2013
01.26

51話目-3

Category: 怪談話
* 51話目-2は続き物です。51話目-1からご覧頂ければうれしいです

 踏切の事故に集まっている野次馬達。
 ここにいる人達って、みんな近所の人なのだろうか?
 おばさん達や、ジャージ姿のお爺さん、子供まで…。
 スーツ姿のサラリーマン風のおじさんと若い人の二人連れは営業かなにかで回っていた最中なのか?
 N子さんが、それらの野次馬の後ろから怖々覗くと、鉄道の会社の人や警察の人。白衣の人は救急車の人なのだろう。
 それらが忙しそうに動いている中で、ふと目に入ってきたのは線路のすぐ横にあった白い布に覆われた物体。
 それは、人を思わせる大きさでいて、でも人の大きさとは微妙に違っている。

「っ!」
 その質感のあまりの生々しさ…。
 N子さんは、思わず息をのんでしまった。

 ふいに吹いてきた強い風。
 舞い上がる砂埃。そして、その風のびっくりするような冷たさ。
 そこにいる事故処理をしている人や野次馬から、「っ!」と声にならない驚きが一斉に洩れる。
 でも、それがN子さんの一瞬だけどこかに行きかけた気を戻してくれ、そのことに気がついた。
 あっ、踏切を渡れないと帰れないじゃん…


 この私鉄の線路、JRの駅まで大きくL字を描くように走っていたんだそうです。そのため線路の向こう側に渡らないとL字の外側に沿って行かなければならない為、えらい遠回りになります。
 N子さん、そんなわけで仕方なく次の踏切まで歩くことにしたんだそうです。


 歩きながら思い出されるのは、先ほどの白い布に包まれた物。
 あれはおそらく…、いや間違いなく遺体。
 その、不自然な大きさ、もうあの形のまま永遠に動かない感じ、その他諸々が、つい今まで人だったものがたんなる物体になってしまったということを示していて。
 N子さん、「死ぬって、ああいうことなんだ…」って。


 空はいつの間にか真っ黒な雲に覆われている。
 また、強く冷たい風がサーっと吹き抜けていって。
「もうーっ、6月だっていうのになんなの?この風ぇー!」
 そんなことを思う間もなく、後ろからやけに激しい風の音が迫ってくる。「えぇっ!?」って振り返ったN子さんを一気に雨が追い抜いていく。

 その雨にやけに大きい雨粒。
 みるみる間にN子さんの制服はぐっしょり。
 たちまちあたりにたち込める土の匂い…。

「わっ!何なの?この雨!」
 慌てて雨宿りができるところがないかとあたりを見回せば、4、50メートルほど行った田畑の向こうに見えるお堂のような、神社のような建物。
 雨の線に霞む風景の中、N子さんは両手でカバンを頭の上にかかげてそのお堂のような建物を目指して駆け出す。
「ひゃっ!」「ひゃっ!」
 駆ける両足の後ろに、たちまち出来た水溜りの水が撥ね飛ぶ。

「ひゃー!もぉイヤーっ!」
 って、やっとたどり着いたお堂の軒先には、先客が何人か。
 変な悲鳴をあげながら駆け込んできたN子さんに、クスっと笑いかける。
 N子さん、つられて思わず笑顔を返したものの、もうそれどころじゃない。
 ハンカチを出してあちこち拭うものの、これだけ濡れちゃうとほとんど意味なくて。
 服がベチョリと体に張り付いて気持ち悪いことこの上ない。
 幸いさっきの冷たい風はあれっきりで寒さは感じないものの、今度は一転蒸し蒸しした空気に包まれて。

「ふひゃー。もう…。」って、ハンカチでパタパタあおいで…。
 前を見れば、さらに強まる雨にまわりの景色は、雨の縦の線に沈んでいくばかり。
 その割に遠くの空は晴れているせいか、前の道路の水溜りや木々の葉っぱは日の光を反射して明るい。
 そんな中、「こういう雨はすぐやむよね…」って思って立っているN子さん。
 でも、意外に止まない雨……

