2012
09.30

45話目

Category: 怪談話
 山に登るというと。まずは山腹から登り始めて峠に出て、そこからは尾根伝いに山頂というルートが普通ですよね。
 しかし、それ以外のルートを登る登山というのもあります。
 よく知られているのは岩登り。
 いわゆるロッククライミングです。あえて困難な岩壁や岩稜をルートにするわけです。
 それ以外には、沢登りという登り方もあります。
 文字通り沢を下からつめていく登り方なんですが、実は高度な技術と豊富な経験が必要な登り方なんです。

 まず、沢というものには滝があります。
 滝を登るには、当然ロッククライミングの技術が必要になります。
 また、淵を泳いだりすることもあります。
 さらに、沢というのは上に行けば上に行くほど小さくなっていくわけですが、実はそこからが一番大変なんです。
 道なんてありませんから、ビッシリと茂った藪を掻き分け山頂なり、上にある登山道まで辿りつかなければなりません。
 もっとも、ポピュラーな沢登りのルートなら、だいたいなんとなく踏み後があるものですが。

 とまぁ、そんなブツクサブツクサ怪談とは全然関係のないことを書いたのは、今回のお話というのが沢登りのお話だからです。
 なにやらもうウン十年以上前の話とかで、お話を聞かせてくれたGさんはじめ、登場される方々は皆、地下足袋にワラジをつけて登っていたはずです。

 なんて言うと、「ワラジ?なんでまた…」って思う人も多いと思うんですけど、それはワラジというのは濡れた岩で滑らないからなんです。
 私も沢登りで初めてワラジを履いた時、あまりの滑らなさにちょっと感動したくらいです。
 最近ではフェルト底の沢歩き用の靴があるらしいですが、前は沢登りといえば、みんな地下足袋にワラジでした(もしかしたら現在でもそうかもしれません)。



 それは、大学時代GさんとWさんが、沢登り初めての友人や女の子何人かを連れ、東京近郊のある沢登った時のこと。
 とはいっても、そういうGさんもWさんも沢登りの経験は今年で2年目という程度。
 ただ、同行の友人や女の子達は、山そのものはそれなりに経験があったのでそんなに心配はなかった。
 なにより、遡行する予定のZ沢は沢登りの入門ルートだったというのもあった。

 まぁそんな気軽なコースだったこともあり、Gさん達は前日に麓のキャンプ場に入って大宴会。
 流しソーメンやったり、焼肉食べたり。日が暮れたた後は怪談大会と、ワーキャー大騒ぎしてたっぷり楽しんだ。

 さて当日。
 あいにく今日の空も、昨日からの雲でビッシリ覆われている。
 せっかく涼しい沢登りなんだから、カーっと暑い日射しを期待していたのだが。
 まぁこんな空模様の時はさっさと出発するに限るとGさん達、必要な荷物だけサブザックに入れてZ沢を目指した。

 沢登り初体験の友人と女の子達は、ちょっとばかり緊張している風。
 けれど、Z沢の出会いでワラジを履いて遡行を始めてしまえば、誰もがその面白さにすっかり夢中。
 深い木々に囲まれた暗い沢に、冗談やらゲラゲラ笑い声がずぅーっとこだましていた。
 そんな風に楽しく難なく登っていたZ沢だったが、最後の20メートル程の大滝には、さすがに一同立ち止まってしまって…

 いや、高いだけで技術的にはそんな難しい滝ではないのだ。
 なのに、初めての友人や女の子達が尻込みしてしまったのは、やはり大滝の迫力だったのだろう。
 大滝は、三方を岩壁に囲まれ、さらにその上は鬱蒼とした木々に覆われ、昼だというのにかなり薄暗い。
 そんな中を流れる一条の滝。
 それほど水量は多いとは思えないのに、深く黒々と水を湛える滝つぼに落ちていく水音は、耳を覆わんばかり。
 一昨年には墜落事故があって、1人死んだって話も聞いているだけに緊張感も高まらざるを得ない。

 もちろん少し下に戻れば、脇に巻道(迂回ルート)があるのだが、それでは面白くない。
 とはいえ、ここで落ちたら大事故になると、Gさんがまず登攀って、あとから登攀する沢登り初心者の友人や女の子達をザイルで確保することに。
 またWさんはといえば、滝を登るルートの右岸(沢登りの場合、上流から見て右側を「右岸」という。よって登っている人達からすると沢の左側が右岸になる)の対岸のちょっと高くなったところから、滝を登攀っている人にルートの指示を出していた。

 さて、沢の登りの初心者達が、全員無事に大滝を登攀り終わって。
 1人まだ下にいるWさんは、上にいるGさんに声を張りあげた。
「オレ、こっち登攀ってみるわー。」
 そう叫んで、Wさんは滝の右岸の岩壁を登攀りだしたのだが…

 ところが、Wさんの声はGさん達に聞こえていなかった。
 Gさんは、Wさんがみんなと同じ左岸のルートを登攀ってくるとばっかり思っていた。
 だから、最後に登った友人のザイルがはずした後、下にザイルを降ろそうとして、初めて右岸のルートを登攀っているWさんに気がついた。

 実はその時。大滝の上の状況は、事前に調べていたガイドブックの遡行図とはガラリと変わっていた。
 去年の台風せいなのか、右岸の滝の落ち口のすぐ上にとんでもなく大きな岩が転がり落ちてきてそこに止まっている。
 さらには、その大きな岩の上と上流にガレ場(不安定で絶えず小さな岩が崩れ落ちているような場所)が続いた状態になっていて、Gさん達のいる左岸に渡るのが困難な地形になっていた。
 渡るとすれば、その大きな岩を巻くように登ってから不安定なガレ場を下って左岸に来るか、でなければ滝の落ち口を渡るか。
 滝の落ち口を渡るのはあまりにも危険すぎるし、大岩を迂回して左岸に来るのもこのガレ場の状態をみてかなり危険。
 Gさんは、慌ててWさんに叫んだ!
「おいW!そっちからだとこっちに来れないから!
 いったん降りてこっちから登って来いよーっ!」
 しかし、そんなGさんの叫びは大滝の音でかき消されてしまうのか、Wさんは滝の流れの向こうの右岸のルートを登るのをやめようとしない。
 それに気がついた友人や女の子達も引き返すように大声を出すのだが、Wさんは黙々と右岸ルートを登攀るばかり。
 結局、Wさんは右岸ルートを上まで登攀ってしまって、Gさん達みんなのいる左岸の方に行かれないことに初めて気がついた。

 滝の落ち口を挟んで、叫び合うGさんとWさん。
「こっち(右岸)の藪にさ、踏み後があってよ、上に行ってるんだよ。
 たぶんこれを行けばそっちに行けるんじゃないかなー。」
と、上の鬱蒼とした藪を指差しながら叫んでいるWさん。
 さっきは全然聞こえなかった声も、滝の上だとなんとか聞こえる。
「OK~。じゃ、こっちで少し休憩してるからよ。
 早く来いよなー!」

 Gさんのその声に手をあげてニッコリ笑ったWさん。
 くるりを背中を見せて、すぐその姿は深い藪の中に消える。
 対岸からそれを見ているGさん達。
 人の姿よりはるかに高い深い藪が、Wさんが登っている場所だけワサワサと揺れて上に向かって行く。
「なんだよアイツ、熊みてぇーだなぁー。」
 Gさんがそう言って、みんなが笑った時だった。

「わーっ!」
 ワサワサ揺れていた藪が、一際大きなザァーっという音と絶叫とともに上から下に向かって勢いよく揺れる。
「ヤバイっ!アイツ落ちた。」
 慌てて立ち上がってそっちを窺うGさん。
 他のみんなも立ち上がって滝の向こうを窺う。

 幸い、Wさんの体は藪の中で止まったようで、勢い余って滝から落ちるという最悪の事態だけは間逃れた様子。
 しかし藪の中で怪我をしている可能性もあるわけで……

「おいっ!W!大丈夫か?」
「Wさーん、だいじょーぶーっ!」
 みんな、滝の向こうに向かって口々に叫んでいる。

 それは、Gさんがいったん大滝を降りて、また右岸ルートを登ってWさんを助けに行こうとした時。
 ふいに藪の中から聞こえてきたWさんの声。
「大丈夫、大丈夫ぅ~。ちょっと滑っただけだってぇ~。」
 落ちたことで照れているのか声には笑いも混じっていて、左岸のGさん達はほっと胸を撫で下ろした。

「怪我はないのかー?」
「全然大丈夫だって。
 あのさぁー、この藪の中にかなりしっかりした踏み後が横に伸びてるんだよー。
 オレさぁー、もうこのままこれ伝ってP尾根に出ちゃうからさー。
 Q小屋のところで落ち合うってことにしないかー?」
と、藪の中から聞こえてくるWさんののんびーりした声。
 その声に、みんなは「なんだよー、心配して損した」って気になってって笑っている。

 そんな中、沢の遡行図と地図をすばやく出して確認しているGさん。
 地図上でZ沢は、P尾根に建つQ小屋からちょっと登った辺りのすぐ下辺りから始まっているようになっている。
 この大滝の場所から見て、Wの言う踏み後を辿っていくと恐らくQ小屋のかなり下辺りに出るのではないか?
 たぶん、Wの言う横に伸びている踏み後というのは、この大滝の上で岩が崩れ落ちたことによって出来たショートカットルートなのだろう。
 一方オレ達は、この右岸のガレ場をずっと巻かなきゃならないから、たぶんQ小屋より上に出るだろう。
 まぁ、P尾根に出るのは30分とかからないはず。
 P尾根にさえ出ちゃえば一般登山道だし、Q小屋まではそんなにかかるわけないから、どんなにかかっても1時間もしないうちにWとは落ち合えるはず…。

「OK~。わかった。Q小屋な。」
 そう大声をだすGさんに、藪の中からまたWさんののんびーリした声が返ってくる。
「Q小屋ーっ!Q小屋ーっ!
 うん。じゃぁ~な~!」
 声が終わる間もなく対岸の藪のざわざわが、今度は横に移動して行く。
 そのスピード、まさに熊のようで……


「アイツ、早ぇーなぁー…。
 アイツの方は、たぶんP尾根かなり登らなきゃならないと思うんだけど、
 あの調子ならたぶんアイツの方が早く着いちゃうんじゃねーか?
 うん。オレ達もグズグズしてないで行こうぜ。」
 そう言って、Z沢の最後をつめていこうと立ち上がったGさん達。

 やがて、右岸のガレ場で小石が崩れてきているせいか、沢は一気に細くなっていって。
 さらに上流に向かっていくと、沢から分かれP尾根に向かっているしっかりした踏み後にぶち当たって。
 それを辿ると、あっけなくP尾根の一般登山道にひょっこり出た。
 そして…
 読み通り、40分ちょっとでQ小屋に着いたGさん達。
 しかし、Q小屋で落ち合うはずのWさんは姿はなく……


 Q小屋の前で、Wさんを待っているGさん達。
 誰もが、自分が初めての登った沢登りの余韻に浸ってはしゃいでいたのだが。
 10分がすぎて…
 さらに10分…
 気がつけば30分が過ぎていて。

「Wさん、遅いよねぇー。」
「うーん、P尾根のよっぽど下に出ちゃったのかなぁー。」
 みんなは、行動食のビスケットやチーズを出して食べていて、もうピクニック気分。
 でも、ふと見ると西の空が怪しそうな感じ。
「雨、たぶんもうすぐ来るなぁー。」
 それにうなずきつつ時計を見ているGさん。

 40分がすぎた…
 もうちょっと待ってみるか…。
 50分…
 1時間……
「おいG、もう1時間だぜ…。」
 Q小屋に着いた時の充実感はどこへやら。今は誰もが不安顔。

 1時間半──
 いくらなんだって遅すぎる。
 下から上まで3時間で登れるP尾根。
 地図上の距離からいったって、こんなにかかるわけがない。
 Gさん達が、ここまで40分ちょっとで着いたっていうのに……



 結局…
 Wさんは、あのGさん達と別れた大滝の右岸のあの藪の中で気を失っているところを、Gさん達の話を聞いて救援に向かったQ小屋の従業員とGさんに発見されたんだそうです。
 発見された時は、Wさんは怪我をしたとかで、また雨も降りだしていて、夏とはいえ救助が遅れたら最悪の事態になっていたかもしれなかったらしいです。
 Q小屋の管理人は、よく確認もしないまま別行動をとったGさん達を怒鳴りつけたということですが、Gさん達があの滝の上での経緯を話したところ、なにやら途端に黙ってしまったんだとかで。


 Z沢のある山域というのは、都心から近いこともあり四季を問わず登山者で賑わっているエリアです。
 また山麓は、近年急速にベッドタウン化していて、山から下りたらすぐ住宅街って感じになってます。
 しかし、一歩山に入れば……

 山というのは異界。
 というのは、山の怪談なんかでまるで枕言葉のようによく言われることですが、そんな1時間半か2時間も下れば街というような山域であっても、下界の常識では考えられないような出来事ってホント普通なんだそうです。
 この山域にある別の小屋のことですけど、私がひどい霧雨に閉口して雨宿りさせてもらっていた時、その小屋の主人もそんなようなこと言っていましたっけ。




45話目終わり。フッ!
                   ――─ 第45話「滝の上の会話」 メルマガ配信日:10.2.12
                                             *無断転載禁止



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2012
09.30

44話目

Category: 怪談話
 山つながりでもう1話。
 09年7月の北海道トムラウシの遭難。
 そのニュースを見ていて、ふと思い出したのは新田次郎の小説『聖職の碑』でした。

 まぁ『聖職の碑』といっても、知らない方のほうが多いかもしれません。
 『聖職の碑』は、大正2年に長野県の伊那地方にある中箕輪高等小学校が、学校の行事として行った木曽駒ケ岳(中央アルプスにある2956m峰)の登山において発生した遭難事件を新田次郎が小説化したもので、映画化もされました。
 この木曾駒ヶ岳の遭難では、引率責任者である校長先生他10人の同校生徒が亡くなっています。

 09年のトムラウシの遭難のニュースを見た時、暴風雨をついて小屋を出た後に人が次々に倒れ、低体温症(いわゆる昔よく言われた疲労凍死のこと?)で亡くなっていくという点が、『聖職の碑』で描かれていた木曽駒の遭難を思いだすなぁーと思ったわけです。
 『聖職の碑』を読んだのはずいぶん昔なんでうろ覚えなんですけど、確か木曽駒の遭難も小屋(といっても半壊状態)を出た後、次々に亡くなっていったと書かれてあったよなぁーって。

 まぁそうは言っても。悪天候中の行動においての遭難ですから、似ているのは当たり前なのかもしれません。
 むしろ、7月のトムラウシの遭難が、妙に木曽駒の遭難を思い起こさせたのは、生還された方がインタビューで語っていた幻覚幻聴の話ゆえなのかもしれません。


