2014
04.29

百ポ:第14話目「L子さんの耳袋ぉーなお話:第六夜(笑)」

Category: 怪談話


「漠然としたイメージは残ってるんだけど、
 具体的なその部分っていうのが、妙に曖昧になっている記憶っていうとさ。
 あれは、たぶん、わたしが小学校1年か、
 2年だったかの記憶だと思うんだけど…。

 たぶん冬…。
 ううん。冬っていうか、冬の初めの頃。
 11月の下旬か、12月の上旬くらいのことだったんだと思うのよ。
 真っ先に浮かんでくるのが、グレーの空に揺れてた木の枝のイメージだし…。
 それから、あと……」



 その午後。
 わたしは、家の窓からずっと外の景色を眺めていた。
 その日は風がとても強い日で。
 暗いグレーの空の下の、やっぱりそんなグレーに沈んだ風景の中で、外の木々の枝や電線が真っ黒くぐらんぐらん揺れていた。

 その時、家にお母さんがいたのは間違いない。
 なぜなら、その記憶にはお母さんが出てくるから…。
 その記憶の中にはなぜかO太は出てこないんだけれど、でも、たぶんそれは平日で、平日ってことは学校から帰ってきた後だったんだと思う。
 記憶の最後の方に、仕事から帰ってきたお父さんにお母さんが話していた、そんな光景がおぼろにあるし…。

 とにかく記憶は、その午後わたしがずっと見ていた、窓の外のどんよりとした鈍色の空から始まっている。


 家の中ではラジオだったのか、カセットだったのか──CDはまだ私の家にはなかったはず──何か音楽がかかってた。
 というのも、時々、外の強い風がおこす音とか、家鳴りの音とかが、その音楽の音に隠れるように──でも、それはやけにハッキリ──聴こえてた記憶があって。
 もちろん、それはすぐに「なんだ、風の音か…」って気づくんだけれど。
 でも、その音を感じるたんび、わたしはビクンとしていた。


 たぶん、もう夕方だったんだろう。
 でも、もしかしたら、ずっと見ていた窓の外は遠くまで見渡せていたから、夕方と言ってしまうにはまだ早い時間だったのかもしれない。
 ただ、空の厚く濃いグレーの雲のせいで、部屋の中はとっても暗かったように思う。
 そう…。
 今思うと、あの時って。
 わたしは、少しでも明るい所にいたくって、窓の外をずっと見ていたのかな…。


 お母さんは、台所で何か料理を作っていた。
 ううん。何かっていうか、その時、お母さんが作っていたのは焼きリンゴだった。
 ただ、あの日、わたしは、その焼きリンゴを食べることが出来なかった。

 わたしが窓のとこから振り返った部屋の向こう。台所の赤味がかった明りの中でお母さんがいそいそと動いているその光景は、今でも不思議なくらい鮮明に思い出せる。

 ただ、今になって思うのだけれど。
 あの時って、家の中が暗いのが嫌で窓の外をずっと見ていたくらいなのに。
 なぜわたしは、明かりが点いて、お母さんもいる、台所に行こうとしなかったのだろう?
 もしかしたらその前に怒られたのか、それとも宿題でもしていたのか…
 うん…。
 その辺となると、今となっては全然わからない。


 あの日、わたしが家の2階にある北側のベランダに行ったのは、たぶんお母さんに言いつかったからなのだろう。

 わたしの実家の家には、北側に小さなベランダがあって。
 寒い季節になると、そこに野菜なんかを保管していた。
 子供の頃は、お母さんが夕食の支度をしている時なんかに「じゃがいもを4つ持ってきて」とか「ネギを2本持ってきて」と言われて、よく取りに行ったものだ。
 だから、その時もたぶんそうだったんだと思う。

 その北側のベランダに出た時は、外ももうずいぶん暗くなっていたように思う。
 ただ、わたしは、明りがあるわけでもないそのベランダに何かを取りにいったんだから、まるっきり真っ暗ってわけではないのだろう。
 ましてや、最初にあの人を見たのはその時…、そう。そのベランダから部屋に入ろうとした時だもん。外がそんなに暗かったはずはない。


 そういえば、ベランダに出るのに窓を開けた時。とにかく風が強くて冷たかったのも、もしかしたら外が暗かったイメージにつながっているのかもしれないな。
 そう…。
 わたしが、あの人を最初に見たのは、そのベランダの下を通っている道だった。


 その、ベランダの下を通る細い道というのは、私の家の北側の塀とその向こうに建つ家の塀に挟まれた、人がやっとこすれ違えるくらいの細い道だった。
 道といっても、公道でなく。それは、そこから右にちょっと歩いた所にある家の私道だった。
 もっとも、私道だなんてそんなこと、その頃のわたしは知らなかったと思うけど。

 そういえば、わたし、その細い道を通った記憶って、ほとんどない。
 家の周り数十メートルが世界の全てだった小さな頃ですら、通った憶えはないように思う。
 だって、北側にある家の子供は、みんな大きかったし。
 また、その細い道を使う唯一の家である、右にちょっと行った所にある家は、確か老夫婦だけの家だった。だから、わたしには用がない道だったんだと思う。
 ただ、その細い道にわたしがいる記憶──私の実家のブロック塀と、北側の家の板塀とその上にのぞく庭木に囲まれた砂利道が延々続いている──があるから…。
 たぶん、何度か通ったことがあるのだろう。


 それは…。
 たぶん、ベランダにいたわたしが目的の野菜を持って、部屋の中に入ろうとした時だったんだと思う。

 あ、これは今思い出したんだけど。
 その時っていうのはわたし、部屋に入ろうとして、出入口であるガラス窓──大きさからするとガラス戸と言った方がいいのか──を開けた記憶がある。
 ということは、ベランダに出た後、わざわざガラス戸を閉めたということなんだろう。
 なぜだろう?
 やっぱり、その後のことを思えば、強い風が吹きつけていたからってことなんだろうか…


 そう。だから、わたしは部屋に入ろうとしていて。
 視界の端に、ベランダの下を通る道にいた人の姿を感じた。

 何気に振り返って見たのは、その視界の端で見た人の輪郭に、子供ながらに「え、誰?」って思ったんだろう。
 前にも言ったように、そこは右にちょっと行った所にある家の私道だった。
 だから、普段そこを通るは、その家の老夫婦か郵便配達の人くらいのものだった。
 なのに、あの時。わたしが視界の端で見てとったその人は、ふわりと丸いボブカットの後ろ姿をしていた。


 その時視界の端に入ってきた丸いボブカットの後ろ姿というのは、つまり、わたしにとっては異質な存在だったのだろう。
 ただ、異質と言っても、それは決して悪い意味ではなく。
 むしろ、親戚のきれいでお洒落なお姉さんが家に来た時にワクワクするみたいな、そんな女の子の憧れみたいなものを感じとったんだと思う。

 そう。わたしがベランダの上で思わず振り返った、その時。
 そのボブカットの後ろ姿──よくよく見れば、ボブというよりはショートボブと言った方が当たってる──の女の人は、わたしがいるベランダの下をちょうど通り過ぎて行ったところだった。

 その、襟足までの長さの、ふんわり丸く広がったショートボブ。
 そして、そのショートボブからのびたうなじと、その下の黒と白の模様がモダンに混ざったコートは、裾がふわーっと広がっていて…
 そう。今になってみればわかる。あれは、大き目のドッグトゥースチェック柄のコートだった。


 そんな、まるで大人の女の人が読むファッション雑誌そのまんまみたいなその後ろ姿を見た、わたしは「わぁぁー!」て。
 ううん。もちろん、実際にそんな声は出さなかった。
 でも、その時そのひとを見たその瞬間、わたしの心は、わたしの日常にはない「華やぎへの憧れ」の感情でいっぱいだったのだろう。
 そう。今なら、それこそ「カワイイと思った」と言った方が、あの時のわたしの気持ちを表すにはわかりやすのかもしれない。


 ただ、よくわからないのは…。
 あの時、わたしは、どのくらいそうして、ベランダの上からその女の人の後ろ姿を見ていたのだろう。
 その女の人の後ろ姿──というよりは、ショートボブとおしゃれなコート──が、あの細い道を歩いて行くのをしばらく見ていた記憶は確かにある。
 確かにあるのだけれど、でも、その後のことを考えれば、それはほんのわずかな時間のことだったはずだ。

 そう…。
 ベランダの下の道を歩いていく、そのショートボブとおしゃれなコートの女の人の後ろ姿を見送っていた──見とれていた?──わたしが、そこで思わず立ち竦んでしまったのは。
 気がついた時、ベランダのすぐ下にその女の人がいて、こっちをじっと見上げていたから。


 えぇっ。今、歩いて向こうに行ったんじゃなかったっけ、この人!?
 だって、今の今まで、わたしはこの人の後姿を見ていたはず…
 そんなドキドキしていたわたしなのに、なぜか、こっちをじっと見ているその女の人から目を離せないでいた。

 その顔は…
 子供心にも、びっくりするくらい綺麗だった…
 ただ、今その顔を思い出そうとしても、それは変なくらい全然思い出せない。

 今でも、かろうじて憶えているのは…。
 顔の上半分を真っ直ぐ縁取っていた、真っ直ぐで真っ黒な髪。
 首元まできっちりボタンが留められていた──あの頃って、ボタンを首まできっちり留めるのが流行りだった──あのおしゃれなコート。
 それと。あの、どんな感情でわたしを見上げていたのかさっぱりわからない目の奥の色。
 ううん。
 目ではない。
 それは、目の奥の色…


 そう。顔は、ほとんどといっていいくらい思い出せないのに、なぜだかあの女の人の目の奥にあった、その色だけはハッキリ憶えている。
 感情がさっぱりわからない──それは、感情のない目というのとは全然違う──目の奥の色だけは、現在でも鮮明に思い出すことができる。
 ただ、その記憶って。
 その時わたしが見ていた、そのままの記憶なんだろうか?
 その辺りは、思い出そうとすれば思い出そうとするほど、逆にわからなくなってしまう。


 その時のわたしは、その女の人がわたしの方をじっと見ていたのは、わたしのことを怒ってるんだと思ったのだろう。
 子供のくせに、大人をそんな風にずっと見てるんじゃないって。

 その女の人の怒りの感情(?)に驚いたわたしは、もう大慌てだった。
 それこそ、サンダルなんか脱ぎ捨てるようして、頭から部屋の中に逃げ込んだくらい。
 部屋の中に入って、あの女の人の視線からやっと逃れたわたしは、胸を撫で下ろしながらも、急いでガラス戸を閉めようと…。

 ただ、今になって思うと。
 あの時って、なぜあの女の人が怒ってるなんて、そんな風に思ったのだろう。
 だって。わたしを見上げていたのは、もしかしたら道を聞きたかったからかもしれないじゃない?
 うん…。
 今、そう思うのは、あくまで今のわたしが大人で、そして、その後にある記憶とは切り離して考えられるからなのかもしれないな。


 頭から転げ込むようにして部屋に入ったわたしだったが、すぐにくるりと振り返った。
 それは、すぐにガラス戸を閉めたかったから。
 ただ、もうその時には、その女の人の姿は見えてなかった。
 でも、それは部屋の中からは、下の道にいる女の人が見えなかったからなのかはわからない。
 というか。そもそも、怖くて下なんか見ることはできなかった。


 あの時は、わたし、大急ぎでガラス戸を閉めようとしていて。
 でも、吹き付けてくる風が強すぎるのか、ガラス戸は全然動かない。
 ううん。それは、普通のアルミサッシの引き戸。開き戸ではない。ベランダの出入口として、どこの家にでもあるガラス戸。
 それが、あの時は外から吹き付けてくる強い風に押されて、ビクとも動かなかったのだ。

「うっ、うぅぅーん…。」
 幼いわたしは、その時体全部を使って、渾身の力でガラス戸を閉めようとしていた。
 でも、外から吹き付けてくる風は、とんでもないくらい強くて。
 ただ、やっと少しだけ動いたら、意外とあとはするすると動いた。
 でも、そのガラス戸が閉まれば閉まるほど、わたしに吹き付けてくる風は強くなってきて。

「もぉ、なんなのよー。」
 その時はわたし、もう半分泣き出していた。
 その、閉まらないガラス戸へのいらだたしさと切迫感。それから、見ず知らずの大人の女の人に怒られる恐ろしさ。
「もぉーっ!早く閉まってよーっ!
 早く、早く閉めないとっ!
 早く閉めないと、あの人が入ってきちゃう!」


 そう。そうなのだ。
 あの時、わたしは、なぜそんなことを思ったのだろう?
 歩いているのを見ていたから怒るなんて人、いるわけないのに。
 たとえ、もし怒ったとしても、家の中に入ってこれるわけない。
 そもそも、わたしがいたそこは2階だったというのに…


 それは、なかなか閉まらなかったそのガラス戸が閉まる瞬間。
 びゅぅっ──。
 わたしの顔の前で、そんな音をたてた風。
 でも、それはそんな音をたてた瞬間消えていた。
 なのに、わたしはホッとする間もなかった。ピシャリと障子を閉めると、中が外から見えないようにして…。
 いや。わたし、あの時本当は、雨戸を閉めたかったのだ。
 でも、雨戸を閉めるとなれば、ガラス戸を開けなければならない。
 ガラス戸を開けて、外に身を乗り出すようにして戸袋から雨戸を引き出さなければならない。
 そんなこと…、そんなことはできなかった。
 だって、外にはあの女の人がいるから……



 それは、階段を下りていったわたしが台所のドアを開けた、その瞬間だった。
 その、もわーっと甘く暖かい空気が顔にぶつかってきた、その触感ときたら…。

 わたしは、そのあまりに暖かさに満ちた空気を──ただ、幼いわたしにその甘い香りは強すぎて、ちょっと暴力的でさえあった──今でも鮮明に思い出すことができる。
 そして、その後に聞えてきた、ほっとする声も。
「どうしたの、L子。変な声出してたけど…」
「ううん。なんでもない。」
 怪訝そうに見るお母さんのその視線を顔に感じながら、わたしの口調は、ちょっとぶっきら棒だった。
「はい。これ…。」
 そう言ったわたしは、ベランダから取ってきた野菜をテーブルの上に置いた。


 あの時、外で見た女の人のことをお母さんに話さなかったのは、大人のあの人が、子供のわたしを怒っていたんだと思っていたからなのだろう。
 つまり、わたしは大人を怒らすような悪いことをしたのだから──お母さんに怒られないように──お母さんには黙っていようと思っていたんだと思う。

