2012
06.30

25話目

Category: 怪談話

 ずいぶん前のお話で、私はお経を聴くのが結構好きってお話したんですけど、実はお経に限らず宗教音楽っていうのは全般に好きです。
 中でも好きなのはコーラン。
 あれは、聴くとホント癒されるぅ~って感じがします。

 コーランやお経って音楽じゃないじゃん!っていわれれば確かにそうなんですけどね。
 ただ、特にどちらも信仰しているわけではないですし、それに昔から音楽の一種と思ってきたものですから。

 本来宗教というものは、流行の最先端のものであったわけですから、宗教に付随したものというのは出来がピカ一なわけです。
 それは、宗教施設の建物や宗教芸術がいかに優れているかみてもわかりますよね。

 そう考えれば、お経やコーランを音楽として鑑賞するというのは、なんら不自然なことではないといえるんじゃないでしょうか。
 というより、現代の世にお経やコーランのコンサートがない方がおかしいんです(最近は、お経のコンサートはあるらしいですけどね)。
 それに、宗教関連の音楽というのは、多かれ少なかれ(信者増やすのに)酩酊状態(ハイ)にさせるのが目的ですから、いってみれば現代のクラブミュージックみたいなもんじゃないかと思うんですが…!?



 韓国に慶州という所があります。
 慶州は新羅の古い都であるらしいのですが、まぁその辺の詳しい事は知りません。
 慶州は、世界遺産がたくさんある所だそうなので、実際に行ったっていう方もたくさんいるんじゃないでしょうか。

 その慶州の近くに南山という岩山があって…。
 そこに、これも世界遺産となっている「堀仏寺四面石仏」という磨崖仏(と言っていいのかな?)があるんだそうです。
 四面の名の通り、4面に仏の姿が彫られている大きな岩。
 その「堀仏寺四面石仏」には、次のような伝説があるのだそうです。


 紀元751年のこと。
 ある場所で、どこからともなくお経を読む声が聞こえてきた。

 当時、新羅は国をあげて仏教を崇拝していましたから、その聞こえてくるお経を聞いた人達は吃驚。

 いったいどこにありがたいお坊さまがおわせますのであろうと、あちこち探すもののどこにもいない。
 それもそのはず、そのお経はある場所の地中から聞こえてくる。

 人々はそのことを当時の新羅の王である景徳王にうったえでた。
 その景徳王、地中からありがたいお経が聞こえてくるとはそれは大変な慶事と、家来に言いつけその場所を掘らせてみると…。

 地中から出てきたのは大きな岩。
 お経は確かにそこから聞こえてくる。
 景徳王はそこに仏の姿を彫ることを命じた。

 その岩は「堀仏寺四面石仏」として現在に至っている。


 という「伝説」です。
 で、結局その聞こえてきたお経はどうなっちゃったの?って、肝心なところがよくわからないところが、まぁ伝説なんでしょうけどね。
 もしかしたら、現地にはもっと詳しいお話が残っているのでしょう。


 現代の日本のある場所でこんな噂がたったら…
 間違いなく札付きの心霊スポットになってるんでしょうねぇー(屋台とかいっぱい出て…)

 しかし……、
 昔の人は地中から聞こえるお経に、御仏のありがたさを思うものなんですねぇーー(ちょっと感慨…。いや、信仰心ではないです)
 この話を知ったのは、世界遺産を紹介する番組だったんですけど、何よりまずそんなことに感心してしまいました。



 で。Lさんが、まだ大学生の頃。
 ある朝、顔を洗っていて、ふと顔をあげた鏡に、いきなり映ったのはLさんのお父さんの顔。
「っ!」
 足音もなんにも聞こえなかったのに!と驚くLさん。

「なんだよ、おどかすなよぉー。」
って、タオルで顔を拭き拭き、お父さんを見ると…。

 お父さんのやけにうつろな目が、トロリとLさんを見つめる。
 Lさん、お父さんのそのぬぼーっとした様子に、怪訝な思いを抱きながらも、横にのけて何も言わずどうそとばかり左手で洗面台に促がす。

 お父さんは、Lさんの左手に促がされるように洗面台の前に立って。
 僅かの間、鏡をぼーっと見ていたお父さん。
 ゆっくりと顔をLさんの方に向けて、言うことは…

「昨日の夜……、幽霊が、出た…。」


 実はこのLさんのお父さん、いままでに何度か幽霊を見たことがあるとかで、そのお話はさんざん聞かされていましたから、Lさんはその時も「げっ!またかよ…。」って思ったといいます。

「ど、どこでっ!」
と、Lさんが聞いても、なぜかお父さんは何も言わない。
 
 わずかな間…

 いきなり。
 お父さんに目の前に指を突きつけられたLさん。


「っ!なんなんだよ?」
 Lさん、最初そのお父さんの指の意味がわからなかったといいます。
 しかし…、
 もしかしたら、オレの部屋で出たっていう意味か?って、思いあたって……