 確か女性の方だったと思います。
 低体温症で歩けなくなる人が出たりして、パーティーがバラバラになった後、その女性(Aさん)はもう1人の女性(Bさん)と2人で歩いていたんだそうです。
 といっても例のツアー登山です。
 AさんにとってBさんというのは今回の登山で初めて見知った程度の人。
 そのBさんが、Aさんの後ろを歩いていてついにその場に座り込んでしまった。
 Aさんはなんとか助け起こして一緒に連れていこうと思ったそうなんですが、どうにも無理な様子。
 それどころかAさん自身まで死んでしまうと思って、後ろ髪を引かれる思いで1人下界に向かって歩きだしたんだそうです。

 しかし、そのAさんもついに体力がつき、ある場所で座り込んでしまう。
 すると、ついさっき置き去りにせざるをえなかったBさんがいつの間にかAさんの隣にいて。
 そして、しきりとAさんに話しかけてくる。
 ふと気がつけば…
 Bさん以外にも、すでに亡くなってしまったパーティーの人たちがAさんのまわりにいて、口々に何かしゃべっていた……


 TVで見たうろ覚えをそのまま書いているので細部は違うかもしれません(その点はご了承ください)。が、大体そんな感じだったと思います。
 実は、木曽駒の遭難にも似たようなお話があるんです。
 (確か『聖職の碑』のあとがきみたいな所に書かれているはずです)


 半壊の小屋を出てみんながバラバラになった後、ある生徒と教師の二人が、岩穴を見つけそこで暴風雨の一夜を明かしていたんだそうです。
 その夜、その岩穴にその登山の引率責任者である校長先生が見回りに来た。しかも、その夜何度も。
 その生徒と先生は、その校長先生と言葉もかわしたといいます。
 (会話の内容までハッキリ覚えているんだそうです)
 二人は、その夜校長先生は、一晩中ずっとその辺りを見回っていたようだったと言うのです。
 しかしその校長先生、夜が来る前の夕方には捜索隊に見守られながら亡くなっていたんだそうです。



 トムラウシの遭難で、女性が体験したもの。
 木曾駒ケ岳で遭難し岩穴で、一晩を明かした生徒と教師が見て、会話もした校長先生。
人というのは、そのような事態に身を置かれた時、そういう体験をしてしまうというというのは必然なのでしょうか。
 そして、はたしてそれは…
 内的な要因で起こるものなのでしょうか。
 それとも、外的な要因で起こるものなのでしょうか……




44話目終わり。フッ!
                ――─ 第44話「トムラウシの遭難」 メルマガ配信日:10.1.31
                                             *無断転載禁止


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* 木曾駒ケ岳とトムラウシの遭難については、Wikipediaを参考にさせてもらいました。
* トムラウシでの遭難者の体験はNHKの『クローズアップ現代』で放映された内容の記憶をもとにしています。
* 新田次郎の『聖職の碑』は現在でも講談社文庫で読めます。




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2012
09.30

「支えなきゃ!」じゃない?

Category: guchitter

 まさか安倍さん、また総裁に返り咲いちゃうとは思いませんでした。
 あの辞任があっただけに、いっくら自民党でもまたトップに担ぐとは思えなかったんですよねー。
 まぁ結局は、例によって例のごとく「派閥の論理」の結果ってことだったんでしょうかねぇ…。
 そうなんだとしたら、谷垣さんを無理やりおろしちゃったあの一連の流れからみても、自民党の体質というのは選挙で負けてからも全っ然変わってないんでしょうかね(まさに平成お歯黒族!)。

 とはいえ。安倍さん、なんでも「消費税はデフレが脱却してから」と言ってるんだとかで。
 まーねー。安倍さんの言う、その「デフレ脱却」っていうのが、例によって企業だけに収益が上がって、国民全体にはお金が回ってこないという、ここ20年くらいのパターンでなく(例の「いざなみ景気」みたいなのではなく)。
 企業の収益云々だけでなく、国民の収入や雇用も改善され、誰もが未来を信じて買い物が出来るようになるという日本全体の経済が活況な状況を言っているのなら(「いざなぎ景気」のような景気なら)、安倍新総裁大歓迎です。
(まぁ国民の「義務」として、どんな状況だろうと増税は常に反対ですけど)。


 自民党というのは、まぁ様々な悪癖を持ちつつ、かつ現在日本が抱える諸問題の要因をつくりながらも、そうは言っても日本史上空前の豊かな暮らしを国民に与えたことは間違いない事実でしょう。
 司馬遼太郎は称えますけど、明治政府はあくまで国家が中心である時代だったし(まぁそういう時代だったとはいえ)。300年近い太平の世を築いた江戸幕府だって、江戸の庶民は4畳半に土間がついただけの長屋暮らしが当り前でした。
 それ以前の政権下での庶民の暮らしについては、まぁ語る気にもなりません。

 これは、私も含め誰もがわかっているのに、でも意外と普段は忘れがちなことですけど、日本という国はいつの時代も貧乏の見本のような国だったわけです。
 もっとも現在はそんな貧乏国家だった頃の物は無くなってしまって、一部の権力者や宗教勢力がつくった豪勢な文物だけが残っているから、ついそんな貧乏な国でなかったように感じてしまいます。
 でもあれらは皆、権力者や宗教勢力法や教えの名の下に庶民から財産を毟りとってつくった物です。
 歴代の日本国民の、それこそ食べるものもすら満足に得られない暮らしという犠牲の上にあれらは現在あるわけです。

 有史以来そんな時代がずっと続いた後、やっと自民党政権という政権が私たち日本の国民に豊かな暮らしをもたらしました。
 いや。もちろんそれは国民一人一人の努力があったればこそですし、また豊かでなかったかつての時代の礎があったのも間違いない事実です。
 でも、同時に自民党という組織が政権にいたからであるのも確かでしょう(まぁ民主主義自由主義こそ、考えられる最良の統治システムというアメリカの指導も大きかったのかもしれませんが)。
 それは、もし終戦後日本を統治していたのが、共産主義のソ連だったらどうなっていたのだろうと考えるなら明らかだと思います。

 つまり、日本人が自民党を好きなのは、日本史史上最も豊かな暮らしをもたらしてくれた。それ故なのだと思います。
 そんな自民党なのに、2009年に選挙では民主党に大敗して政権を追われてしまいました。
 敗因はいろいろ言われましたし、また自民党もそれなりに総括したようです。まぁその言われていたことどれもが当たりだったんだと思います。つまり、そのくらい当時の自民党というのはおかしかったんでしょう。

 まぁもう政権を維持することが出来ない。当時の自民党というのはそのくらい病んでいた。それはおそらく確かだとは思うんです。安倍さんから始まって、福田さんもいきなり1年で辞めちゃいましたしね。
 それらは自民党政権に終止符を打つ決定打だったとは思うんですけど、私はそれもありつつ、もっと根っこの意識として国民が「自民党っていうもの」にウンザリしちゃっていたようなところがあったような気がするんです。
 それはあの当時の自民党が、組織が一致協力してトップを支えるという、組織の根本が崩れていた。
 組織として当然あるべきであるトップを協力して支えるどころか、前の小泉さんで言いたいことを言えなかった反動なのか、党全体でもう言いたい放題やりたい放題で、足を引っ張りまくっていた。
 私たち国民は、なによりその組織のあまりの醜悪さにウンザリしちゃったんじゃないでしょうか?
 ウンザリしちゃったが故に、選挙で自民党には入れなかったんじゃないのかなーって思うんです(まぁその状況は、そっくりそのまま民主党vs自民党として受け継がれているようですけど。全く…。社民党の福島さんあたりのコメントが、時々まともに感じられてくる世の中って、どういう世の中なんでしょうね)。

 いや。もちろん、当時の自民党政治には消えた年金問題や景気回復の問題等具体的な問題が数多くあったのは確かです。
 でも、日本国民って意外とそういう具体的問題で自らの投票を左右しない傾向が強いのも確かなような気がするんですよね。
 また、根本は政治家よりも、むしろお役人にあるっていう意識も潜在的にはありますしね。

 まぁ敗因が何か?みたいは話はともかく。
 組織たるもの、意見や行動の自由はともかく。
 自分たちが決めたトップ何があっても守るというのが、組織の根本原則であって、またそれは他から信頼される組織の根本でもあるんじゃないでしょうか。
 三国志じゃないですけど、極端な話それこそトップはボンクラだっていいんだと思うんですよ(いや、安倍さんがそうだって言ってるんじゃないです)。
 劉備玄徳みたいなボンクラ (旗頭にはいいんだけど) でも、脇に諸葛孔明だの、関羽だの張飛だのそうそうたる有能な人たちがトップをしっかり守り支えていれば。
 つまり、それこそが「組織」の存在価値なんだと思うんです。

 まぁ変な話、問題のない人っていうのはいないわけで。
 いろいろ問題はあったし、うまく回ってるとは言えませんでしたけど。
 当時、安倍さんも、福田さんも、麻生さんも、それなりには自らの方向性で少しでもよい方向にと一生懸命やっていたように思うんです。
 でも、トップがいくら良かれと一生懸命やっても、トップを支えるはずの党が党を挙げて、それぞれ勝手な論理や利害でトップの足を引っ張ってるんじゃどうにもなりません。
 確か、麻生政権終わり頃には、内閣支持率がわずかながらでも上がっているのに、自民党の支持率は下がる一方だった時期があったと記憶しています。
 当時の内閣支持率、政党支持率全てを憶えているわけではありませんけど。でも、安部政権から麻生政権にかけて、そういう支持率の推移がよくあったように思うんですよね。
 当時、国民は「自民党というもの」に嫌気がさしてたっていうのは、あれなんかがまさに象徴していたように思うんです。


 私たち日本人が2009年に自民党でなく民主党に投票したっていうのは、少なくともあのトップを支えられない自民党政治を終らせたという意味では間違いではなかったと思うんです。
 ただ、この民主党というのもトップを支えられないというか、体質的に仲間を切り捨てるという嫌ぁーな性向があるんですよね。
 それは、野党時代の偽メール事件なんかがまさに象徴してるように思います。
 あの時、自民党は疑惑の槍玉に上がった幹事長を声を大にして(半ば脅すように?)守りきりましたけど。でも、民主党はその時の仲間を切り捨てて終わりにしました。
 小沢さんへの対応なんかも、まさにその伝統の踏襲ですよね。

 仲間を見捨てる政治、仲間を切り捨てるような政治っていうのは、やっぱりダメだと思うんです。
 仲間を見捨てる、仲間を切り捨てるってことは、いざとなれば国民だって見捨てる・切り捨てると公言しているのと同じことです。
 国民というのは、実はそういうことを潜在的にしっかり意識します。
 そういう意味じゃ、自民党が安倍さんをきちんと支えられるかどうかというのが、私たち日本人が自民党を再び信じていいのかどうかと確認する試金石と言えるような気がするんですけど、どうでしょう?
 まぁ今のところは、谷垣さんを切り捨てたということで、全然不合格って気がしますかね(安倍新総裁のお手並み拝見ってとこでしょうか)。



 そういえば安倍さんの家系というのは、前九年の役のあの安倍宗任の子孫なんだとかで(!)
 まぁまた自民党が政権に返り咲けるかは、まだなんとも言えないわけですけど。とはいえ、東北を一刻も早く復興しなけれならない現在の日本で、安倍氏の末裔が日本の首相になるかもしれないというのは、ちょっと不思議な何かを感じますね(というよりは、そう思いたいっていうのがあるのかもしれません)。
 東北の方たちが、現在の日本の政治を腐したい気持ちはわかりすぎるくらいよくわかりますけど。でも、腐してたって復興にはつながっていかないわけで。
 「かつて東北の黄金文化の魁となった安倍氏の末裔が自民党総裁になった!」とかなんとか盛り立てていく(言い方は悪いですけど、煽てたり、持ち上げたり)というのもアリなんじゃないでしょうか。

 安倍氏というのは、時の朝廷や貴族どもから俘囚と蔑まれながらも、その持てる力(領内で採掘された金)を最大限利用して、大陸の国々と貿易をして富み栄えたわけですけど。
 たぶん佐藤首相や岸首相というのは安倍さんの母方の家系なんだと思うんですけど、安倍さんには「現在」という時代を鑑みて、父方の遠い祖先のこともそれとなく参考にしてほしいかなーって気がしますね。

 考えてみれば、安倍さんが前に首相になった時。
 私たちの日本では、かつて「俘囚」と呼ばれた安倍氏の子孫が日本の首相になったなんてことが言われることは一切なかったように記憶しています。
 私たちは、そんな出自云々でとやかく言われない素晴らしい国に生まれたんだと言えるように、安倍さんには是非頑張って欲しいものですね。
 橋元さんに政治を任すには、おそらくは10年くらいは早いんじゃないかってことがわかってしまった今。私たちの日本国民が政権をたくせるのは、今のところ民主党と自民党しかないわけですから…。


追記‐1
 日経・テレビ東京の調査によると。
 安倍さんが自民党の新総裁に選ばれたことに対して、「評価する」は38%。「評価しない」は49%。 
 次の首相に相応しいのは?では、「野田さん」が28%。「安倍さん」が41%。
 政党支持率は、「民主党」が33%。「自民党」が37%(自民党は、先月比12%増)。
 *調査期間:9/26~27 全国20歳以上に無作為で電話調査 856人回答

 まぁご祝儀的な面もあるとはいえ、安倍さんに対してネガティブなイメージはそれほどないようですね。
 ただ、日経の調査なんで…。
 どうなんでしょう?無作為とはいえ、元の名簿ってそもそもどんな名簿だったんだろうって(もしかして名簿に経済関係者が多いとか…)。
 なーんかちょっと自民党の評価が高すぎるような気がしないでもないような!?


追記‐2
 NHKのニュースによると、サラリーマン(パート・バイト含む)の平均年収は2011年で409万円とのこと。
 これは、最高だった97年の467万円から58万円のダウン。
 89年(平成元年)の402万円とほぼイコール。

 まぁとにかく。15年間で平均年収が58万円もダウンしているような状況では、デフレを脱却しようにもそもそも誰もお金使うわけありませんよね。
 そのくせ企業の内部留保は過去最高とか。2002年から始まったとされるいざなみ景気の頃に経団連会長が「新興国に対抗するために研究開発等設備投資が必要だから給与は上げられない」と言ってたくせして、新興国に対してボロ負けの現在の状況とか、単年度の収益ばかり重視している最近の企業経営っていうのは、ちょっと(というか全然)納得がいかないって気がします。

 さらに言わせてもらえば、この平成以降の平均年収の推移のニュースの最後で、「円高とデフレを脱却しなければ今後も横ばいか減少が続くだろう」という某保険会社の経済研究所の方のコメント。
 そもそもデフレを脱却するには、何より給与が上がるってことが大事なんじゃないんですかね。
 だって、最近の新興国の経済発展をみても、中間所得層が育ってきて消費を大いにするようになったからというのは、経済の常識のようになってますよね。
 「デフレを脱却しなければ今後も横ばいか減少」じゃ、なんだか玉子が先かニワトリが先かと聞かされているようで。その全然意味のないコメントって「専門家」として真面目に言ってんの?と大いに疑問を感じてしまいます。
 そういえば、ちょっと前にも中国のデモ騒ぎだか、他の新興国のニュースだかのコメントでもやっぱり保険会社だったかのシンクタンクの方が、なんだか寝言みたいなことを言っていた記憶があって。
 具体的に何に対してどう言っていたんだかは覚えてないんですけど、この人って本当にその国に行ったことがあるのかな?って思った記憶があります。
(そういえばシンクタンクって、日本にホントに貢献してるんですかね?)