 しかし、あのベランダの冷たい風と比べて、その台所の暖かかったこと。
 台所に入って、まだ1分も経ってないというのに、わたしの顔はぽっぽ、ぽっぽと熱くなってきた。
 そして、台所中に満ち満ちていた、甘くねっとりと暖かい香り…。
 それはもう、熱いといってもいいくらい。


「なーに?この匂い…。」
「焼きりんご作ったの。もうすぐ出来るわよ。」
「すごい匂いぃぃ…。」
「え、そんな匂う?
 そういえば、ブランデー、ちょっと入れすぎちゃったのよねー。」
「うん。すごい匂うぅぅ…。」
「あら、ほんと?L子、なら、ちょっと窓開けてきてよ。」
「えっ!」
「うん。窓──。
 え、何?どうしたのよ、そんな変な顔してー。」
「うん。あ、そう。うん。大丈夫よ…。
 もう慣れちゃった…。
 それに…。そう、お母さん。
 今日って外、すっごい風冷たいの。
 あんな風、家の中に入ってきたら風邪ひいちゃうよ…。」


 その時お母さんが「窓を開けて」って言ったのに。
 わたしが「大丈夫」って開けなかったのは、もちろん、窓を開けたらあの女の人が家の中に入ってきちゃうと思ったからだった。

 でも、何度も言うようだけれど。
 あの時のわたしは、あの女の人のことを、どういう存在だと思っていて、そう言ったのだろう?
 今になって考えると、なんだか本当に変だ。
 もっとも…。
 それは、あくまでわたしが小学1年生くらいの頃の記憶なんだもの。
 大人になった今となってはわたし自身にもわからなくても、それはしょうがないのかもしれない。


 その後。わたしは、台所のテーブルのイスに座って、夕食の準備を始めたお母さんの後ろ姿と話をしていた。
 台所で、ラジオだか、カセットだかから流れていた音楽…
 焼きりんごの焼けるオーブンがたてる、かすかな音…
 そして、外から聞こえてくる風の唸る音、風がたてる音……

 そんな、いろんな音がしているのに、静かなその台所。
 そこは、ぽわーんと暖かくて…
 そのうち、わたしまでぽわーんとしてきて…
 それは、目から入ってきて、頭の中をねっとり暖かくしていく甘い香り…
 いつしか、お母さんの声は遠くなっていって……

「L子、○△◇◎□、☆▽◎……」
「うーん…」
「L子、居間の雨戸、閉めてきて。」
「うーん…」
「L子!L子!L子ったら…。」
「うぅぅーん……」
「なんだL子、寝てたの?
 また夜、寝れなくなっちゃうわよ。
 ほらっ。暗くなってきたから、居間の雨戸を閉めてきて。」
「はーぃぃぃ…。」

 お母さんの声で気がついた時、頭が重かったのは感じていた。
 でも、その重さはイスから立ち上がった瞬間──。
 ズッキーン
「う、うーん…。」
 それは、まるで頭の中からガンガン叩かれてるみたいな…。
 その頭の痛さの中、わたしは反射的にお母さんを見ていた。
 だって、お母さんはわたしが風邪をひいたってわかったら、今夜は早く寝させるに決まってるから。
 早く寝てしまったら、TVを見させてもらえない。
 それから…、そう。今焼いている焼きリンゴだって食べさせてもらえないかもしれない。

 幸いなことに、お母さんは、わたしが頭が痛くて唸ったことは気がつかなかったみたいだった。
 相変らずの後ろ姿のまま、包丁でトントン何か切っているばかり。
 しかし、何なのだろう?
 この気持ちの悪いくらいの暖かさと、甘い香りは…
 それらは、ついさっき台所に入ってきた時はあんなに心地よかったはずなのに。
 今、それは、暑っ苦しく、そしてうっとおしい…

 そう。雨戸を閉めてって言われたんだって、思い出したわたしは。
 頭に響かないように、そーっと足を踏み出した…
「うぅーん…。」
 その痛さに、お母さんの後姿をチラッと盗み見ながら、おでこに手をあてると…。
 うわっ!
 すっごい熱い…
 ど、どうしよう…

 そんな、ちょっと途方にくれたわたしが──さっきまで窓からずっと外を見ていた──電気の点いてない居間に入った時だった。
「きゃっ」
 それは、居間のガラス戸のすぐ向こう──。


 その光景っていうのは、現在でもハッキリと脳裏に焼きついてる…
 それは、居間にある4枚のガラス戸の、右から2つ目のガラス戸のその向こう。
 そこに立っていた、あの女の人…。

 わたしが、その部屋に来るのを待っていたのだろう。
 さっき見上げていた時とまったく同じ、あの何を思っているのかわからない目──繰り返すようだけど、それは感情のない目というのとは全然違う──で、わたしをじっと見ている。
 その、顔の上半分を真っ直ぐ真っ黒く縁取っていた、ふんわり丸いショートボブの輪郭。
 首元まできっちりボタンが留められた、あの黒と白のモダンなコートは、途中からガラス戸の下半分の曇りガラス(型板ガラス)に滲むようにぼやけていて……



 憶えているのは…
 目が覚めた時。
 薄暗い部屋で一人寝ていたことに気がついたわたしは、金切声をあげて泣いたこと…
 悲鳴と泣き声を聞きつけてやってきたお母さんに、「お母さんがいる部屋に連れてって」と泣きながら頼んだこと…
 明るい居間には、帰ってきたばかりらしいお父さんがいたこと… 
 でも、その明るい居間で落ち着いたわたしは、急にお腹がすいて。
 11時を過ぎていたというのに──普通なら寝ている時間だ──お母さんが残しておいてくれた夕食を食べたこと…

 それと。
 その夕食を食べている横で、お母さんがお父さんに言っていたこと。
「この子ったら、焼きリンゴ作る時に入れたブランデーで、
 酔っぱらっちゃったみたいなのよねー。
 うん。確かにさ、ブランデーちょっと入れすぎちゃったのよ。
 たぶんさ、オーブンからアルコール分が相当とんでたんだと思うの。
 ううん。わたしは、全然気がつかなかったのよ。
 そういえばさ、この子、
 すごい匂いだって、しきりと言ってたのよねー。」


 あの日の夕方、台所にいたわたしが急に頭が痛くなったのは…。
 確かに、お母さんが焼きリンゴに使ったブランデーがオーブンから揮発して、部屋の中に相当とんでいたからなんだろう。
 だって、わたしは今でもアルコールが全くダメだし…。
 それこそ、一口飲んだくらいでも、すぐ頭がガンガンするくらいだもん。
 そう。その痛みは、まさにあの日襲われた痛みと一緒。

 ただ、だとしたら。
 あの日わたしが見た、あの女の人って、いったいどっから……




「そうそう。
 そういえばさ、O太、B美さんと結婚したのよ。
 そう!そうなの。
 齢は同じなんだけど、わたしは“お姉さん”ってわけ。
 うん…、ねぇ。
 あぁ、もちろん全然…。
 むしろ、同じ齢なんで話が合うんでいいよ。ふふっ…」
 
「そう、でね。
 O太、ある時、B美さんに、わたしのその子供の時の話をしたらしいの。
 ううん。だからさ、それこそ、
 “姉貴がさ、子供の頃に焼きリンゴで酔っぱらっちゃってさ…”
 みたいな調子で話したらしいのよ。
 でもね、B美さん、全然笑わないんだって。
 それどころか、妙に真剣にじっと聞いてて…。

 でもね、O太が話し終わった後、いきなり話し出したらしいのよ。
 そう。だから、あのQ坂での話よ……」


“会社に入って何ヶ月か経った、確か金曜日だったな…。
 仕事が終わって駅に着いた時、
 ケータイを忘れたことに気がついて、会社に戻ろうとしたの。
 でもね、一緒にいた先輩がさ、今日は戻らない方がいいって言うのよ。
 なぜですぅ?って聞いたらさ、
 今日は雨が降ってるからって……。”


 一緒にいた先輩が止めるのも聞かずに、一人会社に戻ったB美さんが、その帰り、Q坂で出遭ってしまったのは…
 それは、長い髪の首だけの女。
 ソレは、歌うような声を発しながら、からっん、からっんっと音とともに坂を下りていったんだと……

“ううん。女だって思ったのはね。
 それが長い髪で、声が高くて細かったからよ。
 それだけ…。

 だからね。
 もしかしたら、あれは男だったのかもしれない……”


「うん。もちろんさ、
 O太は自分が体験したことを話そうとしたらしいのよ。
 でもね、前と同じだったんだって。
 そう。O太が、前にそのことを話そうとした時と…

 B美さん、もぉムッチャクチャ怖い顔してさ。
 “わたし、その話は絶対聞きたくないから!”
 って、言うばかりだったんだって…。」

「うん。そう、そう思うでしょ?
 わたしも思ったんだけど、O太もその時、やっぱり思ったらしいの。
 そう。つまり、B美さんが、Q坂のその梅雨時の雨の日云々の話を聞いたのは、
 その前なのか、後なのかってことよね。
 それってさ、結構ポイントよね。」

「でね。O太、B美さんにそのこと聞いたらしいのよ。
 ふふっ…
 でもね。ほら、B美さんって、いわゆる姉さん女房でしょ。
 O太はさ、まぁ根本的に頭が上がんないわけ。
 結局、また怖い顔で睨まれちゃってさ。
 “その話は、もう終わり!”って…。
 ま、わからずじまい…。」


「まーさ、そんなもんよね。こういう話ってさ、みんな…。
 それでいいんじゃない?
 ふふっ…」




14話目終わり。フっ!
          ──── 第14話目「L子さんの耳袋ぉーなお話(笑)」〈了〉
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ メルマガ配信日:12.12.10
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*ブログの無断転載は、呪い・祟り等ご自身に大過を招くこととなりますのでご注意ください。


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2014
04.29

なんと!「怪談スイーツ」なるものがあった!!(笑)




http://ddnavi.com/yoo_mei-contents/92900/


個人的には、『於岩様好みのロールケーキ いなり寿司風』がボリュームがあってウマそうかなーなんて(笑)



これ、ある日、何気に「怪談Sweets」で検索したら、「怪談Sweets」の後に出てきたんです。
でもさ、「怪談スイーツ」で検索しても、
「怪談Sweets」は出てこないんだなぁ…って知っちゃったら……


 「おぉのぉれぇ~、見ぃ~たぁ~なぁ~~」
     (なんで、見たなぁ~になるのか意味不明だけどさ!)



    ざけんな、バァーカ!
    誰が食うか、そんな菓子!!
    死んだって、食ってやらん!
    はっはっはーだ








 教訓:

 つまり、「呪い」なんてもんは。
 いつ、どこで、誰から、何がもとで呪われることになるか、
 呪われる当の本人には、絶対わからない。

 (ほら、あんた。コピペばっかやってると、やられるよ…笑)

 …ってことなんだろうなぁ~(イヒヒ)



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2014
04.27

スパイダーマンは、甘酸っぱいだーマンだった(笑)



 いっやー、スパイダーマン。
 意外や意外、結構よかったなぁ~(笑)



 ま、といっても映画館で見たんじゃなくってね。
 つまりは、TVの金曜ロードショウ(笑)




 もぉここ!
 ここがよかったんだなー!

 この、ヒロインが無意味にくるくるしちゃうとこ!
 もー、ある!ある!ある!あるよな~、この年頃ってさ…
 なぁ~んて、思わずキュぅぅンとかきちまったぜ。
 あとさ、女の子と別れた後、主人公が乱暴に飛び跳ねてるのも、スッゴクわかるじゃん!
 はっはっは!
 (あぁもぉ書いてて恥ずかしいわっ!爆)


 といっても、TVじゃこの場面、すぐカットしちゃったんですよね。
 ♪Til Kingdom ComeをBGMに、こんな風に続いてたんだなぁ…

 もぉさ、こんないいシーンなのにさ。
 カットした人、まったくセンスないなぁー
 なんてさ(爆)


 というか。
 スパイダーマンって、とっても面白かったんですけど。
 でも…
 CGの場面なかったら、もっとよかったのになぁ…(爆) 


 なぁ~んてこと言った日にゃぁ、ファンの人に怒られちゃういそうですけどね(笑)

 でもさー、
 あのミニラの出来損ないみたいな悪役…
 アレ、ハッキリ言ってダサくな~い?

 アレが出てきてから、CGっていうか。
 これ、たんなるアニメーションだよねとか思っちゃったんだけどー(笑)




     いやもぉ見終わった後。思わずCD引っ張り出して聴いちゃいましたよー(笑)



 ま、このスパイダーマン、ちょっと優等生すぎる気はしたんですけど…。
 でも、こういう鬱屈すしてるヒーローって、なんかいいなーっとか思っちゃいましたね(笑)
 (そーいえば、遠い昔レインボーマンっていう鬱屈したヒーローがいったっけwww)


 日本でも鬱屈したヒーロー、やればいいのになーとか思うんですよねー。
 それこそ、ウルトラマンにウルトラマンにされちゃって(?)、怪獣と戦わなきゃならないことにおびえるハヤタ隊員とか(って、アムロ・レイか!)

