2017
02.12

『Another』、読んじゃいました

Category: R&R

 『Another』(綾辻行人著)、読んじゃいました。
 読もうか、読むまいか、かれこれ何か月も迷ってたんですけどねー。
 結局、読んじゃいましたね(笑)

 another_IMG_3226.jpg


 カンタンに言っちゃうと、面白かったー!です(笑)
 読もうか、読むまいか、さんざん迷ってたのは、表紙のイラストの印象から、ありがちなアキバっぽいお話なんだろうなーというイメージだったんですが、ま、それはあまり感じなかったよーな。

 読むのを迷っていた、もぉ一つの理由、“Another”、“感想”で検索すると上の方に出てくる、あるブログの「キャラクターがもろエヴァンゲリオン」とあったのも、読んでみれば、えー、そぉ!?って感じで。
 いや、ま、確かにそう言われてみると、あー、そういえばあてはまるかも?って気もするわけですけど…。

 でもまぁこの登場人物の配置って、考えてみれば、昔っから漫画やアニメの定番ですよね。
 ていうか、あの手のお話を読みたい人向けの定番のキャラクター配置なのかなーと。
 ま、こう言っちゃうと、ちょっとトゲがあるようですけど、「キャラクターがかぶる」っていうのは、そのブログの方にエヴァンゲリオンの印象が強かったからなんじゃないかなーって気がしました(笑)
 今はアニメがあまりに当たり前すぎるから、それに強く影響されてることに気づかないじゃないのかなぁ…


 お話としては、中学生の主人公がある地方の町に転校してきて。
 ちょこっ、ちょこっと、大したことではないんだけど、でも違和感を覚える出来事が起きていく。
 しかも、クラスメートをはじめ、住んでいる祖母の家(だったか?)の人たちも主人公に何かを隠しているような…。

 そのひとつが、クラスにいる一人の女子生徒。
 体育の授業だというのにフラフラしてたり、しかもクラスメートたちはその女子生徒が見えないかのようにふるまっている。
 でも、主人公の目にはあきらかにその女子生徒は存在する。現に話しかければ、素っ気ないながらも返事をする。
 しかし、クラスメートたちはその女子生徒の存在を無視し、さらにそれと接触しようとする主人公に「近づくな」とまわりくどく警告。

 胸に異物を飲み込んだような日々の中、主人公といないように扱われている女子生徒の前で起こった事故。
 クラスメートの1人が学校で事故死。それは、その中学校の3年3組で時々起るクラスメートの死が連続するソレの始まりを意味した。

 やがて、いないかのように扱われる女子生徒とともに主人公も、クラスメートから存在を無視されるようになる。
 そんな中、主人公は、いないかのように扱われていた女子生徒(だったか?)に、その中学校の3年3組にまつわる秘密を聞く。
 つまり、必ずしも毎年ではないが、3年3組ではクラスメート、およびその家族が不可解な死をとげるということが連続して起こる年があるのだと。
 ソレは3年3組に一人の「死者」が紛れ込むことで起こる。
 でも、クラスの誰も、担任の先生も、その他の先生もその「死者」が誰かということはなぜか気づかない。
 30人(だったか?)のクラスの机がなぜか一つ足りなくなっていて、というか誰も気づかない(気づけない)「一人」が混ざっているがゆえに机が一つ足りなくなるという現象が起こると、クラスでは担任とも相談の上、クラスメートの1人を“クラスには存在しない者”と決めて。
 あくまでクラスは30人という状況をつくる、「おまじない」でしのぐのだと。
 「死者」が“普通の人”として意識を持ってる設定は、ちょっと奥さん作の『屍鬼』っぽいかもwww

 しかし、その年はその後事故死が連続したことで、もはや「おまじない」の意味はなくなった。
 そのことで、主人公といないものとしてあつかわれている女子生徒(以下ヒロイン)は普通にクラスメートして扱われるように。

 その後、ソレによる不審死が途中で止まった年があることがわかる。
 その時は、町にある山の神社にクラスのみんなが詣でたことが判明する。
 さらに、その年の生徒が偶然わかった、ソレによる不審死を止める(ことが出来るかもしれない)方法をも、主人公たちは知ることになる。

 そして、始まった神社に詣でるための、副担任とクラスの有志による合宿。
 はたした、主人公たちはソレを終わらせることが出来るのか?
 そして、クラスに紛れ込んだ「死者」は誰だったのか?
 へっへっへ…


 まー、とにかく、「ソレ」の設定が楽しいんですよね。
 もー、ワクワクしちゃう(笑)
 正直、クラスメートやその家族が死んじゃうシーンは、今時のスプラッターもどきの怖がらせっぽくてシラケちゃうんですけどね(ま、作者はその手が好きなんでしょーねwww)。
 だけど、その設定の面白さとそれが徐々に明かされていくワクワク感で全然許せちゃうみたいなー。

 よくよく考えれば、その設定って、そこが学校であるがゆえに絶対あり得ないんだけど、でも、学校であるからこそ(主人公たちが中学生であるからこそ)その設定が生きるわけで。
 いやもぉ作者のヤツ、これを書く時、心底楽しんで書いたんだろうなーって、なんだかニヤニヤしちゃいました(笑)

 ま、いわゆる、少年少女によるひと夏の冒険譚モノ(春~夏)なわけですが、いやもぉコレ、作者の性格なのかなんなのか、夏の気配、これっぽっちも感じません(爆)
 合宿があるんで、冬だといくらなんでも寒いだろうから、まー、夏なんだろうなーと不承不承思うわけですけど、お話の雰囲気は冬っぽい。