 あの手のシンクタンクの方の発言っていうのは、ニュース等では必ず「専門家によると…」という枕言葉を付けて紹介されますけど。
 そういえば、去年の原発事故では「言っていることが一番信じられないのが専門家」というのがありましたよね。
 つまり、もしかしてそれは経済分野の「専門家」についても言えるってことだったり…!?


追記‐3
 マスコミの影響が強いせいなのかなんなのか、日本では政治家やお役人・お役所・公務員はいくら腐してもいい、批判してもいいみたいな風潮があります。
 いや。もちろん、腐される、批判される原因があるのは確かではあるんですけど。

 とはいえ、政治家だってやっぱり人間なわけですよね。
 国民やマスコミから腐され、批判されてばかりいるが故に、国民から選ばれた存在なんだということが疎かになって、結果自らの利権の獲得にのみ一生懸命になるということも、もしかしたらあるんじゃないでしょうか。

 先週だったか『サキどり』って番組で、市役所がフェイスブックやツイッターを使って情報を発信することで市民との距離が縮まったみたいなことをやってたんですけど。
 その中で、ツイッターだったかに書き込まれた市民から要望に即対処したら、その市民が「ありがとう」って書き込んでくれたんだとか。
 それを見た市役所の職員は、「私たちの仕事っていうのは、普段ありがとうって言われることがないんですけど…」ってとっても喜んでいたんですよね。
 考えてみれば市役所の職員っていうのは、「その仕事でいくら儲かった」みたいな仕事の具体的な手ごたえがないんですよね。たぶんないが故に、モチベーションを保ちづけるっていうの難しい面もあるんだと思うんです。
 でも、ツイッターでも何でも「ありがとう」とひと言言われれば、そこはまた違ってくるってことなのでしょう。
 そしてそれは、回りまわって市民がよい行政サービスを受けられるということにつながっていくということなんじゃないでしょうか。

 まぁ政治家やお役人を「先生」と呼ぶ感覚(呼ばせる感覚)はどうも賛成できないんですけど。
 とはいうものの。今の日本のように政治家やお役人(+公務員)を批判ばかりしているっていうのは、もしかしたら国民の為に働く方たちのモチベーションを殺いでいるだけということなのかもしれません。
 「よっしゃ、よっしゃ」じゃないですけど、なんかこう気持ちよくしっかり働いてもらえるように私たち国民も考えるということも必要なのかもしれないなぁーなんてことを思いました。
 まぁバラエティ番組のタレントに茶化されてへこんじゃうようじゃ、政治家なんか務まらないというのはあるのかもしれませんけど。
 とはいえ。人間なんて、自分のことをよく言わない人に対しては、どうしたって一生懸命誠意を尽くそうとは思わないっていうのもあるなんじゃないかって思うんですよねぇ…。






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2012
09.30

でも、デモ…!?

Category: guchitter
 中国の人口っていうのは、何でも約13億人なんだとかで(つい何年か前まで12億じゃなかったっけ!)。
 日本が確か1億2千万だったかだと思いますから、まぁそれを考えれば中国というのは、とにかく人がやたらめったら多いわけですよね。
 07年に放送していた『中国鉄道大紀行』を見ていた時、全然名前を聞いたことのないような地方の街ですら人口200万人とか300万人とかナレーションが入るんで驚いた記憶がありますけど。
 まぁホント。とにかく人が多いわけなんですね。

 まぁつまり。人口が日本の10倍以上なわけですから。
 日本人にも騒ぎを起こすことが好きな反社会的な輩がいるように、それは中国でも当然いるわけで。そしてそれは、当然日本の10倍以上いるってことです。
 ということは、日本の感覚では大人数が反日デモをしているように見えても、実は中国の感覚からすれば極々一部の人の騒ぎであるということになるはずです。
 変な話、テレビの画面いっぱいに反日デモをしていたとしても。それは、あくまで中国レベルの人の数であって。日本レベルにしたら、それはテレビの画面の1/10の人くらいが集っているにすぎないと考えても、そんなに間違いではないんじゃないかと思うんですけど、まぁどうなんでしょうね。

 まぁ逆に言えば。日本人の大半がまっとうな人であるように、中国人だってまっとうな人が大半で、当然それらの人も日本の10倍以上いるんだと思うんです。
 現在の中国の状況っていうのは、そういうことなんじゃないでしょうかね。

 また、中国は基本共産党による「一党独裁」ですよね。
 これは、上海に行った時に驚いたことなんですけど。
 中国っていうのは、住宅街のある程度の区画ごとに、たぶん住民の動向を監視している共産党の人の詰め所みたいな建物が必ずあるんです。
 つまり、そういう地区毎の党の人が「デモに参加しろよ」って言ってきたら、住民は参加しないと後で何をされるかわからないわけです。
 さらには、国営企業なんかに勤めていると勤め先からデモ参加と強制させられることなんかもあるようですね。

*下記は『大紀元』という、ニューヨークに本部を置く(たぶん中華系の人達の)報道社の記事です。よかったら見てみてください。
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/08/html/d47966.html
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/09/html/d42160.html

 ニュースというのは、平時のことや平穏っていうのはニュースにならなりません。平時とは違う異常な出来事が起きた時、初めてニュースとなり、人々はそれを見るわけです。
 つまり中国での一連のデモ騒ぎっていうのは、大半の日本人にとってはTVのニュースを見てしか実感できないので、なんだかもう中国中が反日デモしているように見えますけど。
 大概の中国の人たちは、何やってんだかなぁって思っているんだと思うんですよ。
 だって、日本人だって暴走族や凱旋車を見て思うのは、コイツら何やってんだかなぁーでしょ。

 とはいえ、今回の反日デモの規模はニュースで伝えられているように過去最大というのは事実なようで。
 中国在住の方のメルマガなんか見ても、今回のデモ騒ぎに関してはかなり驚いているようです。
 ただ、その反面「デモはあくまで一部の人が騒いでいるんであって、大部分の人たちは冷静」っていうのは誰もが書いていますね。
 つまり、日本にいる日本人にとって何より大事なことは、反日デモというのはあくまで中国政府の都合で行われていることであって、大部分の中国の人たちに特に反日感情はない。
 だから、私たち日本人はあの一連の騒ぎを「中国の方たち」の総意などと短絡的に思わず、間違っても日本にいる中国の方たちに対して不安や鬱憤の矛先を向けてはならないってことなんでしょう。

 日本にいる私たちが、あのデモのニュース映像に驚いて「中国人は反日なんだ」って思ってしまうように。
 もし、日本で中国に対して暴力的なデモは日本にいる中国人に対して暴力をふるうような事件が起きてしまったら。
 それは、たちまち中国でニュースになって、今回のデモなんてまったく関係ないごくごく普通の中国の方たちも、「日本人は反中なんだ」「中国人が嫌いなんだ」と思ってしまうということであるはずです。
 現在の状況というのは、あきらかに中国政府の一時的なパフォーマンスです(なによりの証拠に報道官がデモの前に「対抗措置をとる」って言ってましたよね)。でも、中国の普通の方たちが反日感情を持ってしまったら、それこそ70年前のあの状況より悪いことになってしまいます。



 あと、これだけ大騒ぎになると中国でのデモに関して、ちょっと日本では考えられないような情報が伝わってきて。
 まぁご本人がメルマガやブログ等で書いているくらいですから問題はないんだと思うんですけど。
 とはいえ、こと中国となると中国在住の方だったりすると迷惑がかかってしまう可能性もあるのかなーと、あえて出典は伏せさせてもらいます。

 一番ビックリ…、というか唖然としたのは、デモする人たちが当局にデモを申請する際には、
「これこれこういう理由でデモをしますが、その際どこそこの店(今回の場合は日本料理店)を壊します」と、打ち壊す店を具体的に当局に申請しなきゃならないんだそうです。
 それだけでも信じられないんですけど、当局はその申請にしたがってその店のオーナーにデモで店を壊されてもいいかと了解を求めるんだとか。オーナーがそれを了解して、初めてデモは行えるんだとか。
 しかし、信じられないのはさらにその先です。
 日本人の感覚なら、デモで店が壊されるなんてその店のオーナーが了解するはずはありません。でも、かの国では了解しちゃうだそうです。
 それは、事前に申請された店が壊される場合は、デモ後に破壊されたものは全て保証されるからなんだとか。
 とはいえ。
 事前に申請された店は保証されるものの、デモのついでに壊されちゃった店には一切保証なし。

 つまりはまあ。
 今回の一連のデモというのは、申請してオーナーが了解した店を壊すついでに、申請していない日本企業関連の店や工場もついでに打ち壊しちゃったと。
 どうも、そういう図式であるらしいです。
 まぁおそらくそれはデモ隊のシナリオ通り…、というか当局のシナリオ通りの破壊だったってことなんでしょうね。


 アメリカのパネッタ国防長官が中国で次期国家主席である習近平氏と会談した際。習近平氏は、「日本の尖閣諸島の国有化は茶番劇である」と発言したと、ニュース等でしきりに伝えていたのは記憶にあると思いますけど。
 なんでも、VOA(ヴォイス・オブ・アメリカ)の中国語放送である「VOA連線」で、この会談の取材者は「この会談で習近平氏は尖閣問題に関しては何も言わなかった」とハッキリ言ってたんだとかで。
 なら、ニュース等でさんざん言われていた、習近平氏が「茶番劇云々」と発言したっていう話はどこから出たのか?
 おそらくは、日本のニュースは、中国中央テレビ(中国の国営テレビ局)が流していたことを(事実確認もせずに)そのまんま伝えていただけなのでは?ということらしいです。



 ニュース等では、(わかりやすいという理由で)何かというとデモの映像を流しますけど。
 もちろんそれは事実ではあるんでしょうけど、とはいえ広い中国13億の人口の中の一部の出来事であるのも事実なわけで。
 今の日本のTV等の報道というのは習近平氏の発言云々も含めて、ある意味日中関係の緊張をいたずらに煽っているだけって気がしないでもないですね。

 とはいえ。
 今回のことでわかったように、中国ビジネスというものには「中国政府」というとんでもないリスクがあるのも確かなわけで。
 日本人は(日本企業は)、いい加減13億の市場なんて甘い夢ばかり見てないで、(中国にかまけてた分)他の国々の市場を開拓することの方が大事なのではないでしょうか。
 だって、21世紀にもなって報道官が「敗戦国云々」とか大真面目に言いだしちゃう「国家」ですよ。
 また、尖閣諸島で船長を逮捕しちゃったら、仕返しにたちまち中国にいる日本人を拘束しちゃう「国家」でもあるわけです。
 お金儲けの為にはリスクをとらないとというのもわからないではないですけど。
 でも、政治次第でルールがいくらでも変わっちゃうなどというリスクを追わなくたって、他にもっとリスクが常識の範囲内っていう新興国は世界にいくらだってあるし、それは年々増えているわけですよね。
 GDP世界第二位、人口13億って言葉に幻惑されちゃって中国市場ばかりにかまけていた結果、他の新興国では日本のブランド力が全くないなんていう状況の現在。
 これを機会に、あえて中国市場にそっぽを向くということもあるべきなのかなーって。

 どこまでホントなのかは知りませんけど。
 中国にビジネスで行った日本人が向こうで言いがかり同然に訴訟され、出国停止処分になって帰りたくても帰れない人がたくさんいるという話まで聞きます。
 企業ですから、そりゃもちろんお金儲けは大事ですけど。でも、企業にとって社員は宝というのもまた事実なワケです。
 社員の身の安全を守らない企業には、いい社員は居つかないんじゃないでしょうか。

 そういえば、くわしいことはわかりませんけど中国経済というのは海外からの投資に頼っている部分が相当大きいんだとかで。
 つまり、中国以外の国に目を向けるのが、日本企業にとっても、また日本にとっても最大の武器となるってことはないんでしょうか。
 変な話。思うんですけど、日本人っていうのは、ある意味誠実すぎるっていうか、ええかっこしーなのかなーって。
 相手にダメージのない中国政府が嫌がることは結構大胆にバカスカやる割には、相手にダメージがあるようなことは全然やってないんじゃないかって…!?
 あの広い国土の10倍の人々をなんとか食わせ、つなぎとめているっていう中国政府の内情も少しは考えるってことをしないと、そのうち本当にぶっきれちゃうなんてこともあるんかもしれませんし……



 ところで。
 デモのニュースももちろん大事なんですけど。
 こういう時こそ、中国の人たちに親しみを持てるような番組を流すということも必要なんじゃないかなーって。
 07年にやってた『中国鉄道大紀行』。再放送してくれませんかねぇ。
 ぜひ、デジタル放送の映像で見たいんですけど…(笑)

10/7追記
 10/13(土)の夜9時からNHKで『関口知宏と高校生の旅 中国縦断2500キロ』って番組をやるみたいですね。
 http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2012-10-13&ch=21&eid=22814
 
 とっても楽しみです!








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2012
09.15

43話目

Category: 怪談話

 山へは、結構登ったんですけど、実は山の怪談というのは意外なくらい知りません(だから45話目と46話目なんかは、最近仕入れたばかりのお話です)。
 私が山によく行ってたのは、まぁ10代半ばから20代半ばくらいなんですけど、男って、そのくらいの齢だと、まぁある意味世の中に怖いものがあるってことや、さらには情緒なんてモノをきれいサッパリ忘れ去ってる時期ですもんね。
 ただ、振り返ってみると怪談話とかって、不思議とその頃が一番集まってきてたような気がするんですけどね。
 なのに山の怪談を知らないっていうのは、私にとって山というのは脳天気に遊ぶという場所だったからなのかもしれません。
 ということで今回は、知らないながらもあの頃ウワサとしてよく聞いた山の怪談をいくつか…



 東京周辺の山といえば、丹沢、奥多摩、奥武蔵でしょうか。
 奥武蔵はほとんど行きませんでしたが、丹沢と奥多摩はホントによく行きました。
 その丹沢のある山の麓にあるQキャンプ場は、ベースキャンプとして何回か使いましたけど、昔そこの管理人がうるさいキャンパーに業を煮やして、テントの外から(つまり、生地越しに)寝ているキャンパーの頭を斧でかち割ったっていう、いかにもなウワサがありました。

 ただ、似たような内容のウワサは栃木県の某山小屋にもありましたから、もしかしたらその類の話っていうのは日本全国にあるのかもしれませんね。
 もっとも、某山小屋のほうは、なんかの本で心霊写真付きで載っているのを見たことあるんで、もしかしたら某小屋の方が本家なのかもしれません(で、Qキャンプ場が元祖とか…!?)。


 奥多摩の怪談といえば、現在だと「おいらん淵」と「青梅街道の車輪のないカワサキW1(いわゆる首無しライダー)」、そして「なんとかトンネル」がポピュラーですが、それらは登山とは関係ないんでこの場では無視です。
 あの頃、私が結構ゾッとした奥多摩の怪談といえば、なんといってもG避難小屋の話でした。
 G山は、奥多摩ではかなりポピュラーな山ですが、山頂近くの避難小屋に、夜になると女の幽霊が佇んでいるというウワサが当時あったんです。
 なんでも、月明かりに映える青白いお顔の美人のお姉さんの幽霊という話でしたが、いくら美人でもねぇー…。
 というか、怪談話に出てくる女性の幽霊で不美人って聞いた事がない気もしますけど(笑)
 その避難小屋も、現在では改築されずいぶん綺麗になったらしいですね。

 あと奥多摩といえば、夜に登っていると「ピー…。ピー…。」と不思議な音が聞こえる。もしかしてあれはUFO?っていうのがありましたけど、そりゃUFOじゃなくって、れっきとした地球内生命体(?)の「鵺」ですよねぇー。
 といっても「鵺」の正体はトラツグミですから、まぁ怪談ではないですかね。
 とかなんとか言ってトラツグミのように思わせておいて、実は「鵺」だったりするのかもしれませんが…!?