「こんな時、都内の学校だったら
 雨宿りする所なんていくらでもあるんだろうなぁ…」
 なんてことを考えながら、見るともなしに自分が今いる場所を見回しているN子さん。


 空は、さっきの黒雲から明るい鼠色に変わったけれど。
 雨に濡れそぼって、重くそしてすっかり濃くなった木々の緑。その合間に見えたのは小さな木の鳥居。
 ということは、ここは神社なのか…。

 後ろを見れば、土ぼこりにまみれてくすみまくったトタンの壁。
 小さな賽銭箱。
 その上の金網に覆われた小さな窓。
 中は真っ暗。なんにも見えない。

 軒先からは、滴がポタンポタンとひっきりなしに落ちている。
 そのギリギリの所で、しゃがんで雨宿りしているのはジャージ姿のお爺さんと小学校低学年くらいの男の子。
 二人並んで、何も言わずにぼーっと雨の降るさまを眺めている。
 え?つまり、散歩の途中で雨に降られたお爺さんと孫ってことなのかな…

 その手前には、スーツ姿のサラリーマン風のおじさんと若い人の二人連れ。
 彼らは、営業かなにかで外回りの最中に降られて、ここで雨宿りをしてるんだろうか…
 やはり二人とも。何も言わずに、ただ雨の降るのを眺めているだけ。


 通り雨のようなのに、なかなか止まない雨。
 それは、N子さんが頬を膨らまして「フーっ!」って大きくため息をついた時。
「なかなか止まないねぇー」って声。
 思わず目をやった先には、ここに駆け込んだ時にN子さんに笑いかけた初老のおばさんのやさしそうな笑顔。
 ちょっと面食らって、ぎこちない笑顔を返すN子さん。

「遠くの空は明るいから、すぐ止みそうなもんだけどねぇー。」
「そーですよねー。」
 何を答えていいかわからず、なんとなくうなずいていると。
「いや、もうちょっと降りそうだなぁー。雲、こっちに流れてるから…。」
 いきなりの声に慌ててそちらを見れば、先ほどのスーツ姿のおじさんが空を指差している。
 隣では、それにうなずいている若いサラリーマン。

 N子さん、やっぱり上司と部下なのかな?って思っていて、ふと…。
 あれっ!ここの人達って…。
 あ、そうか、みんなあの踏切事故の所にいた人達じゃないって気がついた。
 なぁ~んだ。みんな、野次馬してたら思わぬ雨で、慌ててここに逃げ込んだってことか…


「お嬢ちゃんは、Z女子大の付属の学生さん?」
 声をかけてきたのは、先ほどの初老のおばさん。
 N子さん、お嬢ちゃんって呼ばれたことには、ちょっと面食らいながらも。
「え、ええ。そうです。
 電車止まっちゃって…、仕方なく歩いてたら雨降ってきちゃって…。」
「同じねぇー。
 みんな、踏み切りのところにいて、この雨で慌ててここに駆け込んだのよ。」
「…!?」

 そこで、ふっと途切れた会話…
 その妙に間のもたない感じ。
「おばさんは、ご近所の方なんですか?」
 見ればいかにも普段着という感じのちょっとくたびれたニットとスカート。エプロンをして、足元はサンダル履き。
「まぁ近所といえば近所かな…。」
「そうなんですかー。」

 また途切れる会話…


 そんな続かない会話とは裏腹に、全く途切れないのはこの雨。
 やや小ぶりになって見通しはよくなったものの、それでもサーっと間断のない音をたてて降っている。
 空の端っこには相変らず明るい所も見えるんだけれど…




 ――── 本日これまで!
                51話目-3〈了〉/51話目―4につづく メルマガ配信日:10.3.5
                                             *無断転載禁止


