2013
07.31

海離れなんだってさー



 月曜の朝だったか、朝のニュース見てたら、海水浴離れが進んでるってニュースやっていて。
 なんでまた?って、それをブログネタにしようと思ったんですけど。
 途中まで書いていたら、その海水浴客離れの根拠となっているデータの読み方、ホントそれでいいのー?って気がしてきちゃって。

 ま、考えてみればそんなこと、くどくど書いてもつまんないだろうし。
 てことで、海にまつわる思い出をいくつか…

 あ、いや。
 海にまつわる…とかいっても、オバケは出てこないんで(爆)



 まぁぶっちゃけ。
 私、ハンマーなんで。
 どっちかというと、海は苦手です(笑)

 いや。
 海は好きですよ。
 ていうか、大好きです。
 苦手なのはね、海水浴(笑)

 そう。考えてみれば、海水浴らしい海水浴って、小学生の時に行ったくらいかなー。
 いえいえ。
 苦手とか言っても、スッゴク楽しかったんですけどね(笑)
 あ、苦手っていえば。
 私、海水浴どころか、プールすら、最後にはいったのいつか思い出せないくらいですね(笑)

 プールっていえば、某国の某ホテルにプールがあったんですけど。
 なんでも、プールに入る分には、まぁ問題ないんだけど…。
 そのプールの水飲んだら、コレラになるかも!って言われたもんで寄りつきもしなかったって…(爆)


 まぁそんなわけで、基本的に海水浴とかプールとかにとんと縁がない生活を送ってる私ですけど。
 だからって、水に浸かると溶けちゃうってわけじゃぁありません。

 そんな、海水浴とかプールに縁がない私が海に誘われたのは、まだ学生の頃だったか、それとも卒業した後だったか。
 ふいに大学の友だちに、海に行かないかって誘われて。
 まぁ気軽に行っちゃったんですね。
 
 とはいえ、根本的にハンマーですし(爆)
 そのせいもあって、ずっと海とかプールとか全然縁がない暮らしをしていたわけで。
 そんな意識してたわけでもないですけど、水が怖いっていうのはやっぱりあったんでしょうね。

 一緒に行ったのは、大学の友だちですから。
 やっぱり、そういうのは敏感に察したらしいんですね。
 あの時っていうのは、確か腰くらいの深さのとこにいたんですけど。
 後ろからいきなりガバーって押さえ込まれ、沈められちゃって。
 その一瞬、憶えていることといったら、静かぁ~な緑色の水の中の光景と、そこをワカメみたいな水草がヒラヒラ漂ってたことくらい(爆)

 ただ、それはほんの一瞬のことで。
 あっという間に水の中から出た私は、多少ゲボゲボやりながらやたら顔の水を拭ってたんですね。
 でも…
 な~んか、変な気配を感じて。
 え!?って、後ろを振り返ったら…

 そこに立ってたのは、血まみれの人……

 ギャー!
 まぁ、普通はそうなるんでしょうけど。
 その血まみれの人が、すぐに一緒に来てた友だちだってわかったんで。
 思わず、「どうしたの、オマエ。大丈夫か?」って聞いたら。
 「オマエだよ!オマエーっ!」
って、なにやらギャーギャー騒いでる……

 いやもぉ私は、何が何やら「???」だったんですけど。
 その友だちが言うには。
 私の後ろからそーっと近寄って、押さえ込んで一気に沈めたまではよかったらしいんです。
 でも、その瞬間。
 殴られるわ、蹴っ飛ばされるわ、おまけに引掻かれるわで、堪らず私を押さえてた手を離しちゃったんだと。

 で、見てみたらもぉ大変。
 顔といわず、腕といわず、肩といわず、まぁぶっちゃけあちこち…
 殴られたり、引っ掻かれたりで、血まみれになってたと……

ってまぁ、そりゃ自業自得だよなー(爆)

 ていうか、その友だち…。
 海水が、引っ掻き傷に沁みて痛くてしょうがないとかで。
 せっかくの海水浴だったんですけど、その後すぐ帰ることになっちゃいましたとさ。

 めでたし、めでたし。



 で、まぁ海水浴といえば、やっぱり水着ですよね。
 これは、私でなく友だちの話なんですけど。
 その友だちも、学生時代やっぱり山やってて(ていうか、中学生の時、その友だちと山始めたんです)。

 その友だちが、大学の時、サークルの合宿で何日もずーっと山を縦走して。
 山から下りてきて、そのまま海に行ったんだそうです。


 で、まぁそれはよかったんですけど。
 サークルに1人、変な洒落っ気のあるヤツがいたとかで。
 で、そいつが穿いてきた水着っていうのが、なんと白い海パン!

 いや。海に入る前は、みんなで「おー!」とか、「わー!」とか言ってたらしいんです。
 でも、いざ海に入ったら…

 ね。つまり白なんですよ。
 わかりますよね?
 水に濡れた途端、それは透けちゃって……(爆)

 いやもぉ。
 マジ、モロ見えになってたとかで ←あんま想像したくないけどー!

 で、もぉ、みんなクスクス、クスクス…
 一方、それに気がついたホワイト海パンくんは、慌てて浜に戻ろうとするんだけど…
 そんなとっても面白い状況で、誰もホワイト海パンくんを浜に返すわけありません(笑)

 そんなわけで、なんとか隠そうとする手をみんなで引っ張ったり…
 さらにはみんなで抱え上げて、さらに沖に放り投げたりと、その透け透けの白い海パンをクスクス笑って楽しんでたとかで。

 で、実はそのサークルに1人だけ女の子がいたらしいんです。
 その子、自分以外みんながクスクス笑ってることに、さすがに変に思ったんでしょうね。
「どうしたの?ねぇどうしたの?
 みんなクスクス笑ってて…。
 ねぇどうしたの?
 わたしにも教えてよー!」
って、何を考えてんだか、やけにしつこい、しつこい……(爆)

 いやもぉ。
 ソレがあまりにモロ見え状態なだけに、さすがに教えるわけにもいかず(笑)
 (ていうか、ホントに気づいてなかったのかよ!爆)
 合宿後のお楽しみだった海水浴は、早々にお開きになっちゃいましたとさ。

 ま、山の後の海水浴という、荷物を極力減らさなければならなかった状況ゆえお話なんでしょうね(笑)
 てことで、めでたし、めでたし。



 で、次もやっぱり水着のお話。
 …というか。
 水着とその中身のお話っていうか、水着は関係ないっていうか……

 ほら、高3になると早々にクルマの免許取っちゃうヤツっているじゃないですか。
 私の友だちにもそういうヤツがいて。
 で、夏休みになって早々、そいつの運転で海に行こうってなったんですよ。
 ま、海に行こうっていっても、海水浴じゃなく。
 海までドライブして帰ってくるって、そんなノリです

 確か、クルマは定員イッパイだった記憶があるんで。
 ま、4人とか5人とかで行ったんだと思います。
 もちろん、男ばっか(笑)

 で、海に着いて。
 ま、海に着けば、当然そこには海水浴客がたくさんいますよね。
 海水浴客ですから、当然それは全員水着姿です。
 当然、そこには男もいれば女もいて…
 で、水着姿…

 でもって、それを見ている私たちは、全員高校生の男……


 いやー、あん時っていうのはどのくらいの間、それを眺めていたのかわかりません。
 ただ、それは、最初「っ!」って声にならない驚きに始まって。
 次にそれは、「クスっ」って密かな笑いに変わり…
 やがて、それはいつしか「なに考えてんだ!」とか、「このどスケベ!」みたいな大爆笑に変わってました。

 いやもぉ、ホントびっくり(笑)
 ボクたちは、健全に、ただ海水浴場を見ていたはずなのに…
 なぜか1人だけ、鼻の片方の穴から血が、たら~りって……



 ってまぁ。
 海離れなのか、そうじゃないのか知りませんけど。
 でも、夏の海って、ホント楽しーなーって。
 こんな楽しーこと、イッパイしなきゃ絶対損です(笑)
 それこそ鼻血なんて、うんと若いうちじゃなきゃ出ませんから(爆)

 めでたし、めでたし(笑)





 ていうか、ビッグデータとか、やたらはしゃぐのもいいですけど。
 でも、データはちゃんと読んでほしいなーって。
 まさに、Feel It allなのかなーって(笑)





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2013
07.28

盗作



 月曜日

 月は東に 日は西に







    盗作というか…、パクリというか…

    というより、ぶっちゃけあんまり面白くなかったなーっていうか……





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2013
07.28

わんわんわん




 駅を出て、歩いてたら。


 生垣と生垣の間から、

 いきなり、わんわんわん!って。


 あ、犬か…って、そっち見たら、

 なんとそれはネコ。


 えぇーっ!?って、よくよく見ても、

 その丸っこい顔に三角の耳、淡い茶色のトラ模様は、

 やっぱりネコ。


 なのに、わんわんわん吠えてる。


 なんだ、オマエ、

 ネコか、犬か、どっちだ?

 って聞いたら

 わん!ってひと吠え。


 な~んだ。

 犬だったんだ…
 









              あ…
              もちろん夢ですよ





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2013
07.28

和紙ジーンズ



 今週の頭だったか、朝のニュースを見ていたら、和紙を織り込んだジーンズというのを紹介していて。
 なんでも通気性がよく蒸れる感じがないんだとか。

 ふーん…って見ていたら。
 TVの人が「これ、洗っても大丈夫なんですか?」って言ってて。
 まぁ和紙のジーンズってわけじゃないんだろうから、そりゃ洗ったって問題ねーだろーなんてなことを思っていて、ふと。
 ジーンズって、やっと最近は「洗うモノ」に戻ったんだなーって(笑)


 ねぇ。
 つい何年か前…、いや、もう十年以上前か?
 ジーンズは洗わないって人、結構いましたよね。
 というか、そういう意味じゃ、その頃ってジーンズとはあまり言わなかったですよね。みんな、ジーパンって言ってたような気がします。

 ジーパン、Gパン、ジーンズ、またジーパン、でもってまたジーンズ……


 というか…
 あのジーンズを洗わないのって、なんでそんな風になっちゃったんですかね?
 だって、西部劇見てたって、洗濯したジーパンが干してある光景あったような気がするんだけど…!?
 (あ。西部劇って、もしかして普通の人は見ない…!?爆)。



 ま、そんなわけで。
 今ネットで見たんですけど、色落ちするのがイヤみたいなんですねー。
 ふーん…
 いやー、もー、ジェネレーションギャップ!(笑)
 私、ジーンズって色落ちするのがいいって思ってたんだけどなぁ~

 ま、時代は移りにけり…ってとこなんでしょうけどねー。
 (きっと、来年辺りはジーンズは色落ちするのがいいに変わってるさ!)


 と、まぁそんな流行云々はともかく。
 ジーンズはやっぱり洗った方がいいと思いますよ。
 やっぱりあの頃、ずっとジーパンを洗わなかった知り合い…
 なんでも、雑菌が繁殖しちゃったとかで。
 よりにもよって大事なあの部分に、なにやら出来物が出来ちゃって、手術する破目になったって言ってましたから(笑)




 で、まぁ。
 やっぱり、そんなジーンズじゃなく、ジーパンを洗わない人が多かったあの頃。
 たまたま、そんなジーパンを洗うor洗わないの話題になって。

 その場にいたのは、まず私(やたら頻繁に洗う派)。
 私より、ちょっと年上の男性(頻繁かどうかはともかく、洗う派)
 私より、全然年下の男性(洗わないものだと思ってた派)の3人。

 まぁその時の話の流れっていうのは、洗うor洗わないの話題が何となく出て。
 私はとにかく頻繁に洗う方(というか、洗いたい方)なんで、「えぇー、汚いじゃん。オレは絶対ダメ…」みたいなことを言ったんだと思います。
 それに対して、全然年下の男性が、
「いえ。汚いとかそういうんじゃないんですよ。
 ジーパンって、洗っちゃダメなもんだって…、
 そういうものだって、思ってたんです」って。

 で、まぁ私はいつもひとこと、ふたこと余計なことが多いんで(爆)
 たぶん、「えー、だってパンツは一度穿いたら洗うじゃん。それと同じじゃん」みたいなことを言ったんだと思います。

 そしたら、全然年下の男性、
「ほら…。ジーパンを洗わないとなる、
 あのしなしなというか、カパカパというか。穿いた時の、あの感触が好きなんですよねー」って。

 すると、今まで黙ってたちょっと年上の男性が、
「えー、オレは洗ってパリパリに乾いたジーパン穿くのが好きだけどなー」って。

 いやもぉ私、それには「うんうん!そうそう!」って大納得で。
 「特に真夏の、もうパリンパリンに乾いちゃったヤツを穿く瞬間っていいですよねー。お日さまの匂いかんかしたりしちゃって」な~んて。
 ま、全然年下の男性も、あくまで「洗っちゃダメなもんだって思ってた」ってだけで。特にこだわりがあったわけでもないらしく、その場はそれで終わっちゃったんです。



 ただ…
 あとになって、その時のことを思い出していて。
 その全然年下の男性が言ってた、「洗わないジーパンの、しなしなというか、カパカパという感触が好き」っていうのが何だか気になって。

 まぁ「しなしな」「カパカパ」っていうんですから。
 それって、たぶん柔らかい触感なんですよね。
 それに対して、私や私よりちょっと年上の男性が好きな触感っていうのは、「パリパリ」や「ゴワゴワ」ですから。
 つまり、まるっきり正反対なわけです。

 いったい何じゃそりゃーって思っていて、ふと思ったのが。
 「あ、もしかして柔軟剤?」


 日本の家庭で柔軟剤の使用が多くなったのがいつ頃か、まぁよくわかりませんし。
 また、私の子供の頃、家で柔軟剤を使っていたかどうかもわかりません(ただ、家で柔軟剤を見た記憶ってないんですよねー)。
 さらにいえば、その「洗わないジーパンの、しなしなというか、カパカパという感触が好き」と言っていた、全然年下の男性の家で柔軟剤を使っていたかも不明なわけですが。

 とはいえ、私や私より年上の人の「パリパリ」や「ゴワゴワ」が好きと、年下の「しなしな」「カパカパ」が好きというその感覚の境にあるのは、柔軟剤を使うor使わないの影響の可能性はあるのかなーって(笑)
 つまり。
 あのジーパン洗わないブームの陰には、柔軟剤を使う世代の家庭と、使わない世代の家庭のジェネレーションギャップが、ちょっとはあったのかもなーなんて(爆)



 そうそう。
 ジーンズっていえば。
 前々から不思議でしょうがなかったのが、ヒゲ加工ってヤツ。
 ぶっちゃけ、あれって。あの加工を施したジーンズは、どれも同じくあの模様が入ってるってことですよね?
 もしかして、ジーンズの色落ちを嫌がる人と、そのヒゲ加工を求める人っていうのは、全然違う人なんでしょうか?





 まったく、流行ってヤツは。
 いつの時代でも、つくづっく不思議だなぁーって(笑)
 









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2013
07.28

59話目-3

Category: 怪談話


*59話目-1はこちら 
 http://kaidansweets.blog.fc2.com/blog-entry-205.html


「ちょ…、ちょっと大丈夫っ!」

 ガタンって大きく鳴ったテーブル。
 Gさんは、その音で我に返った。
 気がつけば、半分椅子からずり落ちたような格好の自分。
 それは、右手首をテーブルの端に押し付け、かろうじて椅子からずり落ちなかったような感じ。
 ずり落ちそうになって、たぶん一瞬右手首で体を支えたのだろう。
 そこが、ズキズキと痛かった。
 状況がやっとわかって、慌ててまわりを見まわせば。
 自分を見つめる、うろん気な目がいっせいに逸らされていく…。

「大丈夫なの!
 あ、えっ!もしかして、持病なんかあるの?」
 ふと見れば、目の前のU子さんは、半分腰を浮かしたままの姿勢。
 眉をよせ、心配そうにGさんを見つめている。
「いや…。
 うん。いたって健康だけど…。」
 うん。そうだよな?オレ、健康だよな?
 この前の健康診断…、っていっても、もう1年近く前もだけど…。でも、全然問題なかったもんな。うん、うん。そう、間違いない。
 なんて、いちいち頭の中で確認しないと、そのことが確信できない変な頭の中。
 オレ、今、いったいどうなってんだろ…!?

「あーっ!わかった。
 Gさん、もしかして…、毎日ちゃんとご飯食べてる?」
「ご飯…?」
 ご飯って?…って、U子さんの言われるままにそれを思い起こして。
「昨日は、確か仕事で遅くなって…、
 コンビ二で買ったおにぎりを会社で食べたかな?」
「もぉ!それだけぇ?朝は?」
「朝は、もうずいぶんと食べてないなぁー。」
「あー…。Gさん、それぇ…。
 いくら今は大丈夫だからって、そのうちおかしくなっちゃうよ…。」
「ここ2、3日、忙しくてたまたまだったんだって。
 ちゃんと食べてる時だってあるって。」
「あー、わかった。ねっ、今からさ、一緒にご飯食べに行こ!
 で、栄養つけてさ。ね!」


 U子さんに、そう誘われたGさん。
 食事かぁ…。それはいいなって思っていて…。
 でも、すんでのところで。
 U子さんは今結婚していて。そして自分は、離婚して間もない昔の付き合っていた男だって気がついたんだそうです。
 他の者同士ならともかく、オレはちょっとヤバイだろ…って。
 旦那さんが知ったら決していい気はしないだろうし、そしてそれは最終的にはU子自身にふりかかってくる。
 さらに、たぶんそれは結局自分にもよくない。
 最近は、一人きりの毎日になんとか慣れてきてるんだから、そういうことはしない方がいいって。
 なにより、目の前のU子が、あまりにあの頃のまますぎる…。
 なぁ~んてことを、Gさんは色々と思ってたそうなんです。
 しかしまぁ、こういう展開で…
 とはいえ、男なんて案外そんなもの。


「あ、ゴメン…。
 ほら…、うん。さっきさ、ちょっと食べちゃって…。」
 ま、ウソではなかった。
「えぇぇー、なんだぁ…。
 ほら、ケンカして別れたお店って、この近くじゃない?
 今更、行ってみるのも面白かなぁーって思ったのにぃー。」
「あ、やっぱり憶えてたんだ…。
 うん…。そうだよなぁ…。」
 そこまで言って、ふっと笑みがこみ上げてきたGさん。
「フフっ。
 でもさ、ここら辺りじゃ、いくらなんだってもうないだろー。」
「そっかなぁー。
 ここら辺りだって、残るお店は残ってると思うのよ。
 あそこは、残っていてもいいお店だと思うけどなぁー。」
「でもさぁ、通り見てみろよ。
 ブランドショップばっかりになっちゃって…。
 ホンっト、つまんなくなっちゃったよな。この辺りも。」
「なに言ってんのよぉ。
 街は、Gさんとわたしの世代の好みに合わせて変わってるわけじゃないんだからぁー。」
「いや、だからこそつまんないって思うんだよなぁ。
 今ってソレなの?って気がしちゃってさ。」
「歳、歳…。フフ…。
 そんなこと言うのって、折り返し点を過ぎちゃった人間のあがきだって。
 若さっていうのは、その時その時の流行に素直に乗っていくことなんだって。」
「そうかぁー?
 ていうかさ。オレは、そんなこと言ってるU子が、
 あの頃一番素直じゃなかったって気がするけどな。ぷっ…」
「なぁに、それ。
 なぁんかさ。まるで、わたしが素直じゃなかったみたいじゃなぁ~い?」
「素直じゃない?
 あのさぁ、少なくともU子が素直ってことは絶対ないと思うけどな。
 で、それってさ。
 もしかしたら、オレが一番よく知ってるんじゃないかって思うんだけどな。」
「あっ!Gって…。
 わかってくれてなかったんだなぁー。
 そっかぁー…。やぁっぱりねぇ…。
 うん。もしかしたら、そっかなぁーって思ってはいたんだけどねぇー。
 あのさ。わたしはさ、今だって、あの頃だって。誰より素直なんだって。
 ただ、誰もそうは思ってくれないだけ…。」