 あと、改造人間にされちゃって、絶望に打ちひしがれる本郷猛とかね。
 日本って、ヒーローには事欠かないわけですから。

 とはいえね。
 今の日本人って、ほら、変に考えすぎちゃったり、あと、思い入れがやたら強すぎちゃったりっていうのがありますからねー。

 うん。
 たぶん、失敗すると思うな(爆)



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2014
04.26

百ポ:第14話目「L子さんの耳袋ぉーなお話:第五夜(笑)」

Category: 怪談話


「皐月騒動のことは、もちろんわたしも知ってたよ。

 ただ、わたしは、親やお祖父ちゃんお祖母ちゃんから、
 聞いたっていうよりはさ。
 わたしの中一の時の担任っていうのがさ、郷土史クラブの顧問でね。
 その話ってさ、もぉイヤんなるくらい聞かされたのよー。
 うん。わたしは、だからQ坂の場所も知ってたなー。

 でも、皐月…、だから今の梅雨時よね。
 梅雨時の雨の日に、Q坂辺りに勤めている人が早く帰るなんて話は、
 O太からその話を聞いて、初めて知ったかなー。
 親も、そんな話聞いたことないって言ってたし、
 地元の友だちも知らないみたいだけどねー。

 まぁさ。
 いつの間にか出てきて。
 いつの間にか、なんとなーく広がっていく。
 そんな、都市伝説の類なんじゃないのかなーって思った…」



 すーっと開いたエレベーターのドアに、習慣で前も見ないで外に出たO太さん。
 でも、出た瞬間。
「おわっ!」
 そこが真っ暗なことに驚いて、再び声が洩れた。

「あ、そっか…。」
 この時間になると、1階は明かりが消えちゃうんだった…。
「えーっと…。
 そう。正面入り口は閉まってるから、左の通用口だよな…。」
 O太さんが、無意識にひとり言を言っていたのは、突然の真っ暗にちょっと気が動転しているからなのだろう。
 ただ、真っ暗といっても。
 小さなランプは点いていたし、火災報知機の赤いランプも点いていた。
 また、入口から外の明かりは入ってくるのだから、決して何も見えない真っ暗闇というわけではないのだけれど。
 でも…


「ふぅ…。」
 夜間用の出入口を出たO太さんは、思わず息を吐いていた。
 そんな外は、あいかわらずのしとしと雨。
 それに気づいたO太さんは、もう一度、今度は大きなため息をついた。

 そんなO太さん。夜間用の出入口から、ビルの脇の隣りのビルとの細い通路を通って表の通りに出たその途端。
「あれ…!?」
 通りが、なんだかいつもより暗いような…
 怪訝に思って、見上げるような視線で辺りを見回していて。
 それが、いつもよりやけにビルの窓の明りが少ないからだって気がついた。
 とはいっても。
 それは、O太さんが本社にちょくちょく来るようになって、まだ1ヶ月くらいのことだから、本当にそうなのどうか…。
 まぁいずれにしても、帰り道はこの通り──へー、ここがあのQ坂だったんだ!──を下ってちょっと行った所だし…と、歩き出したO太さん。

 今までは全然意識してなかったのに。
 不思議なもので、この通りがあのQ坂だと知った途端、その通りがずーっと下っていたことに、O太さんは初めて気がついた。
 何気に辺りを見回していて、通りの向こう側に伸びている神社の塀の端がはるか下に見えることにも、今更ながら気がついてみたり。

 この通りって、こんなに坂だったんだなぁ…
 それに…
 え?こんなに暗い道だったっけか…
 確かに、道の向こう側は神社だし。こっち側は城のお堀もあったりするからビルも店も少な目なエリアではあるのだけれど…。

「えぇっ。」
 O太さん、気がつけば、思わず声を出して、後を振り返って見回していた。
「今夜ってさ…。
 クルマが全然通らないんだけど…。
 な、何なのこれ…」

 そうは言っても、街の中心部の辺りを通る4車線の道。
 クルマが全然通らないってことではなかった。
 でも、いつもだったらそれこそどの車線もひっきりなしにクルマが行き交っているのに、今夜はぽつっぽつと通るくらいなもの。
 また歩き出したO太さんの脳裏に再び甦ったのは、B美さんのいつにない真顔で言っていたこと。
「ううん。違うのよ、Oクン。
 わたしも入社した頃、驚いたんだけどね。
 この時期の雨の降る日って、みんな早く帰るのよ…。」
「そりゃ変な話だけどね。でも、ウチだけじゃないのよ。
 このQ坂の辺りで働いている人はみんなそうなの…。」
 だって、外見てみてよ。
 ビルの窓の明かり、いつもより少ないでしょ。」

 …って、えぇっ。
 今夜、この辺りに勤めてる人、ホントに早く帰っちゃったってことなのかよ?
 いつの間にか、再び立ち止まって、後ろを振り返っていたO太さん。
 え…
 なんでこんなに暗いんだろ…
 そんなO太さんが、そのいつになく暗い通り…、いや、坂の上を何を見るでもなく見ていた時だった。
 真っ暗な坂の上から聞えてきた、幽かな音。
 それは…
「えっ…。」
 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……


 それは紛うこと無く、今でも時々聞く夜明け前にO太さんのアパートの周りを歩く木のサンダルの音。
 「からっん、からっん」と聞こえてくるそれは、音の後に聞こえてくる、かすかな「かららーっ」っとサンダルの踵を引きずる音も、そしてその歩調も全く同じ。
 ただ、唯一違うのは。
 それは、いつもO太さんは、あの音を家の中で聞いていたのに、今夜は外で聞いている。


 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 それは、その歩調もいつも通りのゆっくりさで、でも確実に大きくなってくる。
 なぜだかわからない。
 O太さんは、まるで頭が心臓になってしまったみたいに、バクバク鳴っていた。

 ごくん…
 怖いなら、走っちゃえばいい。
 坂の下にある賑やかなエリアへは、それこそ5分くらいのもの。
 なのに、O太さんの足は、なぜかそこでピタリ止まったまま。
 それどころか、その木のサンダルの主が歩いてくる坂の上から、目を離すことが出来なくて…。

 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
「…!?」
 大きくなってきた、その「からっん、からっん」って音。
 ただ、その音と混じって、何か別の音が聞えてくるような…。
 なんというか、それは独特の抑揚があって…
 え?
 は、鼻唄…!?
 それは、鼻唄で演歌か民謡のようなものを唄っているみたいな、そんな音……

 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 ♪Un~ UUUn~~~ ♪UUUUn~Un~~~~
 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 ♪Un~ UUUn~~~ ♪UUUUn~Un~~~~
 しだいに大きくなった二つのその音は、もはやO太さんのいる場所のすぐ傍から聞こえているはず。
 なのに、そこにあるのはその通り…、いやQ坂だけ。
 緩やかに下っている、暗さに染まったQ坂を下って行く、その二つの音。
 それは、木のサンダルの音ともう一つ、女の声のようにも、男の高い声のようにも聞える鼻唄みたいな音で…。

 音だけしかしないそこを、目で追っているO太さん。
 ううん。演歌というよりは、やっぱり民謡?
 ううん。違う。
 よくわかんないけど、これって、たぶん長唄とか、都々逸とか、そういう……

「っ!」
 それは、すでにOさんの真横を通りすぎようとしているところ。
「…………。」
 でも、それを見ようとしても、やっぱりそこには何もなく。
 ただただ、「からっん、からっん」という木のサンダルの音と、鼻唄のような音が通りすぎていくだけ。
 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 ♪Un~ UUUn~~~ ♪UUUUn~Un~~~~……
 ……………

 そして、それは。
 クルマ一台人っ子一人いないQ坂の4車線の真ん中辺りを、ずーっと下りていった。



 O太さん、怖さよりはむしろ、心の変なざわめきを感じていた。
 でも、それは次第にゾクゾク感に変わっていって……
 坂の下の賑やかなエリアにたどり着いた頃には、どうしても一人アパートに帰る気になれなくなっちゃったO太さん。
 結局、その夜は実家に泊まることに。

 でも、O太さん。
 時間が経つにつれて、薄気味悪さはどんどん増していって。
 それは次の日。仕事が終わってアパートに帰るその途中。
 急に居ても立っていられないような怖さを感じたO太さんは、結局また実家に。
 それは、その次の日も、さらに次の日も……



「でね。結局、アパート解約しちゃったのよ、O太。
 いい齢してさ、もぉバっカよねー。

 まーねー。
 あのアパートは、わたしも初めて行った時さ。
 なーんか変よねー、ここ…
 っていうのはあったからなぁ…。」


「でもね、O太さ。ふふ…。
 会社の、そのB美さんと付き合いだしてさ…。

 うん…。
 O太、デートの時に、そのこと、
 B美さんに話したらしいのよ…。

 でもね。
 B美さん、O太が話そうとしているのが、あの夜のことだと察した途端さ。
 急に不機嫌になっちゃったんだって。
 O太がそれを話そうとしても、
 “わたし、その話は絶対聞きたくないから!”ってさ。
 いつにないような険しい目で言うばかりで、
 O太にその話、絶対させなかったらしいのよ……」


「うん…
 まーねー…
 あー、そう。そういえばさ。
 あの街では、わたしも小学生の時……」



 それは、L子ちゃんが小学5年生か、6年生の運動会。
 棒引きは、5年生と6年生、高学年の女子合同で行われる競技だった。

 もちろん、運動会最大の見せ場は、トリを飾る男女別のリレーなのだが。
 でも、それと同じくらい盛り上がるのが、午後イチで行われる男子高学年の騎馬戦と、午前中に行われる女子高学年の棒引きだった。


 運動会の練習の中で、それぞれ模擬戦は2、3度行われていた。
 だから、競技ごと、勝敗の傾向はなんとなくわかってくるもの。
 しかし、その年。棒引きに関しては紅白で実力が完全に拮抗していたのか、L子ちゃんたち生徒も先生も、勝敗の予想が全くつかない状態。
 そのせいもあるのか、L子ちゃんたち女子はみんな、他の競技より燃えていた。
 また、実力が拮抗しているっていうのは、男子や他の学年も当然わかっていること。
 そんなわけで、高学年女子の棒引きがいよいよ始まるって時には、グラウンドは異様なくらいの熱気に包まれていた。


 グラウンドの端にある入場門の後で、競技が始まるのを座って──いわゆる怪談話ド定番の体育座りってヤツ──待っているL子ちゃんたち。
 赤い鉢巻きのL子ちゃんの隣に座っている白い鉢巻きをした女の子は、普段ならとっても仲のいい子なんだけど。
 でも、今ばかりはお互いなんとなく口を聞く気になれない。

 そんな中、グラウンドに響き渡った棒引きの開始を告げるアナウンス。
 そして、先生の笛を合図に、グラウンドに駆け出したL子ちゃんたち。
 ワー!ワー!
 その会場の熱気ときたら。
 でも、グラウンドの端と端で見合っているL子ちゃんたち女の子たちの熱気は、会場の熱気なんか、はるかに凌駕していた。
 そう。これは、あとで聞いたことだが。
 その熱気ときたら、まるでグラウンドに瘴気が立ち上っているように見えたと言っていた人もいたらしい。


 パーン!と、秋空に一発。
 ピストルの音に、グラウンドの真ん中に置かれている棒を目がけ、一斉に駆けていく赤の鉢巻きのL子ちゃんたち。
 そんなL子ちゃんたちの目に、ズンズンと大きく迫ってくる白い鉢巻きをした女の子たち。
 ワー!
 ワー!
 もう、何にも聞えない。
 L子ちゃんの視界の先。早々と赤い鉢巻きの女の子の一人がその棒に取り付いたのと、まさに同時。
 棒の向こうで飛びついた、白い鉢巻きの女の子。
 もちろん、L子ちゃんだって。それを見たコンマ何秒後には、やっぱりその棒を自分たちの物にしようと、体をゆするように引っ張っていた。


 ズン!ズン!
 棒を握った手からその触感が伝わってくるたび、向こうに引っ張られていく棒。
 L子ちゃんは、なんとかそれに耐えようと…。
 しかし、棒はじりじりと相手方に引っ張られていく。
 ダメか…って思ったその瞬間。
 ふっと緩んだ、棒が引っ張られる力。
 気がつけば、何人もの赤い鉢巻きの女の子が棒に取り付いて、L子ちゃんたちと一緒に棒を引っ張っている。
 すると、あんなに重かった棒がするするとこっちに。
 棒の向こう側じゃ、転んでいる白い鉢巻きの子もいたくらい。
 それは、「勝った!」って思ったその瞬間のこと…

「うわっ!」
 L子ちゃん、その時、確かにそう声を上げたのだけは憶えている。
 でも、自分がその時、いったい何に驚いて声を上げたのか、まったく憶えていない。
 加勢にきた赤い鉢巻きの子たちが棒に取り付いたことで、その棒は絶対自分たちの物だと思ったのに。
 ふいに、「わっ!」っと声を上げた、その一瞬後。
 思いっきり前につんのめってたL子ちゃん。
 グランドの砂粒越しの目に映っていたのは、棒を持って走り去っていく白い鉢巻きの女の子たちの後姿。

 ワー!ワー!
 喧騒と歓声の中。
 パーン!って聞えてきた、競技終了を告げるピストルの音。
 運動会の練習の時の模擬戦では、赤白完全な互角だったのに。
 なぜか完敗だった、その棒引き……



「いやもぉさ、その後が大変だったのよ…。
 “お前ら、真剣にやれ!”って、
 先生たちから、ムチャクチャ怒られてさー。」

「うん、なんでもね。
 途中までは、互角か、もしくはわたしたち赤が、
 気持ち、勝って見えるくらいだったんだって。
 なのに、終盤間際。
 いきなり、赤がバタバタって崩れってったんだって。
 でね。それは、まるでわたしたちが、
 途中で試合を投げちゃったように見えたらしいのよ。
 うん。それってさ、
 帰ってから父と母にも言われたのよねー。」

「でもさ。途中で試合を投げるどころか、
 わたしたちみんな、最後の最後まで必死だったのよ。
 絶対…。

 でもね。
 あの、棒引きの競技終了のピストルが鳴る、ほんの間際…。
 何かに驚いて声を上げたのだけは憶えているのよ。
 でも、何に驚いたのかは全然わからないのよねー。
 でね。それはみんな同じらしいの…」

「うん…
 なんとなーくのさ、漠然としたイメージみたいなものは、
 脳裏をよぎるんだけどね。
 でもね、それは絶対、形を成さないのよ…


「え?
 何言ってるか、わからない?
 あぁー、そうかー、そうなんだぁ…。
 えっ!?
 でもさ、そんな記憶ってない?」





──── 本日これまで!
           第14話目「L子さんの耳袋ぉーなお話:第五夜(笑)」〈了〉
                         メルマガ配信日:12.12.10
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2014
04.26

えーっ!「糖質制限ダイエット」って???