*ブログの無断転載は、呪い・祟り等ご自身に大過を招くこととなりますのでご注意ください








スポンサーサイト
Comment:0  Trackback:0
2013
01.19

51話目-2

Category: 怪談話
 * 51話目-2は続き物です。51話目-1からご覧頂ければうれしいです


 ついこの間3年生になったばっかりと思っていたのに、いつのまにかゴールデンウイークは終わっていた。
 頭に重~くのしかかってくるのは、3年になって最初の中間試験。
 そして、それよりズシーンと重い進路のこと…。

 類は類を呼ぶということなのか、N子さんやN子さんの親しい友人達の成績は揃いも揃って全員、中の中~中の下くらい。
 誰しも来年はここを出て他の大学に行きたいと思っていても、とてもじゃないけど、こんな成績じゃ国立や有名私立なんて無理。
 それ以外だって、受験勉強を死ぬ気でしないと無理かもしれないってくらい。
 上に行くのでなく他を受験するとなれば、これから来年の2月まで、学校と進学塾と家の机の3ヶ所を行ったり来たりみたいな日々になるのは間違いない。
 しかし、それで合格できるという確信があるのならまだしも…

 外に出る…。他の大学に行く…。
 はたしてそれが、18歳という人生で1度しかない美しい季節の全て犠牲にしてしまうほど価値のあるものなのか?

 ちなみに。
 N子さんは、まぁどっちかというとそこまで深刻に悩むタイプじゃないんですけど、それでもその時はN子さんなりに真剣に悩んでいたらしいんです。
 というのも、N子さんの通う高校の上の女子大。世間的にはお嬢さん学校として相当名が通っていたとかで、都内の大学と合コンやっても、大学の名前だすだけで結構ポイント高くなるという、もっぱらのうわさ。
 それくらいネームバリューがあるわけですから、当然就職の時だってそれなりに神通力が効くわけです。
 ましてや、N子さんは中学校からいるわけですから。

 つまり、それなりに名の通った大学に受かる学力がないのなら、素直に上の大学に進んだ方が、たぶん大手を振って大学生活をおくれるだろうし、また将来の就職でも有利というわけ。
 なにより、この1年必死こいて受験勉強する必要がない。

 N子さんが悩んでしまうのには、もうひとつ理由があったんだそうです。
 それは……

「来年はみんなで上の大学に行こうね。絶対ね!」
 それは、去年の秋にY美さんををはじめ仲のいいみんなで交わした約束。
 もちろん、それはその時の勢いでした遊びの約束。
 でも、受験勉強したくないっていうのは誰しも同じなのだろう。
 それは、いつの間にか誰しもが持っている「もういい加減、外に出たい」っていう切迫した思いを、なんとか無理やり抑え込むためのおまじないみたいになっていた。

 そんな悩める季節のN子さんとは裏腹に。
 ミスター新入生は、毎朝のようにN子さんの乗る電車に乗ってくる。
 大学生のくせに、なにも高校生の登校時間と同じ時間に、毎日学校に行かなくてもいいと思うのだが、そこがまさに新入生そのもの。
 一緒にいる顔ぶれは、その日その日で多少入れ替わったりするのだが、そのミスター新入生だけは、なぜか毎朝いる。
 よっぽどのド真面目クンなのか!?

「でも、マジメじゃないよりは、いいのっかぁー…」
 N子さん、いつしかそんなことを考えるようになっていて…。
「上の大学に行ったら、
 あのミスター新入生の大学と合コンとかあるのかなぁ?」
「あ、そうか。学園祭って手もあるじゃん。
 でも、学園祭って…。秋じゃん!」
「声かけちゃうとか…。ムリだなぁ…。絶対ムリ。
 アイツの方から声かけてくれればいいんだけどなぁ…って、
 もっとムリか…。
 だぁって、ミスター新入生だもんね。」

 N子さん、勉強している時もそんなことばかり考えているので、中間試験の成績はもう散々。
 いくら推薦で上に行けるとはいえ、あまり成績が悪いと寄付金の額がどんどんはね上がることになる。
 さすがにそれはヤバイと心を入れ替えようとするのだが、N子さんもお年頃の女の子。こればっかりは…。
 考えまいと思えば思うほど、考えちゃって。
 いっそのこと、ミスター新入生のヤツ、普通の大学生らしく昼頃から学校に行けばいいのにって思っても、あいもかわらず毎朝N子さんの乗る電車に乗ってくる…。