 そう言ったU子さんのちょっとヒリヒリした表情は…。
 ホントまるで、あの頃のU子さんの顔そのもので……。
「……。」
 じっとそれを見つめていたGさんは、なんだかやけに嬉しくなってきちゃって。
 そう。それは、パーっと。
 なんだかしばらく忘れてたような開放感。
 気がついたら、ゲラゲラ笑い出していたGさん。
 そして、「なんだよ、その顔ぉー!」って。
 そう言ったら、ヒリヒリした感じのU子さんの表情が急に柔らかくなって。
 U子さんも、やっぱり笑い出しちゃっていたといいます。

 そして、U子さんは、
「わたしもそうだけど、Gって全然変わんないねぇー…。
 でも、そのくせずいぶん変わったんだね…」
ってしみじみと…。

「いやさぁ、わかってたよ。」
「…?」
「U子が素直だってことはさ。
 だからさ、たぶんそれもオレが一番…、わかってたんだよ。
 うん、たぶんね。でもさ……。」
「でも…?」
「…………うん。あー、忘れた。
 さぁすがに、そこまでは憶えてないな。
 だってさ、あれから、結婚なんてもんもしちまったし…。」
「なによぉそれぇー!」
「結婚もしちまって、離婚もしちまって…。
 そんなことまで憶えていられるわけないじゃん。」
「フフっ。いろいろあったんだねぇー。
 そのくせ変わんないよね。話を最後まで言わないとことか…。
 それから、それを自分だけでカッコイイって思ってるとこも。」
 一瞬の間のあと、ブブって笑い出したのは二人一緒。
 いろんなことが、たまらないくらい可笑しかった。


「あのね。知ってる?
 エジプトのピラミッドに、造った当時の落書きが残ってたって話…。」
「ピラミッドぉ?」
「うん。当時の落書きだから、当然象形文字で書いてあってぇ。
 それを見つけた学者たちはもう大興奮よ。
 なんて書いてあるんだろう?って。」
「へぇー。」
「でね、解読したらしいのよ。その落書きを。」
「ふーん。で、なんて書いてあったの?」
「最近の若者ときたら…、挨拶が出来ない。行儀が悪い。
 自分勝手で、年寄りのことを馬鹿にして、言うことを全然きかない…。
 その他、現代の年寄りがが年少者に言うことばかり…。
 それはもう、あっきれるくらい現代と同じだったって…。」
「なんだよ、それぇ…。
 え、ピラミッドっていったら、4000年?5000年?
 人間って、それからずっと全然変わらずに、
 近頃の若いもんときたら…って繰り返していたってことかよ?
 おいおい…。それは笑えるなぁー。」
「でしょ。」
「で、その裏側辺りに、現代の若いヤツが上の年代のヤツに言うことと同じことが
 書いた落書きがあったら、もっと笑えるんだけどなぁ。」
「あ、それは確かメソポタミアの遺跡で見つかったって…。」
「メソポタミアって…。
 じゃぁそれは楔形文字で書いてあったってこと?」
「たぶん、そうなんじゃない?」
「なーんだよ、ウソか。」
「フフフ。ウソ、ウソ…。
 あ、でもピラミッドの話はホントよ。
 っていうか、作り話かもしれないけど…。
 でも、結構昔からある話。」
「ふーん。でも面白いな。いいなぁー、そういう話…。」
「うん。いいでしょ。
 Gはね、絶対好きだと思ったんだぁ、この話…。
 だぁって。
 さっき、この辺がブランドショップばっかになっちゃって、
 つまんなくなったって言ってたじゃない。」
「なんだよ。そこかよー…。
 あ!なんだ…。なるほど。わかった!
 そうか、そういうことかよー…。ぶっ!ハハハ…」


 ふと…。
 Gさん、「役回りが、なんだか逆になったみたいかな?」って思ったんだそうです。
 つまり、あの頃だったら…
 二人の会話の中にU子さんの自分の考えやらこだわりやらが、やたら飛び交っていて。それに対してGさんがなだめたり、茶々入れたり──、もちろん同意もしたり。
 そういう構図だった関係が、15年たって、たまたま会ったらなぜか逆になってるみたいだなって。
 面白いなぁー、不思議だなぁー。
 でも、もしかしたら不思議でもなんでもないんだろうなぁー。
 Gさん、そんなことを考えていたといいます。


「ねぇ。雨、まだ降ってるのかな?」
「あ、そうだな。もう、さすがにやんだかなぁ。」
「ねぇ。やんでたら、あそこ行ってみない?
 あのレストラン…。」
「だっからぁー。いくらなんだってもうないって…。
 そりゃさ、ピラミッドは今でもあるんだろうけどさ…。」
「フフフフ…。なぁによー、それー。
 いいじゃない。わたしは絶対いまでもあると思う。
 でも、Gは、ないって思ってる。
 行ってみて、今でもあったら食事をして帰る。
 なくなってたらそのまま帰る。
 どう?これ。面白くない?」

 そう言ったU子さんの顔。
 そして、その顔に浮かんでいる微笑。
 なんだか、そこだけがまわりの色彩と違ってるようで…。
 まるで、そこだけが別の世界みたい──。いや、別の世界の人のようなと言ってしまっては、あまりに安易で陳腐な慣用句って感じで。

 それは、その夜。
 Gさんにとっての3度目の目眩……




――── 本日これまで!
                59話目-3〈了〉/59話目-4につづく メルマガ配信日:10.6.2
                                             *無断転載禁止



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2013
07.27

59話目-2

Category: 怪談話


*59話目―1はこちら
 http://kaidansweets.blog.fc2.com/blog-entry-205.html


「U子…。いや、Eさん。
 あ、えーと。もぅ、Eさんではないのかな?」
「やーっぱり、Gさんなんだ。
 えぇぇーっ!何年ぶり?」

 何年ぶり…。
 そう。あれは、ささいな口ゲンカが妙に大きくなっちゃって。
 でも、あれって何年前のことなんだろうか……

 記憶を思い巡らしているのは、目の前のU子さんも一緒だったのだろう。
 2人とも、しばらく黙って顔を見つめていて。
「10年…。
 いや、それどころじゃない?14年?15年?」
「そうね。ちょうど15年──。
 えぇぇー。もう、そんななるんだぁー…。」


 そのU子さんという女性は、Gさんが社会人になってから最初に付き合った女性だったんだそうです。
 Gさんより歳は下だったんだけど、U子さんはデザイン系の専門学校卒業後勤めていたので、会社では1年先輩。
 Gさんが仕事にまだぜんぜん慣れていない頃、たまたまあるチームで一緒になって。
 Gさん、一緒に仕事しながら、いい感じのコだなって次第に魅かれていって。そのチームで、やっとひと仕事片付けた時に誘ったのが始まりだったんだそうです。


 最初の頃は、そのデザイナーの卵らしいこだわりとか、感性とかが新鮮で、とにかく一緒に時を過ごすことが刺激的で楽しかった。
 でも、仕事に慣れてきて忙しくなるにつれて、いつの間にかそういった鋭い感性とか強いこだわりとかが、心のどこかでうっとおしいように感じられてきて…。
 もしかしたら自分のそういう心に気がついていれば、もう少しうまくやれたのかもしれない。
 でもその時は、まだそれに気づけるほど二人とも恋愛ってものを知らなかったのだろう。
 「休みだっていうのになぁ…」って寝不足の目で家を出た、ある休日のデートで、たまたま入ったレストランで口喧嘩になって…。

 気がつけば、家に向かう電車に揺られながら、1年ちょっとの付き合いが終わったことに妙にホッとしていた。
 その後は、一緒に仕事をする機会もなく…。
 たしか、どこかのデザイン事務所に転職したような記憶が……


「現在は、転職したデザイン事務所?」
「ううん。ずいぶん前に結婚してね。
 その時、あそこもやめたのよ。」
「へぇー、U子さんのことだから、
 結婚しても仕事続けてそうだけどなぁー。
 なぁーんか意外…。」
「うん。実を言うと、わたしも予想外だったかな…。
 で、どうなの?Gさんは…。
 Gさんのことだからキレイな奥さんもらって、
 Gさんそっくりな息子さんかさんかなんかいるんじゃない?」
「ハハハ!いきなりイヤな質問だなー。
 結婚さ…、したのはしたんだけどさ、別れちゃってさ。
 うん。ちょうど1年くらいになる──。」
「あっ、浮気!…でしょ。」
 そのU子さん、そう言って、Gさんのこと指さして、ケラケラ笑っている。
「いや、そうじゃないとは思うんだけど…。でも……。」
 Gさんは、そう言いながらあの1年ちょっと前の離婚を決めた時の頃のことを思いだしていたら。
 それよりなにより、U子のヤツ、話し方とか、ちょっと丸くなったかなぁーなんて。


 Gさん。実はそのU子さんの外観があまりに変わってないことに、ちょっとビックリしていたんだそうです。
 あの頃のように髪が長いままからかな?
 いやー、ふっくらした頬の張りとか、二の腕の肌の感じとか、全然あの頃のまんまだよなぁー…って。

 Gさんが、そのことに気がついた時、思わずじっと見つめちゃったっていいます。
 そしたらU子さん、無意識なのか意識的なのかそこをしきりと手で撫でてていたとかで。
 それを見たGさんは、やっぱり自分でも意識してきれいにしているのからなのかなぁーって。
 そして、Gさん。
 もしかして、アイツより全然若いんじゃないか?って、一瞬U子さんより4歳年下の別れた奥さんのことを思い浮かべていて…。
 ふいに。
 あ、U子と口ケンカして別れたレストランって、確かこのすぐ近くだったよな?
って、思い出したんだそうです。

 とはいえ。
 でも…。
 この東京で知り合いに…、それも昔付き合っていた女にばったり出会うなんて、そうそうあることじゃないよなぁー。
 いや、まっさかなぁー…
 な~んて。
 それは、Gさんが無意識のうちに、目の前のU子さんの顔をしげしげと見つめちゃってた時。
 そんな、ちょっと不躾ともいえるGさんの目の中の色に気がついたのか……

 ぷっ!
 噴出したU子さん。
 そして、口で手をおさえて可笑しそうに笑ってる。
「…?」
「かわんない…。
 フフフフ…、ハハハハ…、かわんない…。
 Gさんって、全然かわってない。
 ハハハハー。おっかしいー。」
 そう言って、ひとしきり笑ってたU子さん。
 それでもまだヒーヒー言いながら。そして目尻までこすりながら。
「あー、もう可笑しすぎて涙出ちゃった…。
 ふー、フフフ。あー、もうダメ。
 まっだ可っ笑し…。フフフ…。」
「えぇ?なにぃー。
 なにが、そんなに可笑しい?」
 なにがなんだかさっぱりわからないGさん。
 その時には、すっかりあの頃と全然変わらない容姿のU子さんを変に思ったことなんてこと、もうすっかり忘れていた。

「Gさん、あれでしょ?
 あの頃みたく、わたしのこと、幽霊かなんかじゃないか?
 な~んて思ってたんでしょ?」
「えっ!?そんなこと──。」
「そうよねぇー。
 あの頃は、Gさんの話にずいぶん怖がらさせられたよね。
 今でも憶えてるよ。
 ふられて自殺した女が、ふった彼氏に付き纏う話とか…。
 あぁー、そうそう。
 あれ、怖かったなぁ…。
 今でも、あの時すごく怖かったの憶えてる…。」

 怪談話なんて、話しているその時は楽しくても、後でそんな風に言われるとちょっと気恥ずかしいもの。
 Gさんも、やっぱり妙に気恥ずかしくなっちゃって、ひたすら笑ってごまかすばかり。

「そうよ。わたし、結婚したなんてウソ。
 あなたと別れた後、すぐ死んだの…。
 お風呂で手首切ってね…。」
「そう。あの時、あなたが話してくれた、
 あのこっわぁ~いお話の女と同じにね……。
 うぉぉぉぉ~ぅ!フフフフ。」
「っ!」

 Gさん、U子さんがそう言ってる間、まるで金縛りにでもあったみたいに動けなくて。
 U子さんが、ふざけて「うぉぉぉぉ~ぅ!」って両手をだらんと下げて近寄ってきて、Gさんの腕に触れた瞬間、やっと口が開いたようなありさま。
「ち、ち、ちょっと…。変なこと言うなって…。」

 気がつけば、まわりからひしひしと感じられる好奇な、そしてちょっと冷たい視線。
 そりゃそうだろう。「うぉぉぉぉ~ぅ!」なんて唸りながらおどけてる女と、それに怯えたような男の組み合わせ。しかも、それはお互いいい大人。
 どこぞのテーマパークならともかく、ここらあたりじゃ変な目で見られて当たり前。

「あのさ、U子…。」
「あ、うん。」
 まわりのその視線に気がついたのは、二人とも同時だったらしい。
 Gさんは、U子さんの腕をつかむと、そのファッションビルの中へ。
 その、GさんがU子さんのことを昔のように「U子」って呼んだこと、腕をつかんだことなんて、お互い全然気がつかなくて……。
 確かこのビルって、中にカフェかなにかあったよな…って、GさんはU子さんと肩を並べてエスカレーターに。
 エスカレーターのステップの上。お互いの腕がぴったり触れ合っていることにも、やっぱり全然気づかない。


 Gさん、その時は、そのU子さんが結婚してるんだとか、自分が1年前に離婚したこととか、そんなことすっかり頭から忘れ去っていたっていいます。
 気持ちが、もう完全にあの頃──、つまりU子さんとつきあっていた15年前にとんじゃってて。
 そう。だって、ちょっと顔を横に向ければ、あの頃のまんまのU子さんの笑顔があって。
 いや、もちろんそのファッションビルにいる人も、その店の装いは全く現在なんだけど…。
 でも、まわりの様子が現在であるがゆえに、かえって違和感がなく気分だけあの頃にいっちゃったのかもしれないっていいます。


 地下のカフェは、混んでいたにもかかわらず幸い席が空いていて…。
 そこは通路に面した小さなテーブルと椅子が2つの席。

「しかし、あんな(怪談)話、よく憶えていたなぁ…。」
 あんなに気恥ずかしかったのに、懲りずにその話題をむし返すGさんもGさんなら、その話題で平気なU子さんもU子さんなのだろう。

「わたし、Gさんっていうと、イコール怪談なのよね。
 Gさん、ドライブに行った時なんて、もう延々話していたじゃない?」
「そうだっけ?」
「で、あれ?別れた奥さまにも、やっぱりそんな風に話してたの?」
「えっ!?どうだろ…?」
 え、アイツに怪談話なんて、話したことあったか?
 うーん…。
 全然話さなかったってこともないんだろうけど…
 でも、そんな場面の記憶…、全然ない。

「え、なによ。
 わたしには、そんな怖い話ばっかりしてたくせして、
 別れた奥さんには、楽しい話ばっかりしてたってこと?」
「そういうわけじゃないんだろうけど…。
 でもなんだろ?
 アイツにそんな怪談話なんて話した記憶、全然ないんだよなぁー。
 そういえば、アイツってもしかして、
 そういう話が嫌いだったのかな…!?」
 そう言って、Gさんの視線は自分の頭の中に。
 でも、すぐに目の前に座るU子さんに戻って、
「うん…。
 確かにそう言われてみれば、あの頃は
 U子さんに、よく怪談話をしてたような気もするなぁ。」


 Gさん、そんなことを自分で言いながら、そのくせ実はそのことの具体的な記憶は、全然思い浮かんでなかったんだそうです。
 でも、U子さんにそう言われていたら、なんだかそんなことがよくあったような気がしてきたっていいます。


「で、どうなの?
 まだ、わたしのこと、オバケだって思ってる?」
「えぇっ!?」
って、Gさんが見つめたU子さんの顔、そして表情。
 さっきは、ビルの入口のどちらかというと明るくはない場所だった。
 しかし、今は煌々とした明かりの下。
 やっぱり頬の張り、腕の肌の感じ、それ以外も…
 そしてなにより目。いや、目の中の色が──。その目の中からふっくらと浮かんでくる微笑が……
 こんなにまるっきりって、ホントかよ?って言いたくなるくらい、あの時のまま。

 えぇぇっ…
 ウソだろっ!?
 Gさんが、今夜二度目の目眩に襲われたのはその時。
 目の奥から見ている、目の前のU子さんの顔、それからまわりの光景が…
 斜めに10センチくらい、するっとズレた触感があった。




──── 本日これまで!
                59話目-2〈了〉/59話目-3につづく メルマガ配信日:10.6.1
                                             *無断転載禁止




*ブログの無断転載は、呪い・祟り等ご自身に大過を招くこととなりますのでご注意ください。




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2013
07.27

朝の咆哮



 金曜の朝。
 目が覚めたら、
 なぜか、8時45分すぎだった……



 あっちゃっぽぉぉぉぉぉーーーーーーっ!









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2013
07.24

最近、天気悪くって最悪!あ、そうそう『最悪』っていえば…

Category: R&R


 そうなんですよー。
 奥田英朗の『最悪』、読み終わっちゃって。
 いやー、半分くらいからは、ほとんど一気読みでしたー。


 実は、出だし読み始めた時は、ちょっと失敗したかなーって。
 だって、読んでてやりきれなくなってきちゃうんですよねー。
 この本は、主人公といえる人物が3人いて。
 それぞれのパート毎に話が進んでいって、2/3くらい進んだところでその3人がひょんな出会い(笑)をして。以降、一気に話が加速していくっていう構成になってるんですけど。

 その、銀行に勤めるみどりのパートの出だしを読んでると、ホンっトやりきれなくなってくるんです。
 なんてったって、雨の月曜日で話が始まるんですから(爆)
 
 暗い朝の空を眺め、駅まで歩いていこうか、自転車で行こうか悩む。
 そのまま書くと“骨を折って少し濡れるか、少し楽をして派手に濡れるか、考えたくもない選択があるだけなのだ”と。

 いやもぉ、奥田英朗。
 読んでる人に、そういう日常のささいな憂鬱を思い起こさせるの、ウマすぎです(爆)

 いや。読み終わった今となっては、それこそ(爆)なんて笑ってられますけど、いやもぉホンっトイヤーな気分になっちゃって。
 ぶっちゃけ、その日はそこで読むのやめました!(爆)

 で、まぁ。
 とにかく、2/3までは延々3人のソレ、なんですよ。
 な~んてこと言うと、読んでない人は「ウェ~」ってなっちゃうと思うんですけど。
 そう、確かに「ウェ~」なんですけど、なのに結構ペラペラページめくっちゃうとこがスゴイ…
よなぁ…。うん(笑)


 まー、なんていうんですかね?
 こういうブログでの本の感想を読む人って。
 一つには、読もうかどうしようか迷ってて。アマゾンのレビューとか見ても、面白いのか面白くないのか、いま一つピンとこなくって。
 じゃぁってことで、本棚サイトの感想見るんだけど、それでも「うーん…」って。
 で、ブログに書いてある他の人の感想を読んで。
 「あ、コイツは、オレが(わたしが)好きなあの本を面白いって言ってんだから、コレも面白いかも!」ってな具合に、自分が次に読む本の参考にする人。

 あと、もう一つはブログ・サーフィン(って言葉あるの?)してる時の、ひとつの指標として見る人。

 そのどっちかなのかなーって思うんですけど。
 で、まぁたまたまこの『最悪』を読もうかどうしようか迷ってる人がこれを読んでたとしたら(まー、そういう場面では、まずこのブログにはたどりつかない気もしますけどねー爆)。

 グダグダ迷ってないで、さっさと読んじゃいな!
って感じですかね(笑)
 というか。
 もしかしたら、そういう本(そういうことを言いたい?)なのかなーって。

 ま、エンターティメントですから。作者が、特に言いたいことなんてあるのかないのかわかりませんけど。
 でも、私が読み終わって思ったのはソコです(笑)



 というわけで。
 読もうどうしようか迷ってる人は、今頃は読もうって決心したか。
 でなければ、「このブログはあんまり参考になんねーなー。そもそも、怪談なんて好きなヤツは、オレよりバカに決まってんもんなぁ…」な~んて言って、他の方のブログに行っちゃってる頃だと思いますんで(爆)
 以下、ネタバレ全開でいきます。


 たぶん、シリアスに読んじゃぁダメなんですよね。
 この本って…。

 ラストのパートで、ヤクザの山崎が、
「なんでおればっかこんな目に遭わなあかんのや。
 たかがチンピラ脅かしただけやないか。
 それがなんで組にケジメとられて、
 御殿場くんだりまで追いかけさせられて、
 おまけに警察に包囲されなあかんのや。
 こんな不幸な男がどこにおる」

って、ひとりごとを言うところ… ←この場面大好き!