 お話は最後、ヒロインのちょっとした特殊な能力で死者がわかるわけですけど、ま、その超常的な能力やソレが合理的に解明されないっていうところで、拒否をしちゃうミステリー小説ファンは多いんでしょうね。
 その辺りが、否定的な評価をしちゃう人が多い理由なんでしょう。
 あと、作者が綾辻行人であるがゆえに、「館シリーズ」の延長(つまり、普通のミステリー小説として)読んじゃって。
 超常的な設定が、結局、超常で終わっちゃうことに拒否をしちゃう人も多いのかもしれませんね。

 とはいえ、ま、私は怪談好きのおバカなんで(笑)
 超常的なお話だよって納得しちゃって読めば、むしろ大好物なわけで、ていうか、変てこりんな館で連続殺人が起こる方がよっぽど超常現象だろ!って思っちゃう方なんで、これは好きだなぁー(笑)
 とは言うものの、この作者って、読者を怖がらせるのはヘタ、ですかねー(爆)
 うん。まぁその“怖がらせ”の部分は、作者の好みでスプラッター的場面を描くことで「怖いでしょぉ~」としてるのかもしれませんけどねー。
 でも、私の好みで言っちゃうなら、“怖がらせ”は(この作者の)奥さんの方が一枚も二枚も、いや、5枚くらいは上手、かな?(笑)


 ま、そういう意味でも、作者はあくまでミステリー小説の作家なんでしょう。
 ただ、やっぱりこれはあくまで「ホラー小説」だと思うんですよね。
 そういう意味で、「死者」の正体のトリックにシラケちゃうんですよねー。
 だって、そのトリックによって、「死者」の正体は読者は気づかない(気づけない)わけですけど、でも主人公はよく知っている人物なわけです。
 でも、このお話というのは、主人公の一人称語りの文章です。
 お話の語り手が、その人物が「死者」であった証拠を延々語っちゃう(回想しちゃう)って、変じゃん(笑)
 しかも、あんなにやたら切羽詰まった状況だっていうのにさー。

 いや。今思い返すと、それはそれでまぁアリかぁーとも思うんです。
 でも、読んでた時は、そのせいでせっかくのクライマックスが、ミョーに間延びしちゃった気がしたんですよねー。
 あらためて思えば、屁理屈的なトリックを仕込んどいて、「どぉ?スゴイでしょ?」的な。そんな小賢しい(ミステリー小説的)テクニックに、屁理屈こねてイチャモンつけてただけなのかもしれませんね(爆)


 ま、その辺りが、巷でやたら持て囃されてる「新本格」というジャンルの胡散臭くて、インチキ臭いとこだと思うわけですけど、まーそれはともかく(笑)
 でもまぁそんな胡散臭さや、表紙のイラストのウンザリ感はあったものの、これは一か八か読んでホントよかったなーって思いました。
 もちろん、ミステリー小説を読みなれてる人なら、「死者」が誰なのか途中でわかっちゃうでしょうし。
 最後、なんでそんな人が紛れ込んでくるの?的な展開(ある意味ドリフ的な)もなんだかなーっていうのもある。
 でも、ミステリー小説の作家が、超常的なオリジナルの世界観を設定して、その中でミステリー的展開をするお話を書くっていうのは、意外とありそうでなかったんじゃないかって。
 ていうか、ありそうな気がするんだけど思いつかない

 ま、そんな子供の頃、光瀬龍や眉村卓のSFジュブナイルが大好きだった私としては、もぉタマラナイお話だったわけですけどね。
 とはいうものの、あの頃のように主人公たち(の世代)に感情移入できないのは、まぁつまり齢のせいってことか?クソっ!(爆)
 ぶっちゃけ、「死者」の方に感情移入しちゃったい!www

 ま、なんだ。
 読んでみたいんだけど、でも、どうもライトノベルっぽそうで躊躇しちゃうって人には、背中押します(笑)




 『Another』を読むのを迷ったのは、(個人的に)表紙のイラストが幼稚に感じたことで、これはライトノベルなんじゃないかって思ったからなんですけど、いや、この表紙のイラストレーター。実は、今スゴく人気のある人らしいですね。
 正直、見てるとアチコチかゆくなってくる絵だなーとしか思えないわけですけど、まーね。それは、私が今の感覚についてけないってことなんでしょう。 
 ただまぁ、そんな今の感覚に別についてかなくてもいい齢になっちゃたのは、ホンっト楽チン、楽チン(笑)


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2016
10.30

たまにはブログらしいこと、やってみたいなーって(笑)

Category: R&R

 そう。だって、コレ、ブログなんだもん。
 たまには、ブログらしいこと、やってもいいと思うんです。

 とはいえ、犬や猫の画像を載っけたくても飼ってないからダメだし。
 あと、日本初上陸のほにゃららスィートとか、なんちゃらパティシエの店とか行く用事も特にないし。
 散らかしたり、茶化したりするのは大、大、大スキ!だけど、まとめるのは大っキライだしなぁ~(笑)

 そんなわけで、どーしたもんかなーと思ってんですけど、そういえば10月なわけで。
 10月といえば、あー、そう、従兄弟が誕生日だなーというのもありつつ、あ、そう!ハロウィーン!って。

 てことで、そうだ!ハロウィーンにちなんで、ハロウィーンが出てくる本読んで。
 その感想載っけるっていうの、すっごくブログっぽいよなーって思いたったと(笑)


ハロウィーンパーティIMG_3175

 ま、そんなわけで選んだのが、クリスティの『ハロウィーン・パーティ』だったんですが、実は、アマゾンで「ハロウィーン」で検索してみて、レスリー・メイヤーの『ハロウィーンん完璧なカボチャ』とどっち読むか、ちょっと迷ったんです。
 というのは、どっちも面白そうだなーって(笑)