 季節は、最初にミスター新入生を見かけた桜が満開の季節をとうに過ぎ、もう6月初旬。
 いつもの電車の中のN子さん達も、白がまぶしい半袖のセーラー服になっていた。
 外は、おそらく梅雨入り前最後の晴天。
 車窓から見える桜の木々は、透き通るような目一杯の緑に染まっている。
 そんな爽やかな朝だというのに…。
 やけに重たいことを言い出したのは、Y美さんだった。
 
「あのさ、みんなゴメン!
 わたし、外の学校受験することに決めた…。」
「……。」
「……。」
 みんないつも通りワイワイキャッキャとしゃべっていたのに、急に嘘のようにシュンと黙ってしまって。

「ゴメン。みんなとはずっと一緒にいたいんだよ。
 いたいんだけどさ。
 でも…、あと4年。あと4年あそこに行くの、どうしても堪えられない気がしてさ…。」
 他はともかく、Y美だけは絶対上に行くつもりなんだろうと思っていたN子さん。いきなりのY美さんの宣言に大ショック。
 しかし、ショックはさらなるショックを呼んで…。

「ゴメン。Y美が言った後で言うのズルイってわかってるけど…。
 わたしもそうしようかと思ってる…。」
 そう言ったのは、N子さんがY美とともに最も仲のいいL子さん。
「ええぇっ!うそっ!L子も…。」
「ゴメン。N子。
 早く言わなきゃ言わなきゃって思ってたんだけど…。」
「ゴメン。N子。実はわたしも…。」
「えっ!E代まで!」


 結局、その朝そこに居合わせたいつものメンバーの半分は外の大学を受験する。残り半分は上の大学に行くって、いつの間にか決めていたんだそうです。
 進路について、いまだ漠然としか考えてなかったのはN子さんだけ。
 でもそれは、みんなもそんなものだと思っていたからで。

 N子さん、別に裏切られたような気持ちとか、特にそんなことは思わなかったらしいです。でも、でもみんなそんな風に来年のこと真剣に考えてたんだって、自分が急に矮小な存在に思えてきて。
 なんだか自分ひとりだけが、置いてきぼりをくらったような気持ちになったといいます。

 N子さんというのは、どっちかといえば楽天的でなにがあっても明るくしてるってタイプなんですけど、この朝の出来事にはさすがにガーンときたとかで。
 いままでは、みんな上に行くって言っていることだし、わたしもたぶんそうするんだろうなって、漠然と思って済ませていたらしいんです。
 でもその朝のショックで、常に心の内に抱えていた「外に出たい」という思いが、急に湧き上がってきたんだそうです。


 放課後…。
 なんだかいてもたってもいられない気持ちになって、N子さんは担任の先生のところに相談に。
 先生は気持ちよく相談にのってくれたものの。
 結局は、現在の成績では思うような学校なんて絶対無理って思い知らされただけ。

 N子さんは、一人校門を出て駅に向う道すがら、つい今しがた先生に言われたことを思い返していて。
「俺は、オマエの性格からいっても、
 そのまま上に行った方がいいと思うけどな。
 そりゃ6年間ここ通って、もういい加減外出たいっていう気持ちはわかるけどな。
 でもなぁー、他の学校の生徒からみればウチの大学って、
 結構憧れの学校だったりするんだぜ…。」

 そんなこと言っても、憧れなんて確実に自分のものになるってわかっちゃったら、憧れでもなんでもないじゃん。自分のものになるかどうかわからないから、それは憧れなんじゃん。
 ただ、どうなんだろ…
 ホントに憧れじゃないのかな…?
 わたし、6年前はウチの学校に憧れてたよね。
 合格通知もらった時はホントに嬉しかったよなぁー。
 うん、今でもウチの学校好きだし…。
 でも…。
 そう。
 でもなぁーなのよねぇー……