 銀行強盗の時、セクハラ支店長が、手近にあった信次郎のお金(ただし、その時点では銀行内にあるので、たんなるお金にすぎない)を、つい銀行強盗の和也に差し出しちゃうところ… ←この場面も好き!

 そもそも、それらの場面の突端である、主人公3人が銀行強盗という場面で出会っちゃうところからして、喜劇以外何ものでもないんだろうなーって。


 とにかく、前にも書きましたけど。
 読み始めた時は、主人公の3人それぞれの日常のささいな憂鬱やウンザリが、これでもかこれでもかって書いてあるんで、もぉホントイヤんなっちゃったんです。
 でも、読んでるうちに。
 「あ、コレって喜劇なんだ!」って気がついたら、たちまちすらすら進んで、最後までなだれこんじゃったと(爆)


 ただ、そんな風に喜劇として読み終えて、ふと考えてしまったのは。
 結局、私はこのお話の世界を、主人公3人の立場にたって見てただけなのかなーって。

 信次郎、みどり、和也。この3人って、結局私と同じどうしようもないくらい一般庶民で、人に遠慮する面があって、やさしくって。それゆえ、日々の憂鬱やウンザリに悩まされてるわけなんですけど。
 ま、和也なんかは、普通の一般庶民とは言い難いのかもしれませんけど、でもそれは生まれた時から居場所がないがゆえなんでしょう。
 現に、自分を頼りにするめぐみという少女は絶対裏切れないと、どツボに嵌っていきますし。
 また、ラストの4人の逃避行(?)では、ドタバタはあるものの3人に思いやりの気持ちを持つようになります。

 で、まぁ。
 私は主人公3人の立場にたって読んでるから、コレを読んでそういう解釈をしましたけど。
 あらためて、よくよく考えてみると。
 実はこの3人って、この3人をウンザリさせるマンションの住人や、セクハラ支店長、ヤクザの山崎等々さまざまな登場人物と、実はなんら変わらないんだろうなぁーって。

 現に、和也が銀行強盗に来る前。
 みどりは、解約に来た信次郎を思いっきり蔑んだ目で見ますし。信次郎は信次郎で、たまたま窓口にいたみどりに無茶苦茶あたります。
 その後、たまたま銀行強盗が起こるんで、二人の頭からはそんなことどっかいっちゃいますけど。
 でも、もし銀行強盗がなかったら、みどりは信次郎にとっての、信次郎はみどりにとっての、たんなる日々のウンザリでしかないんですよねー(笑)
 つまり、主人公の3人ですら、それぞれの視点で他の主人公を見れば、それはマンションの住人だったり、セクハラ支店長と同じってことなんでしょう。

 で、ある意味。
 たぶんそれっていうのは、マンションの住人から見た信次郎であり、セクハラ支店長から見たみどりでもあるんですよね(爆)
 お話では、マンションの住人やセクハラ支店長はあくまで脇役なんで、その私生活や内面は全く出てこないわけですけど。
 でも、もしかしたら、マンションの太田は取引先に無理言われてるかもしれないし。太田婦人は、太田の浮気に悩まされているのかもしれない。また、セクハラ支店長はセクハラ支店長で、家では粗大ゴミ扱いされてるのかもしれない。
 それこそ、全員それぞれが月曜の朝にウンザリしてるのかもしれないわけで……(笑)

 ま、そんなことを思ったのは。
 上でも書きましたけど、やっぱり主人公3人が逃げ込んだ御殿場の別荘に乗り込んだ、
ヤクザの山崎の当惑なんでしょうね(爆)


 そういえば、ずいぶん前に「アメリカの面白い会社」だったかな?
 そんなタイトルの、一種のビジネス書(なのか?笑)の中に書いてあったことがスゴっク気に入っちゃって、しばらく会社の机の前に貼ってたことがあって。
 それっていうのは、
他人ばかりでなく、自分自身の馬鹿さを笑える鋭いユーモア感覚は、
 全ての、あるいはほとんどの悪徳から身を守ってくれる”
 


 まぁーねーーーーーーーー……………………
 難しいですけど(爆)


 とはいえ、主人公3人のように真面目にまっとうにごくごく普通に生きてても(ま、1人はあてはまんないんだけど…爆)、やっぱり真面目にまっとうにごくごく普通に生きてるマンションの住人だったり、セクハラ支店長の餌食にされちゃうような世の中なわけで。
 そーいう意味じゃ、まっとうにごくごく普通に生きるためにある程度の武装は必要で。
 また、そうなった時はそうなった時で、主人公3人のように、“ブチ切れ”、“思いっ切る”ことも必要なのかなーって(爆)

 ま、そんなこと書くと、反社会的ぃ~!とか言われちゃうのかもしれないですけどねー。
 ただ、社会なんてもんは、自分がそこに属せるからこそ社会なわけで……(って、ダメ?笑)



 追記:
 そういえば。このお話を読んでて、つくづく印象深かったのは、例のマンションの住人太田ですねー。
 至極まっとうで、いわゆる模範的市民で、賢いんだけど。
 想像力が皆無っていうか、ぶっちゃけ国民は法によって守られてると信じ込んじゃってるっていうのか。
 そういう人って、ここ十年くらいとっても多くなったように思います。
 というか。もしかしたら、こういう人って昔から普通にいて。
 ネット社会になったことで、そういう意見が表に出てきやすくなった(言いやすくなった?)ってことなのかもしれませんけど。

 まぁ今の世の中って。太田の方が、「正義」になっちゃってるのは確かに事実ですけど。
 でも、弁護士を通じて200万要求したことで、信次郎がカーっとなっちゃって。腹をプスか、頭をゴチンってやられたらそれで終りっていうのも、ある意味事実ですよね(笑)
 そりゃ、そんなことすれば信次郎は逮捕されて、社会から制裁を受けることになるわけですけど。
 でも、プスかゴチンで死んじゃったら、そんなことわかんないしー(爆)

 日本ってぇのは、確かに法治国家ですけど。
 でもそれは、どんな悪いことでも、法を犯して捕まって裁判がなされて、初めて悪いことをしたヤツが罰せられるにすぎないわけじゃないですか。
 他人から恨みかって殴られたり刺されたり、あるいは殺されちゃったら。
 変な話、どんなに法が罰しようが、社会的制裁を受けようが、そんなこと、被害を受けた個人からすれば大した意味ないわけですよね。
 だって、被害を受ける前には、絶対戻れないんですから…

 とはいえ、工場の騒音に「カーっ!」てなって、あれこれ苦情言うのも。苦情に「カーっ!」てなって、プスしちゃうのも。
 まー、どっちも「カーっ!」ゆえなわけで、ある意味どっちもどっちで、どうしようもないってことなのかもしれないですけどねぇ…(笑)

 「風が吹けば桶屋が儲かる」とか、確か豊田有恒だったかの「プリンス・オブ・ウェールズ再び」とか。
 な~んか、いい方法ねーのかなーなんて(爆)
 ていうか、イギリスで王子が生まれたばかりっていうタイミングで、そんな例えを持ち出したら怒られますよね。
 上記は全然そういう意味で言ったんじゃないですよー。誤解しないでくださいねーって、書いたところで感想終り(笑)






も、一つ追記
 この『最悪』って本。
 なにが最悪って、なんともまぁ3人の周りにいる人たちが最悪なわけですけど(いや、実は3人も含めて全員最悪?笑)
 でも、そんな最悪な3人にも友だちがいて、また3人はその友だちとの友情を大事にするんですよね。
 この本は、そんな友だちに教わりましたー!
って締めちゃったら、ええカッコしーっぽくって、カッコ悪すぎますよね(爆)





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2013
07.22

最近、なんだか義務のようになってる気もするけど…


 へん!
 月曜なんて、屁のカッパさ!










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2013
07.21

謎の冷汁



 あっつい夏の朝。
 一度、食べてみたいもの……

 冷汁!!




 冷汁っていうのがポピュラーになったのは、例の猛暑だった2010年か、その前猛暑だった年の夏くらいからですかねー。
 あ…、そう。
 例の東国原氏が宮崎県知事になった頃、宮崎の郷土料理として、やっぱり話題になってた記憶があるから…。
 てことは、2007年とか08年くらいですかね。


 いや。冷汁っていうものがあるっていうのは、実は結構前から知ってたんです。
 昔、読んだ本に出てたんで。
 ただ、それには確か「ひやっ汁(ひやっちる)」って出てたように思うんですけどー???


 で、話がちょっと変わるようですけど。
 個人的なことなんですけど、私は暑いからって食欲なくなるとか、あっさりしたものが食べたくなるって、まずない方で。
 というか、暑いと、むしろしつこくて、こってりしたものをガンガン食べたくなるくらい(笑)
 ソーメンみたいな、冷たくてさっぱりした食べ物っていうのは、どっちかというと苦手です。
(アイスクリームは最近はまぁ好きですけど、かき氷は今でも好きじゃないです)


 まー、そういう人ですから。
 冷汁が話題になっても、特に興味なかったんです。
 ただ…
 そう、やっぱり、あれは2010年より前の猛暑の夏(07年?)ですね。
 朝、ご飯を食べた後に、腹に入ったご飯の熱で汗がだらだら出るのがイヤになっちゃって。

 で、確かその頃、TVのCMで冷やしウーロン茶漬けっていうのをやってて。
 憶えている方も多いかと思いますけど、あのTVCMって、確かご飯の脇に氷が浮いてたんですよ。

 で、ためしにそれを買って食べたんです…。
 まぁ味はまぁまぁだったし、冷たいんで食後に汗だらだらにならないのはよかったんですけど。
 ただ、毎日食べるのにそれを買うのは、ちょっとなんだし。
 何より飽きちゃうだろうしで、どーしたもんかなーって思ってた時に思い出した(それともTVで見た?)のが、その冷汁だったと。


 とはいえ…ですよ(笑)

 冷汁って、
「クソ暑い最中、こんなメンドくせーもん作るヤツいるのかよーっ!」
ってくらい手間かかるし、火もガンガン使いまるよね(笑)
 いやもぉ、それこそ。
「アジの干物焼いたなら、もうそれでメシ食えら~い!」
てなもんです(爆)

  *ちなみにの冷汁の作り方
   http://www.miyazakiya.jp/hiyasiru_1.html


 いやホント。つくづく思うんですけど、
 冷汁って郷土料理ってことですけど、いったいあんな手間がかかるもの、いったいどんなヤツが食べてたんでしょう?
 どう考えたって、庶民が日々食べるメニューじゃないですよね。
 ま、料理の手間に対する感覚は、昔と今では単純には比べられないとはいえ。


 で、まぁ。
 あまりの手間のかかり具合に、冷汁にあたるのはそれくらいにして(爆)
 冷汁って、要はすりゴマが入った味噌汁と、ほぐした焼き魚じゃないですか。
 ありあわせの材料を使って、なおかつ極力火を使わないで出来ないもんだろうか?って思っちゃったんです(笑)


 てことで。
 たぶん、推測するに冷汁の味のポイントは“コク”ですよね。
 冷たくはしても、あまりサッパリさせすぎないっていうのが、コンセプトとしてあるんだと思うんです。
 だから、すりゴマを使ったり、焼いてほぐしたアジと味噌を混ぜて、さらに火に炙っって香ばしさを出すんだと思うんです。

 とはいえ。
 極力、手間かけない、火ぃ使わないですから…(笑)

 ま、ベースは、前夜に作りおきした味噌汁だろーと。
 かといって、そのまま使うのは季節柄コワいから、温めるのは必須。
 ただ、氷で冷やすとなると、薄まっちゃうから…
 夜の時点で、味噌を足して味を濃くしておく。

 ということで、次はすりゴマです。
 ま、それは。
 その頃って、ゴマドレッシングが好きで冷蔵庫によくあったんで、それでいいだろうって。
 ドレッシングだけに甘味も酸味もあるんで、好都合だろうと。

 で、次が難関の、アジの干物を焼いてほぐしたヤツです。
 最初は、鮭フレークかなんか使おうかって思ったんです。
 なんなら、鮭フレークを軽~くオーブンで炙ってみようかと。

 ただ、そこではたと。
 オーブン使ったら暑いだろう…って(笑)

 というか。
 極力手間かけない、ありあわせの材料を使うがポイントですから、これのために鮭フレークを買うのはルール違反なわけですね。

 てことで。
 魚(アジの干物)は省略でもいいかなーって思った時、ふと思いたったのが「混ぜ込みワカメの鮭味」。
 そーだ。これなら、これ自体に味もついてるからちょうどいいやって(笑)



 まぁそんなわけで。
 アジの干物の焼いたのと、味噌にアジとすりゴマを混ぜて焼いた「香ばしさ」っていうのはないにせよ。

 まず、前日炊いたご飯をレンジで温めて ←だって食中毒の季節ですから
 前日作って、味噌を増量した味噌汁も温めて ←だって食中毒の季節ですから
 温めた味噌汁に、割って小さくした氷を大量に投入して冷やして
 で、どんぶりによそったご飯には、混ぜ込みワカメとゴマドレッシング

 と、まぁこの時点での見た目は、相当悪かったです
 でも、味噌汁かけちゃえばそんなもんわからなくなるわけでー(爆)
 そうそう。
 しょうがをすったのなんて入れると、風味よくなるよな…なんて(笑)


 いやもぉ。
 見た目は、ぶっちゃけ「ネコまんま」そのものーっ!(爆)

 とはいえ、別にネコまんまキライじゃないしー。
 どんぶりを持ってみれば、それはヒンヤリ冷たくって~♪
 で、期待をこめて、一口!!



 うん。
 まぁー、なんだ…
 やけに複雑な味のネコまんまが、冷たくなったって感じかなぁ…って。 ←って、そのまんまじゃん!(爆)

 いや、うん。
 全然マズイとかじゃないんですよ(いや、ホント!)
 ただ…
 特にウマイってもんでもないかなぁーって(爆)



 まぁそんなわけで。
 インチキ冷汁は、その後も、次の夏も、いろいろ試しましたねー。
 ゴマドレッシングを、ゴマつゆにかえてみたり。
 たまたまなんかで見た、トマトジュースおじや(もちろん冷たいヤツ)で、ちょっと方向性を転換してみたり(笑)
 トマトといえば、トマトつゆなんかも試しましたねぇ…



 で、いろいろ試した結果、結論は…

 全然マズイってわけじゃぁないんだけど、
 特にウマイってもんでもない。
 結局、そこからは脱却出来なかったと……(爆)
 



 とはいえ、食べても汗だらだらにならないっていうのはメリットなんで、いまだに夏暑い日が続くと食べたりしますねー(え、もしかして引きます?)
 ま、今年はまだ一度もないですけどねー(笑)


 最後に
 言わずもがなだと思いますけど、塩分や糖分の摂取を控えてる方は絶対やらない方がいいと思います。








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2013
07.21

59話目

Category: 怪談話


 今回のお話は、再会のお話です。

 再会って…。
 な~んか、ロマンティックな言葉なんですけどねぇ…


 Gさんっていう、40代半ばの広告代理店に勤めてる男性のお話です。
 Gさんは、いわゆるバツイチってヤツなんですが、それがあったのはバツイチになってちょうど1年目くらいの時だったと。
 それは、独りの暮らしにすっかり慣れてきた反面、胸のうちの寂しさが完全に染み付いちゃったようなそんな頃。
 Gさん、そのことがすっかり落ち着いちゃったような日常を過ごす中で、ふっと舞い込んできたんだっていいます。

 で、まぁ再会がからんだお話と…
 うーん…
 再会って。ロマンティックな響きもある反面、怪談話だとどことなく不気味さもありますよねぇーって。
 いやもぉ、煽っちゃぁ~いけません(爆)

 あっ、そうそう。
 実はGさんって、怪談とか、結構そっち系の話が好きな人で。
 そんなわけで、私とは変に話が合う人なんですけど。
 ただ、別に見るとか感じるとか、そういうことは全くないとかで。
 そういう意味じゃぁ全くの普通の人なんですけど、なんかの拍子にそういう見方の物言いするっていうか…。
 まぁつまり、そのGさんって、
怪談話はするのも聞くのも、いろいろ想像するのも大好き!
って、そういう人なんですね。



 Gさん、その日は午後からずっと、東京の表参道にある小さなデザイン事務所で打ち合わせしてたとかで。
 その打ち合わせは、意外に早く終わって。
 時計を見れば、まだ6時前。
 事務所に連絡入れても特に何もなし。
 いつも帰り遅いことだし、帰れる時はさっさと帰ろうって思ったらしいんですけど。でも、Gさん。通りを往く人の波を見てたら、なんだかちょっとフラフラしたくなって。
 とくにあてどもなく、あの界隈をフラフラしだしたんだとか……


 歩きながら、あいかわらず人が多いなって。
 年齢のせいなのか、それともブランドショップがやたら多くなったせいなのか。
 フラっと中に誘われるような、そういう雰囲気の店が少なくなったよなぁ…。
 な~んてことを考えながら歩いているGさん。

 それこそ、流行やらおしゃれやら女の子やら…そういったものに誰もが興味を持ち始める年頃の15、6歳の頃から。そして大学時代、20代、さらに30歳前後から現在と、色々な思い出を塗り重ねてきたこの界隈。
 そのひとつひとつをあえて思い起こそうって気にもならないけど、でも歩きながら目に飛び込んでくるふとした風景や物を見るたび、過去の情景が浮かんでは消えていく…。

 なんで、今日に限ってこんなに昔のことばっかり思い出すんだろ?
 最近は、年がら年中来るような場所ではなくなったものの。
 それでも、さっきまで打ち合わせしていたデザイン事務所や仕事で、月に何回かは来ている。
 いつもは、そんなこと考えたことないのに…って。

 ふと、道の向こうを見れば、ケヤキ並木越しの夕焼けの中に真夏のような入道雲の黒いシルエット。
 7月上旬じゃ、さすがにまだ梅雨明けってわけにはいかないんだろうけど、この蒸し暑さからしても気分的には、もう夏。
 そんなどこか青っぽい気持ちに、そういうことかな…って納得したような、納得しないような。
 そんな中。
 そういえば、ここ曲がって入った所に、学生の頃よく行った店があったな…


 Gさん、そんなことを思い出して、ふと細い道を入ったんだそうです。
 確かここ入って、曲がって、それから…なんて思い出しながら歩いていると、驚いたことにその店、まだあったんだとか。
 外から見えるビールメーカーの名が入った販促用の小物なんかは、さすがに変わってるんだろうけど、でも雰囲気は記憶にあるまま。
 とはいうものの、Gさんのその店の記憶、そんなに鮮明に残ってるってわけでもなかったらしいんですけど。
 で、Gさん、なんとなく中に入っちゃったんだそうです