 だけど、せっかくブログらしいことしようって、ハロウィーンにちなんでハロウィーンが出てくる本の感想を載せるわけじゃないですか。
 なら、表紙の絵がよりハロウィーンっぽい方がいいよなーってことで、『ハロウィーンに完璧なカボチャ』を選びかけたんです。
 でも、何気に中古本の値段見たら、「あ、ハロウィーン・パーティ―、1円だ!」って。
 即、決定!(爆)

 いや。実際には1円のヤツは状態が悪そうだったんで、買ったのはもぉちょっとしたんですけどねー。
 でも、クリスティの中古本は安い時もあるけど、高い時はホンっトバカ高いことも多いですからねー。
 レスリー・メイヤーさんには申し訳なかったですけど、ま、中古本だから印税には関係ないからいいですよね?(笑)
 正しくは、東京創元社には申し訳ないかwww


 ま、そんなこんなで『ハロウィーン・パーティ―』を読んだわけですがー。
 え?なんだよ、これ。
 全っ然、ハロウィーンの趣き、ないじゃん!って(爆)

 いやもぉ、この本。仮装はおろか、「トリック・オア・トリート!」という言葉すら出てきません(笑)
 つーか、表紙が、どう見たってペコちゃんだろー!って(爆)

 ま、面白かったからよかったんですけどねー。
 でも、なんだかなぁ…。


 あらすじは…
 そう。ハロウィーンパーティで子供が殺されちゃって。
 で、ポアロが解決しちゃう(爆)

 と、まぁ身も蓋もないあらすじで、どーもすみませんなわけですが、というか、クリスティって久しぶりに読んだんですけど、クリスティってこんな雰囲気でしたっけ?
 なんか、ビ、ミョーにイメージと違うというか、ぶっちゃけ、ポアロって、もっとイヤミったらしいヤツじゃなかったっけ?というか(笑)

 なんでも、解説によればクリスティの晩年に書かれたお話とのことで、また、出てくるポアロも相当お爺さんになってるようで、ま、その辺は作者も登場人物も齢とっていろいろ変わったってことなのかな?

 とはいえ、お話はとっても面白かったです。
 シンプルなお話なんだけど、でも、事の真相の根っこは、あ!そっちなのね、みたいな。
 “犯人っぽくないヤツが犯人”という、身も蓋もないミステリー小説の法則にしたがって読んでいけば、「あー、コイツが犯人なんだろうなぁ…」っていうのはおのずと察せるわけですけどねー(笑)
 でも、お話上の凶器でもある、「水」については全然気がつかなかったんで。そういう意味じゃぁ、その人については、ちょっと意表をつかれました(笑)

 とか書いちゃうと、犯人当てで読んでたようですけどね。
 全然そんなことなくって、ポアロが、そのウドリー・コモンという、ま、新興住宅街なのかな?そこの住人たちを訪ねていくくだりとか、あと、次々と出てくる人がホント人それぞれで楽しかったですね。
 ただ、最後のくだりは、ちょっと急ぎ足だったかなぁ…。
 もっとも、最近の小説はその辺をやたらとド派手にアクションしちゃうのも多いから、こういうあっさりっていうのもいいのかな?(笑)


 あと、読んでいて、ずっと感じていたのが、今まで読んだクリスティの本よりずっとマーサ・グライムズっぽくない?って(笑)
 ま、というか。
 そもそも、マーサ・グライムズの方が自分の小説をクリスティの雰囲気っぽく書いたわけですけどね。
 ただ、マーサ・グライムズから海外ミステリーを読み始めた私としては、初めてクリスティを読んだ時、そんなに似てるかなーって思ったんですよね。
 ま、そもそも読んだソレは『そして誰もいなくなった』なわけで、似てるわけないんですけどね(笑)

 でも、この『ハロウィーン・パーティー』に、探偵作家(そう書いてあるwww)のミセス・オリヴァという登場人物がいるからなのか?
 マーサ・グライムズにもシリーズの途中からポーリーという作家が出てくる
 ミランダという女の子が、マーサ・グライムズのお話に出てくる女の子の雰囲気とよく似ているからなのか?
 あと、失踪する若い女性っていうのも、なんだかミョーにマーサ・グライムズのイメージとダブるよなーって(笑)

 とか言っちゃうと、あちこちから「天下のクリスティ・ブランドに、なにイチャモンつけとるねん!」とかスゴまれちゃいそうですけどねー(爆) ←なんで関西弁なんだ(笑)
 また、マーサ・グライムズはマーサ・グライムズで、好きな人はメッチャクチャ好きな人がいますから、「だから、それはオマージュつぅんだよ!ボケっ」(←やっぱり、なぜか関西弁www)とかどつかれちゃいそうですけど(笑)
 最近って、オマージュってぇーの、なんかやたら好きよね。創る方も、言う方も、さwww

 というか、やっぱりコレってマーサ・グライムズっぽかったよなーって、それで終わりって、全然空気読めてなくて、結局ブログっぽくなかったなぁ~(爆)
 でも、マーサ・グライムズは好きです。
 今でも!
 とか言って、読んだのずいぶん前なんで中身はほとんどわすれちゃったんですけどね

マーサ・グライムズIMG_3170


 てことで、ハロウィーンといったら、やっぱりコレですよね。
 トム・ニューマン「妖精交響曲」!
妖精交響曲IMG_3172
 https://www.youtube.com/watch?v=nR3dqUI1XIg
 https://www.youtube.com/watch?v=4ypmFj9X4Zk
 https://www.youtube.com/watch?v=SuoTWwQCn3w



 そうそう。
 クリスティといえば、本屋で公認のポアロ物続編『モノグラム殺人事件』というのが並んですますよね。
 へーと思って、ネットで感想見てみると、案の定、ケチョンケチョン。
 いや、こうなると、逆に読んでみたくなります(笑)
 とはいえ、ま、安い中古本待ちですね。だって、本家だってそうなんだもんwww
 ていうか、『謎のクイン氏』の公認続編っていうのはないんだろうか?(笑)



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2016
10.09

Book!Book!Book! ~その何回目か

Category: R&R

 『夏の名残の薔薇』恩田陸著

夏の名残の薔薇IMG_3133

 恩田陸ですよ、恩田陸!