「えぇっ?オレの部屋ぁっ!?」
 Lさんの言葉に、先ほどと同じなうつろな目でうなずくお父さん。
 その目は、充血して真っ赤。


「いつっ?」
「夜中……
 トイレに行こうと思って部屋を出たら、お前の部屋から、
 地の底から響いてくるような呪文みたいなもんが聞こえてきた…。」
「!?」


 呪文みたいなもん…!?
 なんだいそりゃ?
 昨日の夜といえば、ずっと本を読みながら音楽聴いてたけど……


 笑いだしたのは、2人同時。

「あっ、なぁんだよ。あれかぁー!」
「馬鹿ヤローっ!夜中にあんな変な音楽聴いてんじゃねーよ!
 俺は、ほんとにビックリしたよ。」


 Lさんがその夜聴いていた音楽は、古いトーキング・ブルース。
 トーキング・ブルースというのは、文字通り語るように呟くように歌うブルースのことなんですけど、確かに聞きようによっては、怪しげな呪文をウォンウォン唱えているように聞こえそうな気もします。

 ましてやLさん、夜中ということもあり音を絞っていたということで、完全には聞こえないところが、よけいに呪文のように聞こえたのかもしれないなぁって言ってました。




25話目終わり。フっ!
            ―――─ 第25話目「お経はお好き?」メルマガ配信日:09.12.18
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2012
06.23

24話目

Category: 怪談話

 モコモコ系怪談その2です。
 今回のモコモコは着ぐるみです。

 ところで、私はあの着ぐるみっていうヤツ、昔からどーも好きになれません。
 某有名テーマパークの中を自由に徘徊している某キャラクターの着ぐるみとか、近寄るの絶対イヤです。
 一緒に写真を撮るなんてもってのほか。

 だって、写した写真を見てみたら…、
 その着ぐるみが、ものすごい形相で首を絞めようとしていたなーんて都市伝説、絶対ありそうじゃないですか(えっない?)



 で、まぁ。
 Zさんという方の大学生時代の夏のお話です。

 当時のZさんのアパート。西日が直接あたり、夏といえばとにっかく暑かったんだそうです。
 昼間は大学かバイトに行ってますから、当然部屋はまる1日閉めっぱなし。
 エアコンどころか扇風機も無かったということですから、もうたまったもんじゃなかったでしょうねぇー。

 で、その夜もやっぱり熱帯夜。
 3分に1回は「アヅイぃぃぃーっ!」って言わなければ、いてもたってもいられないような、もぉ凄まじい熱さ。

 Zさん、その夜は早々と寝るのを諦め、窓に腰かけ缶ビールを飲んでいたらしいんです。
 真夜中、窓に座って、好きなジャズを音を絞ってかけながら、煙草をくゆらせつつ缶ビールを飲んでいる…。
 なーんていうと、ちょっとカッコイイ感じもしますが、いやもうそんなこと言ってられないような暑さ。
 気がつけば、足元には缶ビールの空き缶が1本、2本、3本…。

 そのうち、酔いがまわってきたのか?それともバイトの疲れか、とろーっと眠りに落ちかけちゃぁ、首がガクっとなって目を覚ます。
 とろーっと落ちかけちゃぁ首がガクっていうのを何回か繰り返していて…。


 それは、何度目のガクッかわかりませんが、「もう寝れるかも…。」って思った時のこと。
 Zさんの座る2階の窓の下の道を、
 スタスタ、スタスタ足早に通り過ぎていく変なヤツが目に入って。

 それは、
 スカートをはいたネコの着ぐるみ。
 一人…、いや一匹というべきか……

「ええぇっ!?」
 よく見ようと窓から身を乗り出した時には、そのネコの着ぐるみは角を曲がる後姿だけ。
 頭の後ろの丸くモコモコした感じとスカートが、建物のかげにスーっと消える…

 昼間だったら思わず笑っちゃったのかもしれないけれど。
 今は真夜中、今のネコの着ぐるみ以外歩いているものなどいない。
 その時、Zさんの背中をゾクゾクっと走った妙な悪寒。
 ついいましがたまであんなに暑かったのに…。


「着たまま通勤…。
 ってことはないよなぁー。」って言うのはZさんの言葉。

 かれこれウン十年前。ある暑かった夏の夜の出来事……



24話目終わり。フっ!
              ―――─ 第24話目「あのキャラクター」メルマガ配信日:09.12.13
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2012
06.23

22話目

Category: 怪談話

 前のお話は、日常が非日常に変わるってお話でしたけど、まぁそんな馬とか象とか、はたまたラブホの同僚なんていう非日常は放っておいて、今回は不可思議で楽しい非日常ってヤツで。


 L子さんは、会社の帰り道、近道しようとある公園を突っ切ったんだそうです。
 公園には、花壇や噴水があったといいますから結構大きな公園です。
 噴水のある池には、腰かけられるくらいの高さのコンクリの縁がグルリと。
 L子さんは、いつもだったらその噴水の池のすぐ横を通って、それから花壇の脇を抜けていくのですが…。

 今夜は、噴水のところで一組のカップルが熱烈なキスの真っ最中。
 まだ宵の口といっていい時間。
 公園の周りに立ち並ぶオフィスビルには、どこも明かりがまだ煌々と点いているというのに。

「オイオイ…。」
 小さくつぶやいたL子さん。
 自分の存在を気がつかれ、のぞいてんじゃねーよなんて思われるのもイヤだし。モテねー女がうらやましくって悔しがってるら~なんて思われるのはもっとイヤだしと。
 仕方なくいつもの花壇の脇でなく、木々の中の小道の方を通ることにしたんだとかで。

 で、L子さん。小道に入る時になんとなーくもう一度カップルの方を横目で見たんだそうです。
 ウンザリ半分、期待半分…!?