 まぁ世の中っていうのは、基本的にわからないことだらけなものですけど。
 でも、そんなわからないだらけの中で「えー!?」って思っちゃったのが、最近何かと話題の「糖質制限ダイエット」ってヤツ(あれ?最近じゃなかったっけ?www)


 ま、私は、「ご飯」が三度の飯より大好きって方ですし(笑)
 チョコレートにいたっては、痔ぃ~の先生が「チョコレートはダメよ」って言ったの無視して、いつも通り食いまくってたってくらい、糖質大好きなんでー。
 「糖質制限ダイエット」って、まず (ダイエット法の)選択肢には入らないだろなーって人なんですけどね。


 ただ、知り合いが最近始めて。
 効果のほどはともかく、「いいよー」とか(やけに元気ハツラツぽい顔で)言うもんで。
 まー、つまりは、(その元気ハツラツっぽい顔イヤさに)「あー、絶対効果ねーんだろーな。はっはっは」な~んて思っちゃたと(爆)

 とはいえ、まーね。ダイエットはいいことですから!
 それに、その人。それを始めたことで、やたらめったら日本経済に貢献してくれてるみたいなんで、まーいいかなーなんて(笑)

 体に悪いなんて話もあるみたいですけど、ま、その人のことですから。
 ま、体が悪くなる前には飽きちゃって、また別のダイエット法を始めてるでしょうしね(爆)


 とはいえ。
 糖質制限ダイエットって、じゃぁ「主食」って概念のない(らしい)ヨーロッパの人たちって、そんな痩せてたっけー?
 みたいな……


 まー、なんというか。
 思うに、「あるある大事典」がなくなって、お手軽なダイエット法が出てこなくなっちゃったのがよくなかったんじゃないのかな~
 なぁ~んてね(爆)

 それこそ、その「糖質制限ダイエット」じゃないですけど。
 やっぱり、好きなモノはどんどん見れた方が、健康にもいいってことなんじゃな~い?(笑)







 個人的に思うのは。
 「効果がある」っていうのは、炭水化物食べないその分だけ、(無意識に)野菜を多く摂ってるみたいなことがあるんじゃないのかなーって(つまり、現代はそのくらい野菜の摂取が少ない傾向にあるってこと?)。

 あと、炭水化物(ご飯や麺類)って、野菜や肉魚に比べたら、噛む回数が少なくて食べられますよね。
 つまり、野菜や肉魚が多くなることで、「噛む回数」が必然的に増えて。
 結果として、そのことがダイエットや健康につながってるみたいな面があるんじゃないでしょうか。

 うーん…。
 私は、「糖質(炭水化物)は摂らない方がいい」っていうのは、学説としては早すぎる結論のような気がするけどなぁ…。


 ま、人類史的に見て、人類が穀物(糖質)をふんだんに食べられるようになったのはここ最近のこと。だから、穀物(糖質)を食べない方が自然なんだという考え方もあるようですけどねー。

 でも、穀物(糖質)をふんだんに食べられようになった時代の方が、寿命が伸びたのは確かであるわけで。
 そもそも、人類の祖先は木の実や果物を主に食べてたらしいですから、ということは、糖分や炭水化物はそれなりに摂取してたはずですし。
 また、穀物を栽培するようになったのは、野生の穀物を習慣的に食べてたからこそ、栽培するようになったって気がするけどなぁ…。


 現代の「科学」ってモノ、私は結構信奉しちゃう方ですけど。
 でも、私たちの先祖がウン万年に渡って積み上げてきた「人類の経験(則)」というものを、そんな風にさらっと覆してしまうのはどうなんだろ?って思うかなぁ…。



 ってまぁそんなこと、
 怪談話のブログなんておバカなことやってる人がいくら言ったって、冗談にしかならないやね(爆)



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2014
04.20

いやはや、なんともまぁ、おニューパソコンとネットに振り回された4月だったわいなぁ~

Category: guchitter



 そういえば、XPサポート終了で、ここ1か月~2か月くらいの間にパソコン買い換えてドタバタしてた人って、はたしてどのくらいいるんでしょうね(笑)

 ま、「7」とか、「Vista」使ってた人もたくさんいるでしょうしねー。
 それに、よりにもよって、このどん詰まりの時期でなく、もっと早く買い換えた人の方が多いでしょうから、むしろドタバタした人の方が少ないのかな?


 とはいうものの。
 いやまぁホント、私、ドタバタしまくりでしたねー(笑)


 まずは、引っ越しソフトにヒドイ目ついて…(爆)
 次に、ADSLから光の移行でトラブって(これは、まぁ私の完全不注意)
 で、やっとこれでバッチリと思ったら…
 今度は、マンションのその光につながる部品がぶっ壊れたとかで(爆)


 で、まぁやっとこの週末、すべてクリアになったわけで。

 それにつけても、最初はパソコン本体がトラブって。
 次が、モデム。
 で、その次はマンションの共用部分の部品が壊れるって……

 あー、トラブル…。
 なんだか、だんだん外に向かってるみたいだなー。
 てことは…
 このトラブル運、今週から光回線を通じて、日本全国にバラまかれるってことなんだろうなぁー(爆)

 なぁ~んて、不届き至極なことを思って、ニタニタしていたら。
 何やら、またおニューパソコンにトラブルの気配!(爆)


 あぁ~あ。
 まったく、この世にパソコンとネットくらい、不便で不自由なモノってないなぁ……(爆)




             かくなる上は、これで厄落とし(爆)
   
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2014
04.20

百ポ:第14話目「L子さんの耳袋ぉーなお話:第四夜(笑)」

Category: 怪談話


「でね。O太、仕事の方。
 その頃から、
 町の中心部にある本社オフィスで仕事することが多くなったらしいのよ。
 最初は、O太が所属している支店から行ったり来たりしてたらしいんだけどね。
 そのうち、本社に直行して、そっちで一日仕事して、
 そのまま直帰したりみたいなことも多くなったらしくて。
 そのうち、冗談を言ったり、飲みに行ったりみたいな、
 本社の方で親しい社員も何人か出来てさ。
 でさ、結局…
 ふふ、ま、それはまたあとの話よね…」



 そんな、6月のある日。
 その日は、梅雨時らしい朝からずっとしとしとと雨の降り続く日で、O太さんはやっぱり本社の方にいた。
 ちょっとやっかいな仕事だったとかで、「しょうがない、居残りして片づけちゃうかー」ってO太さん。

 ところが…。
 O太さん、社内をふと見回せば、その日に限ってみんな帰るのが早いような?
 6時を過ぎる頃には半分以上が帰ってしまって、その後も一人帰り、二人帰り…。
 とはいえ、O太さんの仕事はまだまだかかりそう。

「Oクーン、まだやってくのー?」
「えっ…。」
 O太さん、その声に顔を上げれば。
 それは、こっちの本社オフィスで親しくなった、二つ齢上のB美さんとその上司のYさん。さらに、B美さんの同僚のKさんのちょっと心配気な顔。
 それは、0コンマ何秒か。O太さん、目の前のその3人の顔をぼーっと眺めていて、はたと気がついた。
「あっ!」
 慌てて周りを見回せば、もはやフロアに残っているのはその3人をのぞけばO太さんだけ。

「Oクンって、ここの閉め方って知ってたっけ?」
「えっ?あぁー。」
 O太さんが、前に何度か最後になった時にここの人がやるのを見ていたからと、そう言うと。
「じゃぁ大丈夫ね。」ってB美さん、ちょっとだけニッコリ。
 でも、その笑顔、いつものB美とは、なんか微妙に違うような気もして…。
「…?」
 それは、O太さんが、そんなB美さんの顔をよくよく見ようとした、そのタイミング。
「うん。じゃぁ悪いけど、先…。」と、それはYさんとKさんの笑った顔。
「あ、はい。
 お疲れさまでーす。」
 そう言った時には、B美さんはもうYさん、Kさんとともに、O太さんに背を向けて出口に向かって歩いていた。

 O太さんが、そんな3人の背中を何気に見送っていた時だった。
 急にO太さんに振り返ったYさん。
「Oクンも、今日は早く帰った方がいいぞー。
 いま時分の今日みたいな雨降りの夜ってさ、ここ、出るらしいから…。
 ハハハ…。」
「……。」
 O太さん、いつものYさんとも思えないその言葉に、一瞬どう返せばわかななかったのだが。
 でも、気がついた時には笑いだしていた。
「もぉー、何なんですかぁー、それぇー。
 ハハハ…。」
「あれ!あ、Oクン、そうか、まだ知らないんだ…。
 もぉダメだよー、B美さん。
 そういうことは、Oクンに早く教えといてあげなきゃぁー。」
 と、言ったのはKさん。
「えっ、わたし?」と、呆気にとられた顔のB美さんに、Kさんは言った。
「だってさ。
 Oクンって、支店からわざわざ来てもらって、
 ウチの作業手伝ってもらってるんだぜ。」
「それはそうだけど…。
 でも、だからって、なんでそんなことまでわたしなのよー。」
「いや、そりゃぁ、うん…。
 ねぇYさん。
 でっすよ、ねぇー。」
「え?あっ…。
 うん、そっか…。
 うん。そういやぁそっか…。」
「あれぇーっ。Yさんって、意外に…、だなぁ…。
 それ、上司としてちょっとヤバかったりしません?」
「何言ってんだよー、上司は忙しいんだよ。
 その手のことは、部下がしっかりサポートしなきゃダメだろ。
 ハハハ…。」
 なにやら二人だけで納得しているYさんとKさんを、O太さんとB美さんはちょっと持て余し気味。
「ちょっと、Yさん…。
 それからKクンも…。」
「もーイヤだなぁ。本社の支店イジメですかぁ…。」

 そんなふざけ和んだ雰囲気の中。
 ふと、B美さんだけがO太さんをじっと見ながら、また言った。
 その何とも言いようのない真顔は、O太さんももちろん気がついていたんだけれど…

「でもね、Oクン。
 今日は、なるべく早く帰った方がいいと思うのよー。
 ソレがホントかどうかはともかくね…。」
 そう言ったB美さんの語尾。それが、妙に言葉を濁すような口調だったと気がつい時は、O太さん、もう言葉を発した後だった。
「もー。それがホントかどうかはともかく…で。
 なのに、早く帰った方がいいって…。
 何なんですー、もぉB美さん。ブブッ…。」
 そこまで言っていて、つい噴出しちゃったO太さん。
 一瞬思った、B美さん妙に言葉を濁すように言ったことなんて、もう忘れていた。
「つまり、それって…。
 もしかして、ホントに出るってことですかぁー…。
 ブハハハ…。」
 と、O太さん。そう笑ってお茶を濁したつもりだった。
 の、だが…

「ハハハ…。え?」
 気がつけば、それはちょっと驚いちゃうくらい真面目に自分を見つめている3人の表情。
「え?え?…。
 ど、どうしたんです、皆さん?はいぃっ…!?」
 その思わぬ展開に、ややアセり気味のO太さん。
 そんなO太さんに、Yさんが言った。
「Oクンは、『皐月騒動』のこと知らないのか?」
「さ、さ、サツキソードーぉぉーっ…!?
 サツキソードーって、あの『皐月騒動』のことですかぁ?
 江戸時代のぉ…。
 ……!?」


 もちろん、O太さんだって「皐月騒動」は知っていた。
 それは、なんでもO太さんの住む町が江戸時代に藩だった頃にあった政変で。
 全国的には、それこそ全く知られていないんだけれど、でも町の人たちには「街の裏の歴史」みたいな感じで結構知られていたらしい。
 現に歴史なんてほとんど興味のないOさんですら、子供の頃から祖父母だったり親だったりに聞かされて知っていたくらいで。
 なんでも、江戸時代の中頃に、お家騒動まがいのことがあった時。
 城に向かう途中にあるQ坂という所で闇討ちだか、騙し討ちみたいなことがあって。
 さらに、それを幕府から隠すために何人もの人が処断され。
 結局、家中の士が何十人って命を落とす事態になり、さまざまな人たちに恨みつらみを残すことになったんだとか……


「うん、だから。
 その皐月騒動の、例の現場だったっていうQ坂が、
 つまり、このビルの前の道なんだな。」
「えっ。あ、そうだったんですか。」
「今は、クルマが通りやすいように、
 ならしちゃったから、あまり坂って感じしないけどな…。
 でさ。ほら、皐月って言うと今は5月だけど。
 昔でいえば、梅雨時の今頃が皐月なわけさ。
 つまり、皐月騒動っていうのは、ちょうど今くらいの、
 こんな一日中雨が降っていた日にあったらしいんだな…。」
「…………。」
「…………。」

 Yさんがそう言った後の、一瞬の沈黙。
 そう、O太さんも、Yさんも。
 B美さんも、Kさんも、そこにいた4人、一瞬誰の顔も見ることができずに、ただただ黙るばかり。
 でも、そんな中。
「ちょっと、もぉー。
 Yさんも人がワルイなぁ…。
 皐月騒動があったのがここら辺りで、ちょうどこの時期だからって、今更──」
「ううん。違う!違うのよ、Oクン。」
 それは、やっぱり、あの真顔でO太さんの言葉を遮ったB美さん。
 そして、さらに言った。
「わたしも入社した頃、ホント驚いたんだけどね。
 この時期の雨の降る日って、みんな早く帰るのよ…。」
「まった、もぉー、B美さんんん…。」
「いや、ホントなんだってー。
 そりゃ変な話だけどね。
 でもね。それってウチの会社の人だけじゃないのよ。
 このQ坂の辺りで働いている人はみんなそうなの…。
 だって、外見てみてよ。
 ビルの窓の明かり、いつもより少ないでしょ。」
「えぇぇー?」
 B美さんにそう言われて、思わず立ち上がったO太さん。
 急いで窓の所に行って見たんだけど…
「うーん、そう言われてみればぁ…。
 いつもより少ないような気もするし…。
 でも、いつもとそんなに変わらないって気もするし…。」
 そう言って、振り返ったO太さんに、Yさんが笑っていた。
「って、まぁーな。
 会社に慣れちゃうと、そんなことでもなきゃ、
 いつもダラダラと居残ってたりっていうのもあるだろ。
 だからさ。
 ソレがホントかウソかっていうのはよ、まぁどうでもいいんだよ。
 つまりよ、Oクンも仕事、なるべく早く終らして帰るこったな。
 オバケに遭わないようにさ。
 ハハハ…。」
「は、はいぃぃ…。」
「うん。
 いつまでもこんな風に話してると、Oクンも作業進まないし…。
 俺たちは帰るとしようや。」
「そうそう。
 帰るの、あんまり遅くなっちゃって、
 Q坂でオバケに出遭っちゃうとヤバいもんなぁ…。
 ハハハ…。」
「そーですよー、Kさん。
 そう言っておどかしているKさんたちが、逆に出遭っちゃって。
 大慌てでここに逃げ込んでくる破目になっても知りませんよー。
 ハハハ…。」
「おぉー。
 その時はドアすぐ開けてくれよな。ハハハ…。」
「ハハハ…。」
「…………。」
「うん。じゃ、ワルいな。お先っ!」
「お疲れさまでしたー。」
「…………。」


 それは、たぶんエレベーターホールの前なのだろう。
 ドアの向こうから聞こえてきたそれは、まるで今の楽しかった会話の名残のような3人の笑い声。
 O太さんはそれを感じつつ、また作業に戻ろうとしたのだが……。
「…!?」
 その、なんとも妙に落ち着かない感じ。
「……?」
 O太さん、それは、とっても大事なことを見過ごしちゃったような…
 そんな、居ても立ってもいられない、なんとも落ち着かない気持ちが次から次へと湧いてくる。



 そんなこんなあったんだけど、やっと仕事が片付いたO太さん。
 何気に時計を見れば、まだ9時ちょっと前。
 なんだ…。
 B美さんたちが帰ってから、まだ1時間くらいしか経ってないんだなぁ…って、O太さん。
「あぁ、疲れた。さ、帰ろっ。」
 誰もいないオフィスに、ぼわーんと響いたその声……