 「だから、恩田陸は苦手だって言ってんじゃん」
 って言ってるのに、なぜか回ってきちゃうのが、恩田陸の恩田陸たる所以なんでしょう(笑)
 つまり、言い換えれば、そこが恩田陸のスゴイとこ!(笑)

 ま、ファンの方だと違うんでしょうけどねー。
 ただ、私のように、ファンじゃない、というか苦手(笑)な人っていうのは、たぶん、恩田陸の書くお話に結末がない…、というか、楽しく読んでいたのに結末がどっか別のとこに行っちゃう展開にガッカリって人が多いんだと思うんです。

 私もそうですけど、恩田陸が苦手っていう人って、実は意外と恩田陸の本を何冊も読んでるんですよね。
 でも、結末がどっかいっちゃうような結末(変な表現)に、思わず「はい!?」ってなっちゃって。
 その結果、「恩田陸を読むのは、もぉ絶対よそう!」って心に誓うわけです(笑) ←これ、身につまされる人多いと思います

 ところが、そのほとぼりが醒めた頃。
 なんとなーく本屋に行くと、恩田陸の文庫の新刊が並んでいる。

 もちろん、前の苦い経験を忘れたわけではないですから。
 「読まねーぞ。読まねーぞったら、読まねーぞ」って、別の本を手に取る。
 後ろの紹介を見たり、パラパラめくってみたり。
 はては解説をよんだり、冒頭を斜め読みしてみたりするわけですけど、その視線の外にある恩田本の表紙が気になって、気になって、どーも落ち着かない(笑)

 ただし、それは恩田陸の本ですから。
 絶対、結末がどっかいっちゃうにお話に決まってるわけです。
 つまり、読んだ後、買ったのを後悔するのはわかりきっていると(笑)

 でも…
 本屋で手に取って、どんな内容なのか見るだけなら、別に後悔もしません。
 本代、損もしません。
 よって、
 ふん。なになに?『夏の名残の薔薇』だぁ? ←とりあえずこのタイトルにしときます
 うん。タイトルは悪くないよなー。
 ていうか、いつもながら、そそるタイトルだよなー。
 で?どんなお話なんだぁ…

 なぁ~んて。
 つい、興味をひかれちゃって。
 気がつけば、ひっくり返して、後ろの本の紹介を読んじゃうわけですね。

 えー、なになに…

 沢渡三姉妹が山奥のクラシックホテルで毎秋に開催する、豪華なパーティー。
 参加者は、姉妹の甥の夜目で美貌の桜子や、次女の娘で女優の瑞穂など、華やかだけど噂のある人物ばかり。
 不穏な雰囲気の中、関係者の変死事件が起きる。
 これは真実なのか、それとも幻か?
                           ――以上、裏表紙の内容紹介の丸写し(笑)


 ま、つまり。
 そこまできたら、もぉ恩田本の罠に落ちゃったようなもんです(爆)
 結末なんて絶対あるわけないのに、どんな展開になるのか知りたくて、知りたくて。
 そのままレジへ……
 ただ、この本の場合、その紹介文だと「ありがちな山荘モノか」って、私は絶対買わなかったと思います(笑)
 そういう意味では、この内容紹介はヘタだと思いました。
 ただ、ありがちな山荘モノと思わせて買わせるって意味ではウマい、のか?(笑)


 そうやって、買われた恩田本。
 ま、それは恩田本であるがゆえに、読み始めると、興味をひいて面白いわけです。
 それゆえ、どんどん読んじゃう。
 しかし、それは恩田本。
 結末は、絶対……、
 ない! 

 かくして、恩田本は友人知人同僚へと回っていく。
 この、“結末がない”ことのやるせなさを、他人に味あわせるために……
 って、怪談か!(笑)

 ま、つまり。
 正しい恩田本の楽しみ方(ただしファンじゃない人の)っていうのは、そういうものなわけで。
 それゆえ、気がつくと恩田本が回ってくるわけですね(爆)


 ま、そんな『夏の名残の薔薇』ですがー。
 これは、恩田陸に関しては、異色作(?)でした。
 というのも、結末があるんです(笑)

 ただまぁ、結末がどっかに行っちゃうかわりに、章が変わると、その前の章であったことがどっか行っちゃうみたいな(!?)
 な~んか、そんな展開で、それは“人の記憶というモノは人それぞれにあって、しかもそれはきわめて曖昧なものだ”的な。
 ま、それは、お話の中にも、やたらと引用される『去年マリエンバートで』という映画から、恩田陸がヒントをもらってるらしいんですけどね。
 だから、そのマリエンバートってなんなんねん?www

 ま、そんな、ミステリー小説的に言うととっても非合理的なんだけど、現実では至極当たり前なそのことをテーマにするのは面白かったんですけどね。
 ただ、如何せん、そのテーマはテーマとして出しただけで終わっちゃったよーな?(笑)

 ていうか、作者は、このお話に限って、なんで結末をつけたんだろ?
 このお話なら、むしろいつも通り「結末って何?ここはどこ?わたしは誰?あぁ…」的に終わらしちゃった方が、むしろよかったんじゃないかなー。
 だって、人の記憶というのは曖昧で。しかも、それぞれ微妙に違うものだ、がテーマなわけですもん。