「もぉー、まだやってるぅぅー。」
 そのカップルときたら、よっぽど感極まっちゃったんでしょうか?
 もんの凄い熱烈ぶり。
 L子さん、まぁそんなこと気にしてても異様にイライラしてくるだけと、視線を戻し歩き出そうと思ったのですが、ふと…。

「え?アレって何?」
 それは、例の熱烈カップルの後ろ。
 噴水の池の向こうに、なにやら白くモコモコした感じの大きなモノが…。

「なんなのアレ…!?犬…?」

 犬としたらかなり大きな犬で、L子さん、ピレーネー犬かな?って思った時だったそうです。
 例の熱烈カップルの2人が、いつの間にかキスをやめ、立ち止まっているL子さんをジッと見ている。
 その非難めいた視線は、L子さんの全身にビシビシ伝わってきて。
「ゲッ!」
 こりゃヤバイとL子さん、木々の中の小道に足早に逃げ込んだんだとかで。

 木々の中の小道に逃げ込んでホッとしたL子さんは、やっと歩調を緩めて。
「なんでわたしが気まずい思いしなきゃなんないのよ!」てなことを思いながら歩いていた時。
 ふと感じられた、後ろから誰かが追いかけてくるような気配。

「ゲッ!?もしかしてあのカップル、追っかけてきた?」
 慌てて振り返って見ると。
 例の熱烈カップルのそばにいた白いピレーネー犬みたいなヤツが、こっちにモコモコモコモコ歩いてくる。

 まぁ、これでシェパードとかドーベルマンみたいな犬だったり、もしくは凶暴に吠えて走ってくるんなら、L子さんもさすがに身構えるとか逃げるとかしたのかもしれませんが、そこはモコモコのピレーネー犬。
 デカイとはいえ、可愛くモコモコモコモコ親しげに歩いてくるものですから…。

「おいで、おいで。」
 犬好きのL子さん、思わず両手でオイデオイデをしたんだそうです。
 L子さんのオイデオイデに気がついたのかどうか、そのピレーネー犬、モコモコ歩きをちょっと早めてこっちにやって来ます。
 モコモコモコモコ、モコモコモコモコ……

 ところが…
「えっ!あれっ?ピレーネー犬じゃない!?」
「えっ!ひつじ!?うっそーっ!」
 そう。こっちにモコモコモコモコやって来るのは、まぎれもなく羊。
「羊!?羊って…?ここ東京のど真ん中よ…。」

 ところが、L子さんが「?」って思う以上に馬鹿げた事が起きたのは、その羊がこちらにやって来る途中。
 モコモコモコモコ歩いてくるその羊が、目の前でスーっと消え……

「えっ!?」
 その場に立ちすくむL子さん。
 その刹那──、

「キャッ!」
 L子さん、足元をスーッとかすめていくそのモコモコの感触に驚いて、思わずその場に尻餅をついてしまったんだそうです。


 L子さんはこう言います。
「その時、確かにモコモコしたナニカが、
 わたしの立っているすぐ横を通り過ぎて行ったのよ。
 ホントホント。足にモコモコしたのが、かすってった感じしたんだから…。
 でもね、それってぜんっぜん見えないのよ…。
 アレってなんなの?羊のお化け…!?」

 ある年の6月か7月くらい。都心の某公園であったこと……



22話目終わり。フっ!
                   ―――─ 第22話目「モコモコ」メルマガ配信日:09.12.6
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2012
06.16

21話目

Category: 怪談話

 それは、私が自転車に乗って近所を散歩してた時のこと。
 そう、家から10分か15分も行った時だったか?
 道の向こうからやってくるのは…
「えっ?うまっ…!?」

 それは、馬に乗った人。
 前から馬がパカパカやって来て…。
 そりゃ確かに田んぼの中の一本道だったんですけど。でも、住宅街から100メートルくらいの場所で、おおよそ「馬」っていうイメージの場所じゃなかったもので。
 あの時は、確かすれ違ってから「もしかして幻…」って、思わず振り返った記憶があります。

 馬っていえば、インドのジャイプールという街の大通りを散歩していた時のこと。
 店を横目で見ながらブラブラ歩いていて、ふと前に目をやると。
 いっきなり目の前に象!
 あのデカイのが3頭ほど。

 まぁインドじゃ、街に象がいるのは普通の風景なのかもしれないんでしょうけどねぇ…。
 ジャパーニは、街に象がいるなんて夢にも思いませんから…。
   
 まぁそんな風に、思いもかけない場所で思いもかけないモノに出遭ってしまう、または見てしまうっていうのは、やっぱり衝撃度が強いですよね。



 Q子さんが、以前東京近郊のある街に住んでいた頃のこと。

 ある土曜日の昼下がり。
 買物がてら近所をブラブラ散歩していたら、近くにあったラブホテルから同僚が旦那さんと出てくるところと偶然鉢合わせしちゃったことがあったんだそうです。
 まぁ旦那さんだったそうで、倫理的な問題は全くないわけなんですが…。