 ところで、これはあくまで私個人のイメージですけど、当時一番怖い(心霊スポット的に)山といえば、伊豆のA山のH池だったのではないでしょうか。

 H池の話は、現在でも一般的にも有名ですよね。
 ただ、ネットで検索しても具体的な(エピソードとしての)お話っていうのは見つからないような気がするんですけど。
 出てくることといったら、「伊豆最恐!」とかそんな枕詞ばかりで…。

 当時、『山と渓谷』という山の雑誌の読者のページに「山のこわーい話」というコーナーがあったのですが、同じ場所で2回載ったのはそのH池だけだったような記憶があります。
 細かい内容は、もうさすがに憶えてないんですけど。
 確かひとつは、A山系を縦走してきたパーティ(登山者のグループのこと)がH池の畔でテントを張っていた時のこと。
 1人が、夜中にテントの周りをナニモノかが登山靴でドタドタ歩き回る音で目を覚ます。
 いったい何だろう?テントの中で起きて耳を澄ましていると、もう1人が「こんなスピードで歩き回れる人間がいるはずない。」と、震えて夜を明かす。
 朝起きると、テントの周りに無数の登山靴の足跡があった。
というお話。

 もうひとつは、やはりA山を縦走してきたパーティが、H池の畔で休憩していた時のこと。
 池の畔にある休憩所だか東屋だかが、妙な形に改築されている。
 まるで祠みたいな形で変だなぁーと思っていたら、周囲を得体の知れない女がうろうろしてたり、まわりの藪から男が見ているとか、確かそんなお話だったように思います。

 うーん…。今になって聞くと、なんだかありきたりの怪談話って感じですけど、その頃感じた怖い思いが今でも残っているのか、H池はあんなり行きたくないような…。
 荒俣宏も言ってますしね。「伊豆は怖い」って。


 ところで、こうして並べてみると、なんだか、千メートル前後の山のお話ばかりですね。
 南北中央アルプスのお話や、遭難者数では世界一の谷川岳のお話なんかもあったような気がするんですけどねぇー…。
 でも、なぜだかぜんぜん憶えていません。


 というわけで、
 今回は噂話だけでしたが、「百物語」は玉石混淆であることが何より大事だと思いますし、百物語本の名作『文藝百物語』なんかみても結構話の流れで出てきた無駄話的なお話ってありましたよね(意外にそれが怖かったりもして…)。
 ということで、まあこういうのもたまにはいいのかと…。




ま、そういうことで、43話目終わり。フっ!
                    ――─ 第43話「山のウワサ」 メルマガ配信日:10.2.5
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2012
09.09

42話目

Category: 怪談話

 Pクンが高校の時、夏休みに南アルプスの北部の山々を縦走した時のこと。

 その日の幕営地は、稜線からかなり降りたとある山小屋のわき。
 次の日は3時間くらい下ればもう下界。だからその夜はいつもより遅くまで起きていた。
 といっても山のこと。遅くといっても、まぁ9時過ぎくらいだっただろう。

 山が好きな人というのはなぜか怪談好きが多いのだけれど、その時のメンバー3人も、やっぱり怪談好きだった。
 よって、夕飯を食べた後から、なんとなーく怪談話になっていたのだえけれど、なんだかその日は妙にのらない。

 今怪談話をしていたと思ったら、いつのまにか笑い話や行ってみたい山の話になっていたり。
 はたまた女の子の話やエッチな話になっちゃったり(なにせ男子高校生3人のこと)。
 でも、かと思うといつの間にかまた怪談話に戻っていたりと、そんなとりとめもなくダラダラ話をしていた時だった。

 Qクン、なにやらテントの上あたりをぼーっと見ていて。
 そのQクンの視線に気がついたPクンとRクン。思わず、Qクンの視線の方を見てみるのだけれど特に何もない。
 というか、そこにはドームテントの天井が丸ぅーくあるだけ。
 そんな二人に気がついたのだろう。Qクンが、視線はそのままでつぶやくように言った。
「なー、あの光…、なんだ?」
「!?」
 PクンとRクン、再びQクンの視線の先を見るんだけれど…
 でも、やっぱり何もない。
 頭のすぐ上のドームテントの天井があるだけ。

「なんだよー!光ってー?何もないじゃん。」
「いや、今さ、ベンチレーターの中がさ、
 外から小さな光が入ってきたみたいにさ、チラチラってしてたんだよ。」

 ベンチレーターというのは、テントの通気口のこと。
 直径10センチ弱くらいの筒状でテント本体と、テントを覆うフライシート(雨避けの外側のシート)にそれぞれ付いている。

「いや、あの光なんだ?って言った途端さ、なんだかふわーって無くなっちゃって…。」
「たまたま誰かが(テントの)横歩いてて、ソイツのライトがそう見えたんじゃねーの?」
 出入口のすぐ近くにいたRクンはそう言いながら、出入り口のファスナーを開けると。
 上半身だけ出して外を見ていて。

「あっ!雨。」
 いきなりテントの外から聞こえてきたRクンの声に、テントの中のPクンとQクンは思わずドキっ!
「雨ぇ~!マジかよ!」
 3人とも気がつかなかったのだけれど、いつの間にかポツン、ポツンと雨が降りだしていたらしい。

 やがて、またRクン上半身がテント内に戻ってきて。
「降ってるって言うわりには、雨がテントにあたる音、全然だなぁー。
 結構降ってんのかぁ?」
 Pクンがそう言うと。
「いや、ポツポツってとこかな?
 それよりよ、起きてるテント、もうないみたいだぜ。
 どのテントも真っ暗だなー。」
「あぁあぁ。あの光の話か…。
 うん。まっ、トイレ行って帰ってきてすぐ寝ちゃったんじゃねーの。
 そういやぁ、オレ達もそろそろ寝ないかぁ?」
 なにせその日の行動は、2時に起きて4時には歩き出していたから、Pクンはさすがに眠くなってきた。


 結局3人は、すぐ寝る準備を始めた。
 各自ヘッ電(ヘッドランプ)を点けて、灯りがわりのキャンドルを吹き消して。3人並んだ形でシュラフ(寝袋)に入って、さらにヘッ電も消した。
 途端に目の前は真っ暗──

 しかし、時間が経つにつれ暗いのに目が慣れてきたのだろう。テントの縫い合わせのところやポールの影がうっすらと見えてきて。
 ぼうっとそれらを見ていた視線の先には、ベンチレーターが……

「あっ!また光!」
 Qクンそう叫ぶより早く、今度はPクンもRクンも気がついていた。
 それは、まるでベンチレーターから中に入ってくるみたいな、そんな…
 しかし。それはまるでQクン声に反応したかのように、ふっと消えてしまって。あとは真っ暗に丸いドームテントの天井に、さらに暗くそのベンチレーターがあるばかり。

「なんだぁあれ?」
「なぁ本当だったろ?」
「俺が外見たときは、間違いなくどのテントも真っ暗だったけどなー。」
 いやもうPクンたち。寝るどこじゃなくなっちゃって。
 といっても。別に怖いとかそういうんではなく、3人ともあれはなんだろう?っていう好奇心でいっぱいという感じだった。
 だからその後も、暗い中3人とも眠ることなく、声を出さずベンチレーターをじっと見つめていた。


 やがて…
「まただ…」
 その、Qクンの囁くような声。
 もちろんPクンもRクンも、Qクンに言われるまでもなく気がついていた。
 それは、チラチラ…、チラチラ…って。

 いや。光そのものが見えるわけではなかった。
 ベンチレーターの外の辺りにある光がチラチラ、チラチラって揺らめいて、それがベンチレーターの円筒を照らしている感じ。
 チラチラといっても、ローソクの火のように揺らめいている感じではなく。
 ホタルかな?とも言ったのだが、でも明滅はしない。
 例えていうならば、豆電球を電池につないで、それを外からベンチレーターの中に差込んでくるような感じ。
 ちょっと橙色っぽい光の色の感じもそんな感じだし、光が小刻みに揺れるのもコードの先で電球が揺れてるみたいで、まさにそんな風。

 とはいえ、そんなことがあるわけもない。
 テント本体とフライシートのベンチレーターというのは、雨が入り込まないように微妙に位置がずれているものだから。だから、外から中(テント本体)のベンチレーターに光源を差込めるわけがない。
 というよりは、そんな馬鹿なことをする登山者がいるとも思えない。


 その後も、その光はベンチレーターのところでチラチラしちゃ消えるを繰り返していた。
 Pクンたち3人は飽きもせず、シュラフにくるまってそれを眺めていた。

 そして…
 20分か、30分か過ぎた頃。
 今まで3人ともずっと黙っていたのに、Qクンがふっと…
「アレ、まさか中に入ってこようとしてるんじゃないよな…。」
「…………。」
「…………。」

 Qクンのその言葉に、PクンとRクンは思わず沈黙。
 実は、PクンもRクンも、それはなんとなくは思っていた。
 とはいえ、それはあまりに怖すぎる想像。
 しかし、Qクンがそれを実際に口にしてしまったことで、PクンもRクンも、そしてそれを言ったはずのQクンまでもが…
 その、急激にこみ上げてきた怖さ……

「ワーっ!」
 最初に声をあげたのはQクン。
 いや。Qクンのその声は本当に怖くなったからなのかどうかはわからない。
 実はこのQクン。怪談話している時なんかに、いきなり大声を出してみんなを脅かして怖がらすっていうのは、Qクンが普段からよくやる手。
 しかも、そのタイミングはいつも絶妙で…

 やっぱりこの時そうだったとかで、その「ワーっ!」という声がしたと思ったら、シュラフのジッパーを一番上まで閉める「ジぃぃぃー」って音がして。
 PクンもRクンも、もう堪らない。
 2人とも、同時に「ワーっ!」って叫んだかと思うと、後はシュラフ中にもぐり込んでしまって。
 結局、そのまま眠ってしまったんだとか。


 気がついた時は、朝。
 それは、霧に包まれた青い朝。
 3人とも全然気がつかなかったが、雨は結構降ったらしくて……
 幕場(テントサイト)には、ところどころ水溜りができていた。




42話目終わり。フっ!
                    ――─ 第42話「山でのお話」 メルマガ配信日:10.1.31
                                            *無断転載禁止


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2012
09.09

「北朝鮮=独裁、貧困」は某国のプロパガンダ?

Category: guchitter
 土曜の朝TVを見ていたら、北朝鮮の取材レポートをやっていて。
 戦後にかの地で亡くなった方の遺骨調査の同行という形で珍しく北朝鮮の地方都市の取材も出来たんだとかで。
 その取材した記者が、
「確かに、あらかじめ指定された場所しか
 取材させてもらえなかったということはあるのだけれど。
 でも、そこで見たのは想像していたより豊かな暮らしぶり。
 移動中に見た畑では作物もちゃんと実っていたし、
 なんといっても驚いたのは取材した場所全てで、携帯電話が通じたこと。」
と言っていまして。

 そう。確かに映像を見ているかぎりは、そんなに貧困が溢れているという感じの映像ではないんですよね。
 まぁピョンヤンなんかのアパートと商業施設の入る高層ビルが建ち並んでいたりっていうのは、首都だからともかく。
 映像に映る地方都市や農村なんかっていうのは、ある意味ウン十年前の日本の地方と同じような感じといったらいいか…(それこそ、『三丁目の夕日』というか)。
 お爺ちゃんが乗る自転車の後ろに孫がしがみついていたり、みんなして釣りをしていたり。
 まぁ「やらせなのかなぁー?」っていう不自然な映像も確かにあったにせよ、ピョンヤンの高層ビル群のような国力よりも背伸びした暮らしでなく、地に足の着いた普通の庶民の暮らしというものがそこに映っていたような気がするんですよ。
 記者が言っていた、「想像していたよりも豊かな暮らしぶり」ってコメントもまさにその辺りから出た実感なんだろうなって思うんです。

 北朝鮮の暮らしを隠し撮りした映像って、よくTVで流れているじゃないですか。それこそ、薄汚れた服を着た子供が泥まみれの町中に座り込んでいるような、北朝鮮って言われれば「貧困」って言葉がまず出てきちゃうような映像…。

 実は、あれって前々から疑問に思っていたんですよね。
 あの手の隠し撮りの映像って、TVで何度も見ましたけど、あまりに「いかにも」って映像すぎて。
 いやもちろんああいう貧困っていうのは、多かれ少なかれ事実なんだとは思うんです。思うんですけど、でもそれはあくまで「一場面」や「一時期」なんじゃないのかなって。それ以外は、まぁ貧しいのは貧しいにせよ、普通の発展途上国の暮らし(それこそ戦前かそれ以前の日本の貧しい地域と同じような暮らし)なんじゃないのかなって気がしていて。
 変な話、それこそ現在の日本にだってああいう暮しが現実なトコはあるわけじゃないですか。
 もちろん、「北朝鮮=貧困」をイメージさせるような場所や物(ちなみに、木炭自動車は出てきましたけど)を北朝鮮側が取材許可はしないでしょうし、北朝鮮が対外的にの公表する映像っていうのには疑問を持たざるを得ないのは確かでしょうけど。
 でも、今までさんざん見せられてきた、朝鮮の暮らしの隠し撮りの映像っていうのは、あまりに私たち日本人が持っている北朝鮮のイメージにピッタリすぎるようには思いません?