 ま、それもありつつ、あのマリエンバートのパートって、ホントに必要だったのかなぁ…。
 もちろん、お話と微妙にかぶってるんだけど、かぶってるから何なの?とも思っちゃうわけで。
 身も蓋もない言い方になっちゃうけど、ちょっとカッコつけじゃない?なんて(笑)
 今の日本の小説って、カッコつけすぎ、出来すぎ、箱庭的すぎ!の傾向が強いすぎなんじゃないかなぁ…


 しっかしまぁ結末がなければないと文句言うくせして、あればなかった方がいいと文句言う読者って、ホンっト最悪ですよね(爆)
 作家って、いやー、ホント大変だなーって。
 なんだか、つくづく思っちゃいました(笑)

 ただ、そう言いつつ、この『夏の名残の薔薇』って、そんな悪くなかったような気もするんです。
 少なくとも、楽しく読めたし…。
 これを機会に、評判のいい『中庭の出来事』と『ユージニア』を読んでみたいな!な~んて(笑)
 でも、評判がいいということは、展開がまさに恩田陸!だったりするのか?(爆)


 しかし、話は変わりますけど。
 帯の「恩田ワールドの魅力が花開く艶やかなミステリ」っていうコピー。
 いや。“恩田ワールド”っていう言葉もわかるし、“魅力が花開く”っていう言葉もわかるんです。
 恩田陸のファンとは絶対言えない私でも、“恩田ワールド”っていわれれば、どんな世界かなんとなくイメージ出来ますもん。

 また、“魅力が花開く”っていうのも、恩田本は結末がどっかいっちゃうから苦手なだけで、決して“魅力”がないわけではない…、 どころか“魅力”は大いにあると思うので、それもよくわかるんです。

 でも、“艶やか”? 
 はい!?
 いっやー、私。
 恩田本に、“艶やか”はないんじゃない?(笑)

 変な話ですけど、それを見て私、恩田陸が描く「性愛」ってどんな世界になるのか、スッゴク読んでみたいって思っちゃいました(笑)
 ま、“艶やか”って言葉から性愛に連想がいくのもどうかと思いますけどね(笑)


 そんな、恩田陸が描く「性愛」ってどんな世界になるのか、スッゴク読んでみたい私が、つい手を出しちゃったのが、花房観音の『女の庭』(爆)

女の庭IMG_3155

 いや、ね。
 裏表紙のあらすじ紹介の、
『恩師の葬式で再会した五人の女。
 近況を報告しあううちに、教室で見たビデオの記憶が蘇り――。
 先生と濃厚なセックスをしていた、あの女は誰だったのか。
 互いに互いを疑いながら、女たちは今日も淫らな秘め事を繰り返す。
 不倫、密会、出会い系……。
 秘密を抱える腹黒い女たちと、それを監視する街、京都。
 重ねた噓が崩壊する時、女の本性が放たれる。』
                    ――これも、裏表紙の内容紹介の丸写し(笑)
 
 …っていうのを読んでいたら、あー、これなんか、まさにエロの要素が入った恩田陸じゃん!って(笑)

 とはいえ、世の中、そうは問屋が卸さなくって。
 いや、うん。全っ然、恩田陸っぽくなかったです(笑)


 ていうかー。
 これ、とてもじゃないけど、真面目には読めません(笑)
 だって、
「ああっ!」「いやや…」「もうあかんあかん」「かんにん、もうたまらへん」「はぁっ!」「はぁあああっ!」「もう、うち、たまらん」って、延々そんなのばっかなんだもん(爆)

 そんなもん、文字にしたらアホバカの極地以外、ナニモノでもないじゃないですか。
 でもってさ。京都弁がアホバカさにさらに拍車かけてくるんだよなぁ~www

 というのも、出てくる女性のセリフを読んでいると、もろ、その言葉を連呼することで興奮して喜んでる、男子校の男どものあの衝動とまるっきり一緒だよなーって(爆)
 男子校出身の私としては、あの頃を思い出しちゃって、もぉ可笑しくって、可笑しくって。

 ていうか、登場人物たちがやってることも、それって、えっちでぃーぶいでぃー見すぎだろー!みたいな感じで。
 ていうか、ソレって、みんな、普段は正しいっぽい顔してても、結局その辺りに落ち着くってことなのかなーなんて。
 なんだか、世の中をみょぉ~に達観しちゃいましたよ(笑)


 そう。達観しちゃうというか、醒めちゃうというか。
 コレ、一応「官能小説」ってことになってるらしいんですけど、全っ然コーフンしないのが面白かったです(笑)
 なんでも、作者もそこは狙ってるとかで、あー、そういう意味じゃぁそこは確信犯なんだなーって。
 もっとも、そういうのに免疫のない10代の頃に読んでたら、全然違うんでしょうけどね(笑)

 そこは、へー。面白いなーとは思ったんですけどねー。
 とはいえ、大学卒業して12年後のゼミ生同士(女性5人)の虚栄心と嫉妬って、意外とソレは女性同士を主人公にした小説の場合、ありがちなテーマ…、というよりは水戸黄門だったり…、かな?
 ただ、そんな風に思ったら、それって男だって同じじゃん!って気がついたのは面白かったです(笑)


 ま、コレ。
 ぶっちゃけてカテゴライズしちゃうなら、「ミステリー要素の少なめ、エロ要素多めの、舞台が京都ってことでちょっと文学っぽい匂いもするイヤミス」って感じになるのかな?(笑)
 って、そんな風に、つい軽く見ちゃうところがある反面、読んでいると、「いや。意外と侮れないかも…、この人」と思うことがあるのが不思議なところ。