 そんなことをとりとめもなく考えていて、ふと気がつけばもう駅。
 ところがその駅、なぜか今日にかぎってそのローカルな駅舎に似合わないくらい人がわんさかひしめいている。

「なにコレ?どうなってんの?」
 考え事から開放された頭に、急に入ってくる外界の音。
「ゲっ!人身事故…。復旧の見通したってないって…。
 えぇーっ!うっそー!」


 N子さん、その時は、まったく朝といい帰りといい、いったい今日はなんなのよ?って、思わずイライラってきちゃったんだそうです。
 で、気がついた時は歩き出していたんだとか。
 ずいぶん前に一度、Y美さん達とJRの駅まで歩いたことがあったとかで、確かあの時は1時間くらいで着いたよなぁって。

 よく、悩んでいる時や考え事をしている時は歩くのが一番といいますが、この時のN子さんにもまさにそれがあてはまったそうです。
 梅雨入り前の季節の、よく晴れた日の3時か4時くらい。
 蒸し暑いのはともかく、黄色味の強い陽の光がまわりの風景をまるで真夏の夕方みたいに染め上げていて。
 木々は葉っぱをわっさわさと茂らせて、もう野放図な生気でいっぱい。
 N子さん、それらがワーって元気をくれたような感じがしたといいます。

 しかし、
 そんな朗らかになっていく気分とは裏腹に、実はこの時N子さんの足は着々と人身事故の現場へと向かっていたんだそうです。
 空の端っこには、不穏なダークグレイの雲。
 それは、モクモクと急速に空を侵食しはじめていて……


「えっ!?なに。なんで、こんな所に電車があるの?」
 それは、小さな林を曲がった時だった。
 真っ直ぐ伸びる道の向こう、畑の広がる中にいつも朝夕乗る電車が、ちょっと間の抜けた感じに停まっているのが見えて。

 そうこうしている間にも足はその場に向っていて、廻っているパトカーの赤い警告灯がピッカピッカしてたり、人がたくさんいたりと物々しい感じが目に入ってくる。

「えっ!人身事故って…。この踏み切りだんだ…」




 ――── 本日これまで!
                51話目-2〈了〉/51話目―3につづく メルマガ配信日:10.3.4
                                             *無断転載禁止


*本ブログの無断転載は、呪い・祟り等ご自身に大過を招くこととなりますのでご注意ください






Comment:0  Trackback:0
2013
01.15

最近って、ネットの使い勝手が妙に悪くなってません?

 このブログにアクセスしていて、ふっと気がついたんですけど。
 最近、ネットの使い勝手が妙に悪くなってるってことないですか?

 まぁウチのパソコンが古いだけなのかもしれないんですけどね。
 ただ、このFC2ブログになかなかログインできなかったり。
 あと、メルマガもどこか変なんですよね。

 いや。ウチのパソコンが古いだけなら全然いいんですけどね。
 もしかして、どこぞの隣国が日本のネット環境を荒らしてるとか。
 もしくは、例のネットなりすまし事件で警察が密かに検閲をしているとかってことはないんでしょうか?



 
Comment:0  Trackback:0
2013
01.15

毎年この時期、受験シーズンになると…

 
 毎年1月のこの時期っていうのは、受験シーズンですよね。
 まぁ今はなんていうんだか忘れちゃいましたけど、私の頃は共通一次の時期で。
 そういえば、14日は関東大雪でしたけど、この時期っていうのは首都圏に雪が降りやすい時期でもありますよね。
 ニュースで試験開始時間を遅らせたとかって、なんだか毎年のように見ているような気がしますもの。

 で、まぁ。毎年この時期になると必ず思うのが、受験生グッズってヤツ。
 いやもぅ。お菓子とか、文房具とか、その他もろもろのありますよね。
 もろもろあるってことは、つまり売れるってことなんでしょうねー。

