

 階段にポツポツと灯っている灯り。
 それを次々に見上げていっても、人の気配はどこにもなく…
 あ、部屋に入った?
 でも、3階の部屋の窓は真っ暗。
 夜の空を冷たく写しているだけ。
 そう。それは、もう何年も前からずっと……
 

 
 Rさん、後になって思い返してみても、不思議なくらい、その時っていうのは泥棒とかそういうことは考えなかった。
 ま、それが全然そんなイメージじゃない若い女性で、人懐っこく微笑んであいさつされたっていうのもあるのだろう。
 ただ、それよりも。
 あの時のあの女性が、どこかで逢った――というより、知っている人のような――気がしてしょうがないっていうのが大きかったのかもしれない。
 そう。あの3階の踊り場を足早に通り過ぎた後で感じた、ふわっと甘い青味のある香水にも、やっぱり記憶があった。


 ところで、それはそれとして。
 実は、Rさん。それから半年もしない内に引っ越すこととなった。
 というのも…

 それは、あの日家に帰ってからのこと。
 そのことを奥さんに話したら、気味悪がっちゃって、もう大騒ぎ。
 Rさん、あのキンキン声だな…って思ってたのに、その時はそれが全然治まらない。
 その内、怪談話めいたことまで言いだすわ、これだけ言っても引っ越さないならわたしにも考えがあるなんて言いだすわ。
 いや。Rさんとしては引っ越したいどころか、あの女性に逢ったことで、ますますこの団地に愛着が湧くようになったくらいなのに……

 ただ、その奥さんの声を聞きつけたのだろう。
 娘さんと息子さんが、奥さんの援護射撃。
 ま、つまり。そうなってしまえば、さすがにRさんでも手に負えるものでもなかった。


 そして、それは引っ越してしばらく経った頃。
 ある休日の夕方、奥さんと二人、お茶を飲んでいた時だった。
 唐突に、奥さんが言いだした。

「あの時、あなたが言ったあの話。
 うん。それ自体も気味悪かったんだけどね…。
 でも、それよりもさ。
 あなたがその女をもう一度会ってみたいと言った、
 あの顔?表情?
 ううん、目?。」

「あたしね、何が気味悪かったって、あれが一番気味悪かったの。
 そう。あの時のあなたの目!
 あれはね、あなたが仕事のこととか。
 その他、夢中になっちゃうことに取り憑かれちゃった時の目とさ、
 全く一緒だったの…。」




5話目終わり。フっ!
       ―─―─ 第5話目「階段話」〈了〉 メルマガ配信日:12.12.10




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