「 いらっしゃいませ」って声に、思わず入口わきのレジに立っていた若い店員の女性の笑顔。見れば、それはクールに短いショートカット。
 そんな、何気ないことのひとつひとつが、Gさんの気持ちを過去へとさらに誘う。

 気持ちだけ笑顔で、すぐに視線を店内向けて見回しているGさん。
 途端に、うわーって甦ってくるあの頃の記憶。
 そうそう、入口入ってすぐ半地下と中二階に向かう階段があって…。
 モノトーンの内装…!?
 あ、そういえば、そんなだったかも?
 いや、違うか?うーん…
 Gさん、そんなことを思いながら、あの頃妙に落ち着くので好きだった半地下の階段すぐ脇のテーブルに。
 幸い、中途半端な時間のせいか、お客はほとんどいなかった。

 普段のように、生ビールを頼もうとして、ふと…。
 「カンパリ・ソーダある?」って、注文に来たウェイトレスに。
 昔って、そんな風にちょっとでもカッコよくしよって、一生懸命背伸びしてたよなぁーって。

 なにか食べるか?とメニューを開いたら、ちょっとガッカリ。
 あの頃は、中華料理をくずしたようなメニューが妙に小洒落てて、かつ美味しかったんだけど、メニューに並んでいるのはありきたりなものばかり。
 きっと経営者は変わったんだな…
 そんなことを思いながら、店内を見回しているGさん。
 ジャズなのか、古いポップスなのか、ゆったりとした感じの女性ボーカルの音楽がかかっている。
 そういえば、あの頃こんな感じの歌を歌うポップス歌手がいたっけ。なんていったけかなぁー。
 アノ野郎が、確かスゴク好きだったんだよなぁー。
 この店に何度か一緒に来た記憶のある、学生時代の友人の顔が脳裏に浮かぶ。

 平日とはいえ、妙なくらいお客のいない店内。
 ずっとかかっている音楽以外は何も聞こえない。
 Gさんは、なんだかすっかり落ち着いてしまった。


 気がつけば、時計は8時前。
 やれやれ1人でずいぶん落ち着いたもんだと席を立ったGさん。
 レジでお金を払いつつ、ふと外を見れば道路が濡れている。
「えっ、雨。」
 思わず口に出たGさんに、ウェイトレスの女性が、
「これでも、やっと小降りになってきたんですよ。
 ついさっきまで土砂降りだったんですからー。」って。

 「ありがとうございましたー」の声に追い出され、ドアの外に出てみれば、確かに相当降った様子。
 アスファルトのあちこちに水がたまっていて、しずくの波紋に揺れている。
 空が黒く低い。
 夕立か…。
 昼過ぎに事務所出ようとした時、あんまり天気がよかったもんだから、傘は持ってこなかった。
 でもまぁ地下鉄の入口は、ここからさほど距離があるわけではない。
 それほど濡れることも無くたどり着けるだろうと、小走りに走り出したGさん。

 と、いきなり。
 まるで、あたり一面が踊りだしたかのように青白く照らし出される。
「っ!」
 夕立が戻ってきたのか?
 足をさらに早めるGさんの耳に遅れて聞こえてくるのは、ちょっと寝ぼけたようなゴロゴロという音。
 ふいに雨粒が大きくなって──。
「ヤベっ!」
って、目の前の大きな水溜りを跳び越した。


「ひゃぁー、参ったぁーっ!」
 表の通りに出た頃には、夕立は完全に戻ってきちゃって。
 その、ザァーっ!って、つんざくような雨音。
 並木の傘なんて全然役に立たない。
 大慌てで、近くのファンションビルの入口に飛び込んで。
 フーって一息ついて、低い雲のたれこめる暗い上空を見上げていて。
 雨のせいだか、走ったことで汗をかいたのか。服がべっちょりと肌に張り付いて、気持ち悪いことこの上ない。

 しかしまぁすごい雨だな…。
 いつもなら、たくさんの人たちが往き交っている歩道なのに、いまはほとんど誰も歩いていない。街の出す色々な灯りの光に、無数の雨粒の線が照らされているばかり。
 すっかり雨に覆われた路面で、往き交うクルマのたてるシャバババーっていう音。
 空が思い出したように光って。
 やっぱり忘れた頃になって、やっと聞こえてくるゴロゴロゴロ。

 地下鉄の入口は、あとちょっとなのになぁ…って。
 考えることは誰も同じなのか?
 雨の中駆け出していく人もいるんだけど、雨の降る線に霞んでいくようなその後姿を見ていると、こりゃもうちょっと待ってるしかないなぁーなんて思っているGさん。


 それは、そんな思いもひと段落して、まるで達観しちゃったかのように降る雨をぼぉーっと見ていた時。

 「あれ!?Gさん…、ですよね。」って横から声をかけられ。
 「えぇっ?」って、そっちを向いたGさん。
 いったい現在っていつなんだっけ?って。クラっと目眩のようなものがよぎった。




――── 本日これまで!
               59話目-1〈了〉/59話目-2につづく メルマガ配信日:10.5.31
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2013
07.21

震えたり、噛んだり…



 もうずいぶん前。
 ケータイを買い換えた時、気まぐれで目覚まし時計代わりに使ってみようかって思って。

 で、その夜…
 夢を見たんです。
 まな板で、野菜かなんかを切っている夢。
 トントントン切ってたら…

 いきなり、まな板がブォーンって音をたてて振動しだして。
「わわわわわ!な、なんだ!なんだ!なんだ!」
って、もう驚きまくってたら目が覚めて(笑)

 なんのことはない、寝る前にケータイのマナーモードを解除するのを忘れてて。
 目覚ましの時間になったんで、ケータイのバイブ機能がブォーンって呻ってたと(笑)

 まぁそんな風に。
 近くでしてた音とかが、夢のストーリーに入ってきちゃうことって、たま~にありますよね。



 そういえば、知り合いに、整体やマッサージに行くのが好きって人がいまして。
 その人とは、あるツアーで知り合ったんですけど、女性のわりにはあけすけ…、というと、なんだかあまりいいイメージじゃないか?
 裏表がないっていうか…、うーん…。
 まぁつまり。いい意味で、あっけらかーんとあけすけなんですね(笑)


 ツアーの時に知り合ったわけですから、その時って当然初対面じゃないですか。
 ま、初対面といっても、その時はもう4日目か5日目くらいだったと思うんですけど。
 その人が、「マッサージに行くのが好きなんですよー」なんて話を始めて。
 でね。たんに、マッサージの話なら別にいいんですけどー。

 でも…、

「垢スリをしてるといつもタオルが落ちちゃって。
 途中から、いつもスッポンポンになっちゃうのよねー。
 一瞬恥ずかしいとかって思うんだけど…
 でも、気持ちいいからどーでもよくなっちゃってー。
 後から思うと、いったいどんな恥ずかしい格好してたんだろって、
 その時のわたしの格好を想像すると、なんだか笑っちゃうのよー」

 みたいな話をされた時は、どういうリアクションとればいいんだろうって…。
 (一緒にその格好を想像して、ウフフかグフフって笑えばいいんでしょうか?)
 いや…。
 ホンっト、あの時はマジ困りました(笑)


 あ、そういえば。
 その人に、タイ式マッサージが超キモチいいからいってみなよって、ススメられたことがありまして。
 まー、あん時っていうのは何かとち狂ってたのか?
 勧められるがまま、つい行ってみちゃったら…

 いやもぉ阿鼻叫喚!
 最初から最後まで絶叫!絶叫!また絶叫!
 あまりの痛さに、冗談抜きでホンっト死ぬかと思いましたよ。
 私、拷問でタイ式マッサージされたら、5分ともたずにある事ない事全部白状しちゃう自信ありま~す(爆)



 で、まぁそれ以来。
 その人にはマッサージは勧めても、絶対行かないから…って言ったんですけど。
 この間、その人と話をしてたら、またマッサージの話を始めて…

 例によって、マッサージに行ったんだそうです。

 うつぶせになって、全身揉んでもらってて…
 あー、気持ちいいって、そのうちウトウトしてきて。
 ところが…
 ふと、お尻のあたりが変な感じになってきたとかで。
 マッサージをしているというよりは、カリカリ、カリカリ引っかくような、なんかそんな感じ。
 え!?なに…って思った途端。
 カプって、それはまるでお尻を噛まれたような感触!
「キャっ!」

 ……って、飛び起きて辺りを見回せば、そこは自分の家。
 すぐ傍では、飼っているネコが怯えたような様子で、こっちを見ている。
 ……!?


 その瞬間、思い出したんだそうです。
 くったくたで帰ってきて、とりあえずシャワーを浴びて出てきたら。
 つい、そのまんまウトウトしちゃって。
 ペットのネコにエサもあげず…
 髪もろくろく乾かさず…
 いやもぉ、それどころかスッポンポンで寝てたんだと(爆)

 
 その人曰く。
「あの子、お腹空いてたんだろうねー。
 最初は前足でカリカリやってたんだろうけど、
 わたしが起きないもんだから、たぶん頭きちゃって、カプって…。」

「あれは、ビックリしたぁー。
 わたし、マッサージの先生が噛んだのかと思っちゃってさー。」


 マッサージの先生は、お尻噛まねーよ!
 とは、まぁ言いませんでしたけど…(爆)








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2013
07.20

75話目「百(-90くらい)物語」 ~ネタの虫干し~ 10話目

Category: 怪談話


 ま、この75話目。
 メルマガで配信した時は「百(-90くらい)物語」とか言って、全部で8話だったんですけど。
 でも、このブログでは1話加えて9話になっちゃったこともあり、ならもう1話加えて、ぴったり「百(-90)物語」にするのもいいかなーって。
 てことで、最近仕入れたばっかのネタで10話目!(笑)



 去年だか、一昨年だったか、いや、もっと前だったのか?
 とにかく、夏のことだったそうです。
 もっとも、Lさん。
 夏といっても、夏のいつくらいのことだったかはよく憶えていないんだとかで。
 憶えているのは、とにかく日差しが強く照りつける午後…、それも2時くらいだったんじゃないかなーっていいます。


 休日、暇つぶしにレンタルDVD屋に行ったLさん。
 例によって、たぶん見た後「あー、つまんねー映画だった…」って言うんだろうなぁーって、そんなヤツを借りて店を出た途端。
 それは、痛いような太陽の光と、わんさというセミの鳴き声。
 うんん…。暑い…。
 店の中がちょうどよく冷えてただけに、よけい暑い。
 無意識に拭った額は、もうとっくに汗まみれ。
 ふぅぅー…
 照り返しのせいなのか、やけに白っ茶けて見える、そんなコンクリート色の風景。
 そんな陽炎が見えそうな光景と、降ってくるようなセミの鳴き声の中、ふと左を見れば。
 あれっ。ここ、通れるようになったんだ…。

 いつだったろう?
 もう思い出せないくらい前に始まった、その坂道の工事。
 雑木林を削って、道になって。で、砂利を敷いて、あとは舗装するだけってとこまではあっという間だったように思う。
 でも、そっからパタリと停まってしまって。
 いや、それは全然工事をしてないってわけでなく。工事関係の車両が停まってたり、作業服を着た人が歩いてたりっていうのはよく見かけたんだけど…。
 そう。そこはそんな状態のまま、ずっと鉄パイプを組んだバリケードみたいのが通せんぼをしていて、入れないようになっていた。


 でも、今見ると…
 通せんぼをしている鉄パイプのバリケードみたいなのは、右端の一部分だけなくなっている。
 しかも、そのなくなった部分に向って、やけに白っぽく見える砂利が道となっていて続いていて…。

 あれっ。ここ、通れるようになったんだ…。
 いや、通れるといっても、鉄パイプのバリケードが開いているのは、1mもない幅だし。
 そこに向かっている砂利を敷いただけの道は、さらに狭いから、まだ人が通れるだけ。
 とはいえ、真っ直ぐ伸びたこの坂道が通れるようになれば、Lさんの家へはかなりな近道になる。

 やっぱり、その坂道を使うと便利になる人なんだろうか?
 ちょうど今、鉄パイプのバリケードが開いた場所に向かう砂利道を、ベビーカーを押して行く女の人が1人。
 そこは、踏み固めてあるとはいえ、やっぱり砂利道。
 離れた所に立っているLさんの目に、ベビーカーが小刻みに揺れているのが見えた。


 砂利道は、敷いてある砂利に白っぽい石が多いせいか、照り返しがキツかった。
 その、ちょっと目が眩むような感じ。
 そんなLさんが、鉄パイプのバリケードの開いた所を抜けて、出来たばかりの道に入った途端。
「うわっ。あっつ…。」
 いやもぉ思わず声を漏らしちゃったLさん。
 それは、照り返しなのか?それとも、まだ舗装したばかりで表面が黒々としているから熱がこもるのか?
 新しく出来た道に入った途端、そこは、まるで押し戻される圧力を感じるような。そんな暑さというよりは、むしろ熱さみたいなものを感じた。

 そんな中、視界の先をすーっと伸びている舗装されたばかりの道。
 中央の白線等はまだ引かれてないが、それでも黒々としたアスファルトの両端を通る歩道の縁石の白がクッキリ眩しくて。
 そんな真っ直ぐ上に伸びていく坂道の光景を、何気に目で追っていたLさん。
 いや、目で追っていたといっても。まさか、そんなに高低差があるわけではないから、空しか見えないなんてことはなかった。
 坂の上には、Lさんの記憶にある建物が見えていた。

「ふぅー…。」
 無意識にため息を吐いたら、ふっと…。
 いつの間にか立ち止まっていたことに気がついて。
 そんなLさん、歩き出せばたちまち噴き出てくる汗。

 100mくらいもあるのか?
 まだまだアスファルトの色が黒い、そんな坂道。
 ちょっと前には、先ほどのベビーカーを押す女の人が歩いていて。
 歩くのが早いLさんの足は、その間を一気に詰めて――。
「っ!?」

 それは、スタスタと歩くLさんの足が、ベビーカーを押す女の人の後姿が、すぐ間近に迫ってきた頃。
「ーーー。ーーー。」
 ふと、自分の息が上がっていることに気がついたLさん。
 そう。それは決して荒いってわけではないんだけど、大きく呼吸しないとちょっと苦しい感じがあった。
 そんなLさんの額から、ぽたっと落ちた一滴。
 慌てて拭えば、それはその手にビチャビチャと滴るほど。
「あつい…」

 後ろから来る人の気配に、足を速めたってことなのだろうか?
 つい今の今まで間近に迫っていたはずの、ベビーカーを押す女の人の後姿との間が全然縮まらなくなっていた。
 あーなんだ…。
 あの人が足を速めたから、俺も無意識に足を早めてたってことか…って、Lさん。
 何の気なしに、目を横にやれば。
 あれ…
 この坂って、意外に傾斜キツイんだなぁ…
 そんなLさんは、またもとまらない汗を手で拭って。
 ふー…
 ハンカチかなんか持って出ればよかったよな…
 それは、ふと脳裏に浮かんだ、出かける時の玄関の光景……


 うーん。でもなんだよなぁ…
 昼日中のこんな時間、こんな見通しのいい道。周りには家だって建ち並んでいる。
 いっくら小さな子供と一緒の女の人とはいえ、いくらなんでも警戒心強すぎねーかー……
 そんなことを思っているLさん。

「…!?」
 ふと見れば、いつの間にかすぐ目の前を歩いている、あのベビーカーを押す女の人の後姿。
 その、つばが広い帽子の下の、ちょっと前屈み気味になった小柄な、でも丸みをおびている背中…
 かすかに左右に動く腰から下で、さらさら揺れている長いスカート…
 そして、その前でカラカラ音をたてているベビーカー……

 いや、別に。
 何があったわけじゃなかった。
 しいて言えば、そのベビーカーの女の人が前を歩いてることで、歩くペースが乱されることが面倒くさくなったってことなんだろう。
 歩道を歩いてると、また向こうも警戒して足を早めるかもしれないって、車道に降りたLさん。
 道は鉄パイプのバリケードでふさがれてるから、クルマが来る心配はない。
 今度は斜め前を歩いているベビーカーの女の人を一気に追い越そうと、Lさんは足を早めた。

 なのに…
 な、なんなんだよ、この女…
 やおらLさんの胸にドキンときた何か。
 そう…
 ベビーカーの女の人の後姿との距離が、なぜか全然縮まらない。
 いや。縮まらないどころか、むしろ距離がじりじりと開いていくような…

 はぁー、はぁー
 はぁー、はぁー
 はぁー、はぁー…
 もはや、肩でしている呼吸。
 噴き出る汗は、顔をだらだらと伝って、坂道の黒いアスファルトにぽたぽた落ちていく。
 Lさん、もはや暑いとか、そんなこと忘れていて……

 それは、Lさんがはぁーはぁー言いながら。
 その、全然距離が縮まらないベビーカーの女の人の後姿を、仰ぎ見るように視線を向けた時だった。
 汗が目に入ったのか、急にその後姿が歪んだような。
 Lさんが、慌てて手で拭おうとした時。
 頭の中の、何か一部分をキュッと半回転ねじられたみたいな、そんな……
「うっうぅーん……」
 それは、脳裏に映っていた光景の真ん中がボンっと。
 黒くまーるく抜けるのを見たような、そんな感覚があった。


 我に返った時、Lさんがいたのは、その坂道を2/3ほど上った歩道の縁石の上。
 いや、すぐには状況がつかめなかった。
 ゆっくり周りを見回していて…。
 あ…、そう。坂道が出来てて、上っていって…
 うん!?なんで俺、歩道なんかに座ってるんだろ…
 慌てて立ち上がったLさん。
 その途端感じたのは、日差しとセミの鳴き声。
「うわ。あっつ…。」
 それは、ちょっと変に思えるくらいの、やけに確かな実感。

「あっ…」
 その瞬間、脳裏に浮かんだものに、はっと周りを見回しても…。
 そこにはあのベビーカーの女の人はもちろん、誰もいなくて。
 坂道は、ただただシーンと。
 そして、痛いような太陽の光と、わんさというセミの鳴き声……


 そんなLさんが坂を上りきった時、思わず呟いちゃったこと…
「あれ…。
 あのベビーカーの女って、ここどう抜けたんだろ…。」
 そう。坂の上の、鉄パイプを組んだバリケードみたいなものには、下のバリケードみたく開いた所がなかった。



 その坂道…。
 次の週にLさんがレンタルDVDを返しに行った時には、もうクルマも通るようになっていたとかで。
 Lさん、その後もその坂道はよく通るらしいんですけど。
 でも、時々…。
 またあのベビーカーを押す女がいるんじゃないかと、キョロキョロ見回してしまうことがあるとLさんはいいます。




75話目終わり。フっ!
       ──── 第75話目:「百(-90くらい)物語 ~ネタの虫干し~」 *無断転載禁止




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2013
07.20

夏の朝の寝言とか…


 
 ウチの辺り、昨日からは涼しくって。
 夜窓開けて寝ると、涼しすぎて目が覚めちゃうくらいなんですけど。
 でも、先週とか、木曜の夜なんかは結構暑くって。
 窓を開けっ放しで寝たんです。


 そういえば、私。
 夜窓開けて寝るのが、夏の楽しみのひとつだったりするんですけど(笑)
 今年は、ちょっと困ったことがありまして。

 いや。
 別に、近くの家から夜毎「あは~ん」とか「うふ~ん」みたいな声が聞こえてうるさいっていうんでなく(爆)
 はたまた、近くの井戸から、夜毎「1ま~い…、2ま~い…」っていうんでもなく。

 あれは、そう…、
 いつも4時半くらいだから、
 日の出前後ってことなのかなぁ…

 最近、毎朝そのくらいになると。
 どこからともなく、
 みやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみや……
って。


 いや。最初は遠くの方からなんですよ。
 でも、それは次第に近づいてきて…

 みやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみや……
 みやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみや……


 みやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみや……
 みやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみや……

 みやみやみやみやみやみやみやみやみや……
 みやみやみやみやみやみやみやみやみや……


 みやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみや……
 みやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみや……

 みやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみや……
 みやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみやみや……


…って、いつの間にかどこかに飛び去っていく……



 ま、ここ数年あちこちで話題になってる、ヒヨドリの大群だと思うんですけどねー。

 でね。
 そのみやみやみや…がない朝っていうのもあるんですよ。
 でも、みやみやみや…がない朝は、今度はカラスがうるさいんですよ。

 あのうすっ馬鹿ヤローっ、ベランダの前を鳴きながら横切るみたいなんですけど。
 「かー!」って鳴き声が、寝ている部屋のベランダの前に来た途端、
 それはもぉ飛行機の衝撃波さながらで(爆)

 開いてる窓から、いきなりデカくなった「かー」が部屋の中に突き抜けてくるんです。

 もー、こんな感じ
 かぁぁぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーー


 あ、ちなみに。
 文字が大きくならないんで、ちょっとニュアンス伝わりにくいかなーって。
 てことで、真ん中の大きくなった“ああああああ”の文字は、あと5倍くらいの大きさで読んでもらえるとありがたいです(爆)



 で、まぁ。
 「みやみやみや…」がいぬ間の「かー!」なのか…、
 それとも、「かー!」がいぬ間の「みやみやみや…」なのか。
 まー、その辺はカラスの勝手だか、ヒヨドリの勝手だかはわかりませんけど(笑)

 とはいってもね。
 私、目覚めはいいですけど、寝つきもやたらいい方で。
 「うるせー!」って目が覚めても、その後すぐ寝ちゃえるんですけど…

 でも、一日で一番涼しくて静かで、よって気持ちよく眠れるその時間。
 毎朝、その時間にみやみやみや…だの、かぁーだので、起こされるの……

 もぉホンっト、カンベンしてほしいーっ! 