 つまり、昔っから報道番組で見せられている、あの北朝鮮=貧困が溢れているっていう映像の出所って、結局(たぶん)韓国(政府)経由の情報なわけですよね。
 中朝国境の丹東経由で出てくる映像っていうのももちろんあるわけですけど、それだって裏で韓国(政府)が絡んでないって保障はないわけじゃないですか。
 TVでは映像を見せた後、韓国のマスコミの人か、北朝鮮の研究者がコメントすることが多かったような気がしますけど、つまりそれって韓国の意向に沿った形で開設しているにすぎないことですよね。
 プロパガンダと言えば、そりゃ北朝鮮はスゴイわけですけど、でもそれに劣らず韓国もスゴイっていうのは、ここ1、2年の韓国という国家の一連の行動で私たち日本人は実感したわけですよね。

 そう考えると、あのさまざまなバージョンで何度も何度も見せられてきた「北朝鮮=貧困」っていう映像って、所詮は韓国という国家のプロパガンダを見せられてただけなんじゃないかって。
 つまりそれは、「朝鮮半島は韓国によって統一されるべきである」という韓国という国家の主張を、私たち日本人に植え付けていただけだったんじゃないかって思うんですけど、どうなんでしょうね。

 北朝鮮は、確かに前の最高実力者が相当異常な人だったから、「北朝鮮=理解不能な独裁国家」みたいになっていましたけど。
 でも、もしかしたら本来はもっとまともな国だったのではないでしょうか?
 例えば、5年前『中国鉄道大紀行』という番組で、中国の朝鮮族の村のお爺さん、「昔の中国というのは、今の北朝鮮のように貧乏だった。あの頃は北朝鮮の(親戚)方がわしらよりいい暮らしをしていた」みたいなことを言う場面があって。
 まぁもちろん。あの『中国鉄道大紀行』で出てきた人の発言だって、裏に中国政府が意向が入っていた可能性はあります。しかし、「中国は今の北朝鮮みたいに貧乏だった」みたいなことを言わすものなのかってことを考えると、あれはあのお爺さんの本音であり事実なんじゃないかって思うんですね。

 そういったことを考えていくと。
 もちろん前最高指導者が異常だったために、異常な国になってしまったという面はあるにせよ、現在の私たち日本人が思っている北朝鮮の独裁や貧困ってイメージは、韓国政府のプロパガンダが相当あるってことなんだと思うんですよ(だって、韓国政府のプロパガンダの恐ろしさっていうのは、この1、2年私たち日本人だって身にしみたはずですよね)。

 北朝鮮が金正恩体制になっていろいろあったにせよ、先週の日朝会談は、詳しいことはわからないにせよどこか希望の見える経過だったような感じで。
 前最高権力者っていうのは、飛行機が怖くて乗れない人で。結局、北朝鮮以外では中国しか知らなかった人ですけど。でも、金正恩って人は海外留学して外の世界を見たことがある人なわけですよね。
 そして、それは他の高官だって同じなわけですよ。
 ということは、いくらなんでも前政権と同じってことはないと思うんです。というか、もしかしたら金正日氏が亡くなって一番ホッとしているのは北朝鮮政府の高官たちなんじゃないでしょうか?

 この時期に北朝鮮が遺骨返還の話を持ちだして、そこからさらに話を広げ始まったっていうのは、日本にとって相当なチャンスだと思うし、さらに言えば北朝鮮もそれが日朝国交につながるように相当期待をかけていることなんだと思うんです。
 だって、周辺諸国で友好国は中国だけという現在の状況では、中国の半植民地になるしかないわけですから。
 つまり北朝鮮は、日本との国交というものを、現在の唯一の友好国である中国への外交カードとして持ちたいってことなんでしょう。

 日朝国交を北朝鮮が外交カードとして使えるように、日本にとってもそれは、もう未来永劫対立しかありえない韓国という国家への外交カードとして使えるわけです。
 さらに言えば北朝鮮は、日本と資源外交をしたいロシアと地続きで鉄道が通っていて、しかも日本海に港を整備しています。しかも、北朝鮮自体に資源もあるらしい。
 さらに言えば、ムチャクチャな時代が続いたが故に韓国よりも儒教の呪縛が薄くなっている可能性もあります。日本のような非儒教国からすればこれは大きいはずです。

 まぁ北朝鮮っていうのは、アメリカとの関係もあるんで日本は独走できるわけではありませんし。中国だって、北朝鮮は言いなりに出来る半植民地にしときたいでしょうから(対米の外交カードとしても重要ですしね)、日本が北朝鮮と仲良くなるってことは難しいんでしょうけどね。
 でも、西側をぐるりと領土問題で囲まれてしまっている現在の日本の状況の中で、北朝鮮との国交樹立と友好っていうのは現状打開の鍵になると思いますけどね。


 李大統領は、この期に及んで「天皇陛下の訪韓と謝罪はセット云々は真意が伝わってなかった」みたいなことを言っているようですけど。
 私には、この場をやり過ごすためにワケのわからない言い訳をしているようにしか感じられません。
 というか、これまでずっとやってきた、「韓国は、日本人になら何を言ってもいいんだ。日本人が気分を害しようが、嘘だろうが全然かまわない。なぜなら日本人は絶対の悪だから」という思想を根本に持つ発言にすぎないんだろうなって。

 李大統領という方は、そりゃ大統領になる前はある程度「理想」を持っていたのかもしれない。
 でもこの5年間でそんなものはすっかり消え去って、反日に染まりきったただの「韓国という国家」の大統領になってしまったということなんでしょう。
 李大統領という方は、優れた人だと思うし好感をもってましたけど、今になってAPECで野田さんと握手していた映像なんか見ると、もはやただの韓国という国家のサラリーマンとしか見えないんですよね。
 8月の「天皇陛下の訪韓と謝罪は真意が伝わってない」みたいな発言にしても、竹島上陸の時は「全て想定内」だったのが、天皇陛下に対する発言の反発だけは「想定外」で。それからずっと政府内で対策を話し合ってきて、結局「真意が伝わってなかったってことにしよう」って言い訳をやっと考えついたってことなんでしょう。
 真意が伝わってないって、「韓国という国家」の真意は所詮「日本さえ下ならあとはどうでもいい」なわけですから。いまさら、韓国という国家の真意なんてわかりきったこと聞きたくもないですし、そもそも誤解を招いたと思ったら、すぐに真意を伝えるのが政治ですよね。
 それが、この時期になって「真意が伝わってなかった」と言うのなら、その発言こそ真意でないということの何よりの証拠だと思うんです。

 つまり、日本と韓国の国家の交わりというものは一刻も早く閉じて。
 今まで韓国という国家のプロパガンダで歪んで伝えられてきた北朝鮮という国家との関係を模索していくべきなんじゃないでしょうか。
 変な話、かの国は狡猾です。でも、狡猾なだけに、「利」ということには誠実なわけです。
 つまり、初めから「利」の関係なんだと思って付き合うなら、「反日」という感情が唯一のアイデンティティの国家よりはよっぽど「未来志向」な関係を築けるように思えて仕方ないんですけど。
 さらに言えば。
 日本は、日本人は、韓国や中国よりももっと他の国に目を向けるべきなんじゃないんですかね。今やBRICSの次を狙える国々は世界中にたくさんあるわけです。
 それこそ、世界の6分の1のシェアを奪えなくたって、残り6分の5もあるわけじゃないですか。

 もう10年くらい前のことなんで、現在どうなっているかはわかりませんけど。
 サハラのど真ん中にあるジャネットとタマンラセットという町で。
 サハラのど真ん中ですから、町を一歩出たら(というか町中でも)砂漠か荒地か岩山です。そんな所ですから、町を走っているクルマは全部4WDです。
 つまり、町を走っているクルマはランクルかパジェロ、あとマツダのピックアップトラックが少々だけなんです。
 運転手の方に聞いたら、(まぁ私たちが日本人なんで多少のリップサービスはあったのかもしれませんが)「サハラを走るのは、ランクルかパジェロじゃないと怖い」でした。
 そんな所の宿泊地で出会ったのが、毎日毎日サハラを撮影していたイタリアのTV取材班(ちなみに彼らもランクルを3台連ねてました)。
 私たちを日本人と見るやいなや、ニコッと笑って。
 「Toyota is good!」
 それだけ言って、顔を洗いに行っちゃいました。

 まぁちょっとクサイ話かもしれませんけど、でも『ラストサムライ』なんて映画が世界中でヒットしたように。
 日露戦争で帝政ロシアに勝ったことで、かつて帝政ロシアに苦しめられた国々が日本に親しみを感じているように。
 また、秋葉原カルチャーや原宿カルチャーが世界で親しんでいる人がいるように。
 日本の近くには、日本が大っ嫌いな国はありますけど。
 その一歩先の世界を見れば、日本に親しみを感じている国々はたくさんあるわけです(ウソかホントか、あのホメイニ師ですら『おしん』を見て日本に親しみを感じていたとか!?)。



2012.9.10追記

 怪談ブログにこの手のことを書くのはやめようと思いつつも仰天してしまったのが、
J-CASTニュース 9月7日(金)19時52分配信の“「竹島は日本の領土」と書き込んだ 「親日派」韓国13歳の少年検挙”という記事。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120907-00000007-jct-soci 
 まぁこのJ-CASTニュースというのがどういう性質のメディアなのかはわかりませんけど、まるっきり全然デマを書いているメディアとも思えないんで、かなりの部分真実なのでしょうけど。

 まぁいくらなんでも自国の国旗を燃やすような表現はどうかとは思いますけど、でも13歳でしょう。
 犯罪…、(そっか、韓国と日本じゃ犯罪の定義すら違うのか)となると、えーっと…、人殺しの幇助のサイトとか、まぁそんないわゆる「日本で一般的に思われてる法律的公序良俗的に反する」サイトを立ち上げたのならともかく(というか、韓国ではこういう行為は法律的にも公序良俗的にも反する行為なんですねー。コワっ!)。
 この手のことを13歳の子供が書いただけで、法律的に罰せられる(検挙)って、いったいどういう国なんです!?

 記事には、“韓国では2012年8月下旬に放送通信審議委員会が、親日発言をして、韓国を卑下する内容のブログ、コミュニティーなどを制裁することを決めた”とありますけど、
 いや、怖いというか…、なんというか…
 これは、もはやポピュリズムを越えて、ファシズムですよね。
 それも、国家がそれを進めているというより、一部の超過激な思想を持った人たちが煽動して、人々がそれを指示しているという形。つまり第一次大戦後のドイツに登場したナチスと同じ形ってことすよね。

 いや。例えば、去年日本でユッケが問題になった時。
 韓国のユッケを出している食堂のおばちゃんが「ちゃんと調理すれば問題ないのに…。日本では、ちゃんと油をまぶしたりしないのかねぇ…」と心配顔でインタビューに答えていたように。
 普通に暮らしている普通の人は、日々の幸せこそがなにより大事で、別に日本や日本人を憎悪しているなんてことはないんだと思うんですよ。
 でも、第一次大戦後のドイツの国民が熱狂的にファシズムを受け入れたように。
 あるいは、戦前の日本国民が戦争に突っ走ったように、そして戦後の国民がその逆に突っ走ったように。
 もしかしたら、そんな恐ろしい熱狂が今の韓国には渦巻いているのではないのか…

 いやホント、冗談抜きで。
 もはや、韓国という国はここ何年かで、私たち日本人が思っていた韓国とは全然違う国家になっているということは本当にないんでしょうか?
 別に「韓流」は否定しません。
 というか、「韓流」を楽しんでいる人たちこそ、これからの日韓両国民の友好の鍵を握っているんだと思います。
 でも、一方で。
 「韓流」に興味があるってわけでない人は、これからの韓国という国の付き合い方が本当に今までと同じでいいのか再考していかないととんでもないことになりかねないんじゃないでしょうか?

 いや、冗談抜きでこれこそ本当に「想定外!」です。 




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2012
09.01

41話目-後編

Category: 怪談話

「どうなってんだ?このゲレンデ…。
 まともに滑れてるヤツ、1人もいないじゃんか…。」
と、Hさんがつぶやいた時──。

 シュバーっ!
 いきなり上からきた、エッジで雪面を切る音。
 音に驚く間もなく、あっという間に遥か下。とんでもないスピードで滑っていく1人のスキーヤーの後姿。
 エッジからほとばしる雪煙で、その姿は全く見えない。

「な、なんだぁーアイツ…」
「このバーンを、よくあのスピードで滑れるなー。」
と、言ってる間にまた上から。
 シュバーっ!

 Sさん達3人をギリギリ避けるかのように、というよりはわざと3人のすぐ横を滑っていくかのように雪煙が上がったかと思うと、ものすごいスピードで下に降りて行く。

「またかよ。どっかのサークルの連中かなにかなのか?」
と、Sさんが言っている間にもまた、今度は逆側から。
 同じように、エッジで雪面を切る鋭い音。
 さらにまた…


 Sさんは、もともと飛ばし屋だったそうで、ゲレンデで飛ばしているスキーヤーを見ると、よく追いかけまわしていたらしいです。
 ただその反面、自分の力量はわきまえている滑るタイプだったとかで、最初の1本目から目一杯とばすなんてことは、まずなかったといいます。
 なのに、なぜかこの時だけは。
「よし!アイツ、絶対ブッちぎってやるぜ!」
って、なにかに憑かれたかのように目の前の暗い雪面に突っ込んでいったんだそうです。

「おいバカっ!Sっ!危ねーぞ!」
 TさんとHさんが慌てて声を発しますが、Sさんには聞こえません。
 その時というのは、ただただ今横を通り過ぎていたスキーヤーを追いかけることしか頭になかったといいます。


 さて、Sさん。
 ターンをほとんど省略したからでしょうか。上1/3位のところでやっと
 連中の1人を前方にとらえます。
 しかし、そのスキーヤーから吹き飛んでくる雪の固まりが、ゴーグルやキャップ、ウェアにバシバシ当たってきてまともに姿が見えません。

「ヤロー!ふざけやがって!」
 その時、急に前を行くスキーヤーの右側の斜面がグワーンと開けて。
 そっちは滑っているヤツ、下まで誰もいません。フラットな雪面がゲレンデの一番下まで一気に開けています。

「よっしゃ!こっちから一気に抜いてやるぜ!」
 右ターンから左のロングターンで一気に抜き去る算段です。

 Sさんの狙い通り、左にロングターンの直後グィーンと近づいてくる例のスキーヤーの後姿。
 見れば、黒っぽいウェア。
「そうかコイツらか。」

 近づいてくるSさんに気がついたのでしょうか?
 そのスキーヤーが、Sさんの方に一瞬顔を向けます。
 Sさんはといえば、まるでそのスキーヤーに突っ込むような角度。
 ナイターとはいえ、表情までわかる位の近さ。
 その近さにSさん、さすがにヤバイとスキーわずかに右に微調整。
 ところが何を思ったのか?
 そのスキーヤーまでスキーを右に向けてきたもんだから、Sさんはビックリ。慌てて左足をさらに踏み込みます。
 徐々に、徐々に体がそのスキーヤーと反対の方を向いていく…。
 それに逆らい、横目でチラッとそのスキーヤーを見たSさん。

「な、なんなんだよ!?」
 驚いたことにそのスキーヤーは、真っ直ぐ顔をSさんの方を向けたまま。しかも、口元にはかすかな笑みのようなものが浮かべていて…。
「このスピードで、後ろを向いて滑ってるってホントかよ!?」
と思った瞬間!
 Sさんの、左スキーのテールの外側が、急になにか硬い物でも押し当てられたようになって。
 ガクンと左前方にもってかれる体。
「ヤバイっ!」

 急に音が一切なくなって──
 右ターンを始めていた自分の体が、ゆっくりと左前方に吹っ飛んでいく感覚……

「うわっ!」
 くぐもった自分の声が、どこかから聞こえる…。
 その途端、両足にバチンという衝撃が伝わって、板がキレイに外れた感触。
 なんだか、それだけはやけにリアル。

 もっとも、板さえ外れてしまえば、後は意外に冷静。
 白いんだけど真っ黒な雪と、ナイターのライトがものすごい勢いで交互にグルグル回っている。
 雪面をもんどり打ちながら全身に感じている衝撃と、ドドドドともザザザザともつかぬ耳といわず、体いっぱいの音。
 と、その一瞬。上を向いた状態になったSさんの目に映ったのは、宙高くを舞っている2本のスキー板。

「ヤバっ!」
 あの板が体に落ちてきたらどうなるか?
 慌てて両手で頭を抱えるSさん。
 しかし、なおもSさんは激しく雪面を転がっていって──。
 やがて、止まった。

 その、ほんのわずかの静寂の後……

 ズサっ!
っと重々しい音!