 とはいうものの…
 Q子さんにとってその場所というのは、毎日会社に行くために、あるいは日々の買い物に行くためといった、完全に日常生活の一部の場所であるわけです。

 ラブホテルがあるのはもちろん知っていたわけですけど、それはいつもの街並みを構成するひとつの物にすぎませんから、前を通ったって特にその中で何が行われているかなんて考えやしません。
 ましてや、知り合いや同僚がどうのこうのなんて、コレっぽっちだって意識するわけありません。

 そんな風に彼女にとって100%日常という場所で、同僚(と旦那さん)という身近な人が出てくる姿を見てしまったということは、なんだか行為を垣間見てしまったかようなかなりなインパクトだったといいます。
 その結果、A子さんにとってその場所というのは、常に男女の営みが行われている生々しい場所という認識に急にかわってしまったんだとかで(笑)

 それ以来、その通りを歩いていると、なんだかその場所の近くを歩いている男女二人連れ全部が出てきたか、もしくは向かう人達のように思えてきて、なんだかとっても変な気持ちになってきちゃって…。
 それもまだ見ず知らずの人ならいいのですが、たまたま知っている顔に出会ったりしようものなら……。

 近所に住む顔見知りの老夫婦に会った時なんか、思わず「こんな年配の夫婦まであそこに行くんだ!」って、つい思っちゃってから、「いやいや、違う違う…」って思い直したりで。
 そのうちいつか誰か知り合いと会った時、ついつい口を滑らして変なことを言ってしまいそうで、背中がうすら寒いような心持ち…、というか近所を歩いていても落ち着かないような気持ちになってきて。
 結局、すぐに引っ越したと言っていました。


 いくらなんでも気にしすぎだろうー!って気がしないでもないんですけど。
 でも、そんなことよりもっと怪奇現象といえたのは、会社内でのその同僚との付き合い方だったそうです。

 誰だってすることなんだから気にしたってしょうがないと言い聞かせてはみるのもの…。
 どうしても目を合わして話すことができなくなってしまって…。
 子供が出来きたとかでその同僚が退職していった時は、それこそずっととり憑いていたものがやっと消え去ったような気さえしたそうです。
(まぁあんがいとお互いさまだったりするのかもしれませんけど…笑)


 このお話は、もちろん幽霊が出る類のお話ではありません。
 しかし、あるコト・モノを見てしまうことで身近な日常の光景が一転非日常に変わってしまうという意味では、怪談の構造と同じだといえるのでしょう。
 彼女の場合、ソレを見てしまったことで生活基盤まで変えることになってしまったわけですから、ある意味悪霊か何かにとり憑かれたみたいなものなのかもしれませんね(笑←いや、笑っちゃぁいけませんね)

 人は、幽霊やお化けという存在が人の思いを具現化しているように感じるがゆえに、幽霊やお化けといったモノをつい擬人化して捉えがちです。
 つまり、擬人化するがゆえにソレを「存在」として捉えるわけですが、そうではなくて幽霊やお化けというものを「状況」として捉えるという考え方も、もしかしたら有りなのではないか?
ふと、そんなことを思ったりもします。
(と書きつつ、「うん?」って頭がこんがらがったりもしてますけど…)


 まぁ話は戻りますけど。
 世の中に怪異な出来事が起きているのが日常であるという人は、普通はまずいないと思うんです。
 怪異(=怪談的な出来事)というのは、何気ない日常の中にスルリと紛れ込んでくる非日常であるからこそ、やはり怖いのだと思うのです。

 つまり、なんです。
 怪談話も、いつもオバケやユーレイが出てくる怪談話ばかりではなく、たまぁーにこんなお話が紛れているからいいのではないかと…(笑)




21話目終わり。フっ!
                          ―――─ 第21話目「日常が非日常に変わる…」
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2012
06.16

20話目

Category: 怪談話

 Rさんが高校2年の時、クラスにP子さんとL子さんという女の子がいたんだそうです。

 2人とも明るくて大らかで、いつも笑っている。学校の成績は、良すぎず悪すぎず普通の上くらい。特に得意なスポーツがあるってわけではないけど、普通にはそこそここなせるって、まぁそんなタイプ。
 当然、2人は男子女子問わず誰からも好かれていたし、彼女ら同士もとても仲がよかったんだそうです。
 2人とも、まぁ美人って部類に属する顔立ちだったそうですが、誰もが心の中では、P子さんの方がきれいだと思っていたんじゃないかなとRさんは言います。


「いや、たんにきれいって言ってしまうのは、ちょっと違うのかな?
 雰囲気?品?なんだろ?とにかくP子が醸し出す特有の何かなんだと思うよ。
 とにかく、P子の前では誰もが丁寧になってしまうような独特の何かがあったんだよな。
 でね、そのことっていうのは、なによりL子が一番わかってたのかもしれないなーって。
 まぁそれはさ、現在になって思うようになったことなんだけどさ…。」


 Rさん達の高校は、東京近郊にあるごくごく普通の公立高校。進学校というほど秀才が集まっているわけでもなく、かといって暴走族や不良(現在なら「ヤンキー」って言った方がわかりやすいのか?)ばかりというわけでもなく。
 当然、P子さんもL子さんもごく普通の高校2年生だったそうで、毎日学校に行き授業を受けて、そして受験や恋愛で悩んだり、夏休みの旅行の為にファストフード店でバイトしたり、親しい友人と延々おしゃべりを楽しんだりと…。
 まぁ誰しもの高校時代と同じ。退屈なんだけど楽しい、そんな毎日だったといいます。