                     ↑
 カラスやヒヨドリでうるさいのと、この類でうるさいの、どっちがカンベンですかねー(爆)




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2013
07.18

ぼんくらな私の『おまえさん』の感想(?)

Category: R&R


 『シンデレラぁ~の罠』の感想書いてたら、ずいぶん前に書いてそのままになってた『おまえさん』(宮部みゆき著)の感想が放りっ放しになっていたのを見つけまして。
 で、まぁ物はついでってことで。


 そーいえば、本の感想を書くっていうのはとっても苦手です。
 他の方がブログで書いているレビューとか、アマゾンのレビューとか読んでいると、「へぇー、なるほどなぁー」とか、「そんなとこまで、よく気づくよなぁ…」とか。
 はたまた、「なんでそんなカッコよく書けんねん?」(笑)ってホント感心します。

 まーね。読んでいる時や、読み終わった瞬間は、「あー、こんなこと書いたら面白いかも」とか、「こういう風に書いたら、ちょっとカッコええんとちゃう?」(←なんで関西弁?)とか思うんですよ。
 思うんだけど、いざ書こうとなると…。
 なーんか、メンドくさくなっちゃって(笑)
 そのうち、忘れちゃうと(爆)

 まぁ人間なんてぇのは、つい楽をしたがっちゃう生き物ってことなんでしょう。
 つまり、怪談話みたいな、どーでもいいこと書いてる方が全然楽!
 …っていうのは、絶対ありますよね(爆)


 とはいえ。
 読み終わるなり「何か書いてみたいなー」って思っちゃったのが、宮部みゆきの『おまえさん』(←いや。コレ、書いたのはもう何ヶ月も前なんですwww)。

 ということで、上にも書いたように本のレビューは苦手なんで、あらすじは省きます(←ズルイ!)
 どうせ、他の方がレビューでちゃんとしたあらすじを書いてるでしょうし。何より、そっち方が絶対よくわかると思いますし。
 もう一ついえば、この本って、ある意味「あらすじ」を読んでも意味がないっていうか。この本の「すじ(ストーリー)」って、実はあくまで脇役なのかなーって(?)、なんかそんな気がするんですよね。
 それこそ変な話、「すじ」の主題である事件とその真相って、ハッキリ言っちゃうと大して面白くないんです(笑) ←いや、コレまじ褒め言葉!


 話は変わりますけど、考えてみれば、それはこの『おまえさん』の前作の『日暮し』もそうでしたね。
 読み終わってみて、思わず「な~んか地味ぃ~な事件だったよなぁ…」って。
 そのくせ、『日暮し』を読み終わった途端、この『おまえさん』を買ったのは、『日暮し』という本がとっても面白かったからなんですよねー。

 そう。このシリーズの良さっていうのは。
 極端なこと言っちゃえば、主題の「お話(事件)」なんかどうでもよくって。
 むしろ、このシリーズの魅力は、その主題のお話があることで集まった(集まらざるをえなかった)登場人物たちが、ワイワイ動き出すことで生まれる「このシリーズの世界(人間模様)」にこそあるような気がします。

 まぁその「このシリーズの世界」に集まる人たちはみんなキャラが立っていて。そもそもシリーズ3作目ですから、主人公とそのとり巻きをはじめとした御馴染みのキャラクターがいるわけですけど。
 なのに、いわゆる「(たんなる)キャラクター小説」になってないところが、思わず「いやぁ宮部みゆきって、ホントスゲー作家になったなぁ…」って感心しちゃうところかなーって。

 読んでいて思い浮かぶ映像が、現実の世界のようにキチンとグルリと360度感じられる気がするんですよね。
 テレビや映画のように一方向から見たワクの世界の出来事じゃなく、現実の世界のように。この通りでは事件が起きてみんな深刻な顔していても。でも、その1本向こうの通りでは、そんな事件のことなんて知らない人たちがゲラゲラ笑っているみたいな。


 この本は、そんないろんな人のいろんなエピソードが団子になって進んでいくんです(もしかしたら、ある意味『理由』のストーリー展開を発展させたみたいなところがあるのかなぁ?)。
 そのいろんな人の(小さな)エピソードの一つ一つを事細かく書いているから、まぁあの厚さになるんでしょうけどね。でも、その厚さが苦にならないっていうか、というよりもっと厚くてもいいっていうか。
 つまり、それら話の本筋からはずれたところにある小さなエピソードの一つ一つが読んでいてとっても楽しいってことなんでしょう。

 とかなんとか言って、私は第一章の「おまえさん」のパートを読み終わった後、しばらく積読状態にしてたんですけどね(笑)
 ま、それがよかったのか悪かったのかはわかりませんけど。
 読み終わって思ったのは、もしかしたらこの本の醍醐味は、何より第一章の「おまえさん」のパートから続く、第二章以降の連作短編パートにこそあったのかなーって。
 もっとも。これまた宮部みゆき上手いなぁーって思うのは、その連作短編パートは、長い第一章があって初めて成立するし、また味わいが出てくるんですよねー。


 で、その今まで脇役だった登場人物の視点で語られる第一章以降の連作短編ですけど。
 個人的には、主題である第一章の「おまえさん」パートと直接繋がる「磯の鮑」がよかったですね。
 「磯の鮑」を読んでいて、ある意味この『おまえさん』っていう本。シリーズを通じての主人公である井筒平四郎や弓之助って、今回は実は脇役で。しいて言うなら、「磯の鮑」の視点である信之輔が体験した哀しい恋の顛末(一種のグローイング・アップ)こそが主人公(?)だったのかなーって(笑)


 いやもう、この本では宮部みゆき、褒めまくりでしたけど。
 でも、次のこのシリーズで信之輔の次の恋をどう書くか?はお手並み拝見って、結構意地悪な目で見ちゃますね(笑)
 まぁ書かない可能性…、ていうか宮部みゆきはそこまでこの信之輔を重要なキャラクターとしてない気がしないでもないですけどねー。
 でも、宮部みゆきって、そんな信之輔みたいなキャラクターを真っ向から描かないってことが、アンチ宮部みゆきな人たちに付け入られるところなんじゃないのなぁーって(笑)

 もっとも、宮部みゆきくらいになると、アンチな人なんてどーでもいいっていうのもあるだろうし、またそんなの気にしたってしょうがないていうのもまた然りなんでしょうけどねぇ…。
 でも、子供が楽しく読めて、大人も楽しく読めて。でも、よくよく読んでみるとびっくりするくらい骨太で。さらりと書いてあったことが、気がついたら意外なくらいズキリと深く切れてたり。
 変な話、万人ウケする正しいっぽいことを、やけに厳しく書く人ならいくらでもいるんですよ(それこそ、今ならネットライターや素人だってそういう人はいくらでもいますもんね)。
 でも、そういう人って、視点がどっか浮世離れしてるところがあるっていうか。所詮は、「作家」という特異な仕事の人のある意味無責任な視点であることが多いように思うんです。
 ま、無責任であるがゆえに、いい面もあるわけですけどねぇ…。
 ただ、あまりに小学校の学級委員会的ノリっていうか…(笑)

 でも、人間なんて、誰一人としてそんなまっさらな人いないわけで(爆)
 現在の日本っていう世界では、色欲や金銭欲、権力欲ばっかりが、「悪」とされ、「悪」とされるがゆえ醜いイメージがありますけど。
 でも、実は現在の世では、全然肯定されちゃってる物欲や食欲なんかだって、「欲」であることには変わりはないわけで。
 つまり、そんな物欲や食欲なんかだって、結局は醜いんですよ(反面、それが欲であるがゆえに人間らしさってことでもあるんでしょうけどね)。
 ただ、それらが現在では比較的肯定されちゃってる「欲」だから、世間に大っぴらに「欲」を披露しちゃっても否定されないだけで。

 宮部みゆきっていうのは、その辺りの人のどうしようもない生臭い欲も含めて、救いがあるように描いてくれる数少ない作家なのかなーって。
 それが見事に現れたのがこの『ぼんくら』から始まるシリーズなのかなーって気がする……のかな? ←その辺曖昧(笑)


 いや、実は、最初の『ぼんくら』。内容を全然憶えてないんです(笑)
 『ぼんくら』を読んだ頃って、なぜだか本が全然面白くなかった時期だったんですよねー。
 そんなわけで。
 あの時は「宮部みゆきもつまんねー本書くようになったなぁー」なんて、えらそーなこと言って(売っちゃいましたー!爆)。

 今では大いに反省して、買いなおしてまた読みたいんですけど…
 本の再読がなかなか出来ないお年頃っていうか……
 ま、例によって、つまんない「欲」に追いまくられてるってことなんでしょうかね(笑)

 あぁ~あ……








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2013
07.18

シンデレラの罠/セバスチャン・ジャプリゾ著

Category: R&R

 ま、例によって。
 以下、読もうか、読むまいか迷ってる人の参考にはなりません(爆)

 で。
 まず、何より言うとすれば、こんなに読みやすい海外ミステリって、もしかしたら初めてかも!?
っていう言うくらい、ホンっト読みやすいです、コレ。
 コレ読んだ時って、ちょっとバタバタしてたこともあって、結構ブチ切り(いや、別に怒ってたんでなく…笑)に読んだんですけど。
 ブチ切れに読み始めても、とまどうことなく、すぐにすーっと入り込めて。
 旧訳版の訳がヒドいって話でしたから、まぁ相当気を遣って訳したんでしょうかねー。


 で、まぁ中身ですけど。
 お話そのものは、ほんとシンプルなんですよね。
 火事が起きて。
 同じくらい齢の女性のうち、1人が死んで、1人が生き残って。
 でも、生き残った方は顔も指紋も、そして自分が誰かという記憶も無くなっていた…

 やがて、生き残った女性は、自分が「ミ(ミシェル・イゾラ)」という、それなりの遺産を相続する人間だと知らされる。
 でも、記憶を遡っているうちに、ふと自分は遺産を相続するはずの「ミ」ではなく、死んだとされている「ド(ドムニカ・ロイ)」なのではないかと疑うようになって…。
 そんなアイデンティティのあいまいさに、タイトルにもなっている「シンデレラ」(=いわゆる「シンデレラ・ストーリー」のシンデレラ)というキーワードが絡んできて。
 火事の前にあった、ミとドの確執、さらにそれはミの後見人であるジャンヌ・ミュルノという女性との確執。
 さらにさらに、ミドラ伯母さんとの関係も絡んでの、ミから見たドやジャンヌ・ミュルノへの思い、ドから見たミやジャンヌ・ミュルノへの思いの記憶が、それぞれの視点から(様々な主語で)語られていって……

 って、全然シンプルじゃねーじゃん!って(爆)
 うん。そうやって書くとシンプルじゃなくなっちゃうんですけどねー。
 でも、読むとわかるんですけど、ほんっとシンプルなお話なんですよ。
 まぁそんなシンプルなお話を、ややっこしく書いて「え、結局私(生き残った女性)って誰?」って思わすところが、まぁ作者の狙いであり、またこの本の楽しみのポイントなんでしょう(笑)

 そういう意味じゃ個人的には、クリスティの『春にしてきみを離れ』や、レンデルの『ロウフィールド館の惨劇』と似たタイプのお話なのかなーって。
 なーんてことを書くと、「どっこが似てんねん?」って怒られそうですけどねー(笑)

 うん、だからストーリーうんぬんでなく。
 作者がたくみに誘導して、読者の心理を作者が意図するところにもってくって意味で似てるかなーって。

 つまり、『○○○』が、読み終わった後、つい自分の人生と周りの人たちとの関係を省みてしまうように。
 また、『△△△』が、そこでそれをしなければ…って、運命の歯車が次々に動き出していく怖さを感じてしまうように。
 生き残った私はミなのか、ドなのか。いったい誰なんだろう?って、読者を行ったり来たりさせるってことが、作者の意図であり、この本の楽しみ方なんだろうなーって。

 で、まぁ。
 結局コレってそういうことなんだなって思って、ほぼ最後まで読んでたわけです。
 ところが、最後の最後にタイトルにもなっている「シンデレラの罠」っていう、アルジェリアのオーデコロンの話が出てきて。
 「え?作者って、もしかして生き残ったのが誰か明確に示してるぅ~!?」って(爆)

 いやもぉ、これぞホントのドンデン返しでした(笑)
 (あれ?それって、もしかしてネタバレしてる?してないよねぇ…!?爆)

 いや。そのオーデコロンがアルジェリアの物って出てきた時点で、なーんか違和感があったんですよねー。
 アルジェリアはフランスの植民地であったものの、イスラム教の国なわけで。はたして、そんな名前つけるのものかなぁーって(いや、その辺はどうか知りませんよ)。
 と、なーんか引っかかりつつも。
 コレは、「私」はミか?ドか?そのアイデンティティの行ったり来たりを楽しむ小説なんだなーと思い込んだ私は、ラストの一歩手前くらいで、ふっと気を抜いちゃったんですねー(笑)

 そんなわけで、最後のそのオーデコロンのくだりと、さらにその後にある訳者の解説が、ちょっとオタ風になってしまったと…(爆)

 とはいえ、たぶん私みたいな読み方をする人はいないと思うんで。
 そこは杞憂だと思いますけど、もしこれから読む人がいたなら。
 とにかく、最後の最後まで(解説まで)、このお話の謎について神経を張り詰めさせておくことをおススメします(笑)


 ま、記憶の綾をめぐるお話っていうのは、ミステリ小説では常道なわけですけど。
 やっぱり、何度読んでも面白いですよね。
 とはいえ、ソレを見てたんだけど、でもその記憶がなくなっちゃったのーなんて最後に明かされるのはチョッと…って思わないでもないですけどねー(爆) 
(いや。あの本自体は結構好きですよ。だって2回読みましたもん)

 そういえば、コレ(シンデレラの罠)が面白かったんで、思わず同じ主人公記憶無くなり系の『優しすぎて、怖い』(ジョイ・フィールディング)に、つい手が伸びちゃって(笑)
 そっちは2/3くらいまでススんだんですけど、いまだお話の落しドコロが皆目見当つかないところがいいですね。


 あ、そうそう。
 主人公記憶無くなり系では、クリストファー・プリーストの『魔法』も絶対おススメでーす!








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2013
07.16

降霊…。じゃなくって、交霊…。でもなくって、恒例!



  月曜だろうが、火曜だろうが、
 週明けは週明け、同じことさ。
 ふんっ!









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2013
07.15

フライド椎茸



 しっかしまぁ、ひやかしで始めた「グルメ(爆)」ですが、いつのまにやらずいぶん書いてて。
 ま、なかなか大したもんだ!とか思ったり… ←え、何が?
 この調子で第百弾までやると、もしかしてオバケとか出てきちゃうかなーって思ったりもして。


 で、今回は、なんと「フライド椎茸」。
 いや。
 別に“なんと”なんて付けずに、さらりと「フライド椎茸」でも全然OKなんですけど、それはまぁ。
 
 まぁそんなわけで、「フライド椎茸」ですから。
 やっぱり、赤い箱か何かに入ってて…
 細く長くスティック状にカットされた椎茸がカリッと揚がってて…
 サイズは、S、M、Lと選べて、おまけにスマイルは0円…
 なぁ~んてことがあるわけもなく…(笑)

 というか。
 「フライド椎茸」は、サイズはS、M、Lと選べてって書いて、ウケを狙おうと思って今つけた名称です(爆)
 てことで、普段は「パコパコ椎茸」って呼んでるわけですけど、これが載ってた河田吉功って人の本では「生しいたけのさんしょうとうがらし味」ってなってます。

 ま、最初からそう書けばよかったのかな?


 作り方は、例によってカンタンです(私はカンタンなものしか作りま…、じゃなかった作れません 爆)
 ただ、今回は今までのようにチャッチャッチャーって出来ちゃうっていうよりは、ややじっくり系ですかね(といっても、じっくりは一工程だけです)。

 とはいえ。
 「パコパコ椎茸」、あるいは正式名称の「生しいたけのさんしょうとうがらし味」でも、どんな料理かちょっとイメージし難いわけで。
 そんなわけで、最初に完成のイメージを書くと。
 軸を取っただけの真ん丸のシイタケを素揚げして、しょうゆベースの甘酸っぱ辛い混合調味料にからめた料理って感じでしょうか。

 肉厚のシイタケを使うと、噛んだ食感が“にゅるにゅる”というか、オーソドックスに“つるん”というか。
 揚げた香ばしさと、その食感がたまらなくいいんですねー(笑)


 ほんでもって材料は… 

 まずは、シイタケ!
  シイタケは、ま、1人1パック(スーパーだと6つくらい?)ですかねー。
  シイタケって、油で揚げると、ホント小っちゃくなってしなびちゃうんで。
  なるべく大きいもの、そして肉厚なものが絶対いいと思います。

 で、メインの材料はそれだけで(笑)、あとは風味付けの材料や調味料です。

 ・ネギ 白いとこ半分くらい(あくまで風味づけなんで青いとこでもいいかも?)
 ・しょうがの薄切り 1かけ分くらい
 ・鷹の爪 3本~5本(もしくはそれ以上 お好みで。種もお好みで)
 ・花椒(中国山椒) 小さじ1くらい なければ日本の山椒。ま、無きゃないでOK

 ・混合調味料
   砂糖 大さじ1
   酢  小さじ1と1/2
   酒  大さじ1(あれば、老酒と酒で半々)
   しょうゆ 小さじ3
   顆粒スープの素 適当 というか適量
   水溶き片栗粉
    注!この本って、何人分って書いてないんでー。
      ま、たぶん2人分だと思います。
      私は食おうと思えばいくらでも食えちゃえるんで。
      それほど何人分とかって気にしないんですよねー(爆)


 で、作り方は…

 ①まずは、軸を取ったしいたけを丸のまま素揚げする
  油は中温ってとこかな
  シイタケは、表はしわしわ、裏は茶色になるまで素揚げすること。
  そこまで揚げると、ひとまわり、ふたまわり小さくなります。
  そこまで素揚げすることで、
  香ばしさと、にゅるにゅるの食感になるんで、
  とにかくそこだけは、とにかくじっくり素揚げします。

 *以下②③は、シイタケを素揚げしている間に
 ②混合調味料を混ぜる
 ③ネギを縦半分に切り、さらに1.5センチくらいの長さに切る


 ④中華鍋に油を入れてあたため、
  とうがらし、花椒を入れて香りが出るまでゆっくり炒める
 ⑤ネギ、しょうがの薄切りを加え、
  香りが出たら、先ほどのシイタケをぶっ込む。
 ⑥混合調味料を、周りから入れる
  
  一呼吸おいて、ゆっくり十字にかき混ぜる。 ←これ、河田氏秘伝らしいです
  もう一度湧いてきたら、またかき混ぜて完成!