 電気を消し、ドアの鍵を閉めて。
 そんなO太さんが、エレベーターを待っている時。
 ふいに甦った、先ほど感じた妙に落ち着かない心持ち。
「えぇっ…」
 O太さん、何がそんな落ち着かない気にさせるんだろ?って、考えていて…。
「あぁ…」
 脳裏にふっと思い浮かんできたのは、ついさっき帰る前のB美さんの一連の表情だった。

 そんな時、やっと上がってきたエレベーター。
 まったく…。
 こんな時間だっていうのに来るの遅いなぁ…
 そんな来るのが遅いエレベーターのドアが開いてみれば。
 それは、茫洋と何もないエレベーターの四角い空間…

 そこに乗り込んだO太さんが、「1」のボタンと「閉」のボタンを押すと。
 スーっと閉まっていくドア…
 その狭まっていく隙間から向こうの、真っ暗なエレベーターホール…
 その密室がきゅぅっと下降していく感覚の中…
 O太さんの脳裏に甦ってきた、さっき会話の情景……


「ううん。違う!違うのよ、Oクン。
 わたしも入社した頃、ホント驚いたんだけどね。
 この時期の雨の降る日って、みんな早く帰るのよ…。」
 B美さん…。
 あの時って、なんか変なくらい真顔だったんだよな…。
 あの後、B美さんがビルの窓の明りがいつもより少ないっていうから、オレは外を見て。
 その後…
 そう、Yさん、「それがホントかウソかっていうのは、どうでもいいんだよ」ってさー。
 あんな風に言われちゃったら、B美さんがちょっとかわいそうだよなぁ…。
 フフフ…。

 で、その後…
 そう。Kさんが、オバケに出遭っちゃうとか言ってて…。
 あれ?そうか。
 今くらいの雨の日はみんな早く帰るとか、皐月騒動がどうとか言ってたけど、結局具体的な話は一切してくれなかったんだな。
 …ってことは、そうか。
 みんな、実際の詳しいことは知らないってことなんだろうなぁ…。
 そんなことを思っているOさんの脳裏に再び浮かんできたのは、3人が笑って帰る時の顔。

「おぉー。
 その時はドアすぐ開けてくれよな。ハハハ…。」
「ハハハ…。」
「…………。」
「うん。じゃ、ワルいな。お先っ!」
「お疲れさまでしたー。」
「…………。」

 あれっ?
 あん時って…
 B美さん、なんか変な顔でオレのこと見てたな…
 そう…。B美さんだけ笑ってなかったし…
 えぇっ。オレ、なんか変なコト言っちゃったのか──。
「おわっ!」
 体に伝わってきたガクンという衝撃に思わず声が洩れた、O太さん。
 ちょうどそのタイミングで1階についたエレベーター。
 すーっと開いたドアに、習慣で前も見ないで外に出たO太さん。
 でも、出た瞬間。
「おわっ!」
 そこが真っ暗なことに驚いて、再び声が洩れた。


                        

──── 本日これまで!(第五夜につづきます)
           第14話目「L子さんの耳袋ぉーなお話:第四夜(笑)」〈了〉
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2014
04.20

さ~て。来週は「ローカル路線バス乗り継ぎの旅・第17弾」なんだが、その前に「スッタァ~!」と、幻の遊び



 なんとまぁ来週の土曜日。
 「ローカル路線バス乗り継ぎの旅・第17弾」、やるんですねー。
 いやもぉ今から楽しみで楽しみで(笑)

 なんでも、今度は山口市~室戸岬なんだとかで、しっかしまぁ相変わらず意味不明な起点と終点だよなーなんて思っちゃったりするわけですけど、まぁ番組が成立してこそのTVなわけですしね(爆)
 あんまり、小さなことにこだわっちゃぁダメなわけですけど、それにしても前回、前々回が失敗でしたからねー。
 今回も失敗を期待したい…、じゃなかった、今回は成功してほしいですよね(笑)

 それにしても今回の山口市~室戸岬って。
 いったい、どういうルートを選ぶんだろ?って思っちゃうわけですけど、船も使ってもいいみたいなルールが付け加わったら、もっと複雑なルートが考えられそうで面白そうですよね(爆)

 ま、2回連続失敗の後で、しかも四国といえば、過去にやっぱり一周で失敗したわけで、そーいう意味でもとっても楽しみです♪


 で、まぁ来週は「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」なわけですけど、あれは、先々週になるのかな?
 やっぱり土曜スペシャルでやってた『ご当地カレーを求めて2500km!列島縦断カレーなる旅』、録画しといたのをやっと見て。

 うん。まぁ面白かったっていうか、ウマそうだったっていうか。
 ぶっちゃけ、カレー食うためだけに、クルマで北ははるばる札幌、南は門司までって、くっだらねーっていうか(笑)
 とかなんとか言って、とっても楽しく見ちゃったんですけどね(爆)


 で、まぁカレーはさることながら。
 錦野旦が同行の何とかって人から、やたらと「スター、何々…」、「スター、何々…」って話しかけられるの見てたら、ふーっと。
 あぁ~、そ~いえば子供の頃、
「スッタァ~!」って遊びがあったなぁ…
って思い出したんです。



 いや。全然全国区的な遊びではなく。
 それどころか、たまたまその場で思いついた(といよりは、突発的に始まってた?)遊び…、だったよーな(笑)

 そんなわけで、知ってる人もいないと思うんで、ま、カンタンに言っちゃうと。
 スター(タレント)のレコード大賞とか、その手の賞の受賞の場面を再現する遊びなんですね。


 ほら、レコード大賞とかが発表されるその瞬間。
 場内が暗くなって、いくつかのスポットライトがキョロキョロあっちこっち照らして。
 バックでは太鼓のロール(っていうんだっけ?)も、♪ジャガジャガジャガ…って鳴っていて。
 そんな中、司会者が「発表します。なんとか賞は、誰々!」って発表した瞬間、あちこちウロチョロしてたスポットライトが一斉にそのスターを照らす。
 「わー!」って歓声が上がっる中、そのスターが立ち上がると、近くのタレントたちがそのスターに握手したり祝福する、そんな場面。
 それを、遊びにしちゃったんです。

 つまり。
 みんな、それぞれ懐中電灯を持って。
 ♪ジャガジャガジャガ……って、太鼓はないんで、みんな口で言いながら。
 懐中電灯でその場にいる他の友だちたちを、スポットライトのようにあちこちキョロキョロ照らしている。

 すると、面白いもんで。
 それぞれがあちこち動かしている懐中電灯のスポットライトが、ある瞬間一人の友だちに集まる時があるんです。

 で、懐中電灯のスポットライトが集まった、その瞬間。
 みんなで「スッタ~!」って叫びながら、その懐中電灯のスポットライトが集まっちゃった人を、やたらめったら祝福しちゃう(笑)
 ま、そんな遊びです。

 でもまぁ、それってお年頃の男の子の遊びですから。
 祝福するといっても、ちょー暴力的なわけですね(笑)

 みんなで祝福というよりは、まぁ一斉にもみくちゃにするみたいな(スターも、そういう時にもみくちゃにされますよね)。
 まー、というか。
 もみくちゃにされるというよりは、みんなで「キャー!キャー!スター素敵―!サイン、サイン!」とかわめき散らしながら、その(不幸な)「スター」をど突きまくるといった方が、より実態に即してるというか。
 というか、というか。
 ど突きまくるというよりは、みんなで「スター」に蹴りをぶっ込みまくるみたいな……(爆)


 いやもぉみんなで蹴りをぶっ込む(半ば本気?)わけですから。
 (不幸にも)スターになっちゃった友だちは、最初の方こそ「イテ!」とか「やめろ!」なんて笑ってるんですけど。
 そのうち、あまりにあちこちボコボコくるんで、すぐ「うぐ!」とかうめくことしか出来なくなっちゃうみたいな…(爆)

 …って。
 現代だったら、たちまち「イジメ」としてあちこちからやり玉に上げられちゃいそうな遊びですよね(笑)

 でもまぁあの時代は、そーいう意味じゃそーいうことにのどかな時代(子供も世の中も)だったんでしょうね。
 特定の誰かが、集中的に「スター」にされるなんてこともなく。
 その遊びが終わる頃には、全員あちこち血ぃー流しながら、疲れ切ってはぁーはぁー荒い息を吐いてましたっけ(爆)


 しっかし今思うと、バカ以外ナニモノでもないって遊びですけど、あれはホンっト楽しかったなぁ~(笑)

 ま、今のご時世、右を向いても左を向いても、「暴力はいけませーん」って世の中なんで(爆)
 こんなこと言うと怒られちゃうんでしょうけど(それこそ「言葉の暴力に遭っちゃったりしてねwww)。
 でも、年頃の男の子には、(年頃の男の子特有の暴力衝動のガス抜きをさせるために)ある程度の暴力って必要なんじゃないのかなぁ~?
 な~んてね(笑)



 まぁそんなことばっかり書いてると、それこそホント怒られちゃうんで(爆)
 そんな、おバカの極みみたいな遊びを思い出していて、ついでにふっと思い出しちゃったのが、やっぱりおバカな「ちょーちょ」って遊び。

 いや。実を言うと、私もその「ちょーちょ」って遊び、よくは知らないんです。
 まだ学生の頃。確か、雑誌の読者投稿欄みたいなとこに書いてあって、思わず「あー、面白そうだなぁー」って思ったってだけ。

 で、その「ちょーちょ」って遊び。
 4人の人が、「ちょーちょ」になる(される?)人の手足を、それぞれ持って。「ちょーちょ」の人を持ち上げ、宙に浮いた状態にして。
 4人は、♪ちょぉ~ちょちょぉ~ちょって歌いながら、蝶が羽ばたくように「ちょーちょ」になった人の手足を上下に振るんだと(?)

 ま、つまり。
 お花見とかピクニックで使うような大きなシート。それを、4人の人が4隅を持って振って汚れを払うみたいなことを、シートの代わりに人間でやるみたいなものですよね。


 いやもぉ「ちょーちょ」の役になった人は、ムッチャクチャ怖いらしいんですけど(そりゃそーだ)。
 でも、その「ちょーちょ」って遊びには、さらに上を行く怖さの「逆ちょーちょ」っていうのがあって。
 つまり、それは「ちょーちょ」は、“ちょーちょ役”の人は仰向け状態で振られるのに対して。
 「逆ちょーちょ」は、うつ伏せの状態で、中空で上下に振られるんだとか……


 そりゃ想像だに恐ろしい…って、思わずブルっちゃう反面、はたと気づくんですよね。
 4人が手足を持ったその人を、中空で上下に振るなんてそんなこと、はたして出来るものなんだろうか?って(笑)

 中空で振ること自体、相当大変なんじゃないだろうか?っていうのもありつつ、それより何より。
 そんなことして「ちょーちょ」の人の手足、大丈夫なのぉ?
 ていうか、最初に下から上に振る時はなんとか耐えられても。
 その後の、上から下に振られる時、絶対ポッキリいっちゃうよねーって(!?)


 なんでも、その「ちょーちょ」。
 合ハイ(死語?)が盛んだった頃といいますから、ま、学生運動華やかりし頃より、さらにその前くらいにあった遊びらしいんですけど、うーむ……(笑)


 まー、つまり。
 「まともじゃない」っていうのは、世につれ人につれ…
ってこと?(笑)



    ま、おバカな男の特効薬はどこの国でも、いつの時代も……ってことなんでしょーね(笑)



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2014
04.19

百ポ:第14話目「L子さんの耳袋ぉーなお話:第三夜(笑)」

Category: 怪談話


「前も言ったけど、弟のO太は地元の大学を卒業して、
 就職も地元の会社だったから、卒業後も、しばらくは実家にいたのよ。
 でもね。就職して3年目…、だったかな?
 そのくらいの春から、アパートで一人暮らしを始めたの。

 でもねー、そのアパート。
 もぉボロでさぁー。
 ううん。ボロもボロなんだけどね、O太の部屋って、1階だったんだけどさ。
 窓開けた、すぐ目の前が高いブロック塀で。
 だから、日が入ってこないのもそうなんだけど、
 なーんかさ、どよーんと変に陰気でさ。
 ていうか、陰気なのはアパート全体がそうだったんだけどね。

 わたしだったらさ、もぉさ、ふふっ…
 絶ぇーっ対、すぐ引っ越してたと思う!
 ていうかさ。そんなとこだったら、そもそも契約しないよね。」



 O太さん、いつだったかは憶えていないらしい。
 とはいえ、それは、そのアパートに引っ越して、まだそんな経っていない頃だった。

 夜中に、ふっと目が覚めたO太さん。
 いや。その音で目が覚めたのか、それとも目が覚めた時、たまたまその音がしていたってことなのか。
 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 それは、表の道から。
 表の道を誰かが…、そう、たぶん木のサンダルで歩いている音。
 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 真夜中で、他に一切音がないせいか。からっん、からっんの後のサンダルの踵を引きずる、かすかな「かららーっ」っという音までハッキリ聞こえてくる。

 完全に目が覚めてしまったO太さん。時計を見れば、それはまだ3時半すぎくらい。
 うーん…。こんな時間に、どこのどいつだよぉー…
 ていうかよ。
 あんな木のサンダルなんて、最近見ないけどなぁ…
 O太さん、布団の中でそんなことを思っていたら。
 からっん、からっん、からっん………
 その音、次第に遠ざかっていく。
 遠ざかっていくその音に呼応するように、またすーっと眠りに落ちていくO太さんの意識。
 結局そのまま寝入ってしまったのだが……

「おわっ!」
 からっん!からっん!からっん!
 O太さんが、びっくりして目が覚めたと同時に耳に入ってきたのは、木のサンダルが歩く音。
 それは、まるで寝ている頭のすぐ上あたり歩いているんじゃなかと錯覚するような、気持ち悪いくらいの近さ。
「えぇっ…。」
 ぼんやり暗い部屋の中、音の方に目をやれば…
 それは、さっきは玄関の方から聞えてきたけど、今度は窓の方。

 O太さんのアパート、実は窓の向こうはすぐ道。しかも、O太さんの部屋は1階。
 道とはブロック塀でこそ隔てられているものの、その音は寝ているOさんの耳元にダイレクトに伝わってくる。
 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 からっん、からっん、からっん………
 窓の向こうを通り過ぎていく、その木のサンダルの音。
 やがてそれは、さっきと同じく次第に小さく…
 さらに、聞こえなくなっていく……