「P子もL子も俺も、同じ仲のいいグループでさ、よく遊んだな。
 夏休みにキャンプしたり…。うん、そういえばみんなで心霊スポットに行ったりもしたよ。
 もっとも、当時は心霊スポットなんて言い方はしなかったけどさ。
 高2でさ、受験っていう重いものはあるにせよ、
 まぁ高校時代で一番楽しい時だったんだろうなー。
 高3の時はクラス替えないから、
 これから2年間、ずっとみんな仲良くやってくんだろうなーって誰もが思ってたと思うよ。」


 それは、2学期の期末試験も終わったある放課後。
 来年の今頃はどんな気持ちでいるんだろうと、誰もがモヤモヤしたものを抱えつつも、クリスマスや冬休みやらの楽しい予定を話していた時のこと。Rさん達と仲のよいF雄が、最近買ったという一眼レフをバッグから取り出して。
 放課後そこに残っていたRさん達仲良しグループを撮ったんだそうです。

 最初は、みんな並んでチーズって写していたらしいのですが、F雄はそれではつまらないなぁーと言いだして。
「みんなの自然な表情が撮りたいんだよなー」みたいなことを言ってたといいます。


「いやさ、そんなこといきなり言われたってさ…。どうしていいかわからなくって、
 しばらくはぎこちなく話してたんだと思うんだ。
 でもさ、いつものメンバーだろ。すぐにいつもみたくワイワイ騒ぎだしてさ。

 その時さ、たまたまクラスの女の子に一番人気のあったD太ってヤツが、
 そこに乱入してきてさ、ふざけてP子をからかったわけさ。
 P子、最初は笑ってるだけだったんだけどさ、あんまりD太がしつこいもんでさ。
 P子がいきなり怒りだして、誰かの竹刀振り回してD太のこと追っかけ回してさ。
 いや、フリ、フリ。
 俺達は、P子が怒ったフリしてるって、すぐわかったんだけど、
 D太はわからなかったみたいでさ。
 D太って、ちょっと不良っぽいヤツだったんだけど、P子のその様子にマジ焦っちゃって、
 両手で頭抱えて逃げ 回ってたわけさ。
 もうみんな大爆笑だったよ。

 そんな絶好のシャッターチャンス、F雄が逃すわけないわけさ。
 あとで現像した写真を見た時、あの頃ですら、
 あーこれがキラキラした青春の1ページってやつなんだなぁーって思ったな。
 だって、クラス一の美男と美女だぜ。もうドラマや映画の世界だよ。

 うん…。
 たださ、その写真のことでさ、みんなの仲がなんだかヤバくなってきちゃったんだよ…。」
 


 Rさんによると、その写真というのは、画面中央には今まさに竹刀を振り下ろそうとするP子さんの姿。その左側には頭を抱えて首を竦めているD太。そんな2人の後ろに、Rさん達のグループの面々のゲラゲラ笑顔が並んでいるというような構図だったそうです。
 まさにRさんの言う通り、まさに青春の1ページって感じの構図なのですが…。
 問題なのは、頭を抱えるD太のすぐ左上。頭を抱えるD太の右手の上に写るL子さんだったそうです。
 そのL子さんの表情というのが…
 誰もがそれを見た瞬間、思わず言葉を詰まらせてしまうような、なんとも表現できない表情だったらしいんです。


「うーん…。例えばさ、その写真を第三者が見たらさ、
 誰もがこの左端の女の子(L子)は真ん中の女の子(P子)のこと、大嫌いなんだろうね
 って言うだろうなっていう表情なんだよ。
 まぁわかりやすく言えばそういうことなんだけど…
 
 その写真って、まるでさ、L子が普段からP子のこと憎む感情を抱き続けていて、
 なんかの拍子にジィーって睨んだ瞬間、たまたま写真に写っちゃったっていうように
 見えるんだよ。
 うん。俺もそんな風に思ったし、みんなもそんな風に思った。
 たぶんL子自身だってそんな風に見えるって思ったと思うよ。

 でもさ、そんなことは絶対なかったんだよ。
 写真なんて一瞬のことだろ?たまたまそんな風に写っただけなんだよ。
 そうなんだけどさ…。誰もがそう思ってるはずなんだけどさ、
 なんか変なことになっちゃたのはさ、写真のピントが、真ん中のP子とD太、
 それとなぜだか端のL子の3人だけにバッチリ合ってんだよ。
 後ろで笑っている俺達にはピント合ってないのにさ…。

 いや、P子とD太にピントがあってるのはわかるんだよ。
 F雄は2人を撮ったわけだから…。
 でも、2人より後ろにいたはず──、つまり俺たちと同じ位置にいたはずのL子にもピントが
 合ってるっておかしいだろ?