 ポイントは、とにかくシイタケの素揚げの部分です。
 なるべく大きくて肉厚のシイタケを使って、表しわしわ裏茶色のひとまわりふたまわり小さくなるまで、じっくり素揚げすればもぉ9割がた完成です。
 ちなみにですけど、このシイタケを揚げてる時が、なんだかシイタケがパコパコ言ってるみたいなんで、「パコパコ椎茸」って呼んでます。


 で、まぁホント。
 これって、ほんとにシイタケだけの料理なんでー(それでも十分ウマイんですけどねー)。

 普通の家だと、(素揚げの)手間の割には付け合せにしかなんないですよね。
 とはいえ、これって素揚げするわけで。
 素揚げついでに、今だったらナスとか揚げちゃって。
 で、揚げナスのとろっとろと、揚げシイタケのにゅるにゅるを一緒になんてーのは、ちょっと堪らないですよねー。
 もしくは、鶏の唐揚げも揚げちゃって、一緒に調味料で混ぜこぜにしちゃうとか。
 肉なんかは、薄ブタでもひき肉でも何でも合いますし。
 魚だってウマそうな…(やったことないですけど)
 あとは、トマトのざく切りなんかぶち込んでも、いいんですよねー。


                          …って。
                          なんだか、グルメな人のブログみたい…!?




              あのポール・マッカトニーはホンモノか!?




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2013
07.15

本日の日曜夜の恒例は…



 本日の、日曜夜の恒例はお休みです。

 密かに楽しみにしてくださってるharuさま。
 ごめんなさ~い(爆)



 え?
 楽しみになんかしてねーよ!
 って?
 あら、そぉ~お(爆)





    そーいえば、サンタフェとかやたら流行りましたよね、あの頃って…(爆)

    てことで、
    もしかして、こっちの方がイメージだったり?
    http://www.youtube.com/watch?v=ms6Eg5zL9g0





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2013
07.14

オールディーズにまつわるお話(笑)

Category: R&R
   

 まー、最近はこんなおちゃらけまくりですけど。
 一応、これって怪談話のブログってことになってまして(ホントです)。

 てことで、おちゃらけついでに、最近は何かというと「○○○にまつわるお話」と形だけでも怪談話っぽくしてるわけなんですけど(って、怪談話のブログじゃないじゃん!)。
 
 てことで、ま、ぶっちゃけ全然コワいお話ではありません。
 というか。私としては、怪談話の方も「たのしー怪談話」ってぇのを目指してるっていうのはありますかねー(ワーキャー!ワーキャー!笑)

 とはいえ。
 いや、ここだけの話なんですけどね。
 私、最近やっと悟ったんですけど。
 怪談話に「怖い」っていうのは、やっぱり大事みたいですよね~~~(爆)


 で、まぁこれは「オールディーズにまつわるお話」ってことで、つまり50年代のロックンロールとかロカビリーといった音楽にまつわるお話です。
 って、そんな大した話じゃなく、たんなる思い出話なんですけどね(笑)

 とはいえ、まー、ぶっちゃけ。
 オールディーズは、私もそれこそ『アメリカン・グラフティ』のサントラレベルです。
 自慢じゃないですけど、ほとんど知りません。
 もっとも最近は、何年か前に出た「Good Days」というもっと曲数の多いコンピレーション盤があったり。さらには、輸入盤だともっとスゴイのが、もっと安く買えたりで。
 聴く気になれば、ホント手軽にイッパイ聴けるんですよねー。

 でも、ほら、オールディーズって。
 ある意味、現在の日本じゃ、「ファンタジー」にカテゴライズされちゃってるようなところがわけじゃないですかー(爆)
 でもまぁ、ファンタジーにされちゃうだけあって、とっても楽しくって。おまけに、ロマンチックでドリーミーな音楽でもあるんですよね。
 そんなわけで、オールディーズをもっと聴いてほしいなーって(そう言う本人もそんな聴いてるわけじゃないのに)、機会があるとおススメしてたんです。
(日本でオールディーズが流行る時って、景気がいい時ってぇのありますしね!)


 で、まぁこれはもう何年も前のことなんですけど。
 そんな例によってオールディーズをおススメした人の中に、同僚がいたわけなんです。
 ちなみに、貸したのはオールディーズ・コンピレーションの定番『アメリカン・グラフティ』のサントラでした。
 とはいえ、それをその同僚に貸した時っていうのは、別に意図があったわけではなく。
 ま、彼っていうのが、まぁごくごく普通の音楽ファン(よりはずっとマニア)だったこともあって、ビートルズ以前の音楽みたいな意味だったんだと思います。

 で、その同僚。その時っていうのは、たまたま新しい彼女とつきあいだしたばっかで。
 いや。私、そのことは知ってました。
 というか、もう大っぴらにバレバレだったんですね。
 だって、相手はバイトに来てた女子大生でしたから。

 もー、会社だってぇーのに、二人して年がら年中きゃっきゃ、きゃっきゃ(爆)
 それこそ昨今のネット時代だったら、どこぞの掲示板にワル口カゲ口書き込まれまくりだったんでしょーけど(笑)
 ま、当時はその辺り、全然おおらかだったってことなんでしょう(というか。ぶっちゃけ、最近の会社って辛気臭すぎません?爆)。

 ってまぁ。
 その時の同僚の恋の対外的な状況を簡単にまとめると。
 つまり、誰でも知ってる。ただ、あくまで暗黙裡…
 みたいな感じだったわけですね(笑)
 

 で、まぁそんなある週明けの月曜の朝。
 私が、会社の最寄り駅を出た所を歩いてたら。
 後から挨拶みたいな声がするんで、振り返ったらその同僚がいて。
 ま、月曜の朝ですよ。
 わかりますよね、その感覚。
 なもんで、「おはよう」だかなんだか、そんな類の言葉をぼけそーっと返して、ふと見たその同僚の顔っていうのが。
 まったく月曜の朝だってぇーのに、もぉニッコニコなんですよ。
 なんだよー、コイツ…
 月曜の朝だってぇーのに、やったら不快な顔したヤツだなーって(爆)思っていたら、その瞬間ハっと気がついたんですね。

 あー、コイツ。
 昨日の日曜日、
 例のバイトの女子大生と楽しくデートしてやがったなー
って(笑)

 まー、案の定というか、なんというか。
 もー、やったら陽気にしゃべるわ、笑うわで、
 その朝のその同僚ときたら、ほんっと絵に描いたような浮かれバカの様相を呈してたわけなんです(爆)

 で、そんな浮かれバカの同僚が言ったことというのが…
「昨日、クルマ乗ってたんだけどさ。
 ほら、あのアメリカン・グラフティのCD貸してもらったじゃん。
 あれ、クルマの中で聴いたら、スッゴクよくってさ。
 なんていうのかなぁ…。
 オールディーズって、あまり知らないんだけどさ。
 でも、どれもどっかで聴いたことのある曲じゃん。
 何度もさ…。
 だから、知ってる曲が始まるとさ、
 その瞬間、ワーって。
 なんだか思わずウキウキ、ワクワクしちゃってさ…。」

って、その同僚が言ってた詳細はさすがに忘れちゃいましたけど、大体そんな感じで。
 というか、そんなもん、何が悲しくって憶えてなきゃなんねーんだ!って感じで、まぁホントご当人以外の人間からしてみれば、どーでもいい話なわけですけど(爆)
 だっていうのに、憶えているのは。
 それは、その同僚が、その後つい言っちゃった失言なんですねー(うふっ)


 つまり…
 まー、ほら。その同僚がバイトの子とつきあってるのは、もう誰から見てもバレバレなわけですよ。
 そんでもって、日曜にクルマで『アメリカン・グラフティ』のサントラを聴いたってことは、まぁ誰だって、例のバイトの子とドライブしてデートしたんだーなーって想像がつくわけじゃないですか(笑)

 ということで、私はやーらしーニタニタ笑いを浮かべながら、
「えー、何?
 昨日って、デートだったんだー(ニタニタ…)
 うん、そうだよねー。
 デートのドライブの時なんかは、
 オールディーズはピッタリだよねー(ニタニタ、イヒヒ…)」
って、言ったわけです。

 そしたら、その同僚…
「えー、デートって…。
 あーっ!さては、そっちもデートだったなぁー!
 もぉいいなー。うらやましー!」
……って(爆)

 いやもぉ。
 私、その時っていうのは、思わず噴き出してしまいましたよ。
 ちなみに、その同僚っていうのは超有名国立大の出で、やたら頭いいのは当り前として、普段からムッチャクチャ論理的な思考をする人なんです。
(もぉ湯川先生まっつぁお!)

 そんな同僚が…
 “も”、ときたもんだぜ!(爆)
 もぉ私、思わず「うっひょっひょぉー!」です。
 というわけで…

「え?なに、“も”、なんだー(ニタニタ…)
 ふーん…(イヒヒヒ…)
 “も”、ってさー(ぶっ…)、
 ねぇ、自分で白状しちゃうって、何なのそれぇ~?
 もしかして、ノロけてるぅ~?(爆)」
 とはいえ。
 超有名国立大学の出の同僚も、さすがにわからなかったみたいで。
「え、“も”?
 “も”って…!?」
って、きょとんとした顔してるんですねー。

 いやもぉ私、ほんっと笑っちゃって。
「だって、今“そっちもデートだったなぁー!”
 って言ったじゃん。
 “そっちも”ってことは、
 少なくとも自分はデートしてたって意味じゃん!
 やーい!やーい!
 自分で白状してやんのーっ!」

 ってまぁ。
 そうやって面白がってたまではよかったんですけど。
 その後、同僚の彼、やたら不機嫌になっちゃって…(爆)
 例によって、調子にのって私は冷やかしてたわけですよ(いやもぉ、それは過剰なまでに)。
 そしたら、その同僚はムスッとした顔をして、黙っちゃって。
 なもんで、
 「どぉーしたのぉー?(イヒヒ…)」って言ったら。
 「あー、ソレ。なんっか、スッゴク頭くる…」って(爆)

 まぁー、なんと言うか?
 自分の失言で、完全に一本取られちゃったのが、よっぽど悔しかったんでしょうねー。
 でもって、あまりに面白すぎたんで、昼休みの時にもう一度蒸し返してやったら…
 やっぱり、またムッスーっとしてましたっけ(爆)


 ま、そんな出来事も、今となってはオールディーズになってしまいましたとさ。
 めでたし、めでたし












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2013
07.14

たまには、オシャレなレストランなど…



 このブログでは「グルメ(爆)」とかいうカテゴリーで、全然グルメじゃない手抜き料理やインチキ料理を紹介してたりしてたわけですけど(笑)

 でも、まー普通。グルメなブログ記事っていうのは、そーいうんじゃないですよね。
 どこそこにあるフランス料理レストランで食事して「おいしゅうございましたわ~」みたいな話とか。
 はたまた、デパ地下で買ったなんだらパティシエのほにゃららスィーツがもぉ絶品!とか。
 そーいうのを、バーンと写真つきで紹介するのが、やっぱり本当のグルメってものじゃないのかなーって思うんです。
 いやもぉこんな私ですら…(爆)


 てことで、たまにはレストランの紹介……、なーんてぇーのもいいのかなーって。

 ま、レストランっていっても。
 料理的にカテゴライズしちゃうと、それはたぶん「焼肉屋」ってことになっちゃうんですけどね。
 とはいえ、各テーブルの真ん中に焼く所があったりするわけではなく。
 肉は、専門のコックさんが、ホントちょうどいい焼き加減に焼いてくれるんです。
 しかも、その肉ときたらバカウマ、かつバカ安で…
 おまけに、店内はいわゆる「焼肉屋」のイメージからかけ離れた、黒を基調としたシックな内装で、しかもそこに来ているお客ときたらオシャレに着飾った人ばっか…
 「おぉぉー!」


 ね、そのレストラン。ちょっと行ってみたくなったでしょ?
 でも、無理なんですね。
 だって、店の名前忘れちゃいましたから…。

 まー、もっとも。
 そのレストランって、結構有名なホテルの地下にあったんで、店の名前忘れちゃっても行ければ、まぁ探せそうな気もしますけどね。
 とはいえ。
 行くのが一番難儀っていうのがあるんですよ。
 だって、そこってナイロビですから……



 な~んて。
 無っ茶苦茶怒られそうですけど(爆)
 怒られそうっていうか、ぶっちゃけ「ざけんなバーカ!」とか…(笑)
 って、まぁまぁそんな怒らないで。
 ほら!それでなくとも暑いのに、怒るとよけい暑くなちゃいますって!

 てなわけで、ケニアはナイロビにある某焼肉レストランのお話……



 それは、次の日の夕方には、もうケニアともおさらばというその夜。
 ツアーで親しくなった同年代の男二人と私は、せっかくだからメシでも食いに行こうってことに。

 1人、英語の達者な人がいて、ホテルの人に「いいレストラン教えて」って聞いたら、「なんだらホテルの地下にある焼肉レストランがいいだろう」って紹介してくれて。
 ホテルの人が予約も入れてくれたんで、あとはもう行くだけです。
 ただ、その前に、一応旅行会社の人にひと言断って。
 だって、当時治安の悪さではアフリカで一番と言われてたナイロビの夜です(まぁアフリカ一はナイジェリアのレゴスだって噂もありましたけど)。

 ま、そんなわけで旅行会社の人にひと言断れば、あとは我々3人タクシーに乗るだけです。
 そんなわけで、そのなんだらホテルに着いて。
 アフリカとはいえ、ちゃんとしたホテルの人のことですから、予約がちゃんと入ってました。

 てなわけで。
 テーブルに案内された私たち男3人なわけですが、席についてちょっとビックリでした。
 というのも、「え!もしかしてここ、上着にネクタイ着用?」って、一瞬アセっちゃったくらい、みんなオシャレに着飾ってるんですもん。
 しかも、いかにもさんざんっぱらライオンとか象とか見て、ウカれまくってましたー!なんていう観光客の姿、全然ないんですよ。
 そこにいるのは、男も女もみんなアフリカ人ばっかり。

 つまり、そのケニアで。
 現地の人が、あんなに着飾って、ちゃんとしたホテルにあるレストランで食事をしてるってことは、そこにいるのは金持ちばっかってことです。
 世界に冠たる日本経済のおこぼれに与ってるだけの、たんなる一般庶民我々3人とは生まれも育ちも全然違います。

 とはいえ。
 そこにいたのは、ホントに金持ってる人たちですから。
 小汚い服着た日本人3人が入ってきても、さらっと無視してくれるんですね(爆)
 なわけで、最初はその金持ちに取り囲まれ状況にアセりまくりった私たち3人もすぐに落ち着いて。
 メニューを見ながら、注文を取りに来たボーイさんに注文をします。


 で、まぁそのメニューなんですけど。
 当然、日本の焼肉屋のメニューとは違うわけです。
 うん。まぁ違うといっても…
 名称が違うってだけで、基本は同じなのかなぁ?
 つまり日本だと、カルビとかハラミとかタンやら、ホルモンだとかそういった肉の部位の名称がメニューに並んでますよね。
 それが、向こうだと前足、後ろ足、背中…みたいな(笑)
 いや。もっと細かい部位のメニューも並んでたのかもしれませんけど、そこまではわかんなかったっていうのもあるのかもしれません。


 で、まぁとにかく。
 我々3人は、わかんないなりに、「じゃぁ後ろ足と、背中と、あと○○。それと、パンとスープも」と注文して。
 あとは、その旅行の話とか、はたまた前に行った旅行の話なんかに、つい夢中になっちゃったんです。
 まー、ホント。
 後になって思えば、あの時ってなんで周りの状況を見てなかったんだろうって(ワクワク…)


 そんな、我々3人が現地のタスカー・プレミアムビールなんぞ飲みながら(ウマいのは「タスカー・プレミアム」です。ただの「タスカー」は全然落ちます)、話をしていた時でした。
 いきなり視界の端に入ってきた、なにやらとんでもない代物に、「ウワっ!」って。
 いやもぉあん時っていうのは。
 ビックリして、ホント思わず飛びのいちゃったくらいです。
 というのも…
 ボーイさんが、最初に焼き上がった肉を持ってきてくれたんですけど……

「え…。
 後ろ足って、まさに後ろ足だったの…!?」
 そう。ボーイさんが重そうに持ってきたのは、まさに牛の後ろ足一本焼いたヤツ(爆)


 そんなボーイさんは、まず我々のテーブルのど真ん中に、まな板を置いて。
 次に、そのまな板の上に、ヨイショとばかり後ろ足一本をドシンと。
 おもむろに、脇差みたいなデッカイ包丁で、その後ろ足をスパスパ削ぎ切りし始めて。
 まな板の上には、削ぎ切りされた肉があっという間に山のよう(ワォ!)

 いやもぉホント。
 我々3人ときたら、ただただ呆気に取られちゃって、それを見てるばっかで(笑)
 そんな固まっちゃった3人を見てボーイさん、もしかしたら「コイツらって、肉食ったことねーんじゃねーのか?」って思ったんでしょうか。
 やっと半分ほどの大きさになった後ろ足を切るのをやめて。
 こうやって食べるんだとばかり、削ぎ切りした肉を手で取って横に置いてる塩につけて食べる動作をして、我々3人の顔を見回します。

 なんだか我々3人、それでやっと我に返って(爆)
 ボーイさんが教えてくれたように、削ぎ切りされた後ろ足の肉を手に取って(とりあえず、最初は小っちゃいの)。
 塩(岩塩?)につけて、恐る恐る口に入れれば……

「うんめーっ!」 ←ヤギか!(食ったのは牛です)
 いやもぉ、そのウマさときたら。
 肉を食う幸せそのものって感じぃ~!(笑)


「これ、ウマいよねー!」
「うん!」
 たった今、あの後ろ足一本の存在感にただただビックリしちゃって、何も言えなかったのがウソみたいです。
 我々3人は、まな板の上の肉を取っては塩につけ、次々と口に放り込みます。
 手も口も、もう肉の油だらけですけど、そんなことホントどうでもよくって。
 ホント、肉ってこんなにウマいんだーみたいな感じだったのを憶えています。


 そんな後ろ足一本も、気づけば例のまな板の上に少し残すだけになっちゃって。
 いやもぉハラいっぱいです。
 いくら男3人とはいえ、牛の後ろ足をほぼまるまる平らげちゃったわけですから。
 とはいえ…
 そのすぐ後、我々はとんでもない阿鼻叫喚な事態に遭遇することになるのですが、そんなこと全然気がつきもしなくって。
 いやまぁ、その時気づいたってとっくに遅かったんですけどね。
 だって、次の肉はすでに焼き始まってるわけですから……


 そんなわけで、その後やってきたのは背中とあとどこかの部位。
 そのあまりなデカさときたら、先ほどの後ろ足に勝るとも劣らないデカさで。
 それは、あーも、わーも言うまもなく。
 先ほどと同じく、置かれたまな板の上でどんどん削ぎ切りにされていく…
 しかも、今度はダブルで……

 ギャー!
 いや、もぉホント(笑)






                               …って、アフリカじゃないじゃん!(爆)






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2013
07.13

かなとこ雲が出た!