「……。」
 その「からっん、からっん」という音。
 それこそ暇を持て余したお爺さんが、家の近所をのんびり散歩でもしてるような、そんな足音だったのだが。
 ただ、それは朝の3時半すぎくらいのこと。
 まだ真っ暗だし、4月だからこの時間じゃ外はまだ寒いだろうし…ってO太さん。
 とはいえ…
「あー、もぉ寝よ!寝よ!」
 結局それしかない。


 ところが。
 次の夜も、その次の夜も、やっぱりその足音は聞えてきた。
 玄関の方から聞える分には、道が離れているからまだしも。
 窓の向こうを通り過ぎていく時の音は、なんだか寝ているすぐ真横を「からっん、からっん」と歩かれているようで。
 おかげでO太さんは、すっかり寝不足。仕事をしていても、なんだかボーっとしてきちゃって。
 いやもぉそれこそ、仕事をしていても「からっん、からっん」って、空耳が聞こえてきそうな…。

 そんな夜中のからっんからっんが聞こえるようになって、4日目の夜。
 O太さん、「今夜もまた、あのからっんからっん来るのかなぁ…」ってちょっと憂鬱な思いで布団にはいったら。
 なーんのことはない。その夜は来なかったみたいで、朝までグッスリ。
 というよりは、今までが寝不足だった分、グッスリ寝すぎちゃって会社を遅刻。
 でも、O太さん。例のからっからっんが来ないことにこしたことはないと安心しきっていた、その夜…。

 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 からっん、からっん、からっん、からっん、からっん……
 からっん、からっん、からっん………
 すっかり頭にきちゃったO太さん。
 いったいどんなヤツが歩いてやがるんだ!って、カーテンを開けて見ようとしたんだけど。
「あっ…。」
 窓の向こうはブロック塀。何も見えやしない。
 夜目にも暗いブロック塀の向こうを、あの「からっん、からっん、からっん…」って通り過ぎていくのが聞こえただけ。


 そんな夜明け間際の「からっん、からっん」という足音は、その後も続いた。
 ただ、必ずしも毎日ってわけでなかった。
 連夜続けて歩いていたかと思えば、ぱたっと来なくなってみたり。
 そのうち、O太さん。その「からっん、からっん」は雨が降っている夜や、雨上がりの夜は来ないってことに気がついた──いや。雨が降ってなくても来ないこともあったらしいのだが。

 しかし、その音のする順番…、というか音の主が歩く道は必ず一緒。
 最初は、表の道を「からっんからっん」と歩く音が、玄関の方から聞えてきて。
 その足音が遠のいていってから大体10分くらいして、今度は窓の向こうの道を「からっん、からっん…」と通り過ぎていく。
 つまりそれっていうのは、自分が住むアパートがあるブロックをぐるっと一周しているということなんだろうなってO太さん。
 でも、そこを一周してるって、いったい…!?
 しかも、それが夜明け前の一番真夜中といっていい時間って…!?
                

 もっとも。
 O太さん、実はそんな疑問が解けるより早く、その内その音に慣れてしまったのだろう。
 たぶん、近所に極端に早く目が覚めちゃうお爺さんあたりが住んでいて。
 目が覚めちゃって、手持ち無沙汰なもんだから、仕方なく散歩しているんだろうなーなんて。
 O太さん、その頃には、間近に聞える窓の向こうからの「からっん、からっん」って音に、時々ふっと目を覚ますくらいなもの。
 そんな時でも、夢うつつに「あぁ、また歩いてるなぁ…」って、布団の中で思う程度。
 気がつけば、その「からっん、からっん」って音を5、6歩分聞くか聞かない内に、また気持ちよく寝入るようになっていた。


                                                                                                             

──── 本日これまで!(第四夜につづきます)
          第14話目:「L子さんの耳袋ぉーなお話:第三夜(笑)」〈了〉
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2014
04.19

迫るショッカー


 確か、一昨日くらいだったかなー。
 7時のN○Kのニュース、たまたま最後まで見てたんですけど、そののホント最後のとこ。

 ほら、ドラマに変わる直前。
 外の風景の画面に変わって、鈴木さんが
「今日も初夏の陽気になりそうです」って言ったその直後。

 なんとも絶妙な間で阿部さんが、
「迫るショッカー……」
って。

 
 いやもぉなんともまぁ(笑)
 その言った間も絶妙なんですけど、その言った後の間が、ホント絶妙で。
 さらには、あの阿部さんの、あのこっそり忍び寄るみたいな言い方も、ミョーーーっ!に絶妙で。
 見てたこっちも、一瞬「……。」と間をおいて、思わず「クスリ…」みたいな(笑)

 で、思わず「クスリ…」としちゃった後、よくよく思い返してみたら。
 阿部さんが、その「迫るショッカー……」の絶妙な一瞬の間の後。
 「今日も一日お元気でっ!」って言ったその声の後ろで、鈴木さんの呆気にとられたような「え…」って声が聞こえていたのも、これまった絶妙な間で、ホンっト可笑しかったなー(笑)


 あーいう笑いって、いわゆる「ギャグ」の笑いとは、なーんか違うんですよねー。
 純粋に、たんなるユーモアの笑いなんでしょうね。
 可笑しさに、どこか滋味があるというか、
 しみじみと可笑しいのがいいですよね(笑)


 そういえば、なーんか最近お笑いって。
 パターン化されたお笑いばっかだよなーっていうか、勢いで笑わすのばっかだよなーっていうか(笑)

 ま、パターン化されたお笑いは、まぁそれはそれで面白いというのはありつつ、でも、「あー、またそれ?」みたいな(爆)
 でも、ああいう笑いは、その可笑しさがその日一日、ずっと長続きするんでいいよなーなんて。

 なーんか、そんなこと思っちゃったのは、やっぱ齢のせいなのか?
 な~んてこと思っちゃってみたり(笑)
 (ていうか、“迫るショッカー”でウケる時点で齢か…爆)






 そうそう、N○Kの朝のニュースといえば。
 あっ、これも今週だったかな?
 その日は、たまたま違う時間帯を見ていたんです。

 最近の紙の技術を映像で紹介した後。
 4月からの新人の男性アナウンサーが温度で色が変わる紙を実演するのに、その紙を手で触ったんだけど、全然色が変わらないという突発事態。
 その新人の男性アナウンサーは、
「緊張していて手が冷たいんで、色が変わらないですけど、
 リハーサルの時はホント変わったんです。」
 みたいなことを言って、しきりに申し訳ながってたんですね。

 でも、その直後。
 次のコーナーで出てきたのが、例の鹿島さん。
 おもむろにその新人アナウンサーに「○○さん、ちょっと握手しましょ」って。
 で、握手したら鹿島さん、「うわっ!ホント冷た~い」って素っ頓狂な声(笑)

 ついでに、色が変わらなかったその紙を自分で触って、ちゃんと色が変わることを実演してみせちゃったのは、見ていたこっちも、あー、な~んかいいなーって。


 まったくねー。
 若手のフォローっていうのは、ああいう風にやるもんじゃない?
 ねぇ笹井さん!
 な~んてね(爆)


 ちょっとだけお株を上げた、今週のN○Kニュースでした(笑)
 (そーいえば、今朝の最後のおちゃらけ。あれも意外性があってよかったかも…www)



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2014
04.13

「ネコまんまトースト」と「こもきゅサンド」 ~つまりはまぁパンの話2




 先月書いた、「パンの話」(「パンツの話」じゃない方ね)。
 http://kaidansweets.blog.fc2.com/blog-date-20140330.html

 その中で、“みなはん、どないなトースト食べてはりますのん?って書いたんですけど、もぉーみんな教えてくれなくって(泣)

 “おー!おー!おめーら、トーストも食わん金持ちなんか!”なーんて罵詈雑言は、まぁ心にも思わなかったですけど(爆)
 でもまぁ、だから、あーとか、こーとか、まっいいや!(笑)


 で、まぁ。
 とか何とか言って、一人だけ教えてくれたんです。
 でもまぁ、それがウマいのなんのって!
 ただ、ソレはあまりにウマすぎて、タダで教えちゃうのはちょっともったいなんでー(爆)

 てことで、「パンの話」を書いた次の日、ふっと閃いて。
 思わず、他の人がやってないかとネットで検索しちゃったのが、
つまり「ネコまんまトースト」


 ま、「ネコまんま」ですから。
 説明しなくとも、大体想像つきますよね(笑)

 そう。しょうゆをまぶしたけずり節をパンにのせて、あとはトースターにぶっ込むだけ!

 ちなみに。
 「ネコまんま」は、けずり節ご飯のことでなく、「みそ汁ぶっかけご飯」を思い浮かべる方も多いみたいですねよ。
 でもまぁ、これはパンにのっけるものなんで。
 そっちを思い浮かべちゃうと、ちょっとばかし具合が悪いんだろーなー(笑)


 で、その「ネコまんまトースト」。
 作る前にネットで検索したところ、もうすでにやってる人がいたわけですが。
 その人の作り方だと、マヨネーズにけずり節を混ぜるという風になってたんです。

 でも…
 「ネコまんま」に、普通マヨネーズはかけないよなーって(笑)

 そんなわけで、私は純粋な「ネコまんまトースト」を作ろうと、パンにマーガリンを塗って。
 その上にしょうゆまぶしけずり節をのせただけの、「純ネコまんまトースト」を最初に作ったわけなんですが……。

 これが、どーもイマイチ(爆)

 てことで。
 しょうーがないんで、次作る時、今度はネットにあったように、マヨネーズ入りで試したら、これがなんともウマくって。
 もぉやたら感激しちゃったと(笑)

 やっぱり、人の言うことは素直に信じるべきなんだなぁー(笑)
 なんてまぁ柄にもないことを思ってしまったわけなんですが、ま、頭っから疑ってかかるのはでなく。
 一度は、まぁ信じてみるべきなんでしょうね(爆)



 と、まぁそんな教訓を胸に刻みつつ生きる、今日この頃なわけですが。←ウソ
 先に、タダで教えんのはもったいないとは書きつつ。
 でも、あまりにウマかったんで、やっぱり教えたくなっちゃったのが、前の「パンの話」のコメントで教えてもらった「こもきゅサンド」。
 というか。まーとりあえずもったいぶっておいて。書くのは、最初からそのつもりだったんですけどね。 ←意外と複雑な性格


 で、まぁその「こもきゅサンド」

 これも作り方は、ちょーシンプル!!
 キャベツを千切りにして、ソースであえて。
 パンにはさむだけ!


 …って、コレ。
 これだけ読んで、「わー!ウマそっ!絶対作ってみるぅ~!」って思う人。どっちかというと、そうそういないんじゃないかって気がするんですけど、どうでしょう?

 ちなみに私は、キャベツの千切りがメッチャクチャ好きで。
 よく、どんぶり山盛りくらい作って食っちゃう方なんで、1も2もなく作って食べちゃったわけですが。

 でも、そうじゃない方も多いですよね(笑)
 だって、ほら。
 ランチで定食屋なんか行くと。
 食べ終わった皿に、キャベツの千切り、ほとんど残している人、結構多いですよね(なぜか年配の方に多いような)。
 「キャベツ、食べないんでかー?」なんて聞こうもんなら、もう(笑)
 「そんなウサギのエサみたいなもん、食えるか!」なーんて(爆)

 ま、確かにキャベツはウサギさん、大好きでしょうけど。
 でも、人間ちゃんが食っても、ウマいんだけどなぁー(笑)


 ってまぁ例によって、話がいつの間にか脱線してますけど、要は。
 そんな「ウサギのエサ」扱いする方じゃなくとも、キャベツの千切りって、やっぱり主役よりは脇役ってイメージの方が普通じゃないですか(ていうか、私もそのイメージですwww)。

 だから、「キャベツの千切りのサンドイッチがウマいよ」なんて言っても、作ろうって気にならない人の方が普通だと思うんですよ。

 でもね。
 コレこそホント「人の言うことは信じてみるもんだ!」なんです(笑)
 ホンっト、なんだろ?って思うくらいウマいんですよ、コレ。

 変な話、キャベツを千切りにしてソースを混ぜたまでだと、まったくもって、ソースが混ざったキャベツの千切りの味なんですけど(当たり前ですねwww)。
 でも、これが一たび、パンにはさんだ途端。
 「え!?何これ?何でこんなウマいの?」って、味に変わるんですよー。
 いやもぉその味の変化ときたら、「不思議ぃ~」と言うしかないってくらい(笑)。


 とかなんとか言って。
 ま、先で書いたように、私はキャベツの千切りがムチャクチャ好きなんで。
 それゆえ、そう感じるだけなのかもしれませんけどね。
 ていうか、他の人(キャベツの千切り。キライじゃないけど、特に好きっていうんでもないって人)に、ゼヒ感想を聞いてみたいで~す。







 そういえば、この「こもきゅサンド」。
 コメントしてくれた方によれば、もう一つバリエーションもあるんだとか。
 それは、ソースじゃなくて、オーロラソース(マヨネーズ1:トマケチャ1)を使うというものなんですが、いっやー!これもまたウマい!!

 そうそう。
 ちなみに、私はこの「こもきゅサンド」には、マスタード(といっても納豆に付いてるヤツ)を混ぜるのが好みなんですが。
 ある日、カレーパンが食べたい時に、カレー粉を混ぜてみたら、またこれもウマかったと(笑)

 ただまぁ。
 ウマそうだからって、あまりいろいろ混ぜちゃうのは、「こもきゅサンド」の発明者であるこもきゅ氏に「邪道!」とか言われちゃいそうな気もしますね(笑)



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2014
04.13

三陸に行きたいぞー!




 先週末…、うん?先々週末になるのか?
 まぁその辺りはともかく、なんでも三陸鉄道。4/5(土)に南リアス線、4/6に北リアス線、全線開通したらしいですよね。
 http://www.sanrikutetsudou.com/

 てことで。



           最近すっかり有名になっちゃった、かの久慈駅
   

DSC_0182.jpg
        これまった有名な北山崎


DSC_0244.jpg
サッパ船クルーズの船頭さん、確かここが宮古湾海戦で敗れた土方歳三が上陸した場所って言ってたと思ったんだけど…


DSC_0257.jpg



DSC_0262.jpg



DSC_0271.jpg
   ここが例の「三陸トレイル」構想にあった道なのかな?