 まるでさ、なんだかさ、後からL子の姿だけ切り貼ったみたいにクッキリ写ってててさ。
 L子の表情も変なのは変なんだけどさ、それ以上にそのL子の写り方が、
 なんかちょっと異様な感じでさ…。

 そこへもってきて、
 前々からL子はD太のことが好きらしいっていう噂があったこともあってさ、
 P子とL子の関係の微妙な部分っていうのかな?
 まぁなんて言うのかな?
 そういう面が、クラス全員の心の中で急に形を成しちゃったんだよ。」


 その写真を見たクラスのみんなは、P子さんとL子さんのある意味微妙といえる関係について、多少はなんのかんの噂してたそうです。
 とはいっても、一方の本人であるP子さんはまったく気にしない風だったし、Rさん達仲間も気にしなかった。というより、そんな写真のことなんてすぐ忘れてしまったんだそうです。

 ただ、それ以来L子さん一人が、何か変わってしまった……。
 少しずつ、少しずつ、Rさん達仲間から離れていく感じ。
 気がついた時には、L子さんはRさん達とは違うグループで楽しそうにしていることが多かったといいます。



「でさ、まぁここまでは思い出話さ。青春の苦い思い出っていうヤツ…。
 これから先は、その十何年後の話。

 実は俺さ、何年か前に東京のある場所でL子とバッタリ会ってさ。
 確か30歳か31歳か…、そのくらいの頃。
 場所はあえて言わない。
 というか、言いたくない。

 とにかくさ、顔を見た途端、「あ!L子だ」ってすぐわかったんだけど、
 でも変わったなぁーって…。
 着てるもんとか、化粧とか、外見はそこらにいる20代後半から30前半くらいの
 普通の女って感じだし、 話し方だって普通なんだけどさ。
 目の中の感じが違うんだよな。
 なんかこうー、潤んでるような感じでさ。
 色気のある目つき…?
 うーん、たんに色気っていうんじゃなくって…、アダっぽい?そう。アダっぽいって感じ。
 近くに寄ると化粧の匂いでむせちゃう感じっていうか…。
 あっ、いや。そんな風に化粧の匂いがしたってわけじゃないんだけど…。
 だからさ…、わかるだろ?
 つまりさ、普通の会社でOLしてるって感じじゃないわけさ。

 近くでさ…。うん、ちょっと話してさ。
 で、そん時ふいにL子が、その写真のこと言い出したんだよ。
 あの写真ってどう思う?って…。

 正直、俺、L子のことは憶えてても、写真のことは頭のどっかにいっちゃてたからさ、
 そういえばそんなことあったなぁーくらいのこと言ったんだよ。
 そうしたらL子、ちょっとムッとした顔してさ。
 あーいまだにあの事引きずってるんだなぁーってL子のこと、
 ちょっと可哀相になっちゃったんだけどさ。
 でも、反面女の執念みたいなものも感じて、ちょっとゾクッときちゃってさ…。

 でさ、L子、その潤んだような目をさ、こう上目遣いに見て俺のこと、しばらくジーっと
 見てたんだけど、ふいに目の色がスーっと変わった時はなんだか怖かったよ…。

 うん。でさ、その後の言葉っていうのがさ、なんなんだろう?って。
 よくわからないんだよな。冗談なのか?それとも本当なのかさ。
 いや、冗談に決まってるんだろうけど。でもなんだかさ…。
 まぁこういうことを言うってことはさ、
 もしかしたら本当なんじゃないかって気持ちもあるから言うわけなんだけどさ。
 ただ、冗談じゃないならいったいどういうことなんだろうって…。



 で、その時。L子さんがRさんに言った言葉というのが……


 ああ、やっぱり……。
 みんなわかってないんだなー。
 あの時のあの写真のわたしの表情。
 わたしね、たぶんあの時、本当にあんな顔してたんだと思う。

 だって憎らしかったんだもん。P子のこと…。
 わたし、ずっと憎かった……。
 でも…、でも、あの時くらい憎らしいと思ったことはなかったと思う。
 D太、わたしのことなんか、一瞥もしなかった。
 ドアの所で、P子の姿を見つけると、もうまっしぐらにP子のところ向ってったのよ。

 よくそこまで見てたなって言うんでしょ?
 見てたよ、わたし。だってあの時わたし、F雄の後ろにいたんだもん。
 F雄がカメラ構えて写してる後姿とか、D太が教室に入ってきたのとか、
 D太がP子のことからかって、P子が竹刀振り回してるのとか、わたしずっと見てた…。

 わかったでしょ?
 あの写真…。
 あの写真に写ってたわたし…、
 アレは、わたしじゃない。わたしのわけないのよ。絶対…。
 写真を写しているF雄の後ろにいたわたしが、その写真に写るわけないじゃない。

 あの写真のわたしの顔…
 あれは怖かったなぁ…。
 自分の顔なのにすっごく怖かった……
 わたし、人に見られてないところではP子のこと、
 いつもあんな目つきで見てたんだろうなって…
 いつもは2人で楽しく笑い転げてたのに…、
 でも心の中では、いつだってあんな顔でP子のこと見てるんだろうなって…。

 でもね。でも…、あの時はそれよりもP子のことが怖かった…。
 P子はね、わたしにあんな風に見られてるって、
 たぶんあの時よりずっと前から薄々気がついてたのよ…。
 それで、あの写真を見た時に確信を得たんだと思うの。
 わたしが、P子にそんな気持ちを持っていたんだって。
 なのに、P子のわたしへの態度って、全然変わらないのよ……

 そりゃそうよね。
 あの頃はみんな、わたしとP子を比べちゃ、P子の方が上って思ってた。
 ね?ふふっ…。
 でしょ?
 わかってたよ、わたし…。Rクンもそう思ってたって…