  ホンっト夏ーっ!って感じで、思わず大爆笑。


kanatokogumo2


kanatokogumo1


 まー、この下じゃ相当ゴロピカだったろうから、笑っちゃうなんてと言うと怒られちゃうかもしれませんけどねー(笑)
 でも、入道雲見ると、やっぱり夏だなーってニヤけてきます。






  で、なぜか懐かしのカルチャークラブときた!(爆)
  その心は?




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2013
07.13

75話目「百(-90くらい)物語」 ~ネタの虫干し~ 9話目

Category: 怪談話


 梅雨、あっけなく明けちゃましたねー。
 
 そういえば。
 梅雨が明けたら夏!だと思ってたんですけど、気象庁の梅雨明けの話を聞いているかぎりじゃ、「梅雨」にも「夏」にも明確な定義がみたいなんですよね。
 「ずっと晴天が続きそうだし、まぁ梅雨明けだろうと…」みたいな、なんだかTVに出てくるインチキ霊能者みたいなこと言ってるばかりで。

 ま、どっちにしても。
 下々の者は、具体的には何にもわからないのに、その「ご託宣」をなんとなーくありがたがっているっていう意味じゃ、同じようなもんなのかもしれませんけどね(爆)
 ま、とはいえ。
 めでたく梅雨は明けたわけで(今年は節電なんだから、夏がいいとは言えないだろうなんて方もいるかもしれませんけど。でも、やっぱり夏は夏。楽しまないと!)。

 で、夏といえば…。
 やっぱり、夏休みですかねぇ~~



 それは、N子さんが忙しいバイト先にすっかり慣れ、来週後半には大学の夏休みが始まるという夏の初めのこと。
 夏休みに入って早々に、サークルの合宿(という名目のたんなるお遊び旅行)で某島に行く予定で、今からとても楽しみなんだけど…。

 いや。「なんだけど…」とか言いつつ、実は楽しい予定は他にもあって、ウキウキワクワクなんだけど…。
 と、思うことの最後が、なぜか「なんだけど…」となってしまう最近のN子さん。
 N子さん、それが何なのかは、なんとなくだけどわかっていた。
 たぶん、それはKさんのこと……

 Kさんというのは、ちょっと前にN子さんがバイト先で知り合ったボーイフレンド。
 Kさんって、その時N子さんがバイトしている店で、高校生の時にバイトしていたとかで。
 そんなわけで、高校を卒業して社会人になってからも、仕事が休みの火曜日になると店にやって来て。
 店主と親しげに話をしていたり。
 まぁN子さん、最初はKさんと店主との話を横で笑いながら聞いていただけだったんだけど。
 いつの間にか親しく話すようになり、やがてそれは、「バイト終わったら、食事にでも行こうよ」ってなって。
 以来、N子さん、毎週Kさんが休みの日は、バイトが終わった後にデートするようになっていた。


 ただ、あくまでボーイフレンド…
 …ってN子さんは思っていた。
 ううん。別に、Kさんが嫌いとかそういうんじゃない。
 そういうんじゃないんだけど……
 つまり。
 N子さんにとってのKさんというのは、少なくともそういう特別な存在という意識はなかった。

 しっかしまぁ。
 いくら、N子さんがそうだからって、相手のKさんもそうだとは限らないのは世の常。
 最近は、「もっとゆっくり話したいからバイト休みなよ」とか、「夏だし、どこか旅行行かない?」と、しきりとN子さんを誘ってくる。
 そう。まさにそれなのだろう。
 夏を前にウキウキワクワクしているN子さんが、気がつくと「なんだけど…」って、浮かれた気分が止ってしまうのは。


 7月の中旬の火曜日。
 なかなか明けない梅雨。
 朝起きた時からずっと濃いグレーの雲が現れたり、どこかに行っちゃったり。
 降りそうな…、降らなさそうな…。
 そのくせ、窓から手を出すとかすかに雨があたってる、そんなハッキリしない日。
 天気予報は、明日も明後日もその次も、さらにその次も。ひたすら曇り時々雨のマーク…
 あぁーあ…。
 今日って火曜かぁ。Kさん、来るんだろうなぁ…。

 バイト先を出ると案の定…。
 通りの向こう側、ちょっと行ったところに停まっているのは、見覚えのある赤いクルマ。
 プっと短い、クラクションの音。
 それは、N子さんの視線に応えるように。
 これからフラフラ30分くらいドライブして、適当なところで食事をして。
 仕事での面白い話を聞かされたり、夏だしどっか行こうよって誘われたてみたり…。
 うん…。
 決してつまらないってわけじゃぁない。
 わけじゃないんだけど…
 あぁーあ…。
って、ため息を吐きつつ、結局赤いクルマに向って歩いているN子さん。


「海、行こうぜ…。」
「はいっ!?」
 助手席のシートに座った途端、横から聞こえたKさんのその言葉。
 しかも、N子さんが呆気にとられる間もなく、クルマは走り出している。
「ちょ、ちょっと海って、海?
 これから?」
「2時間もあれば行けんだろ。」
 バイトが終わった時間だったから、夜の10時を過ぎたくらい。
 それから、2時間って……
 ウワっ!

 N子さん、当時門限は11:30だったとかで。
 バイトするとなると、どうしてもそのくらいの時間になってしまうこともある。だから、親に頼み込んでやっとその時間にしてもらったということもあり、その時間は自ら厳守を課していた。

「無理よ。お父さんとお母さんに怒られちゃう。」
「だって、夏休みだろ?」
 N子さんが、ふと視線をやったKさんの横顔。
 交差点を曲がるのに、左、右と遠くに向けた視線。口には吸いかけの煙草をくわえて、手はゆっくりとハンドルを回している。
 いつの間に、また降りだしたのか。
 フロントガラスには、交差点の明かりに照らされた雨粒が光っている…

「夏休みだって同じ。」
「高校生じゃないんだろ。大学生なんだろ…。」
「そりゃそうだけど…。」
「なら、決まり。」
「そりゃそうだけど、でもKさんとは違うわ。」
 
 N子さん、Kさんのことを「Kさん」ってさん付けで呼んでいるけど、実は同じ齢。
 なのに、片や学生、片や社会人っていうだけで、やけに大きな隔たりがあるなーって、実はずっと感じていた。
 それは、ちょっとした話題だったり、時間に対する感覚だったり、それから、さっきみたいな目だったり…。
 そう。つい今交差点を曲がった時、Kさんがしていた、ああいう目。
 学校で、ああいう目をしている男の子というのはまずいない。どんなに真剣な時でも、どこかに無邪気で無防備な部分を残している。
 つまり、それが一足先に社会人として日々を過ごしている大人の男の目ということなのだろうか。

「来週からさ…。」
「?」
「仕事…、かなり忙しくなりそうでさ。」
「そう…。」
「ていうかさ…。
 係長にさ、もっとしっかりやれって、ハッパかけられちゃってさ…。」
「うん…。」
「あのさ、そもそもさ…。
 海に行きたいって、先週オマエが言ったんだぜ…。」
「えっ…!?」

 N子さん、Kさんから「オマエ」って言われたのは、その時が初めてだった。 
 今までは、バイト先の店主がN子さんを呼ぶ時の「N子さん」を──まるでそれがニックネームであるかのように──呼び名になっていたんだけど。
 その「オマエ」に…。
 いや、それはもちろん無意識なんだけど、でもちょっとだけ驚いたN子さんが運転席を見れば、Kさんはさっきの目のまま。
 口から煙草こそなくなったけど、前をじっと見ているだけ。

「海に行くだけよ、絶対っ!」
「だから、海に行きたいって言ったのは、オマエじゃん。
 だから、オレだって海に行くだけだって…。」
「うん。わかった。
 なら、電話のある所で停めてよ。家に電話しとくから…。」


 19歳の夏の夜のドライブ…。
 楽しくって、楽しくって、どんなにはしゃいでも全然足りないくらい楽しいはずなのに…
 バイト先を出る時はやんでた雨は、今や強くなる一方だった。
 目の前のワイパーが、目まぐるしいくらい行ったり来たりしているのに、それでも叩きつけてくる雨。
 そんな雨のせいなのか、それとも道がそういう道なのか、N子さんとKさんの乗るクルマ以外はほとんど走っていない。
 そんな中、N子さんもKさんも、ずっと黙ったまま……


 カーステから流れてくるのは、Kさんのクルマでいつもかかっている夏っぽい感じのポップス。
 いつもなら、他のかければいいのに…って思うのに。
 なぜか、今日に限って心地よく感じられた。
 でも、そんな車内は、そのポップスとワイパーが動く音しかない。

「なぁ…。」
「なにー…。」
「何か、しゃべってよ…。」
「何かって…。」
「何か…。」
「何かぁ…?」
 でも、やっぱり…。
 車内で聞こえるのは、それからもカーステのポップスとワイパーの音、そして、強くなってきた雨の音だけ……

「あの…、うん…。」
「…?」
「あ、あれ…、
 あれ、あの…、大学ってさ…、
 どんな感じ…?」
「どんな感じ?」
「TVのドラマに出てくるみたいなとこなの?」
「うぅーん、どうかなぁ…。」
「授業サボって、遊びに行っちゃったりするの?」
「うん。する…。」
「へぇー。N子さんもするんだー…。」
「うん…。する…。」
「オレも…。
 うん…。
 オレも、行けばよかったなぁ…。」
「え?」
「あ、だから…。大学…。」
「え…。
 あぁ。でも、今からだって遅くないんじゃない?」
「遅くはないのかもしれないけど…。」
「ないのかもしれないけど?」
「ううん…。」

 雨は、少しはおさまってきたのか?
 気がつけば、あれほど忙しく動いていたワイパーはゆったりとした動きになっていた。
 なぜだか、さっきは心地いいと思ったカーステのポップスが、変にうるさく感じられてしょうがないN子さん。
 そんなN子さんの視線の先、フロントガラスの向こうからは、雨粒でキラキラ光った風景が次々と……
 

「眠くなっちゃった?」
「ううん。そんなことないけど…。」
「さっきから何も言わないじゃん…。」
「うん…。」
「海、もうすぐじゃないかな…。」
「そうなんだ…。」
「ふふっ…。なんだよっ、その気乗りのない返事…。
 せっかく、はるばる来たのにさ。」
「うん。あのさ、わたしね。
 来週…。来週末、A島に行くの。
 サークルの合宿で…。」
「えっ…。あ、あぁ、そうなんだ。
 ふーん、学生はいいよなぁ…。」
「あのね、Kさんね…。
 海に行きたいなって言ったのさ……。」
「……。」
「ううん…。そう…。
 夜の…、夜の海っていうのもいいかもね…。
 ねっ?」

 N子さんがそう言って見た、Kさんの横顔は…
 いろいろ隔たりはあるんだけど…。
 もちろん、学生生活を呑気に謳歌しているだけのわたしと比べちゃいけないんだろうけど…。
 うん、そう。
 今、初めて思ったけど…。
 Kさんって、わたしと同じ齢の普通の男の子なんだな…。
 あぁーあ…
 この夏って…。
 わたし、たぶん誰かに思いっきりフラれるのかもしれないな……


「なんだよ、思いっきりため息なんかついてさ…。」
「ううん…。」
「オレ…、やっぱり大学に行けばよかったな…。
 大学に行ってれば、たぶん今でもあそこの店でバイトしてたろうしさ。
 それで、N子さんと逢えればよかったな。
 ってさ。ふふっ…。」
「でもさ…。
 Kさんが大学に行ってあそこの店でバイトしてたら、バイト募集しないだろうから。
 わたしはあそこでバイトしてなかったんじゃない?」
「ふふっ…。
 ううん。そっか…。
 そうだよなー…。ハハハっ。」
「ねぇKさんさ…。」
「うん。なにー。」
「終わりにしようね、私たち。」
「……!」
「これ以上って、無理よ…。」
「……………。」
「海…、連れてきてくれてありがとう。
 なんて言えばいいのかな?
 たぶん…、きっといい思い出になるんじゃないかな…。」
「……………。」
「わたしね、Kさんのことって嫌いとかじゃないのよ。
 ホントよ…。
 今まで、ずっと…、ホントに楽しかったし…。」
「……………。」
「でもね。やっぱりなんか違うのよ…。
 ゴメンね、こんなこと言って……。」
「……………。」
「わたしの身勝手だとは思うの…。
 でも、やっぱりとりあえずは終わりにしたい…。」
「……………。」
 N子さんときたら。
 そんな時はどんなこと言っても、ふった側のお決まりのセリフにしかなってないってことには気がつかなくって……


 Kさんは…、
 やっぱりショックだったんだろう。
 「終りにしたい」って言ったことを気にしているN子さんが、無理に何か話しかけても、Kさんは何も言わず、ただずっと前だけ見てクルマを走らせているばかり。
 そんなKさんの顔を、盗み見るように見たN子さん。
 その、見たことのない強張ったその横顔に、N子さんも何も言えなくなっちゃって…。
 結局、2人はその後もずっと黙ったまま。
 それって、さっきと全く同じなのに、そのくせ全然違う。

 そんな沈みきった車内とは裏腹に。
 気がつけば、やっとクルマは海沿いの、何だかいかにもって風景の続く道を走っていた。
 そこは、こんな時間だというのに、レストランや何やらのイルミネーションや灯りで昼間のよう。
 店の窓という窓には、楽しそうに話している男女の横顔…
 歩道にだって、N子さんくらいの年頃の男女が何人も歩いている。
 こんな雨降りの夜だっていうのに……


「海…、ホントに来ちゃったんだね。
 私たち…。」
 N子さんがそう言って見た、Kさんの横顔は。
 さっきチラッと見て、思わず目をそらしちゃった時のあんな顔かと思ったら…。
「……?」
 それは、どこかほっとしたような…
 なんだか、そんな表情。
 そっか…。
 きっと、Kさんも。心のどこかでは、わたしと同じことを思ってたんだろうな…

「あ、あのさ…。
 ちょ、ちょ、ちょっと休んでもいいだろ?
 な、な、なぁ…。いいだろ?」
「あ、うん…。そうだよね。
 あの雨の中の運転だったんだもんね。
 疲れたよね。ごめんね、ホント…。」
 その後、N子さんとKさんの乗ったクルマは、手近にあったファミリーレストランの駐車場に。
 
 しっかしまぁ。
 Kさんの言う「ちょっと休む」が、まさか朝までになるとは……


 それは、どうやら夜が明けたって頃。
 ファミリーレストランの駐車場を、クルマに向かって歩いているのはN子さんとKさん。

 あれから…。
 Kさんときたら、ひとっ言もしゃべらなくて。
 「終わりにしよう」って言ったのはN子さんだったから、最初は気を遣っていろいろ話しかけていたんだけど。
 それでも何も言わないKさんに、さすがにN子さんもウンザリしてきちゃって。
 とはいえ、こんな時間に電車は動いてないし、おまけに雨だし。
 なにより、ウンザリしたとはいえ、何も言わずにずっと外を見たままのKさんの横顔を見ていると…。
 その、じっと外を見ている表情って、今何を想っているんだろうって。
 いままでのこと?
 それとも…、
 これから?


 ずっと外を見ていたKさんが、やっとN子さんの方に顔を向けたのは、窓の外が青々と明けてきた頃。
「帰ろっか…。」
 そのため息のような言葉に、何も言わずに立ち上がったN子さん。
 立ち上がって初めて気がついた、ぐわーんとくる体の重さ。
 ぼわーんとした人が、まばらにいるだけの店内。
 そして、どよーんとまだ暗い窓の向こう…
 雨は、まだ降っているのか?
 ふと、窓の傍によって見れば、そこは舗装道路も、その上の水溜りも青一色。
 通りの向こうを歩いているサーファーたちが持つボードも青なら、顔も体も全部青。
 海も空も青なんだけど、でもそれは海と空の青い色じゃなく…
 そんな、なにもかも青に染まった7月の朝。


 青に染まった駐車場には、やっぱり青いクルマしか停まっていなかった。
 Kさんの赤いクルマも、それは同じ。
 赤のはずなのに、それは深い濃紺のような青。
 そんなクルマにひと足先に行ったKさんは、フロントガラスを手でしきりと拭っている。
 そのKさんがフロントガラスを手で拭っている動作が、ふと気になったN子さん。
「どうしたのー?」
「ううん…。」


 走り出したクルマは、また海沿いの道を走っていた。
 今朝の雲は厚いのか、辺りは相変らず青一色の風景。
 もういい加減、色が戻ってきてもよさそうなものなのに…。
 ふと見れば、夜からずっと点けっ放しのレストランのネオンサインだけが、チカチカ光っていて。
 なんだかそれは、夜が明ける前に帰り損ねちゃった幽霊といった趣で、ぼんやり朧で、何よりとっても場違いな感じ。

「ね、あれ…。
 あれってさ、なんだかオバケみたいだよね。」
「お化けぇ?」
「うん。あのネオ──。」
「あぁー、なんだ。N子さんも見てたんだ…。
 アレ…。」
 そのKさんの、運転しながら自分の方に向けてきた視線…。
 それは、N子さんになんだか妙に奇異な思いを抱かせる。

「あれ…?
 あれって…。」
「ほら、こっち来る時。
 海に出るちょっと前に、トンネル通ったじゃん。」
 一瞬前に行って。すぐにN子さんに戻ってきたその視線。
「トンネルぅ…!?」
「あれ、憶えてないかなぁ…。
 ほら、昨日の夜ってさ、オレたち、全然会話なかったじゃん。
 だから話のタネになるかなぁーって思ってさ、
 Qトンネル通ってやろうって思ってさ…。」
 それは、なんだか久しぶりに見た気がする、Kさんのかすかな笑い顔。

「Q、Qトンネル!?」
「あ、知らない?
 Qトンネルってさ、昔っから出るって有名なトンネルでさ。
 あんまり黙ったまんまだからさ。
 近くまで来てたから通ってみようって──。」
「えっ。出るって、それってお化けってこと?
 何よ、それ!?
 えっ!N子さんも見たんだ、アレって…。
 えっ!何それ。
 Kさんさ、いったいなに言ってんの……」

 その時、N子さんの頭の中では、いろんなことが超高速度で回転していて…。
 出るって有名なトンネル?えっ…
 わたしも見たんだ?って。えっ…
 アレ?アレって、えっ…
 で、トンネル…。海に出るちょっと前……。 
 あ……


「ちょ、ちょっとKさ…。
 Kさんて、それって何?
 それって、わたしがKさんに、終わりにしようって言ったこと?
 あの時、見たって…。
 えぇ…っ。
 どういうことよ?」
「あぁー、うん、そう…。」
 そこで言葉を止めて、煙草に火を点けたKさん。
「そういわれてみれば、そうかもしんない。
 N子さんが、別れ話言い出した時…。
 あぁー、たぶんそうだ…。
 うん。たぶんあん時だと思う……。」
「ちょ、ちょっと…。だからKさん?
 えー、なんなのそれーっ!
 もしかして、わたしが終わりにしようって言ったから、
 腹いせにそんなこと言ってるってこと?」
「違うって…。
 まぁそりゃ腹もたったけどさ。だからってさ…。
 だって…。なら、朝になってから脅かしたって意味ないだろ。」
 もはや、N子さん。その目は間違いなくKさんを見てるんだけど、でもそれは脳裏に映ってなくて。