 まだ転げまくった状態でまわりがよくわからないながら、反射的にそちらを見たSさんの目に映ったのは、雪面に板が1本テールから刺さっていて、ブルンブルンとゆっくり揺れている光景……

「うっ!」
 えっ、もう片方の板は…?
 これから落ちてくるのか?



「おーいS!大丈夫かよー?」
 ふいに、すぐ近くからTさんとHさんの心配そうな声が聞こえて…。
 そして、その2人の声を掻き消すかのように、また上からやってくるあの雪面を切るエッジ音。

 シュバーっ!
 3人のすぐ横に一際大きな雪煙がたったかと思うと、それはエッジ音とともに斜面の下に向かって。
 しかしそれは雪煙だけしか見えない。



 Sさん、幸い打ち身だけで特に大きな怪我はなかったそうでなんですが、体のあちこちに痣が出来てたとかで。
 しかしまぁ。それにしても、宙を飛んだ板がSさんの上に落ちてきていたらどうなっていたのか?
 考えると、ちょっとゾッとします。
 現在でこそ、スキーの板はカービングスキーで短く、かつ軽くなりましたが、80年代末から90年代初めのスキーブームの頃といえば上手いヤツはレース用の2メートル弱くらいの板を履くのが普通でしたから。メタグラとか金属素材が使われている板も多くあり、かなり重かったんです。
 スキーの板ですから、まさかいくらなんだって体に刺さったりはしないでしょうけど、直接頭に落ちてきたりしてたら結構ヤバかったはずです。

 ところで、例の黒いウェアの謎のスキーヤー達は何者だったのか?
 実は、3人の中のHさんは、Sさんが無鉄砲に滑り出した後、妙な光景を目にしたんだそうです。

 それは、Sさんが滑り出したのを見てあれは危険だと、まずTさんが滑り出し、その後Hさんも滑ろうとした時のことだったそうです。
 またもや上から雪面を切る音が近づいてきて、この上はリフト止まっているというのに、いったいどこのサークルの連中なんだろうと、ナイターでは使われていない上のゲレンデを見上げたんだそうです。

 すると、ライトのとどかない暗い雪面に、コブのようにも見える黒っぽい物がいくつかボコッボコッと並んでいて。
 なんだあれ?って思った瞬間、ひとつのそれが急にムクムク立ち上がり黒いウェアのスキーヤーになって、雪煙とともに滑り出す。
 また、コブのようなものがムクムクと立ち上がったかと思うと、雪煙とともに滑り出す。
 そして、また……

 いや、どこかのやたら上手いヤツばかり集まってるサークルの連中がそこまで登って降りてきていただけなのかもしれません。
 確かに、コブ斜面なんかで転んでいた人が急に立ち上がると、そんな風に見えることは普通にあります。
 また、ナイターの時、少しでも長い距離を滑ろうと、上に登って滑る人もよくいます。特にサークルの連中とか、大人数で来てる人達なんかはよくやってます。
 つまり、あの時のあの連中はそういう連中だったのか?
 Hさん、「なんかそうは思えない」と後でSさんに言ったそうです。
 その謎の黒いスキーヤーのことを、Sさん達は「雪ゾンビ」って呼んでいるということですが、そのゲレンデに限らず他のゲレンデでも、新雪が深く積もった後なんかに見かけたことがあるといいます。




41話目終わり。フっ!
     ――─ 第41話目「怖いバーン~ゲレンデの都市伝説」メルマガ配信日:10.1.30
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 スキーっていえば、気になるのがあの話。
 09か08シーズンのことだったと思うんですけど、どこかのゲレンデに人の手首が落ちていたって。
 確かその手首って、スキーグローブがはまったままで落ちていたって読んだように思うんですけど、結局どういうことだったんでしょう?
 すっごく気になります。
 もしかしたら、あらたなゲレンデの都市伝説として、密かに語られているのかもしれませんね。






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2012
09.01

41話目-前編

Category: 怪談話

 学校の怪談とか、会社の怪談とかが好例であるように、ひとつのまとまった社会には、大概なにかしらその社会の中で伝わっている「お話」があるものですよね。
 それは、いわゆる怪談話みたいなものから、都市伝説のような類のものまで。
 それと同じように、実はスキーヤーの世界にもそういうお話ってあるわけです。
 で、都内にある某大学のスキーサークルで語りつがれてきた、このお話。実はそこの学生の体験ではなくて、OBの体験なんだそうです。
 いや、OBだからってそんな大昔のお話(レルヒ少佐の時代とか…)でなく、80年代後半から90年代前半のスキーブーム真っ盛りの頃のお話なんだとか。

 まぁねぇ…。あの頃のゲレンデって、かなり異常でしたからね。
 お金を持っている上の方々はゲレンデ・リゾート開発。
 ちょっと小金がある下々の方々はやスキー場近くのリゾートマンションを投機目的で買うとか、そんな生臭い話ばかり。
 いや。あの頃を直接知らない方は実感できないかもしれませんけど。
 「○○さん、苗場のリゾートマンション買ったから、スキー行く時はいつでも言ってくれって言ってたよ」みたいな話がまわりでごくごく普通に語られていたり。
 もしくは、会社にいろんな不動産会社の営業の方が「社長、そろそろ(投機目的の)リゾートマンションどうですか」って毎日のように来てたり。
 また、小金もない人達の間では「ホテル遭難」なんてことが頻繁に起きていたり…
(そういえば「アフタースキー」なんて言葉、もはや完全死語ですね)

 街の種々雑多な人・モノが、ギラギラな欲望を剥き出しに一斉に雪山や山村に入り込んでいたあの頃。
 ある意味、怪談や都市伝説の1つや2つ、あって当たり前。ない方が、よっぽど不自然というものなのかもしれません。



 それはSさんが、社会人になってまだ何年か目のこと。
 まだ成人式の休みが1月15日だった頃で、Sさん、有給をとって、大学時代のスキーサークルの仲間達とN県の某ゲレンデに行ったんだそうです。

 スキーブーム真っ盛りの頃の1月15日の連休ですから、ものすごい人です。リフトの前は人人人…。リフト待ちは30分以上。
 リフトを降りてやっと滑れると思っても、今度はそれこそコブの頭一つ一つにスキーヤーがいるような状況。
 そんな混雑ぶりに、久しぶりのスキーだというのにいまひとつ楽しめないSさんたち。
 あまりの混雑ぶりに、誰からともなく「今日は早上がりしちゃって、ナイターに賭けようぜ。」という声があがって…

 スキーブーム当時のあの異常な混雑の時でも、ナイターともなると滑る人はかなり少なくなって、結構快適に滑れたものでした。
 Sさん達もそれを狙ったのでしょう。


 さて、早上がりしてナイターに備えたSさん達ですが、昼間から降り続いていた雪が、日が暮れてから強くなってきて。
 ナイターのライトに照らされる無数の雪が、宿の部屋からも見てとれます。

「ゲッ!すごい雪!ナイター行きたくねー!」
 そうつぶやいたのは、夕食から帰ってきて窓を見たSさんの友人のひとり。
 昔だったら、吹雪だろうが雨だろうがリフトが止まらない限り、みんな夢中で滑りまくっていたのに…。

「オマエよー、年寄りじみたこと言ってんじゃねーよ!」
 なんて言っているヤツ自身が、いつのまにか完全に部屋着に着替えていたり。気がつけば、ウェアを着ればいつでも滑りに出かけられるって恰好をしているのはSさん、Tさん、Hさんの3人だけ。

 とはいうものの、そういうSさん自身も、美味しい夕食を腹いっぱい食べ、なおかつビールなんて飲んじゃっているわけですから、あまり人のことは言えません。
 ナイターに行く気満々のTさんHさんがいなかったら、Sさんも、もしかしたらナイターへは行かなかったのかもしれません。


 まぁ、そんなポカポカうだうだな部屋の誘惑に後ろ髪を引かれつつ出かけたSさん達ですが。
 でも、ヒーハー言いながらキッツキツのスキーブーツに足を押し込んで。
 さらに、ウェアのファスナーを首元まで上げれば、たちまち気分もシャキっ!
 昼の分まで滑ってやるぞと板をかついで、なぜかゲレンデまでの道を3人横並びでゲレンデへ。
 雪はいつのまにか止んでいたものの、風は相変らず強い。でも、頬にあたるその冷たさが逆に気持ちよくって…。


 さっきまでの吹雪のためなのだろう。ゲレンデは、滑っている人はまばら。
 リフトには列もなく、滑ってきてそのままリフトに乗れそうで、シメシメとSさん達。
 ブーツのバックルをバッツンバッツンと締め、板をバッケン!と履いて、ナイター券を買う為に売り場まで滑ります。

 ところがSさん、その滑っている最中…。
「うんっ!?」
 右のビンディング(金具)の調子が何か変。
 板が、微妙に足についてこない…!?

 リフト券売り場の前で、板を脱いでビンディングを見ているSさん。
 そのSさんにTさんが言います。
「どうしたぁ?S。」
「ワルイ。なんかビンディングの調子が変みたいだ。
 ちょっと調整してから行くから、オマエら先滑っててくれよ。」

 その時というのは、ゲレンデは昼間からの雪でかなりの新雪が降り積もっていたといます。
 新雪というのは意外なくらい板への抵抗が強く、予想もしない時に板がはずれたりするんで怪我につながりやすいんです。
 ビンディングの調子が悪いのなら、ちゃんと調整してから滑らないとヤバイわけです。

 Sさん、調整用の工具を置いてある台を、確か昼間リフト乗り場の近くで見たよなぁと、あたりを見回すと…。
 ありました。やはり新雪ということでビンディングを調整してからと思ったのでしょうか?1人のスキーヤーがこちらに背を向け調整の真っ最中です。

 そんなSさんが板をかつぎポコポコ歩いていると、ふいに後ろから。
「おい!S!それじゃ先滑ってっからよ。終わったらリフトの前で待ってろよー!」
 見れば、リフト待ちの列を並んでいるTさんとHさんが、Sさんの方を見て手を振っています。
「オマエら、1本目から転んでんじゃねーぞー!」
 Sさんが、手を振り返しながら悪態をついて、リフトに乗る友人達を見送り、
「まったくしょうがねーなー、このビンディング。
 なんでいきなり調子悪くなったんだろ?」とつぶやいて、また前を見た時。
「あれっ?」
 今、調整用の工具を置いてある台にいた人がどこにもいない。
 台の向こうは山。左側は落ち込んでいて道路。右はリフト。
 調整が終わったのなら、Sさんとすれ違うはずなのに…

 Sさん、その時初めてなんか変だと思ったそうです。
 さっきの調整用の工具を置いてある台で、こちらに背を向けていたスキーヤーって人って、あれ本当に後姿だったのか?
 そもそも、ビンディングの調子がいきなりおかしくなるなんて事も考えてみれば初めて。

 とはいえビンディングをこのままというわけにもいきません。
 Sさんは薄気味悪い気持ちを抑えつつ台の所でビンディングを見てみると、驚いたことにサイズ調整が変わっていたんだそうです。

 ビンディングは、スキーブーツに合わせて固定して取り付けますが、取り付け後でも、わずかながらサイズを調整できるネジがあるのです。
 普通、そのネジはブーツを買い換えでもしない限り、いじることはありません。
 なのに、それがなぜかいじられていてSさんのブーツのサイズよりわずかに広がっていたんだそうです。
 この新雪です。Sさん、このまま滑っていたら…とあらためてゾッとしたといいます。


 さて、薄気味悪い気持ちを抑えつつビンディングの調整もバッチリ終えてリフト前に行ったSさん。
 しかし、TさんとHさん姿が見えません。
 とっくに降りてきていなければならない時間なのですが、さてはヤツら、どっかで転んだかとSさん思わずニンマリ。

 見上げれば、薄暗いゲレンデの中ほどに2人と思われる姿。
 どうやら転んだのはHさんらしく、Tさんがすぐ横に立っています。
「ザマーミロー!」
と、ポールを振り回しているSさん。

 やがて、滑り降りてきた2人。
「うわーっ!スっゲー板が引っかかるっ!」
「いや参ったよー!新雪の下、コブだらけでさ。
 もう引っかかる、引っかかる。もう大転倒。ハハハハー!」
 見れば、2人とも頭から雪まみれ。
「なんだよー!これくらいの新雪で転んでんじゃねーよー。ハハハハー!」
 なんともまぁ、2人ともゴーグルの中まで雪にまみれているのです。相当ド派手な転倒だったに違いありません。
 Sさん、そうやって2人の様子を見て大笑いしてしまえば、つい今しがたの薄気味悪い感情なんてどこへやら。
 後は、3人でゲラゲラ笑いながらリフトの列に並びます。

「いやさ最初だよ、最初。まず左にターンしようとしたらさ、
 右スキーのテールが押さえつけられたみたいになっちゃってさ。
 板が外側にずれてかないんだよー。
 新雪の下にコブがある!って気がついた時には、
 もう頭から突っ込んでたな。いやー!あれはキツイ!」
「オレは、ターンした時に板と板の間にコブを挟んじゃったみたいでさ、
 外スキーのトップがいきなりグィーンって外側にもってかれちゃって。
 もう危うく股裂き状態。」
「なんだよー!オマエらー!
 昼間で疲れちまって足に力入らねーんじゃねーのー!
 歳をとるってーのはイヤだねー。」

 雪面の悪状況に興奮気味のTさんとHさん。Sさんはそんな2人を、歳のせいにしてからかいます。
「いやオマエ、そんなこと言うけどな、こんな雪面初めてだぜ。
 たぶん新雪の下にカチンコチンのコブがあるだろうな。なぁH。」
「そうそう。いきなりガーンって板を持ってかれるっていうのかな?
 かと思うと板を外側から押さえつけられているみたいだったりさ。
 新雪の下にコブがあるバーンっていうのは今までにもあったけどさ、
 このバーンはそれとは全然違う。
 なんていうのかな?雪が板にからんでくるみたいな感じ。
 いや、マジ怖い…。」