 そしてね、それはP子もわかってたし、なにより自分でもそう思ってたのよ。

 P子、あの写真を見た瞬間、たぶん心の奥底でほくそ笑んだのよ。
 クラスの誰もが比べてるP子とわたし。その比べられてる当の相手であるわたし自身が、
 自分から負けを認めてるんだってわかったわけだもん。
 P子、だからこそ自らP子より下と認めたわたしに、
 いつもと同じ風を装ってさ、いつも通りに笑いかけてきたのよ……

 ううん。そんなことはもういいの。今となってはね。
 いつまでも高校生じゃないんだもん。
 それに、そんなことよりずっとドロドロしたことや、醜いこと、いっぱい見てきたしね。
 今はそれよりさ、あの写真のわたしの顔がさ、
 なんだか脳裏にこびりついちゃってどうしても忘れらんないのよ。
 わたしの、あの怖い顔がさ…。

 こうさ…、なんかの拍子にさ、ふーっとあの顔が脳裏に浮かび上がってくるのよ。
 デートしててキスする瞬間とかさ、決まってそんな時に……

 わたし、忘れたくって、色々無茶もしたんだよ。でもね、何やっても忘れられないのよ。

 時々思うの。
 わたし、死ぬまであの顔に憑き纏われるんだろうなって……




20話目終わり。フっ!
                        ―――─ 第20話目「わたしのわけないのよ…」
                                          *無断転載禁止
                                       メルマガ配信日:09.12.1                      



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2012
06.09

怪談って何?~番外:「霊」(って言葉)が大っキライ!


 メルマガでは最初の頃に書いていて、ブログの方で書き忘れていたことなんですけど。

 世間一般的に言って、怪談話っていうのは「=怖いお話」で、さらに言えば「幽霊だのお化けだのが出てくるお話」ってことになっています。
 なっているんですけど、ただ、最近は「幽霊」だの「お化け」だのっていう言い方はすっかり廃れてしまって、たんに「霊」という方が一般的となっています。
 ただ、私はこの「霊」って言葉が大っ嫌いでして、あえて「幽霊」や「お化け」という言い方にしています。

 というのは、怪談話に出てくるモノが人の心と乖離するようになってきたのは、怪談話やらオカルトを語るのに「霊」という言葉が主に使われるようになってからであるように思うからなんですね。
 この「怪談って何?」の最初の方でも書きましたけど、幽霊だのお化けだのが本当に存在するかっていうのは、少なくとも現在誰一人わかりません。
 でも、怪談話に出てくるソレが人の心と何らかの関わりがあるっていうのは、それこそ信じない人ですら(不承不承ながらも)納得出来るように思うんです。

 そもそも「幽霊」という言葉は、「死んだ人の魂がこの世に現出したモノ」を表す言葉であるはずです。なら、わざわざ「霊」という言葉に置き換える必要はありません。
 「霊」という言葉には、「魂」や「精神」という意味もあり、それは生者も持っているものです。オカルト的には、生者は「肉体」と「霊体」が構成している云々みたいなことを言いますけど、それはあくまでひとつの考え方であって、確かめた人は未だ存在しません。
 また、「霊」という言葉は日本においては「神さま」という意味でもあります(例えば、明治神宮は明治天皇の「御霊」を祀る神社です)。
 そういう意味でも、怪談話に出てくるモノに「霊」という言葉を使うのは間違い…、というか言葉に微妙なズレがあるように思います。

 もちろん、「幽霊(霊)」というものが、実際に死者の魂が現出したものであるかを確かめた人は存在しません。 つまり、そうなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。
 私は、「怪談話」の語り手というのは、(仲間内で語る場合は別として)基本的には「そうなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない」というスタンスで語らなければならないと思っています。
 なぜなら、怪談話というのはどんなお話でも「語り手の頭」というフィルターを通して出てくるものであるからです。
 語り手の頭が「全て信じる」であった場合、そこには怪談話で語られる出来事の拡大解釈が必ず入ってきてしまいます(怪談とは、怖がらせるのが目的であると同時に、怪談が好きな人というのは怖がりって楽しみたい人でもあるわけです。つまり、怪談話を語る人というのは、意識的に、あるいは無意識に怖い方向に解釈を拡大させて話すわけです)。
 拡大解釈というのは、解釈を無理に拡大するということですから、当然その人は納得出来ても、他の人は納得出来ない可能性が高くなります。
 納得出来ないということは、つまりそれは「なんでもアリのお話」に成り下がってしまったってことです。
 現実味のないお話であり、たんなる素人の与太話にすぎません。

 そのいい例が、着物姿の霊能力者なる人物がなにやら人の頭の上辺りを見て、うなずきブツブツ言ってたかと思うと、前世を教えてくれるあのTV番組ではないでしょうか。
 あの番組というのは、実は怪談ファンにはすこぶる評判の悪い番組でして。
 「嘘クサイ」とか「胡散臭い」、「つまんない」とかなんとか…、もうボロクソの言われようです(もしかして怪談ファンは、普段自分が言われてることの憂さ晴らしに言ってんじゃないかって思うくらい)。
 つくっづく思うんですけど、怪談ファンに「嘘クサイ」って言われちゃったら、相当ヤバイです(笑)

 いや、一応誤解のないように言っておきますけど、何もあの番組が嘘だとか、あの方が胡散臭いって言っているんではありません。
 だって、あの方が言っている事がホントかどうかなんて、誰も絶対わかりません。確認する方法もないわけですから。