 ただ、思うのが。
 なんで、あの受験生グッズってどれもこれも駄洒落なんだろう?って。
 「うカール」とか、「キット勝!」とか、はたまた五角形で「ゴーカク」とか。
 (そんなこと言って、カナエルコーンは耳がついただけなのに、毎年つい買っちゃうんですけどね)

 いや。
 駄洒落って、実は結構好きなんで(くだらなくっていいじゃないですか!)全然かまわないんですけど。
 でも、普通現在世間一般的に駄洒落って、「おやじギャグ」って言われてつま弾きにされてるんじゃなかったかなーって思うんですけど(笑)
 口から出るより早く、「寒い」とか「滑ってる(ゴメン)」とか言われて。

 なのに、受験生グッズの駄洒落はなんでいいんでしょうかねー。
 「なんかそれって滑ってない?(ゴメン)」とかって、思わず言いたくなっちゃうんですけど(笑)
 というか、そこにツッコミ入れると、ラップの「韻」も、「それっておやじギャグとどこがどう違うの?」とかって聞いてみたくなっちゃうんですけど、でもラップの人って怖そうなんで、それはやめておきます(笑)

 



 
Comment:0  Trackback:0
2013
01.12

51話目

Category: 怪談話
 そういえば、メルマガの方は51話目からタイトルの模様替えをして。
 お話の方も、続き物が多くなっったり、またあえて「実話怪談」のフォーマットから外れるようになります。
 というのは、いわゆる今風な「実話怪談」ってものがつまらなくなってきちゃった時期だったんですね。
あと、今風の「実話怪談」っていうのは、“こうじゃなくっちゃならない”みたいなワクがあまりにカッキリしすぎちゃっていて、書いていてウンザリしてきちゃっていたんです。

 とはいえ、怪談話の呪いというか(笑)。
 普通のお話と怪談話の一番大きな違いって、実は文末にあるんですよね。普通のお話の文末っていうのは過去形が多いんですけど、怪談話の文末っていうのは先を見せないって意識が働くのか、自然と現在形になることが多いんですよね。
 つまりそれがあるがゆえに、今読み返してみると、いわゆる「実話怪談」でもないし、かといって普通のお話でもないみたいな感じの文章になっているんですよね。
 
 あ、そうそう。
 「実話怪談」でもなくと言っても、お話そのものの核になる部分(怪異の部分)はあくまで私自身だったり、友人知人の体験ですということはお断りしておきます。





51話目-1

「ねぇっN子!」
「ねぇっN子!」
「なんだかなぁー…。ねぇっN──」
「えっ?えっ?なに?なに?どうしたの?どうしたの?」
「わっ!なによいきなり…。
 何回呼んでもボーっとしてたくせに…。
 それになぁに?そのニヤついた顔は。」
「えっ?そんな…ニヤついてなんかないよぉー。
 えぇぇっ!そう…?ヘンだなぁー。」

 N子さんがその日ボーっとしてたのは──、いや実はボーっとしてたのはその日だけじゃなくって…。
 というのも、新学期になってから朝に電車でよく一緒になる大学生が、自分でもなんだろ?って思っちゃうほど不思議なくらい気になって、気になって…。


 N子さんの通ってた女子高はある女子大の付属。
 そこは幼稚園から女子大まであったということですが、N子さんがそこに通うようになったのは中学校から。
 つまり同じ場所に通って、はや6年目の3年生。
 来年は大学なわけですが、その当時N子さんはそのまま上の大学に行くか、それとも他の大学に行くか迷っていたんだそうです。

 このまま上の大学に上がれば、また4年間この場所に通うことに。
 つまり、中学校から10年間同じ場所で過ごすわけで、それもなんだかなぁーと思って。
 というのもN子さんの高校のある場所は、東京近郊のベッドタウンのJRのとある駅から、やけにローカルな感じの私鉄に乗って3つ目の駅。その名も「Z女子大前」という、やたらローカルな駅にあって。
 まぁ簡単に言えば、都内にキャンパスがある大学に憧れたというごくごく単純な動機だったそうです。
 もちろん、ずっと女子校だったわけですから、共学の大学に通ってみたいという気持ちもあったのかもしれません。