 そんな、難易度の高そうなコンディションにちょっと引き気味の2人の話を冷やかし楽しんでいるSさん。
 ふと、視線の向こうにさっきの調整用工具の台が目に入って…。

「なぁ、そういえばさ、さっきリフトからオレに声かけた時、
 オレの近くに誰かいたか?」
「えぇっ!?誰かって、オマエがビンディング調整してる時?
 あ、あぁあぁそういえば誰かいたな。
 なんだかやけに黒っぽいウェアで全然目立たないから、
 滑ってる時、こんなウェア着た前でヤツが転倒してたら、
 気づかずに突っ込んじまいそうで怖いなぁーと思ったな。」
と、言ったのはHさん。
「あーなんだ。やっぱりいたのか。じゃ、まっいいか。」
と、Sさんは後ろから来る3人乗りのリフトを見ながら言います。

 やがて、やってきたリフトに乗ったSさんたち3人。
 それは、リフトがスピードをあげてからすぐ。
「全然目立たない黒っぽいウェア?
 そういえば、今滑ってた時、前にそんなヤツが滑ってたな。
 うん、全然目立たないんだよ。
 いきなりスーっとオレの前に入ってきたんで、かなり焦ったな。
 おかげでその後また転んだんだぜ。」
 そのTさんの言葉に、Hさんがちょっと訝しげに言います。
「あー、Tが2回目に転んだあの時か?
 でも変だな。オレ、あの時オマエのすぐ後ろ滑ったたんだけど、
 そんなヤツ見なかったけどなー。」
「だからさ、あのウェアはホントに見えにくいんだよ。
 視界にいきなり現れる感じでさ…。」
「なんだよ、それ。オマエらの話聞いてると、 まるでお化け屋敷みたいなバーンだなぁー。
 雪が板にからんできたり、いきなり人が現れたり…。」
 Sさん達、そんな冗談を言いながらリフトの上で笑ってたんだそうですけど…

 でも、リフトを降り滑り出そうと、Sさん達がゲレンデを見下ろしてた時。
 3人とも思わず息をのんでしまって…。

 こんな荒涼とした雰囲気のバーンは初めてです。

 頭がつっかえるように低く垂れ込めた黒雲(黒霧?)。
 ところどころ、ナイターのライトが反射しているのか、下部が赤黒く染まっていて。
 そのくせゲレンデは、ライトが全部点いてないんじゃないかと思うくらい暗いグレーの濃淡に染まっている。
 足元には、風に磨かれ曇りガラスのようにてらてらと光っている雪面。
 その硬質な感じは、エッジなんか不用意にたてようものなら、まさにあの「キィーっ!」っていうイヤな音がしそうで……

 と、ふいに聞こえてきた悲鳴。
 思わずそちらに目を凝らしたSさん達。
 そこでは、派手な転倒して雪しぶきを上げているスキーヤーの姿。
 いや、それはあっちでも、こっちでも。3人のすぐ下でも…。

「どうなってんだ?このゲレンデ…。
 まともに滑れてるヤツ、1人もいないじゃんか…。」




 ―── 本日これまで!
                41話目-前編〈了〉後編につづく/メルマガ配信日:10.1.29
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2012
09.01

今あえて、本当に日本には落ち度はないのか?と思う今日この頃

Category: guchitter

 録画したままになっていた『追跡真相ファイル/中国人観光客訪日格安ツアーのカラクリ』(8/21放送:NHK)を、やっと見まして。
 まぁタイトルにもなっている「カラクリ」そのものは、「格安」と「ツアー」という文字を見れば大体想像がつきますよね。私も社員旅行等でいわゆるその「格安ツアー」に行ってしまったことがありますから。
 つまり、ガイドの懐にリベートが入る店を延々まわらされるだけのパックツアーですよね。
(ただ番組を見る限りだと、その何倍も悪どい商売やってますね。確かに、このインターネット時代にあれじゃ、日本来る中国人観光客はいなくなっちゃいます)。

 まぁやっぱりそういう内容かって思って見ていたわけですけど。
 最後の方になって、「おっ!?」と思わせる場面が。
 それは、そういう詐欺まがいのパックツアーを蔓延らせないために、日本としてはどういう対策をとったらいいのか?という話になった時。
 要は、外国人ツアーガイドというのは、法律として免許が必要なんだとかで。その免許には店との関係云々を禁止する条項があり、現在店と癒着しているガイドというのは、免許がない者がほとんどであり、かつ香港や台湾から観光ビザで来てガイドとして働いている不法就労も多いのだと。
 そのことを聞いた番組スタッフが、観光庁の担当者に聞いてみたところ「違法性を問うのが難しい」という回答であった。
 「違法性を問うのが難しい」って、ガイド免許ない人がガイドやってたらその時点で「違法」なんじゃないの?って思ってしまうわけですけど。
 観光庁の方は「違法性を問うのが難しい」とのことだったんですけど、でも観光学が専門の大学の先生によれば「それは国が取り締まって改善していくことは充分可能なのだ」と。
 「現に、お隣韓国では、やはり中国からの激安ツアーが問題になって違法ガイドを取り締まったのだ」と。

 と、それを聞いてなんか前にもこんな話あったよな?って気がついたのが検察取調べ時の録音の義務化の話。
 あれも確か韓国ではとっくの昔に完全録音が法律で義務化されているというのに、現在の日本ではいまだに「無理」とか「一部だけなら」などと言っているような状況。

 うーん…
 なんか、ちょっと考えてしまいまして…
 確かに、最近の李大統領の一連の行動というのは、野田さんが思わず「どうしちゃったんだろ?」って言っちゃうくらいなんだけど…。

 ところで。
 全然話は変わりますけど。
 その「どうしっちゃったんだろ?」という発言は、韓国ではどのように翻訳されたんでしょうね。
 いや、「どうしてしまったんだろう?」ならどうでもいいんです。でも、野田さんは「どうしちゃったんだろ?」という表現を使ったわけじゃないですか。
 まぁおそらくあらかじめ話すことのメモはあったんだと思います。
 でも、「どうしてしまったんだろう?」でなく「どうしちゃったんだろ?」という表現は意識して使ったのではなく、無意識に思わず出てしまった言葉であるように思うんですよね。

 一般的に言って、「ちゃった」とか「ちゃう」とかいう言葉遣いは大人社会ではあまり使われない言葉遣いですよね(私はあえて使うのが好きなんで、どんどん使っちゃっうんですけど…笑)。
 まぁ国会で普通に使う言葉遣いではないと思うんですよ。
 つまり、「ちゃった」とか「ちゃう」という言葉遣いは、どちらかと言えば子供っぽいの言葉遣い、あるいは大人が子供に対して言う言葉遣いであるように思うんです。

 いや。別に野田さんはあの時、「どうしちゃったんだろ?」と大人が子供に対して使う表現を、意図的に当て擦りとして使ったわけではないと思うんです(野田さんっていう人は、職務でそういう言動はしなさそうな人ですよね)。あくまで、「思わず」出ちゃったように思えて仕方ないんですよ。
 つまり、最近の李大統領の行動・言動というのは、野田さんにとってそれくらいあっけにとられたんだと思うんです。
 その、あまりに子供じみた行動・言動ゆえに。
 だから、「どうしちゃったんだろ?」という言葉遣いを思わずしてしまった気がするんですけど。
 さて。その辺の言葉の微妙なニュアンスを韓国政府はどういう風に訳したんでしょうね?

 とまぁ、例によって脱線しましたけど(脱線好きなんで)。
 お隣韓国では、違法ガイドがきちんと取り締まられてたり、検察取調べの可視化が義務化されているというのに。
 なんで日本の政府や関係省庁は全然対応出来てないんでしょう?


 そういえば、2005年に中国での反日デモが問題になった時。
 まぁ例によって、どーせ日本がODAを打ち切ったことの面当てだろうなと思った反面。胡錦濤さんと温家宝さんというのは親日路線だったはずじゃなかったけ?と疑問に思って。
 それで何冊か本を読んでみたんですけど、その中に(うろ覚えですけど) 胡錦濤さんと温家宝さんは国家主席と首相に就任した時、親日路線でスタートしたんだけど日本の政府だか外務省だかがそのメンツをつぶすような行為をしたゆえ、彼らは親日路線を進められなくなったというのがあって(いや、中国人の著作でなく日本人の著作です)。
 まぁそのメンツをつぶすようなことというのが具体的に何だったのかは忘れてしまったんですけど。
 ただ、親日路線で進むはずだった胡錦濤さんと温家宝さんが方向性を非親日路線に切り替えてしまったのは、ある意味韓国の李大統領とも妙に重なるんですよね。

 韓国という国家による竹島実効支配っていうのは、どう考えてみてもおかしいのは確かなわけですけど。
 ただ、それはそれとして。現在の中国指導部が非反日路線をとっているように。あるいは、李大統領が去年くらいからいきなり対日強行路線をとりだしたように。それらは、現在の日本を動かしているシステムそのものに重大な欠陥があって、それが隣国の指導者たちをいらだたせている、あるいは激昂させているってことはないんでしょうか?
(オバマさんも相当イライラしてるって話、聞きますものね)

 外交問題でなく、国内問題ですけど原発事故にしたってそうじゃないですか?
 アメリカでは、福島第一で使われていたR‐1型というのは冷却できなくなると水素爆発を起こすから地震がある(米国)西海岸では使用しないというのは、80年代の時点で常識になっていたという話。
 そのことは、おおよそ日本で原発に関わる仕事をしている人たちが知らなかったわけないですよね(スリーマイル島の事故だってあったわけですから)。
 なのに、地震の多いことは子供でも知っている日本で、R‐1型は平然と使われていた。
 ご丁寧にも、「原発は絶対事故が起きない」を謳い文句に。

 思い起こせば、アメリカでは何年も前にあきらかに害があるから使用禁止になっているのに日本では普通に使われていて大問題を起こしたことっていうのは、薬害エイズのフィブリノゲンやアスベストもそうですよね。
 他には、まぁこれはアメリカは関係ないですけど、消えた年金問題なんかもそれが起きた原因は構造的にはおそらく同じなんじゃないでしょうか。
 つまり、わかっている人はいるのにそれを放置して、さらに隠蔽している。

 原発事故、薬害エイズ、アスベスト、消えた年金等々、それらは全部その放置→隠蔽の「日本の構造」の中で起きているわけですよ。
 隠蔽といえば記憶に新しい大津のいじめ事件の教育委員会による隠蔽。あとは、こっちは民間ですけどオリンパスの一件だってそうですよね。
 民間といえば、シャープの業績悪化もあまりに唐突すぎるような気がしません?
 つまり、現在の日本は政治家・お役人はもとより、企業や個人までがどこかタガがはずれちゃってるってことなんじゃないでしょうか。

 野田さんの言う「どうしちゃったんだろ?」っていうのは、もちろん李大統領をはじめ韓国政府に向けられた言葉ではあるわけですけど。
 それ以上に、世界中の国々が日本に対して「どうしてしまったんだろ?」ではなく、「どうしちゃったんだろ?」と言っているということはないんでしょうか?




 追記: 
 ネットでたまたま見た記事ですけど。
 この方の書いていることは、私が言いたいことをきわめてわかりやすく書いてくれているんじゃないかって。
 よかったらぜひ読んでみてください。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35956 
 そう。私は、いまだに不思議と李明博さんをキライにはなれないんですよね。
 それどころかTVに出てくるあの顔を見ると、ああ言いつつも心の中では「どうしちゃったんだよ、日本人!」って言っているような気がしちゃって…
 注!ちなみに、この場合の「ちゃった」は親しみのニュアンスということで(笑)




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2012
09.01

今あえて「国交」を閉じるべきなのではないだろーか?と思う今日この頃

Category: guchitter

 いや、「国交」を閉じるべきなのでは?って、もちろんお隣韓国との間です。
 ただ、「国交」を閉じるべきというのは、あくまで「国家と国家の交わり」のことです。民間ベース・経済ベースでは必要に応じて続けたらいいと思うし、また続けるべきなんでしょう。
 というか、「韓国」との交わりっていうのは、あくまで「民間」だけでやった方がいいんじゃないのかなって。

 確かに、国で「交わり」の仕事をしている人や仕事で経済的な結びつきのある人、さらには結婚したり友人だったりする方からすれば、「お気楽に無責任なこと言ってんじゃない!」って言うもちろんわかるんです。
 わかるんですけど、現在の「日本という国家」と「韓国という国家」の関係の悪さっていうのは、「国家の交わり」があるが故にエスカレートの上にさらにエスカレートしている面が強くないですか?

 変な話、私個人は現在の「韓国いう国家」、さらには韓国という国家の国民である韓国の方たちにあまりいい印象は持っているとは言えません。
 でも、いざ日本で、もしくは海外で韓国の方と出会った時、その方に現在の「韓国という国家」を重ね合わせて接するってことは、まずないと思うんですよね。
 仕事上の付き合いで会うのか、それとも新たな知り合いとして会うのかシチュエーションはなんにせよ、会うなり現在両国のニュースで流れているような話題を話すことはまずないだろうし、何より相手を慮って友好的に接するはずだと思うんです。

 それはそうですよね。だって、あくまで私もその韓国の方も、その会う目的が何であれ、あくまで「個人」として会うわけですから(出会った相手が日本人だから、もしくは韓国人だからっていう理由でケンカふっかけるような人は普通いません)。
 海外の旅先で会ったんだとしたら、楽しい旅行中にケンカするバカはいないでしょうし。仕事上で会うのなら、それこそ仕事がうまくいくような会話をするはずです。

 それは、韓国の方だって一緒なわけでしょ?
 韓国に旅行するのが一番多いのは日本人か中国人だと思いますけど、韓国に来た日本人にいきなり李大統領が言ってたようなことを言う韓国の方はいないはずですよね。
 いないから、みんな韓国旅行は人気があって、韓国に行くわけでしょ?
 いや、まぁ中にはオレは言われたって人もいるんだとは思いますけど、まぁそれはどこの国にでもいるアホバカな人とたまたま出会っちゃったってことなんだと思うんですよ。
 でも、あんなに沢山の人が行っていて、また行きたいって言ってるってことは韓国の方からそんな不愉快な思いをさせられた人の方が少ないってことですよね。

 でも、そんな風に旅行に来た日本人観光客を楽しく迎えてくれた韓国の方たちも、いざ「竹島問題」となればニュースで流れているような言動にならざるを得ないわけじゃないですか。
 だって、日本人じゃないんだもん。韓国人で韓国に住んでいるんだもん。
 日本人なら誰だって「韓国という国家」が「竹島」を不法占拠していることに憤慨しているように、韓国の方々からすれば「日本という国家」がそれに反応して何か言えばそれに憤慨する。
 それは、普通の人間なら自然な反応だと思うんですよ。

 ただですよ。
 普通の人で普通の生活をおくっている人であれば、たまたま一時的に憤慨したとしても。次の日にいいことがあったとか、もしくは仕事がめっちゃ忙しくって他のことなんて全く考えられなかったなんてことで、憤慨したことなんてすっかり忘れちゃうのも、普通の人間の自然の行動であるはずじゃないですか。

 でも、「国家」というのは、その職務や責任としてそういう「国民の憤慨」を忘れることは絶対許されないわけですよ。
 つまり、国民が他国から憤慨されるような行為を受ければ、国家の代表である政府は職務として、その「国民の憤慨」を解消する何か行動をとらなければならないわけですよ。
 それは、それが表向きには国家の責務だからということ。
 さらには、日本も韓国も選挙がある民主国家で選挙がある以上、「国民の憤慨」を解消しなければ政府は政権を維持出来ないからですよね。
 その何よりの証拠に、「竹島」に上陸した後李大統領の支持率は上がりました。また、その李大統領の行動に対していくつか対応をした野田内閣の支持率も(確か日経の調査)わずかながら上がっています

 でも、我々日本人にしたって、韓国の方々にしたって、別に首相や大統領の支持率を上げるために日々生活しているんじゃないわけでしょ?
 大事なのはあくまで個々人の幸せであって、極端な話個々人が幸せに暮らせるなら「国家」なんてどうでもいいわけじゃないですか。
 逆に言えば、本来「国家」というものは、個々人が幸せに暮らせる為の仕組みとしてあるわけです。
 個々人が幸せに暮らせているなら、別に他の国とケンカしなくたって政府や元首の支持率は高くなるはずですよね。
 現に、ブータンは国民みんなが自分は幸せだと思っているから、政府の支持率は高いわけじゃないですか。

 で、日本と韓国ですよ。
 両国民は幸せなんですか?
 日本人は、まぁ「幸せだ」と言わなきゃそれこそいろんな国から怒られるくらいの生活レベルを保っているわけですけど、でも素直に「幸せだ」と言うには難しいですよね。
 韓国の状況っていうのは、よくはわからないんですけど。
 でも、格差の問題とかあると聞きますし、さらに言えば民族分断の問題だってあるでしょう。
 確かに韓国の方々からすれば、李大統領の「竹島」上陸は確かに快哉だったのかもしれませんけど。
 でも、それって幸せだったんですか?
 個々人の幸せにつながったんですか?