DSC_0279.jpg
   サッパ船クルーズは絶対おススメです!
   http://www.tanohata-taiken.jp/banya/sappa/


DSC_0293.jpg
      この田野畑駅から小本駅が開通したわけですね


DSC_0294.jpg
    すっかり有名になっちゃった、あの車両の写真は撮ってませんでした(笑)



DSC_0314.jpg
田老駅ですよー。
ホンっト、冗談抜きでいまだに何かグッと迫ってくるものがあります…



   また行きたいぞーっ!
   おーっ!!(笑) 

 もちろん、福島も宮城もね!
 目指せ、みちのく潮風トレイル走破ーっ!!

 http://www.tohoku-trail.go.jp/








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2014
04.12

百ポ:第14話目-2

Category: 怪談話



 今は、東京の近郊に住んでいるL子さん。
 実家は、とある地方の古くからの城下町で、ところどころ古い家並みも残るそんな町らしい。
 これは、L子さんがまだ子供の頃、その町に住んでいた時のお話……




本日のユーレイさん画像_2604
  本日の、まだまだお花見気分が抜けないユーレイさん画像 



「弟がいてさ。
 O太っていってさ、齢はわたしより2つ下。
 実家のある町で就職してさ。
 会社で知り合った人と結婚して、現在でもそっちにいるのね。
 でね。あれはO太が小学4年で、わたしが6年の時……」


 それは、夏休みの夜の10時すぎか、11時前くらい。
 じとーっと蒸し暑い夜で、L子ちゃんとO太クンは家族みんな──お父さんとお母さん──と、居間でテレビの映画を見ていた。

「わたしが子供の頃だからさ、
 エアコンなんてそんなもん、家にはなくってさ。
 当然暑いから、家中の窓が開いていてね。
 O太って、昔っから暑がりでさ。
 O太だけ、廊下で寝っ転がってテレビを見てたのよ…」


 昼間の熱気が籠もって、いまだ蒸すように暑い居間。
 それでも廊下は少しは夜気が入ってきて、気持ち涼しく感じられる。
 そんな廊下に寝っ転がって、TVの映画を夢中になって見ているO太クン。
 そんなO太クンの頭のすぐ後ろ。網戸の向こうから聞こえてくるのは、ジーっと鳴いている虫の声。
 TVの映画は、いよいよ盛り上がって。
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
 O太クンはもちろんのこと、家族みんなもTVの画面を食い入るように見つめていた、そんな時だった。

「おぎゃぁ」
 それは、廊下で寝っ転がっていたO太クンの頭のすぐ後ろ。
 突然聞こえたその声に、O太クンは背中から頭のてっぺんまでぞわぞわぞわーって。
 O太クンは、一言も発することも出来ずに。その一瞬後には居間にいるお父さんとお母さんの後ろに吹っ飛んでいって。後は、2人の影に隠れるようにアワアワ、アワアワしているばかり。



「もぉびっくりよー、あの時は…。
 映画がいいとこだったからさ。
 わたしも、お父さんもお母さんも、テレビに見入ってて。
 あっ。だからさ、わたしの後ろの廊下にO太が寝っ転がってたのは、
 もちろんわかってたんだよ。
 わかってたけどさ…」

 声も出さずに、いきなり居間に飛び込んできたO太クンとは裏腹に。
 L子ちゃんやお父さんお母さんは、その瞬間、思わず「わっ!」って大声をあげていた。
 特にお父さんとお母さんは、すぐ後ろにO太クンが吹っ飛んできただけに、驚きが大きかったのだろう。
 2人とも、のけぞるように腰を浮かしたまま。アワアワいって怯えてるO太クンを、しばらく目を丸くして見ているばかり。
 
“な、なんだよ、O太…、オマエ、いきなり…。
 あぁー、ビックリ――。
 ぶっ!
 はっはっは…
 何だよ、オマエ、その情けない顔…。
 はっはっは!
 かーさん、L子。ほら、見てみろ、O太の顔を。
 はっはっは!
 お、お、面白ぇー”

 いきなりO太クンが吹っ飛んできた驚き。
 でも、それは、目の玉を真ん丸にして半ベソ状態になったO太クンの可笑しすぎる顔に、いつの間にやら大笑いに変わって。
 一方O太クンは、その聞えてきた赤ん坊のような声のことをお父さんたちに話そうとするのだが。
 でも、その半ベソ状態の情けない顔につけて、いまだアワアワ気味の口調。
 しかも、話しているその内容が全然要領を得ないもんだから、みんなはますます笑いが止らない。
 L子ちゃんなんかは、O太クンの説明が終るより早く「ネコに決まってんじゃんよ、バァ~カ!」って、後はケラケラ、ケラケラ…。
 もはや笑いが止まらない。

“あ、あ、網戸のすぐ向こう…。
 ボ、ボクのさ、す、すぐ耳元で聞えてきたんだよぉ。
 ネ、ネコのわけ、ないんじゃないかなぁ~。
 だ、だって…、
 そ、そんな背の高い、ネ、ネ、ネコ、いるぅ~!?
 よっぽど驚いたのだろう。
 そんな風にどもりながら話しているO太クンに、お母さんまでもが笑いが止められない。
“お隣のゴローじゃないのぉぉ~。
 唸ったか、あくびしたか…。
 ぶっ!はははー、あぁ苦しい…”


「ゴローというのはね、隣の家で飼っていたシェパード。
 大っきなシェパードのくせしてさ、
 神経質っていうか、変に気の小さいとこがある犬でね。
 ちょっと物音がしたくらいで、
 いつもワンワンキャンキャン、もぉ大騒ぎなのよ。
 だからさ、わたし言ったの。
 “あぁー、ゴローかもねー。
  ていうかさ。
  O太の言う、そんなネコだか犬だかの声なんて、今聞えたぁ?
  わたしは聞えなかったんだけどなー”って。
 もぉお父さんもお母さんもさ、顔真っ赤にして首を横に振ってて。
 さらに大笑いしちゃってさ…。」


「でね。
 そんな大笑いが一段落して、ふっとTV見たらさ。
 映画、終っちゃってたのよぉっ。
 もーさ、ちょうどいいとこだったのよー。
 わたし、夢中になって見てたのに、ショックなんてもんじゃなかったよー。
 でさ、それって、お父さんもお母さんも同じだったみたいでさ。
 O太のこと指さして、
 オマエのせいだー!とか言ってふざけて。
 結局、またまた大笑いだったのね…。」


 ところが、そのO太クン。
 しつこいと言うか、懲りないと言うか、はたまた、反省しないタイプというか。
 大人になった今でも、友人知人なんかと怪談的な話になったりすると、必ずといっていいくらいその時のことを話すらしい。

“あの時の声って。
 今でも、ありありと記憶に残ってるんだけどさ…。
 ああいうのを、身の毛がよだつような声って言うんだろうなー。
 あの聞いた瞬間のさ、頭の後ろの毛がゾワゾワって逆立ってくるような、
 あの怖気立つ感じっていうのはさ。
 うんん~、今でもハッキリ憶えてる…。
 そう!絶対、猫の声なんかじゃなかったし。
 ましてや、隣りの犬の声でもなかった”

 とはいえ。
 O太クンがそれを言うたんび、
 “赤ん坊みたいな声だったんだろ?じゃぁ猫だよ。”って。
 結局みんな、大笑いなんだと……




「ただね。
 あれは…、そう、お盆か…。
 お盆で、わたしが実家に帰った時。
 O太がさ、DVDを持ってきて言ったのよ。
 “姉貴、この映画憶えてるか?”って…。」

“姉貴、この映画憶えてるか?”
“えー、何なのよー、それぇー。”
“パッケージ見て、わかんない?”
 それは、そのDVDのジャケットを見る限り、どうやらサスペンス…、もしかしてホラー?
 どうも、そんな感じの映画らしいっていうのだけはわかるのだけど…。

 L子さん、いくら頭をひっくり返してみても、O太さんがそのDVDで何を言いたいのか、さっぱり思い当たらない。
“なんだ…。
 やっぱり、姉貴も見なきゃわかんねーか…。”
 そうつぶやいたO太さん。
 L子さんが見たいと言ったわけでもないのに、黙々とDVDをプレイヤーにセットする……
 

 TVの画面に流れ出した、その映画…。
 その映画に出てくる人たちの、古臭くもあり、懐かしさもあるファッション…。
 それを見ていて、L子さんはふと…。
 あれ?これ、なんか見たことある…!?と、もどかしい既視感。

 と、そんな時不意に去来した、ある記憶の光景……
 え?いつだろ…
 小学生の時?
 そう、確か夏休みだ…。
 家族みんなで、TV見ていて……

“あぁぁーっ!
 これ、この映画!
 この映画って O太がネコの声──。”


「あの子ってさ。
 わたしと違って、変にこだわるとこがあるのよねー。
 ほら…。その時見てた映画の結末…。
 ネコの声で大騒ぎになっちゃってさ。
 結末、わかなくなっちゃったじゃない?
 もっともね。わたしは、どんな映画だったかすら、憶えてなかったんだけどね。
 ていうかさ。その時のことなんて、完璧忘れてたんだけどねー。
 フフっ…。
 でもね。O太ったら、ずっと結末が気になってたらしいのよ。」

「でね。
 O太ったらさ、ネットで調べたんだって。
 そしたらさ、今はスゴイよねー。
 つまりさ。その映画のDVDがあったわけよ…。」


“これって、ラスト…。
 ふーん…、こんな感じだっだねー…。 
 ていうか、ぶぶっ!
 ハハハー。
 あの時、アンタがネコの声で大騒ぎしなきゃ、最後まで見れたのにね。
 ブッ!ハっハハー。
 あん時のさ、アンタの顔ったらさー。”

 あれから何十年って時を経ているっていうのに。
 あの時の、半べそかいた弟の顔がまざまざと浮かんできちゃったL子さんは、今更涙まで流して大笑い。
 だったのだが…

 L子さん、ふと…。
 ……!?
 そんな自分を、何も言わずじーっと見ている、O太さんのその目に気がついた。
“な、何よ、そんな目して…。
 だから、あれはお隣りのゴローに決まって──。”
 そんなL子さんの言葉。
 それは、顔の真ん前に、グイと突き出されたDVDのパッケージに遮られ。

“ちょっ──。”
“姉貴さ、ここ!
 ここ、見てほしいんだよ。
 ここ。後ろの映画の製作年のとこ…”
“えー、なに?製作年?
 何よ、それ?”
 L子さん、O太さんが言いたいことがよくわからない。

“な、姉貴さ、憶えてるか?
 この映画をTVで見た、あの時…。
 あの時っていうのはさ、俺が小学4年の時だったんだよ。”
“あぁ、そうね。
 あれって、わたしが6年生の夏休みだったんだもん。
 そういうことになるよね。”
“だよな?
 それで間違いないよな?”
 それは、我が意を得たりと、大きく目を見開いたO太さんの目。

“あん時って…。
 ほらっ、お祖母ちゃんが交通事故で入院してた時じゃない。
 だから憶えてんのよ。”
“あっ、そうか!
 お祖母ちゃんが、交通事故で入院してた時か!
 そうか、そうか…。
 あぁー、そうだよー…。
 うん。やっぱり俺が4年の時で間違いないんだ…。”
“もー、だから何──。”
 そう言いかけて、グイと突き出されたDVDのパッケージに再び遮られたL子さんの言葉。

“だからさ、この年なんだよ…。
 この映画の作られた年が、この年になってるってさ。
 いったいどういうことなんだよ?”
 O太さんが指さす、そのDVDのパッケージ。
 その指につられるように、L子さんは顔を近づける。

“えぇー、19××年。
 19××年って…。
 えぇぇっ?
 ちょっと何よこれ、19××年って!
 19××年って言ったら──。”
 ポカーンと。
 思わず顔を上げたL子さんの目とぶつかった、O太さんの興奮した顔。
“だろ?
 19××年って言ったら、俺は中1。姉貴は中3の年だよな。
 つまりさ、俺たちの記憶より3年後ってことになるんだけど……”




「そうそう。
 やっぱり、わたしが結婚する前の話なんだけどね…。」
 
 それは、L子さんがやけに激しい風邪をひいた時のこと。
 いやもぉそれこそ丸々3日間寝込んだくらい、きっつーい風邪だった。

 病院に行くどころか、布団からちょっとでも出ようものなら、寒くっていられない。
 ちょっとトイレに行くくらいでも、たちまち歯がガチガチ、ガチガチ音をたてはじめる始末…。


「でさ、4日目よ、4日目。
 朝、スッキリ目が覚めて…
 ていうかさ。なんだか、久々に気持ちよく寝たなーって。
 でもね、起きてみたら、まだフラフラするし、
 頭の芯もちょっと重い感じだったの。
 とりあえずは病院に行って…。
 会社は、もう一日休んじゃぉって。
 そんなことを考えながらさ、久々の朝食を食べていたの…。」


 病院に行った帰り道。
 真冬とはいえ、どこか春が感じられるようなポカポカ陽気の日。
 L子さん、病院に行って、薬をもらったことで安心しちゃったのか。
 朝起きたばかりは、まだ頭が重いかな?って思ったけれど、今は全然スッキリいい気分。

 そこは、平日の東京郊外のベッドタウンの街。
 普段この時間を過ごしているはずの会社やオフィス街とは、空気感が全然違う。
 歩いている人も、その速度も…、いや。そもそも時間の流れからして違っているような…。


「もうさ。
 午前中のこんなのんびり感って久しぶりよねーなんて思ってたらさ。
 ふっとね…、フフっ…。
 ふっとさ、隣町に出来た、新しいファンションビルに行ってみよ!
 って思っちゃったの。」

「あー、うん。
 ほら…、普通の人ならさ。3日間寝込んでた、そんなすっぴんの顔でぇー!?
 ってなるところなんだろうけれどね。フフっ。
 でもさ。わたしは、こういう性格じゃない?」


 即、駅に向ったL子さん。
 ちょうど来た電車に飛び乗れば、やっぱりそこも普段通勤の行き帰りに乗っている電車のイメージとは大違い。
 乗客の大半が、主婦やその連れの小さな子供。そして、おじいさん、おばあさん。
 その中。ポツポツといる、やたらのんび~り、ぼーっとした顔の若いヤツらはヒマな大学生ってヤツらか…なんて。自分のヒマなことを棚に上げて、車内を見回しているL子さん。
 とはいえ、そんなのんびりした車内も、シートはほとんど埋まっていた。
 それこそ、そこそこ立っている人もいるくらい。
 なのに、車内の空気感がまるっきり異なるのは、混雑や時間もさることながら、やっぱり乗っている人たちが醸しだしている雰囲気の違いなのだろう。

「何だかさ、思わずさ。
 差している陽射しの光加減が違うよなーなぁ~んてさ。
 そんなこと思ったらさ。
 あ、陽射しは朝とは時間が違うから当り前じゃん!なんて。
 でもさ、まさか、一人で笑うわけにもいないじゃない。
 もぉ必死で笑いをかみ殺してたの…。」