 つまり、それは世に出回っている「怪談話」も全く同じです。
 ただ、「怪談話」というのはエンターティメントなわけです。
 「つまらない」では意味がないわけです
 ごくごく一部の人は楽しんでくれるけど、大多数の人は「ツマラナイ」ではダメなわけです。
 「幽霊なんて絶対いない!」ってキッパリ断言出来るような人に「面白い」と言わせる。
 怪談話をする醍醐味っていうのは、そこにこそあるんじゃないでしょうか。




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2012
06.02

怪談って何?~その4


怪談って何?~その4:怪談話の集め方

 怪談話メルマガなんてやっていると、「そういう怪談ってどうやって、集めるの?」、または「誰から聞いてくるの?」って聞かれることがあります。
 世の中には怪談話ってもんと全っ然、これっぽっちも縁がないって人もいるみたいで、そういう人からするとちょっと不思議らしいんですね。

 まぁこれはあくまで私個人の感覚ですけど、怪談話っていうのは、集めるものではないような気がするんですね。というか、集めようと思ったって集るものではないって気がするんです。

 というのは。
 「守護霊」だの「自縛霊」だのといったなんの根拠もない心霊的概念が一般常識(ちょっと信じられない世の中!)になってしまったような今の世ですら、怪談話=馬鹿馬鹿しいorウソ・デタラメ・幻・見間違い・気のせい等々…が世の人の基本通念だからなんですね。
 まぁぶっちゃけ言っちゃうと、下手に怪談だの幽霊だのって話を他人にしちゃうと、「この人って、この程度の人なんだな」ってバカにされるor心の中でそう思われるってことです。
 よって、世の人は怪談話をするとバカにされるって知ってるわけですから、当然自分で怪談話なんて語るわけがありません。
 つまり、怪談話は集めようとしたところで、そうそう集るものではないってことです。

 よく、怪談作家等の人が「取材」して聞いたお話とか言っていることがありますけど、個人的にはどうなんだろうなぁ?って思います。
 もちろん、取材で集められる/集められない、そこがプロとアマの差なのかなーっとも思いますけどね。
 ま、その辺となると私は、アマチュア以前のたんなる怪談好きにすぎなんでなんとも言えないですかねー。

 なら、集めようとしても集められない怪談話を、どうやって怪談話を知るのか?
 それはつまり、怪談話は集めないんです。
 集めようなんて思わないで、ひたすら語るんです。
 時々馬鹿にされたりしながらも、それでも機会があればひたすら怪談話を語っていると、世間の人の私に対する認識は「怪談好きのおバカな人」ってなるわけです。
 そうなっちゃえばしめたもんです。

 怪異的なナニカっていうのは、「あの人は怪談が好きだから出てやろ」とか、「あの人はオバケ信じてないから出るのやーめよ」なんて選り好みしないんです。行き当たりばったり、出たとこ勝負で現れるのが怪異的なナニカなわけです。
 つまり、「怪異」というのは、誰にでも平等に訪れるものなんですね。
(怪異的なナニカってモンが、出るor出ないと考えるような自由な意志や思考を持ってると言ってるわけではないですよ)

 そんなわけで、たまたまソレを見ちゃった人は…。
 そんなもん見ちゃった日にやぁ、人は誰かに話したいってのが人情なわけです。
 かといって、下手に話したらバカにされかねないってわけで…
 そこで、「あっ、怪談好きのあのバカなら、喜んで聞いてくれんだろ」とばかり、私にその体験(つまり、怪談話)を話してくれるってわけですね(笑)

 まぁ、ホントにそこまでシステマチックかどうかは知りません。
 でも、少なくとも私自身は、怪談話っていうのは「集めるものでなく、集ってくるもの」なんじゃないのかなぁーって思っています。
 現に、人がそれぞれ持ってる怪談話のネタっていうのは、不思議と同じようなトーンの話が多いように思うんです。
 つまり、やたらアブナイ感じの怪談ネタばっかり持ってる人、しんみりくるような怪談ネタばっかり持ってる人、怖いというよりは奇々怪々って感じのネタばかり持ってる人等々、一人の人が持っているネタっていうのはどこかトーンが似てるんですよね。

 いや、もちろん。
 所詮怪談話っていうのは、「その人」っていうフィルターをいったん濾過して、初めて語られたり書かれたりするわけですから。どうしても「その人」のトーンに染まってしまうっていうのはあるんでしょうけどね。
 ただ、私自身関して言えば、やったらおどろおどろしいお話や、霊感のある人の体験みたいなのは、ほとんど知らないんですよね。
 それはもう、それこそ「それってホント?」って疑問を持っちゃうくらいです(笑)

 ま、そんなことはともかく。
 つまり、「怪談を知りたかったら、人に聞くより自らが語れ」ってことです。
 たとえネタがなかったしても、本のお話でも人から聞いたお話でも全然OKだと思うんです。語っていれば、ネタは不思議と自然に集ってくるはずです。
 もっとも。それをしたことで、やたらヤバイ系のお話ばっか集ってきちゃったとしても私は知りません。
 たまたま、そういう系のお話を集めちゃう資質だったんだと諦めてくださいませ。
 


                                     怪談って何?~その5につづく


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