 現在の韓国の方々で、そのことを「幸せ」と言う人はいないはずですよね。
 いや。あえて言いますけど、それでも「幸せだ」と言い切る韓国の方はいるんだと思うんです。
 でも、そういう風に言い切る人でも、それを心の奥底から「幸せだ」と思っているということは絶対ありませんよね。
 なぜなら、人間というものは、そういうことが幸せと思えるようには出来ていないからです。人間というのは、他の人間と親しく交わり、その親しく交わる中で自らの子孫を残すということに幸せを感じるように出来ているんです。
 なによりの証拠に、ブータンの方々はそんな生活を現在おくることができるから自らを幸せだと言っているわけじゃないですか。

 李大統領が「竹島」に上陸したことが「幸せだ」だと言い切れるのだとしたら、その人はあきらかに「鬱憤を晴らす」ということと、「幸せ」ということを混同しているんでしょう。
 つまり、不幸な毎日をおくっている人なんでしょう。
 毎日が不幸であるが故に、自分の幸せとは何ら関係のない李大統領の「竹島」上陸に溜飲を下げ、「自分は幸せだ」と自らを誤魔化しているにすぎないんでしょう。

 いや。そういうことを言うと、例によって「日本人には韓国人の気持ちは絶対わからないみたいな論法」で反論してくるのかもしれません。
 うん。そういう意味なら、確かに私には全っ然わかりません。
 先祖がいてはじめて自分がいる。そのことは忘れてはならない。
 うん。そこまでは理解出来ます。
 でも、先祖は今この世にはいません。
 「先祖の魂」なんてものも、この世には絶対存在しません。
 この世に存在しているのは、現在生きている人間だけです(他の生物や物質は除く)。
 この世で何より大事なのは、現在生きている人間の幸せ、そしてこれから生まれてくる子孫の幸せです。

 ただ、何より大事なものが現在生きている人間の幸せである以上、その現在生きている人間の感情として、先祖が生前抱いていた思いや意思というのも大事なことなのかもしれません。
 でも、現在生きている人間の幸せからみれば、所詮そんなものはとるに足らないものです。
 なぜなら、先祖がこの世に存在することは、もう二度とないからです。
 この世に存在するのは、現在生きている私たちと、これから生まれるであろう子孫たちの未来だけです。
 「先祖」を敬うという概念は、なにより生きている者たちが幸せな生活をおくるためにと人が発明した「システム」にすぎません(肉親への感情はまた別です)。
 そのシステムがあるのをいいことに、「生きている人の幸せよりも死んだ人間の思いだの意思だのを優先しろ」などと言うバカな先祖がいるのだとしたら、そんなものは先祖と思う必要はありません。
 躊躇なく先祖から除外してしまえばいいだけの話です。
 というか、それ以前に「死んだ人間」というのはこの世に一切存在しませんから。死んだ人間が「意志を叶えてくれ」などということは絶対ありえないわけですけどね。

 私は、「儒教」というものは全く信じてませんから。
 いや。「孔子の教え」というものは尊重します(信仰はしませんけど)。
 でも、「儒教」というものは一切信じません。
 なぜなら現在伝わっている「儒教」というものは、孔子の教えを「古代国家」の権力者が統治に都合がいいように曲解したものであるからです。
 ゆえに、肉親の「孝」は尊重しますけれど、見たこともない先祖に対して「孝」の気持ちは全く生じません。
 私は、現在を生きている人間が、この世に存在しない「先祖」という概念を擬人化し、その意思を固定概念としたり、拡大解釈したりして現在の自らの世界に当て嵌め、影響を及ぼしてしまうというのは、人間の行為として最も愚かなもののひとつだと思っています。
 なぜならば、「先祖」というものはこの世に存在しないからです。
 この世に存在しなければ、現在のこの世の状況はわかりません。この世の状況がわからない存在の指示に従ったって、何の益も有りません。


 って、また話が外れちゃっいましたけど。
 これは、ホントあくまで冗談で言いますけど、韓国の方々の論法っていうのは、いわゆる「ああ言えば上佑だから…」(古っ!そーいえば、上佑さんを韓国大使に任命しちゃうってのはダメ?)
 つまり(繰り返しになりますけど)、李大統領が「竹島」に上陸したことが「幸せだ」だと言い切れるのだとしたら。その人はあきらかに「鬱憤を晴らす」ということと「幸せ」ということを混同して、自分の幸せとは何ら関係のない李大統領の「竹島」上陸に溜飲を下げ、「自分は幸せだ」と自らを誤魔化しているにすぎないってことです。

 人間っていうのは頭がいいから、そんな風に自らを誤魔化せちゃって、さらに思いこませられるからクセモノなんですよね。
 つまり、自らの幸せとは何ら関係のない「自ら誤魔化した幸せ」を、幸せだと思い込むようになっちゃって。その「(自ら誤魔化した)幸せ」を実現するように政府に要求する。
 要求が受け入れられなければ、その政府は「(自ら誤魔化した)幸せ」を実現出来ない無能な存在にすぎないから、当然次の選挙では別の候補(党)に投票する。
 そうなっちゃ政府は政権から追われちゃうから、不幸な日々をおくっている人の「(自ら誤魔化した)幸せ」を実現しよう何らかの行動をとる。
 でも、その「(自ら誤魔化した)幸せ」というのは相手の国もあることだから、「(自ら誤魔化した)幸せ」を完全には満足させられる結果にはならない。
 というか、そもそもそれは所詮「自ら誤魔化した幸せ」にすぎないから、一時的に溜飲を下げるだけで、「幸せ」の満足感は絶対に得られるわけがありません。
 ゆえに、政府に「幸せ」をよこせと要求する。
 本来その「幸せ」っていうのは、豊かな暮らしだったりするわけだけど、要求する側が「真の幸せ」と「(自ら誤魔化した)幸せ」を混同しちゃってるから、当然その「要求の具体的内容」は、(自ら誤魔化した)幸せでしかない。
 政府は選挙で自分の所に投票してもらわないと困るから、その要求された「(自ら誤魔化した)幸せ」を実現しようとする。
 でも、それは一時的な溜飲を下げるだけで真の幸せでないから、またすぐに「(自ら誤魔化した)幸せ」を政府に要求する。
 政府は、また「(自ら誤魔化した)幸せ」のための行動を起こす。
 でもそれは、一時的に溜飲を下げるだけで心の幸せでないから、また政府に要求する。政府は、それにしたがって行動をする。
 でもそれは……
 って、延々同じことの繰り返し。

 つまり、それこそが日本という国家と韓国という国家の間で何十年って行われてきた「外交」ってことですよ。
 口では(理想では)、「友好」とか「大事なパートナー」とか「未来志向」とか言ってても、選挙のためには「(自ら誤魔化した)幸せ」の要求が常に存在するから、友好も大事なパートナーも未来志向といったポジティブな関係は否定しなきゃならない。
 まやかしの「幸せ」(たんなる一時的な溜飲を下げるだけ)の為に、関係を悪化させるようなこと(ていうか、たんなるガキの嫌がらせ)をお互い延々エスカレートさせているだけ。
 日本と韓国の間で行われてきた「外交」っていうのは、ぶっちゃけそういうことでしょ?

 そんなもん、いっくらやったって無駄ですよ。
 「話し合いでなんとか」と言う良識的な方はいますけど、話し合いでなんかで解決出来るわけないじゃないですか。
 話し合いでなんかで無理に解決しようものなら、それこそそれが新たが火種になるだけですよ。
 とにかく。日本と韓国という国家の関係は、交われば交わるほどこじれるだけ。そんなもん、お互いストレスがたまるだけ損です。
 こんなことの為に税金払るる両国民は、世界中の笑い者ですよ。
 ホント冗談抜きで本当の戦争にならないうちに、一刻も早く「国交」は閉じて、あとは必要に応じて必要な人が民間ベースでやるべきです。
 だって戦争なんて事態は、誰一人望んでないわけでしょ?
 ていうか、この嫌がらせと口ゲンカから戦争まで引き起こしちゃったら世界中の笑いものどころか、人類の敵レベルです(というか、たんなるガキ?)。
 日本も韓国も世界の先進20ヶ国の一員なんですよ。
 国連が機能不全なら、残り15ヶ国が協力してなんとかする方策を考えなきゃならないことが世界各地で起きてるっていうのに。

 お金儲け(経済活動)でケンカするアホバカはいないんです。
 ケンカしに旅行に行くアホバカもいないんです。
 でも、国と国はケンカばっかりしてる。延々…。
 解決なんか絶対しませんよ。間違いなく未来永劫やってますよ。

 そりゃ国交を閉じたら不便なことだらけでしょう。
 でも、しょうがないじゃないですか。戦争して殺し合いするよりかは、何億倍もマシでしょ?
 そりゃ向こうからすれば、日本は20世紀にそれをやったんだって言うのかもしれませんけど。
 20世紀に日本がそれをやったから、21世紀にまたそれをやるとでも言うんですか?
 そんな馬鹿なこと考えてる人はいないでしょう?

 とにかく。日本と韓国は一刻も早く国交を閉じて。あとは民間の交流だけにするべきです。
 それこそ国交を閉じて、いっぱい不便を感じたらいいんですよ。日本人も韓国人も。他の国からバカにされながら。
 国交を閉じてウンザリするくらい不便を感じたら、5年後か10年後か。はたまた両国民ともよっぽどのバカで50年後か100年後かになるのか?とにかくまぁその頃にはいいかげん「普通の国と国の関係」を築けるようになるんじゃないでしょうか?
(もっとも今の状況じゃそれでも無理かもね)


 オリンピックのサッカーの試合の件では、主催した英国はかなり不快だったようですけど。
 それこそ次の夏のオリンピックとサッカーワールドカップを主催するブラジルの方々に、そのうち「日本と韓国はケンカばっかりしてて薄みっともないから、どっちも参加しないでねー」なーんて言われちゃうんじゃないでしょうかね。
(ホントに言われちゃったら、どんな反応をするんだろ?ちょっと見てみたいかも!)



 話はかわりますけど。
 こんなにたて続けに外交問題が起こっているというのに。
 首相の問責決議可決って何なんですかね?
 こういうことを言うのは失礼なんだか失礼じゃないんだかわかりませんけど(というか、仮に失礼だとしてもどっちに失礼にあたるんだろ?)。
 最近、あの党首の方の顔が某国の大統領に見えてきましたよ。

 他の国の人から見た日本人の評価というのは、「個々人では我々は日本人に決して負けることはない。でも日本人がまとまったら我々は絶対勝てない」なんですよ。
 最初にそれを聞いたのは、たぶんある中国の方の評価だったと思うんですけど。その何年後かに、コロンビアの方がそれと全く同じことを言っているのをTVで見た時はホント驚いた記憶があります。

 民主党を支持するとは言いませんけど。
 でも、少なくともあの選挙で自民党を政権から追い落とした日本国民の選択は絶対間違いではなかった。
そのことは、今回の首相への問責決議であらためて確信しましたね。
 自民党の方たちだって自民党員である前に、何よりまず日本人じゃないんですかね?
 日本人が今すべきことが、問責決議なんですかね?

 いやもぉ隣国の方々。今頃、手ぇ叩いて大喜び?
 「しめしめ。日本猿ども、お山のボスの座めぐってまたケンカしてるよ」ってね(爆)




 追記:
 そういえば、新大久保で反韓デモがあって店等が壊されたり、さらには在日韓国人の方が殴られたんだとか。
いったいなんでそんなことをするんでしょうかね?
 そんなことして何の益があるっていうんでしょう?
 それじゃ、大使の国旗盗んだり、クルマひっくり返したり、さらには昨年の震災を「天罰」などと書き込んでいる人間と同じレベルってことじゃないですか。

 外国の方々がなぜ日本で暮らしているのか?
 理由はもちろんさまざまでしょう。よからぬ目的で日本にいる人だってもちろんいます。
 でも、ほとんどの方々は日本で暮ら方が暮らしやすいから日本にいるわけです。日本で暮らしていれば、親しい日本人だっているはずです。親しい日本人がいれば、当然日本に、日本人に親しみが湧いてくるはずです。
 具体的には知りませんけど、「日本が好きだ」っていう在日の方や韓国人はたくさんいるはずです。
 人というのは、「血」ももちろん大事ですけど。でも、それ以上に「縁」の方が大事なはずです。

 韓国政府が「日本と仲良くしましょう」って韓国国民に呼びかけたって、韓国国民はそれには素直には従えません。だって、反日は彼らの「感情」であり、また「アイデンティティ」なんですから。
 でも、肉親や友人が「日本人は悪い人たちじゃないよ。むしろいい人の方が多いよ」と言えば、反日の感情は絶対に変わります。

 日本人は、「悪い人でなく、むしろいい人の方が多い」はずですよね。
 日本人なら、そのことは知っています。
 日本にいる、在日の方・韓国人もそれは知っているはずです。
 でも、韓国しか知らない韓国の方はそのことはわからないんです。
 そしてそれを韓国の人達に教えられるのは、日本にいる在日の方や韓国の方々しかいないんです。



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