 移り変わっていく外の風景も、やっぱりどこか春を思わせる、そんな光の色。
 そんな光景を眺めているL子さんが立っていたのは、ドアからちょっと離れた所。
 ドアにもたれるでもなく、ドアのガラスの正面に立つようにして、外の風景をぼんやり眺めていた。

 それは、そんな時だったのだろう。
 L子さんの右耳に感じられた、通路をこちらに歩いてくる足音。
 ただ、その足音の主を目で捉えていたわけではなかった。
 その時L子さんの右の視界の隅っこに映っていたのは、シートの端の前で吊り革につかまっているおばさんだけだった。


「こういう話って、過去に起こったことを話すからさ。
 あと、その手の話として話すわけだから。
 どうしてもさ、話すほうも、聞くほうも、
 後からいろいろ意味づけしちゃうとこがあるんだけどさ。
 うん。ま、それはおいておいて。
 その時っていうのはさ、わたし、別に、その右の方から歩いてくる人が、
 何か気になったとか、そういうわけじゃなかったのね。」

「ただね。
 わたしがこの電車に乗った後、
 3人連れの主婦っぽい人たちが乗り込んできたのよ。
 その3人って、乗り込んでそのまま、わたしの後ろでおしゃべりしていたからさ。
 人が通るなら、ちょっとドアの方に避けてあげた方がいいのかな?
 って思ったんだと思うのよ…。」

「あ、もちろんね。
 その時は、そんなこと順序立てて考えてたんじゃないと思うよ。
 たぶん、わたしが電車に乗ってからの、それまでの状況を思ってさ。
 無意識に、その時わたしが立っていた位置からちょっと前に…。
 うん。だからね、ドアの方に寄ったの…。」


 よく混んだ電車なんかだと、「降りるのかな?」って思って。
 ちょっと寄ってあげるたことで開いたわずかでもスペースに、たちまち人が入ってきてしまうってことはよくあるもの。
 その時も、そういうことだったのか?
 L子さんがわずかに前に寄って、わずかに開いたそのスペース。
 そこに、右側から歩いてきた人の気配がすっぽり納まって、通り過ぎようとしない。
「…!?」
 どうも、右側から歩いてきた人の気配その足音は、L子さん右後ろすぐの所でピタリと停まってしまった様子。

 それは、電車の中のこと。
 まぁしょうがないんだろうけれど、ただちょっと…。
 L子さんの体の右後ろ、すぐの所に感じられる、そのあかの他人にしては近すぎる距離の感触。
 それは、いくらL子さんがサバサバした性格でも、ちょっと不快さを感じてしまう距離。
 なんだろう、この人…って、L子さん。
 ちょっとだけ顔を右後ろに向けても、その後ろに立つ人は、シートの前で吊り革につかまっているおばさんの影になって、よく見えない。

 確か、中年か、初老くらいの男の人だったよねー…
 そんな気がしたんだけど…。
 でもそれって、何かそんな感じのシルエットが、視界の隅っこに感じられたから、L子さんはそう思っているだけ。
 なんだかイヤだなぁ…って、L子さんが、さらにドアの方に寄ると。
 何なのか、その右後ろに立っている人の感触も、その分だけL子さんの方に寄ってくる。
 やだ、もしかして痴漢?って。
 くるっと、右後ろを振り返ったL子さん──。


「誰もいなかったのよ…。
 うん。もちろん反対側も振り返ったよ。
 でも、誰もいないの…。」

 L子さんのすぐ右後ろには、誰も立っていなかった。
 反射的に左側を振り返ってみても、それは同じ。
 近くにいる人といえば、右斜め後ろでシートの前で吊り革につかまっているおばさん。
 あとは、首をさらに回した所。真後ろというよりはやや左側の後ろで、おしゃべりに夢中な主婦らしき3人連れ。
 それだけ。
 あとは、平日の午前中の郊外を走る電車の車内という、のんび~りした光景が広かっているばかり。
 それを見るともなく見ていた、L子さんの茫然とした目……


「わたし、その時さ。
 その前にあったことを無意識にいろいろ思い返してたの。
 あの、右後ろから聞えてきた足音…
 確かに感じられた、体の右後ろに立っていた人の気配…
 そう、前に寄ったら、やっぱり前に寄ってきて…
 そう、そうよ。
 ちょっと振り返った時。
 確か、右の吊り革につかまっているおばさんの後ろに、
 通路をこっちに歩いて来る、黒っぽい人の輪郭が見えたよね…ってさ。
 その瞬間さ。わたし、思わずまた右後ろを振り返ってたの──。」


“えっ…”
 思わずL子さんが洩らしてしまった、その声に気づいたのだろう。
 それは、シートの前で吊り革につかまったおばさんの、一瞬だけL子さんを見て。
 でも、すぐに反らされた目…。

「うん…。
 その、吊り革につかまったおばさんが立っていたとこ…
 立ってたその場所ってさ。
 ずっと思っていたよりも遠くってさ…。」

「それに気づいた途端、もう、ゾワーってなっちゃってさ。
 それこそ、あの映画の時のO太じゃないんだけど、
 怖気立つって、あぁこういうことなんだなーって思っちゃった。」




 ──── 本日これまで!
           第14話目「L子さんの耳袋ぉーなお話:第二夜(笑)」〈了〉 
                          メルマガ配信日:12.12.8

                                          
                               *無断転載禁止



*無断転載は、呪い祟り等ご自身に大過を招くこととなりますのでご注意ください






 あとがき…、ならぬ、あとぼやき(笑)

 いっやー、最近。
 創作系のブログをやってる方のブログを読んで、ミョーに刺激を受けることが多くって。
 ま、基本的(というか、結果的?)には、よい刺激なんだとは思うんですけど、でもまぁーなんと言うか。

 例えて言うなら、犬が、自分で掻けないとこが痒くって。
 何とかソコに、前足なり、口なりを届かそうとして、でも届かなくって。
 それでも前足なり、口なりを痒いソコに伸ばして、でも届かないもんだから、だんだんムカついてきちゃって(笑)
 ウンガラゴロロロー!なんて唸りながら、その辺でバタバタ暴れて、ぐるぐる回ってるみたいな……(爆)

 ま、学識のある人なら…。
 それって、ひとことで言うと隔靴掻痒ってこと?
 なぁ~んて、さらっと言っちゃうんでしょうけどねー。

 まーね。
 そうっちゃ、そうなのかもしれませんけどー。
 でぇぇぇ~も、微っ妙ぉ~っにちっがうんだなぁ~~~(爆)
 (ソコ、わっかるかなぁ~www)

 それは、何で、そんな迷ってる時に、よりによって迷った時の「お話」をブログに載っけてるんだろ?っていう笑いだったり(でも、始めちゃったもんは、しょーがねーよなー)。
 はたまた、アイデンティティを見失ってることの気づきだったり、でも、それってつまり原点に戻ればいいってことなんじゃないだろうか?なんて気づきだったり? ←あれ!意外とポジティブ思考だったり?(笑)

 ま、ぶっちゃけ言っちゃうと。
 その刺激が強すぎる(うますぎるとも言う ←あー、言っちゃったよ~笑)だけに、ウンガラゴロロロー!ってシャクに触るっていうのは、まぁ多分にあるんでだろーなぁ…なんてね(爆)
(つーか、シャクに触るからこそ、刺激と感じるってことか! なーるほど!!)


 てことで、まぁ皆さま。
 これからも、よい刺激を、チクチク、ブサブサ、ドスドス、バッカンバッカンとばかり、まぁよろしくお願いたしま~す(笑)
 (とか言ったからって、変な方に誤解しちゃダメよぉぉ~www)




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2014
04.11

そんな日もあるさ…



 昨日の夜。

 夢に「ピロシキ」って文字が出てきて。

 おかげで、今日一日中、

 ずっとピロシキが食いたくって、食いたくって……
 




 ピロシキっていうと、なーんかこう、どこか昭和チックな趣のある食べ物って気がしますが。
 昭和チックな食べ物っていうと、他にスコッチエッグっていうのもあるかなーって。

 ピロシキはともかく、スコッチエッグって、実はミョーに好きだったりするんですけど。
 でも、スコッチエッグが食べられる店って、ビックリするぐらいなかったりしますよね。

 スコッチエッグって、たまーに洋食屋のランチにあったりするんだけど。
 でも、半分にスライスしてあったりで、なーんかつまんないんだよなぁー。
 スコッチエッグは、やっぱり玉子1個丸のまま食べたいな!(笑)







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2014
04.09

なんだ、結局、手作業で万事OKなんじゃん!




 おニューパソコンへの引っ越し。
 
 なんだよー。
 結局、
 引っ越しソフトがぜぇ~んぶ悪かったんじゃん!(笑)









 まー、あの引っ越しソフト。
 不具合出まくりだったとはいえ、ソフト自体は、そんな悪いソフトじゃないんじゃないかって気がするんだけど。
 でも、引っ越し作業に何時間もかかって、結局移ったアプリケーションソフトが3つだけって、あまりにプアすぎだなぁー。
 家計簿ソフト(ちなみに、フリーソフト)を引っ越しさせたくって買ったんだけど、見事に引っ越し荷物からこぼれ落ちてたなー。

 ていうか。
 日曜にソフトメーカーのサポートに送ったメール、いまだに返事こないって、典型的なネット企業だなぁ…って(爆)

 
 まーね。
 それより何より自分自身が、安易な道ばかり選ぼうとするから、こういうことになるのかな?なぁ~んてね(笑)
 もしかしたら、いい勉強だったのかな?

 ただ、勉強代が目ん玉飛び出るくらい高かったぁ~(泣)



 それにつけても、今回の一件ではお店の方々に、ホンっトいろいろお世話になっちゃいました。
 あらためて、ありがとうございました。


 ま、このブログにそんなこと書いても、店員さんはコレ読むわけじゃないから関係ないんだろうけどね。
 でも、ま、気持ちってことで(笑)



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2014
04.06

お知らせ ~ 落ち込みまくりでーす♪

Category: メモ・伝言
 例のXPのサポート終了で、慌ててパソコン買ったんですけど。

 先週に引き続き、引越し作業がうまくいかなくって。

 引越し終わった途端、またもや同じ不具合発生で、もぉ落ち込みまくり(泣)


 この調子だと、おニューのパソコンへの移行、サポートの切れる明後日以降にズレこみかねない状況になってまして。
 そんなわけで、皆さまのブログへのご訪問等が疎遠になるかもしれません。

 てことで。
 ま、当ブログの音沙汰がなくなったとしても、ほんの一時的なことですので(だと思いたいwww)、引き続きお付き合いほど、よろしくお願いしま~す(爆) ←なんで、爆?



       ま、愛なんて込める気もないけど、ひゃく こと、百物語ガールより
       (ていうか、込めたらイヤでしょう?笑)
                               







 ていうかさ。
 こんなサポート終了ギリギリになって、新しいパソコン買うから、
 そんなことになるんじゃんね。
 
 はっはっは…
 はぁー……
 また痔になっちゃったら、どうしよ(爆)


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2014
04.05

いっやぁー、消費税増税後、最初の週末だったわけですが…

Category: guchitter


 いやはや、
 何でもかんでも、たっかぁ~い!!



 まぁ小売店の方も、今週末は先週末の買い物ラッシュの反動で、消費者買い控えだろうなって開き直っちゃったみたいなとこ、無きにしも非ずなのかな?

 食料品や日用品をよく買いに行くドラッグストアで、先週末にクーポン券を貰いましたけど、有効期間が来週からになってますもんね。



 とはいうものの。
 繰り返しになるようですけど、今日、スーパーに行ったら、
どれもこれもみーーーーーーーーーーんな高くって。
 ホンっト、目の玉飛び出ちゃいました。

 冗談抜きで、
いつも買う商品の値段を見るたんびたんび、
思わず「高っ!」ってつぶやいちゃったり(笑)
 
 

 でも、おかげで、今週末の買い物は、とっても財布に優しかったよーな。
 (ま、その分、先週は酷使しちゃったんですけどねー爆)



 なんだろ?
 例えば、好きで毎週買っていた、ゴマせんべいがあるんですけど、消費税5%の時は98円なのに対して、8%移行後は101円と。

 ま、よくよくに考えれば、3円のアップなんですよね(笑) 

 なのに、値段を見た途端、思わず「高っ!」ってつぶやいちゃう。

 それが、見る商品、見る商品、軒並みそんな感じなんで、買い物をしていて、すっごくストレスを感じるんですよねー。


 あと、そもそも買い物量が少なかったっというのはありつつも、今日は、店に滞在していた時間もかなり少なかったような気がしますね。 
 
 ま、計ったわけじゃないですけど。
 たぶん、滞在時間。
 2/3くらいには、少なくなってたんじゃないでしょうか?



 そんなことを考えると、今回の消費税増税。
 地味ぃ~に。
 でも、確実に経済によくない影響があるんじゃないのかなーって(?)


 だって、このまま「101円」っていう価格では、
消費者は買わないですよね
(手が出にくいですよね)。

 末尾が「8円」の価格っていうのは、それこそ消費税が存在する前から (買いやすくするために)ずーっとあったわけですから。
 そのうち、間違いなく「末尾が8円」という値づけが復活するはずですよね。

 でも、小売が「末尾8円で売る」ためには、卸やメーカーに値下げ要求をするしかないわけで。

 今の世は、消費者と直結している小売の方が立場が上みたいなところがありますから、そうなれば卸やメーカーは値下げするしかない。

 卸やメーカーが値下げすれば、そのしわ寄せは産地や材料メーカー、下請け等にいく。

 その結果、値下げのしわ寄せは、それらの会社の社員や産地の収入や雇用に悪影響をおよぼし、今度は消費活動が低下する。

 消費活動が低下すれば、小売は、消費者に買ってもらうために価格を下げるしかなくなって、メーカーや卸に値下げ要求をすると。


 って。
 つまりそれって、90年代中頃からずーっと続いてきた
デフレと全く同じ構図じゃん!(爆)

(とかいって、実際は今も続いてんだけどさ…)


 はぁー……
    ↑
 まさに、青息吐息(笑)






 安倍さん、黒田さん。
 一応、頼りにしてるよ!!
 日本人、みんなさ!

 (ま、少なくとも、今んとこは……笑)



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2014
04.03

グローバル社会の恐怖(笑)

Category: guchitter
 

 いやはや、ウインドウズ8。
 まさか、日本語入力でつまづくことになるとは……


 わっはっは!






 結局、新品交換してくれるってことで……
 チャンチャン (爆)


 ほっ…


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