 毎日、このやけにローカルな私鉄に揺られて、いつのまにか6年目。毎朝、電車で顔を合わすメンバーは、その時々で多少の変化はあったものの基本的には変わらない。中学校の頃からというのがほとんど。

 学生のN子さん達がそんな風になら、毎朝電車で乗り合わせている大人たちなんか、それこそもっと変わらない。
 いつも先頭の一番端の席でコックリコックリしているサラリーマンのおじさんも、いつもやたら元気にペチャクチャ話しているおばさん2人も、あの人もこの人も、もうすっかりお馴染みの光景。
 そんなまったく変化のない朝の電車の中、
 来年の今頃わたしはどこにいるんだろう?やっぱりこうしてこの電車に揺られているのかな?
 なんて、不安なような不安じゃないような、でもやっぱり不安な思いを漠然と思いめぐらしつつ、ふと目をやった先には、なにやらやけに見かけないヤツ…。

 つまり、その見かけないヤツというのが、N子さんが気にかかっていた男子大学生というわけ。
 N子さんの通う高校の最寄り駅の1つ先には共学の大学があり、たぶんその彼はそこの新入生。

 ところで、その彼。もう見るからに大学1年生って感じで…。
 別におしゃれじゃないとか、ダサいとかいうわけでないんだけど、どこか垢抜けてないオーラ全開!
「うわぁー!大学1年生って感じぃー!」
 それが、N子さんの最初の印象だったそうです。


 その何日か後の朝。
 N子さん、いつものように友人達とその電車でおしゃべりしていて。
 電車はJRの駅から1つ目の駅に停まっていて、プシュー!ガラぁー!ってドアの閉まる音。
 それと同時に戸のほうから、ガタン!って大きな音が車内に響いて。
 思わずそちらを見るN子さん達。そしてほかの乗客達。
「痛ぇーっ!」
「オマエ、勘弁しろよー!電車のドアに挟まれるなんて…。
 恥ずかしいなぁー。」
「ハハハっ。なんかさ、この電車のドア閉まるの早くねーか?」
「早くねーよっ!」

 ドアに挟まれてたのは、例の新入生。
 ドアの音で浴びてしまった車内のみんなの思わぬ注目に、照れくさそうな笑みを浮かべ、無意識なのかちょっとだけヒョイと頭が下がって。
 後はドアの端に立っている友人達と、楽しそうにゲラゲラ笑っている。

「あっ!アイツ、ミスター新入生じゃん。
 へぇー、アイツ、この駅のとこに住んでるんだー。」
「えっ?な~に?N子。」
 思わずつぶやいてしまったN子さんに、他の友達の方と話していたY美が怪訝な顔で振り返る。
「えぇっ!?なに?なに?なんも言ってないよ。わたし。」
「えぇぇー!絶対なんか言ったよーっ!
 あぁぁっ!N子もしかして、
 他の大学に行こうとか考えてんじゃないの?
 ダメよ。みんなで約束したでしょ。
 わたし達は、みんな一緒に来年もこの電車に乗るんだって!」


 しっかし、相変らずミスター新入生なんだなぁー。
 おまけにドアに挟まれるなんて…。
 なんか可っ笑しいなぁー。フフフ…。
 あれ…!?
 なんか変……!?

 まだ、桜がちゃんと4月になってから咲いていた頃。
 ましてやその年の冬は例年になく寒い冬で、車窓の外には満開の桜が霞みのようにふんわりと浮かんでいた。


 N子さん、その時はまだ気がついてなかったと思うっていいます。
 そのミスター新入生に、自分が魅かれ始めていたってことに…。




 ── 本日これまで!
                51話目-1〈了〉/51話目-2につづく メルマガ配信日:10.3.3
                                             *無断転載禁止


*ブログの無断転載は、呪い・祟り等ご自身に大過を招くこととなりますのでご注意ください。






Comment:0  Trackback:0
back-to-top