 というのは、最初に書いたように、とてもじゃないけど真面目に読んでられない、登場人物のセリフや行為が延々続くわりには、意外なくらいズンズン読んじゃうんですよね。
 お話は5人の女性毎に章立てされていて、それぞれの女性の視点ですすんでいくんですけど、読んでいて気がつくとその章の女性を応援してたりする。
 それは、やっぱり、読んでいてその女性のいろんな気持ちが伝わってくるからこそなんだろうなーって。
 ホント、読んでいてハッとすることが何回かあったのは確かです。
 いや。だから、エッチなシーンでハッとするんじゃなくね(笑)


 ただ、そう思うと、お話の「ミステリー」の部分の位置づけが中途半端だったかなーって。
 5人の女性それぞれの思いや気持ちを描いた部分は、もちろんよかったんですけどね。
 ただ、そこがクローズアップされるがゆえに、“ビデオに映っていたソレの主は誰なのか?”っていう話が、それぞれの女性にとって、それほど重要でなくなっちゃってるように感じるんですよねー。

 お話をガタンガタンと落とすなら、「ソレの主は誰?」をメインに据えるべきだし。
 女性の思いや気持ちをメインにするなら、オチはシンプルにした方がよかったんじゃないかかなー。


 それと、お話に出てくる男の嫌ったらしさやアホバカぶりが、あまりに女性作家が書く男のパターンすぎかなーと(笑)
 ま、確かに、そういう人もいるでしょうし。
 また、こと、そういう欲望がむき出しにされた場面で(男ってヤツを)女性側から見ると、そういう面ばかり見えちゃうのかもしれないですけどねー。
 ただ、そこは男からすると「男って、そんなにありきたりかなー?」って(笑)

 とはいえ、ま、そこは、男の作家が書いた小説のレビューによくある、“女性の描き方が、女性からすると違和感”というのと同じってことなのかな?とも思いました(爆)

 ていうか、逆という意味じゃ、この花房観音が恩田陸っぽくお話を書いたらどうなるんだろう?って(笑)
 いや、なんかソレ、スッゴク読んでみたいですね。
 そう言う意味じゃぁ、花房観音って、まぁスグには読まないけど、でも、そのうちまた読んでみたくなる作家なんだろうなーって気がしました。



 とまぁそんなわけで、ソレっぽいのをもぉ一冊読んでみたいなーって選んだのが、篠田節子著『純愛小説』(笑)

純愛小説IMG_3158

 いやもぉ“純愛”ときたもんだ!(爆)

 そういえば、昔、「純」っていうチョコレートがありましたけど、あれ、いつの間になくなっちゃったんでしょう?
 ネットで見てみても出てこないんだけど、あれー、「純」じゃなかったっけ?

 って、まぁチョコレートはどーでもよくって、篠田節子で「純愛」って、もぉそれだけで、“なに、また、何に悪態つこうとしてんだか”って感じでニヤっとしちゃいます(笑)

 篠田節子が「イヤミス」と呼ばれることはないわけですけど。
 でも、正しい世間に冷や水浴びせる、というか、読者にだって冷や水浴びせちゃうって意味では、心底、イヤ(ミス)な作家じゃないかって(笑)
 100%褒め言葉、言ってみりゃ、「純褒め」です

 ていうか、“イヤぁ~なおばさん”って言った方がピッタリか?(爆)
 職場とか親戚にいたら、みんなから煙たがられるんだけど、でも、ここぞという時に頼られる、みたいな感じ、かな?(笑)

 つまり…、
 “…その物語は、『野菊の墓』の焼き直しのような陳腐極まる内容だが、ドラマ、小説を問わない純愛大流行のただ中で、コミック化、ドラマ化、映画化とメディアミクスの大成功をもたらし…”(1話目「純愛小説」より)

 “…今の若者の口にする純愛など、それに比べてなんと安っぽく薄っぺらいことだろう、有名作家が朝っぱらから新聞紙上で連載している不倫小説の不潔さはどうだ?”(3話目「知恵熱」より)

 みたいな。
 思わず、「江戸っ子か!」ってツッコミたくなるようなケンカっぱやさが、ミョーに気持ち(いい人には、とっても気持ち)いいんでしょうね(爆)


 お話は4つ。
 「純愛小説
 さんざん浮気してた男は、ある浮気相手の死がキッカケでその手のことに醒めてしまう。男は自分の人生にも醒めてしまったことで、代わりに、奥さん孝行や家族サービスに精を出すように。
 そんな男の奥さんが離婚を選択したきっかけ、そして理由とは?

 「鞍馬」
 流れで家族の面倒を見続けた末、結婚することなく初老を迎えた長女。
 そんな長女の電話がつながらないことに不安を覚えた次女が家に行くと、長女の住む実家は更地になっていた。しかも、土地はいつの間にか不動産会社のものに。
 長女が家と土地を売ってしまったのは、彼女に一瞬だけ訪れた女の幸せのためだった。
 でも、それは…

 「知恵熱」
 ある夜、父親が大学生の息子のマンションに行くと、一人の娘の姿が。
 母親に黙っていてくれとお願いされた父親の奥さんとのきわどいやりとりと、その娘の鮮やかさについ胸をときめかしてしまう父親の心。

 「蜂蜜色の女神」
 40代後半の女医のメンタルクリニックにやって来た30代の女性。
 その女性(妻)の相談は、旦那が10歳以上年上の女性との性愛にのめりこんでいること。
 クリニックにやってくる妻→旦那の弟→旦那(と妻)の話から、クルクルと変わっていく、女医の中の浮気相手の女性のイメージ。
 そんな中、浮気相手のところから家に帰ってきた旦那は病気で入院してしまう。
 入院して妻に看病されたことで旦那と年上の女性との関係は終わったかに思われたのだが…

 って書くと、しっかし、地味ぃ~な話だなぁ…ってなっちゃうんですけどね。
 でも、いったん読みだすと不思議なくらい、「え?これって、どう落ちるの!?」って、もぉ止まんない、止まんない!
 結末が気になってしょうがないっていう意味じゃぁ、下手なミステリー小説なんて真っ青って感じでした(笑)
 個人的には、最初と最後の話が、「えー!どうなる?どうなる?」って。
 もぉ直滑降のように読んじゃいました。 ←どういう読み方だ?