「じゃぁ、何だって言うのよ!」
「だから…。
 だからさ、後ろだって。後ろのシート…。」
「う、後ろぉー!?
 後ろのシートって、つまり後ろのシートってこと…。
 ちょ、ちょっとやめてよぉぉーっ!
 後ろのシートっていったら、このクルマってことになっちゃうじゃない?」
「だから、ビックリしたんだって…。
 いきなりミラーに女がいるんだもん。
 あれはもぉ、びっくりしたなんてもんじゃなかった…。」

 思わず後ろを振り向いちゃった、N子さん。
 いや、もちろん。
 そこには、いつもの散らかったKさんのクルマの後部座席があるだけだったんだけど……



 N子、家までは送ってもらいたくなくって。
 というか、人生初朝帰りに、Kさんの真っ赤っかなクルマで家の前に乗り付けるわけにはいかない。
 自由のためには何より信頼が大事!
 そして、信頼のためには何より規律が大事!
 N子さん、それはよくわかっていた。

 結局、N子さん、Kさんとは地元の駅の前で別れた。
 まぁKさんは、今更のように「やり直してみないか?」って言ってたんだけど。
 N子さんにとっては、前の晩にあったという衝撃の出来事も含めて、とにかく今はKさんとは終わりにしたかった。
 ただ…。
 何年かしたら…、つまり社会人くらいになったらKさんとはまた逢ってみてもいいかな?って、N子さんはそんな気がしていた。
 
 そして、それはKさんのクルマの助手席側の外。
 歩道の上のN子さんが、全開の窓越しに運転席に向ってそう言ったら。
 今の今まであんなに見つめていた視線を、かったるそうに外したKさん…。
 おもむろに煙草に火をつけ、そして大きく煙を吐き出して、向こうを向いたその横顔。
「あのさ、つき合うっていうのは、今だろ。
 何年かしたらじゃないだろ。
 何年かしたらって、何だよ?
 何年かしたら、たぶん忘れてるって。
 オレはさ…。オ、オマエのことなんてさ…。
 だって、19だぜ、19。オレたちさ…。
 違うのかよ?」
 そう言って、一瞬だけN子さんをぐいっと見たKさんの顔。
 見たと思ったその瞬間、やたらアクセルふかして行っちゃったその顔は…。
 なんだかちょっと不思議なくらい知らない人のようだった。
 
 そんな赤いクルマの後姿を、しばらくぼーっと立って見ていたN子さん。
 あぁ~あ、何だかわたし…。
 ふったんじゃなくて、ふられたみたい…
 と、N子さんに思わせてくれたのは、ふられた側からの精一杯の思いやりだったのか?
 それとも、ふった側にありがちな、虫のいい身勝手ってヤツだったのか…


 もっとも…。
 その時、N子さんを落ち込ませるものは他にもあった。
 ねぇ…。
 わたし、これから親にどう言い訳すればいいのよ…
 いくら電話入れたからってさ、
 まさか、朝帰りになるなんて思わないじゃん……

 そんなことを考えながら、駅から家までの道をトボトボと歩いているN子さん。
 朝の通勤通学の時間は過ぎたものの、歩いている人は駅に向かって歩いている人ばかり。
 N子さんとしては、そんな人たちと擦れ違うたんび、「このバカ女子大生、遊び呆けて朝帰りかよ!」って視線を向けられているような気がしてしょうがない。

「あっぁぁ…。
 夏休みが待ち遠しい…。」
 思わず心の中でつぶやいちゃったN子さん。
 ふと、見上げれば…
 ついさっき、海の近くをクルマで走っていた時の空とは全然違うギラギラした日差し。
 ふぅぅぅーーー………
 思わず、また出ちゃったため息。


 そんな、夏が始まることになる日の朝のこと……
 



――── 本日これまで!
            75話目「百(-90くらい)物語-10」につづく メルマガ配信日:11.7.13
                                             *無断転載禁止



*ブログの無断転載は、呪い・祟り等ご自身に大過を招くこととなりますのでご注意ください。





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2013
07.13

夏の朝の世迷い言やら、ニヤケ言やら、その他へのへのもへじとか…



 しっかし。
 思い起こせば先週の金曜日に、今年の7月がこんなになるなんて全く思わなかったですよねー。
 とはいえ、某気象予報士のブログに「いろんな夏があります」とあるように。
 http://blogs.yahoo.co.jp/wth_map/62385194.html

 
 このガーっと来た暑さって、意外にすーっと涼しくなってくのかなーなんて気もしますよね。
 上記のブログでは、今年は今のところ「スタートダッシュ型」として、78年のパターンに似てるとしてますけど。
 実は、私も今年の夏ってある年に似てるんじゃないかなーって、ずっと思ってました。
 それは、83年。
 って、書くと、また例の「3のつく年は冷夏が多い」のジンクスかよーってウンザリされちゃいそうですけどねー(爆) ← やーい!やーい!ウンザリされてやんの。だっせ(笑)


 いや、実際の気象データをひっくり返して見たわけじゃなく、あくまでイメージなんですけど。
 83年の7月って、確か中旬頃(梅雨が明けてたかはともあっく) って、やたらカーッと晴れて暑い日が続いてたような記憶があるんですよねー。

 ちなみに、その前の年、82年の7月が長崎豪雨だったわけですけど、イメージとして、82年の夏っていうのはとにかく雨が多かったっていうのがあって。そのせいもあって、83年の夏って結構印象に残ってるんです。
 で、その83年の夏っていうのは、(あくまで記憶に残ってるイメージですけど)8月の頭くらいまでカーっと晴れて暑くて。
 でも、その後は雨ばっかのグズついた天気が続いてたように思うんですよー。


 ほら、今年って(関東地方は)4月5月って雨が少なくって。
 梅雨に入っても、初めは雨が少ないって利根川水系のダムの貯水量が5割まで下がっちゃって。
 で、まぁその後多少は降って、確か結局平年の8割くらいの降水量とか言ってたと思うんです。
 そう。つまり、まだ8割くらいしか降ってないってことは…。
 よっぽどの異常気象でもない限り、降ってない分はその内降るわけですね。

 例えば、今でこそ南にある台風の勢力が強いですから、この暑さをもたらしている太平洋高気圧がやたら発達してますけど。
 とはいえ、先週なんて、それこそ金曜まで寒気が南下して天候が不安定でしたよね。

 そう考えると、今はカーっと晴れて暑くても。
 台風がどっか行っちゃったら、意外と夏の太平洋高気圧が急にしぼんじゃって。
 その結果、寒気がまた降りてきて、結局梅雨の戻りってことに(つまり83年のパターン?)なる可能性、結構あるんじゃないかって。


 …ってまぁ。
 世の大半の人はそんな天気にそんなにこだわらないんで、ホントどーでもいい話なんでしょうけどねー(爆)
 晴れてさえいえれば、あとはどんなに暑かろうが寒かろうが全然文句なしの私にとっては、とっても重要なことなんですっ!ふんっ!(笑)













 しっかし……
 ブログってぇのは、いったい何のためにやってるんだろーって、
 ふと思いふけってしまったある夏の朝…
 (んなもん、毎日息吸って吐く理由と大してかわんねーじゃんってよー!爆)




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2013
07.12

暑おすなぁ~

Category: R&R

 いやはや、無っ茶苦茶あづい~です。
 思わず笑っちゃうんですけど、でも、この暑さでヘラヘラ笑ってると、なんだか世の人から怒られそーで。
 でも、怒ったら余計暑くなるから、怒んない方がいいのになーって思うんですけど、
 て言うか、ぶっちゃけあっづいってぇーんだよっ! ←わー、怒った!怒った!(笑)


 そーいえば、
 ニュースで、女子高生だか女子中学生だかが言ってたんです。
 「暑くて、ゾッとします」って。

 …!?
 結局のところ、暑いんですかねぇ…
 もしかしたら、寒かったり……とか!?

 ただ…
 とっても気持ちはわかりま~す(爆)


 で、まぁ。
 今夜みたいな熱帯夜になっちゃった時は…








 まー、聴いたからって、特に涼しくなるってもんでもないんですけどー。
 でも、これを夜に聴くと、みょーに夜気を感じたくなるんで、電気代の節約にはなるのかなーって(爆)




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2013
07.09

青信号よ~ん






  ♪ あっおしんごうをしっんじって~ 
   いっつも通りを歩くぅ~~

      …てさ!



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2013
07.09

詩:てやんでぇーぃ!夏全開でぇーい!!


 いやはや、なんだか夏全開!って陽気になっちゃって…

 先週末の、気象庁の梅雨明け宣言。
 私、実はソレってまだ疑ってたりするんですけど、とはいえ、空を見上げればホント夏ーっ!って感じの空で。
 「あっつー…」みたな、一瞬気がどっかいっちゃいそうな感がありつつも、思わずニッカニカしちゃう毎日です(笑)


 夏っていうと、いわゆる「梅雨明け10日」の頃から8月の頭くらいまでの、まだまだ全然若い夏って感じの頃がいいのは確かなんですけど。
 といいつつも、お盆を境に急にそんな感じになる、「晩夏」といわれる8月の終り頃がまった妙に好きだったりするんですよねー。
 って、まぁそんなこと言ってると、夏大好きの人たちから、
「夏、やっと始まったばかりだってぇのに、
 夏の終りの話なんかすんじゃねーよ!
 縁起でもないっ!!」
とか、怒られちゃいそうですけどねー(笑)

 でも、こう、今くらいの夏の太陽の、どっか透明感のある光じゃなくって。お盆過ぎたくらいの、あの黄色味が濃い太陽の光っていうのは、なんだかミョーにセンチメンタルな気持ちになっちゃって。
 「暑い」「暑い」と言いつつも、その頃になると、もういい加減暑さにも慣れちゃってるし。
 また、夜になるとそろそろ秋の虫も鳴きだしたりで…。

 とかなんとか言って、その後も暑いのは結構続くんですけどねー。
 特に、まぁここ近年はねぇ…。
 ただ、そうなんだけど、でも「本当の夏」っていうのは、ホントにホントの一瞬だったりなんですよねー。

 まぁ夏が始まったばかりで、こんなこと言うのもなんですけど。
 いつだったかみたく真夏の炎天下を延々歩く…みたいなのは、どうやら今年もおあずけになりそうだなぁ……(笑)



 …って。
 詩を書くつもりだったんだけどなぁ……
 (どーも、すみません 笑)











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2013
07.07

例によって日曜日の夜の恒例


 月曜があるから、土日もあるんだ!
 うん…









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2013
07.07

トマタマ2(いや、タマタマ2じゃなくって…)


 さて、前のが長くなっちゃったもんだから別記事になっちゃった、「トマタマ2」。
 でも、「トマタマ2」とかいって…
 実はこの「2」、タマゴは使いません(爆)

 なんだよ、それってウソつきじゃん!
 とか言う人も多いかと思いますけど、でもまぁ家で作る料理の名称なんて、みんな大体そんなもんですよね(笑)

 てことで、トマタマ2。
 トマタマ1は、ウー・ウェンっていう北京の人の本を見て覚えたんですけど、このトマタマ2は波多野須美という人が書いた香港料理の本で知った料理です。
 ま、トマタマだけあって、たまたま知ったと ←たまたま…、好きね(爆)


 ま、このトマタマ2。
 正式名称は、「蕃茄焼豆腐(ファンチエシャオトウフー)というのらしいですが。
 トマタマ1と同じで、そんな舌噛みそうな名前を読んでるうちに出来ちゃうんで…(笑)

 ところで。
 なんでもこの波多野須美という人の本の中では、この料理って「本邦初公開」ってなってることもあり、ネットにレシピがないとヤバイんで、一応材料・作り方は本の通り記しときます。

 材料(4人分)
 絹ごし豆腐  2丁  
 トマト(完熟) 2個
 *百物語ガール注:この料理には絹ごしが絶対合います

 合わせ調味料
  スープ カップ1/2
  砂糖  大さじ1と1/2
  塩   小さじ1
  コショウ 少々
 水溶き片栗粉 適量
 油    大さじ2


 例によって、トマトの皮が気になる方は、湯剥きしてください(ただ、本では湯剥きしないでそのまま使ってます)
 で、まずトマトのヘタをとって一口大に切って、
 絹ごし豆腐も一口大に切る
 中華鍋に油を入れて熱して、
 トマトと絹ごし豆腐を中華鍋にぶっ込んで、合わせ炒める
 合わせ調味料を加えて、蓋
 少し煮る
 味がなじんだら、水溶き片栗粉でまとめて、完成!


 出来上がりのイメージは、トマタマ1より汁がずっと多い感じ
 トマタマ1をよそうのが皿なら、トマタマ2は深めの皿かどんぶり
 トマタマ1は箸で食べられるけど、トマタマ2はレンゲですくって食べる、そんなイメージ。

 材料のとこでも書きましたけど、この料理に関しては「豆腐は絶対木綿!」って人でも絹ごし豆腐の方がいいと思います。
 というのは、トマトの煮崩れたあの食感には、絹ごし豆腐のあのぷるんとなめらかな食感がスッゴク合うからなんです。
 トマタマ1もそうですけど、あくまでオカズなんで。
 トマトは煮崩れしちゃうし、豆腐は煮ているうちに欠けて小さくなることもあり、大き目に切った方が食べた感があっていいと思います。
 あと、言わずもがななのかもしれませんけど。
 スープは、ま、水と顆粒スープの素でも全然OKです(というか、私はそれでしか作ったことありませんです、ハイ!)。







 トマトと絹ごし豆腐って、ごくごく普通のものなんですけど。
 この2つを合わせると、意外にありそうでなかった味(料理?)になって、面白いんで好きです。
 そうそう。
 あと、トマタマ1と同じで、これも砂糖の味が結構ポイントのような気がします。


 …って。
 今回は、なんだかオチがなくてツマンナイんで…
 http://www.youtube.com/watch?v=8P-9bJjcGA0
 http://www.youtube.com/watch?v=JoYMDKfdX9E

 やっぱり、ご飯を食べたら怪談でしょー!(爆)




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2013
07.07

においにまつわるお話:その2


 においにまつわるお話:その2は、一種「青春の匂い」ってぇヤツです(笑)

 「青春」というと、なんかこういろいろ思い浮かべるものはあるんですけど。
 いろいろ思い浮かべるものの一つに、「匂い」っていうのがあるかなーって(って、思わずブロともさんのとなりのおばちゃんさんのコメントで書いちゃって…)。
 高校の時、毎日着ていた制服の、汗だの、汚れだの、はたまた弁当屋の揚げ物の匂いだのが染み込んだ、一種独特なもわっと篭るような、あの動物的とも言える匂い…
 ホントあれっていうのは、もうウン十年経ったっていうのに、なんだか今でも妙に記憶に染み付いてたりします(爆)


 とまぁそんなことを書いたのは。
 家の近くにある木が、最近花を咲かせてるようで。
 家の近くの木といっても、もちろん例の木ではなくって…。
 http://kaidansweets.blog.fc2.com/blog-date-20130526.html
 
 ちなみに、例の巨大クチナシは、気象庁がたぶん後で訂正を発表すると予想される、7/6の関東甲信梅雨明け発表がなされた途端、花が少なくなっちゃいました。
(てことは、ウソつき気象庁の梅雨明け、意外とホントだったりして…!?)

 で、話は戻りますけど。
 それは、たぶん家の裏の方にある、小さな祠がある所に生えている木だと思うんですけど。
 現在、上の方がほんのり緑色がかった花(たぶん)でイッパイで。
 あれって、まるで栗の花みたいだなーって。
 ただ、遠目ながらに葉っぱの感じも、花の感じも違うんで、栗の木じゃぁないと思うんですけどね。



 で、まぁ。
 もうずいぶん前、知り合いのPさんに聞いた話です。
 Pさんが高2になって、2、3ヶ月か経った頃。
 Pさん(以下Pクン)は友人のAクンと、クラス替えで新しく友だちになったCクンの家に遊びに行ったんだそうです。
 みんな同じ街に住んでたらしいんですけど、PクンとAクンの家は街中にあるのに対して、Cクンの家は郊外だったとかで。
 まぁたぶん、「Cんちって、すっげー僻地にあるんだなー」なんて言いながら向ったんでしょう。
 実際、行ってみるとCクンの家の近くは、一面田んぼだったり、畑だったり。
 かと思うと、所々林があったりだったそうです。


 で、それは。
 家に招き入れられたPクンとAクンが、Cクンの部屋に入ろうとしたその時だったと。
 Pクン、思わず息が止まってしまったとかで。
 いやもぉそれは呼吸をするってことに、Pクンの男としての本能が赤信号を点滅したみたいだったと。
 でも、呼吸しないと死んじゃうわけで……

 で、Pクン。
 その時、友人のAクンも、やっぱり呼吸するのを我慢しているようなそんな顔をしているのに気がついたとかで。
 ま、それは、そのAクンにしても同じだったんでしょう。
 わずかな時間、PクンとAクンはお互い見合っていて…
 で、いきなり。
「おいっC!オマエ…。
 オマエって何なわけ?
 これってオマエ、いくらなんだったってヤリすぎだろー!
 何なんだよ!この匂い…。
 ったく、信っじらんねー…。」

 いや、最初に言ったのはAクンだったらしいです。
 でも、そんな呆れきったようなAクンの言葉が全然止まらないんで、ついPクンも一緒になって言っちゃったらしいんです。
 だって、それはPクンにも身の覚えがある、アレの匂い(!?)
 しかも、その匂いのスゴさときたら。
 こんな強烈に匂うって、いったい……
 えぇーっ!?

 つまり。
 これだけ匂うってことは、Cのヤツ、自分たちが来るちょっと前まで、たぶん……
 げーっ!サイッテー!
 って、Pクン。部屋の中をさっと見まわせば…
 案の定、この暑さだっていうのに、Cクンの部屋の窓はピッチリ閉まってる。

「ったくCっ!
 オマエ、オレたちが来る前に、
 せめて窓くらい開けとけってーんだよ!
 ったく、キッタネーなー!」
 それは、そう言ったPクンが、かまわずつかつかと部屋の奥まで入って、窓を開けようと鍵に手をかけようとした時。

「バカ、やめろ、P!」
「え?」
 それは、やけに激しい口調のCクン。
 その剣幕に、Pクンは思わず振り返っちゃったとかで。
「バカ、オマエ、そこ開けんじゃねーよ!
 窓開けたら、もっと大変なんだからよ!」
「…!?」


 その後、Cクンはワケを教えてくれたとかで。
 というか…
 Cクンにしたって、当然その匂いは身に覚えがあるわけで。
 つまり、PクンとAクンがその匂いを、身に覚えのあるアレだと思っている以上、Cクンにすれば濡れ衣を晴らしておかないと、明日学校でヤバイっていうのもあったのでしょう。

「あのな、これ…。この匂い。
 オマエらは、アレだって思ってんだろ?
 違うんだって、これは栗の花の匂いなんだって。
 その窓の外にはよ、栗の畑があってよ。
 毎年今頃になるとよ、栗の花が咲くんだよ。
 そうすると、もぉ……。」
 そう言ったCクンが窓を開けると…

 それはもぉ。
 Pクン、一瞬息が詰まって……
 ゲボって、咳き込んじゃったくらいだったと(爆)



 …ってまぁ。
 いわゆる栗の花にまつわるお話でしたけど。
 ただ、あれって、気になる人もいれば、全然気にならない人もいるみたいですよね。
 実は、私も全然気にならない方で。
 (いや。栗の花の匂いが、ですよ。あくまで…爆)
 まぁ親の田舎っていうのが結構大きな栗畑持ってて。小っちゃい頃から馴染んでたせいもあるのかなー。

 そういえば、なんでも蕎麦の花の匂いって、肥料の鶏糞と同じ匂いらしいですよね。
 また、例のラフレシアなんかは、肉の腐った匂いだっていうし…
 ま、花って…
 つまりは、やっぱり花なんだなーって、
 そういうこと…???








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