 いやー、どれも、苦ぁーいお話なんですけどね。
 でも、最初のお話が、結局全員が愚かな選択をしちゃう、(傍から見ると)ちょっとクスっとしちゃう苦さだとすれば。
 2話目の苦さは、ズシンと重い、絶望の苦さ。
 でも、淡い救いも感じられるような、ないような…。
 というか、誰を主人公として読むかで、苦さの質が変わってくるってことかな?
 一方、3話目は、平凡な日常に潜む、光を知ってしまった、あがこうとしたけど、もうあがけない自分に気づいた苦さみたいな感じ?
 それに対して、最後のお話は、知った光から離れられなくなってしまう、妄執の苦さ。
 というよりは、実は、知った光こそが自分にとっての「ケ(日常)」で。
 今まで持っていた日常が、「ハレ(憧れ)」になっていたことに気がつかないという、いつの間にか妄執の対象が逆転していたという苦さ…、かな?

 つまり、どのお話も、自分の人生は自分でコントロール出来るもんじゃない。そんな、ままならない人の生に、“純愛”という、ある意味憧れである概念を持ち込んで。それを持て囃すことで、安易に○×をつけてしまう人の世の愚かさを篠節流に料理したってことなんじゃないですかね(笑)

 まー、そんな、繰り返しになりますけど、読者に冷や水を浴びせるって意味じゃぁ、たぶん当代一でしょうねー。
 その冷や水を心地よく感じるか、ニヤっと笑うか。はたまた、快哉を叫ぶか。
 もしくは、イヤミったらしいババア…とウンザリするか(爆)

 ただまぁ読者が何を思うと、本人はどこ吹く風なんでしょうね。
 だって、“小説は書きあがってしまえば、それは100%読者のもの”って言ってんだもん(爆)

 そんな、おっそれ入谷の鬼子母神!な一冊。 ←江戸っ子か!(笑)







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2016
09.04

悪趣味な微笑み? いいえ。ラクシュミの微笑みです(笑)

Category: R&R

 漫画は、コマを読む順番がわっかんな~いんで、苦手なんです(笑)
 だから、あんまり読まないんですよねー。
 最近だと、『20世紀少年』と『のだめカンタービレ』くらい ←最近か!(笑)

 でも、久しぶりに読んじゃいました。
 『吉祥天女』吉田秋生作

吉祥天女IMG_3112

 そういえば、恩田陸の小説に『六番目の小夜子』っていうのがありましたけど、
 もしかして、その小夜子って、この小夜子から?(笑)

 転校生が来てから次々と事件が起こるという、いやもぉホンっト、まるっきり王道のストーリーで。
 子供の頃に読んだ『明日への追跡』(光瀬龍)が好きで、いまだに時々読み返しちゃう私(←バカ)としては大好物なお話です(笑)

 その、『吉祥天女』。
 何でも、83年~84年に描かれた漫画だとかで、いやもぉ登場人物の着てるモンとか髪型とか、まさにその当時の恰好(笑)
 あと、どっちかといえば脇役な主人公のお兄さんの、まさにその頃の大学生ぇ~って感じも、ハッハッハでした。

 あと、主要登場人物の高校の制服が詰襟とセーラー服なのがよかったかなー(笑)
 詰襟世代だったせいか、ブレザーの制服って、な~んかダサく感じちゃうんですよね。
 ぶっちゃけ、七五三みたいっていうかー、そんなおっしゃれ~なもん、学校から押し付けられてんじゃねーよ!というかー(爆)

 とはいえ、ま、詰襟だって、セーラー服だって、最初(明治期?)にソレを制服として学生に与えたのはハイカラ(=カッコイイ)だったからだもんなぁー。
 そう考えると、ま、ブレザーでもいいのか?(笑)
 ま、たんなる個人の好みの問題ってことねwww


 って、まぁそんな愚にもつかない話はともかく。
 あらすじは、単純に言っちゃうなら、ま、「復讐譚」…、になるのかな?
 作者は、女性なんで。たぶん、女性ならではの男への、あるいは男社会への復讐(恨みつらみ?)もメッセージとして含んでるみたいですね(笑)
 でもまぁそれより何より、本当の主人公である小夜子が着々と引き起こしていく事件が、読んでて小気味よかったです。

 そういう意味じゃぁ、小夜子の復讐がオカルトっぽく描かれる1巻の方が、単純な面白さがあったかな?(笑)
 後半、2巻だと、小夜子はいよいよ復讐の相手の家の兄をたらしこんで。
 それを利用して、その家を食い荒らしていくわけですけど、そっちはちょっと大人ぁ~な面白さというか。
 ちょっと大人ぁ~なシーンもあったりで(笑)
 いやー、まさに復讐譚の王道!っていう展開で、そっちはそっちで小気味よかったです(笑)

 意外だったのは、男側の主人公といってもいい遠野涼(復讐される家の弟)が最後に死んじゃったこと。
 あれ?コイツ、死んじゃうんだーって。
 その展開に、思わずキョトンとしちゃいました(笑)
 作者の男(社会)への恨みつらみ、そこまで深かったってこと?(爆)
 ていうか、あの手の男に、特に恨みがあったとか?www


 一つ難を言っちゃうなら、小夜子が相手の家に乗り込んでからが短かったかなぁ~。
 ぶっちゃけ、もぉ何人か殺してほしかったです(爆)
 前半1巻の不穏さや、小夜子の家にいる叔母(復讐される家の人間)をあっさり殺しちゃうシーンなんて、もぉワクワク…、じゃなかったドキドキだっただけに、そこはもぉちょっとサービスしてほしかったですねー(笑)

 ていうか、怖かったのは脇役みたいな主人公、由似子が時々する目!
 それは、由以子だけでなく友人の真理もそうなんですけど、時々目が鬼形礼(恐怖新聞)や、後一太郎(うしろの百太郎)になっちゃうんだもん(爆)

 いやー、アレ、怖すぎ!
 小夜子の目より、百倍怖かった。
 由以子の家に、夜毎、鬼形礼の死霊が恐怖新聞を届ける続編を描いてほしいくらいです(笑)
 それって、『吉祥天女』、『恐怖新聞』、どっちの続編になるんだ?

 あの目って、作者は何を意図してそうしたんだろう?
 ていうか、なんで鬼形礼や後一太郎の目なんだろう?
 ていうか、ていうか、小学生の頃読んだ漫画の主人公の目を、何でいまだに憶えているんだろ?
 やっぱり、それだけ怖かったってことなのかなぁ…(笑)

 って、まぁ。
 そんな、時々、つのだじろう目になっちゃう由以子や真理は、お話では普通の女の子として描かれているわけですけど……
 つまり、それは、女っていうのは誰でも小夜子になれるってこと?
 なぁ~んて、ね? ←怖すぎて、つい同意を求めちゃう(爆)


 そうそう。
 吉祥天女っていえば、ウチにもいるんです(笑)

 ラクシュミIMG_3115
 吉祥天は、元はラクシュミというインドの神さまなんです



 てことで、次、『邪悪な少女たち』アレックス・マーウッド著
 アレックスといっても、女性名のアレックスのようです

邪悪な少女たちIMG_3109


 そういえば、「ジャークチキン」っていう料理があるじゃないですか。
 なんでも、ジャマイカの鶏料理だとかで、ウワサによれば、あるミステリー小説の中にソレが出てきて。
 それを見た翻訳者は、“ジャーク”を英語で直訳して、つい「とんま鶏」にしちゃったんだとか(笑)

 その流れでいけば、「ジャークな少女たち」って、『とんまな少女たち』になるわけで、あー、それはそれで思わず読んでみたくなるタイトルだなーなんて(笑)

 とはいえ、まさかそんなわけもなく、『邪悪な少女たち』なわけですけど。
 実は、ホントのタイトルも「The Wicked Girls」で、まさに直訳じゃん!(笑)


 あらすじは、まぁさらりとネタバレ…、ネタバレ?
 ネタバレって、ネタをばらしちゃうってことなわけですけど、じゃぁネタって、このお話でいうと何なんだ?(笑)

 いわゆる、パズル小説なミステリー小説ではないんでー。
 ネタバレではなく、結末ばらしと言った方が適当なんでしょうね。

 まぁそんなわけで、さらりと結末ばらしを含みつつ、あらすじを思い出してみると、主人公は2人の女性。
 1人は、遊園地「ファンランド」の清掃社員のアンバー。
 もう1人は、フリージャーナリストのカースティ。

 その2人の女性。
 今は全く接点がなく暮らしているが、25年前。アンバーはアナベル、カースティはジェイドという名前で同じ町に暮らしていた。
その頃、2人は、小さな女の子を殺してしまった(らしい)。
 世間は、彼女らを「邪悪な少女たち」と散々非難した。

 別々の更生施設に送られた2人。
 何年かののち、2人は二度とお互い会わないという条件を科され、アンバー、カースティという新しい名前で社会に復帰した。
 2人は、お互いどこの更生施設に行ったかもわからないし、現在どんな名前になったのかも知らない。
 当然、どこに暮らして、何をしているのかも知らずに、それぞれに暮らしている。

 そんな中、アンバーの暮らす町で発生した女性の連続殺害事件。
 カースティが取材のためにその町を訪れたことで、2人は偶然会ってしまう。
 話したいという気持ちを抑えきれずに、一度会いたいとアンバーに名刺を渡してしまったカースティ。
 一方、アンバーの方もその気持ちを抑えられずに、結局2人は会って話をすることになる。
 会って話をしてみると、子供の頃にお金持ちの娘だったアンバーと、問題のある家庭に育ったカースティの立場(生活)はまるっきり逆転していた。
 そんな嫉妬や気まずさもあって、2人はもう二度と会わないと約束して別れた。

 実は、その2人が密かにあっていたのを、マーティンという男がずっと見ていた。
 マーティンは、自分がストーキングしていた女性をアンバーがかくまったことで彼女を恨んでいた。

 もちろん、マーティンは2人の素性を知らない。
 しかし、独特の勘でカースティには何か秘密があると感じて、以後カースティを付け回すようになる。

 過去を家族からも隠して暮らしている、アンバーとカースティ。
 それぞれの日常に、普通にストレスや問題を抱えて暮らしている。
 それらの細かいストレスや問題が描かれた後、アンバーの身に起こった決定的な出来事。
 それは、一連の殺人事件の犯人が、夫のヴィクターだったこと。

 ヴィクターの逮捕で、アンバーの日常は一変。
 マスコミや町の人間から、ヴィクターが犯人だったことを知っていたのに黙っていたのだろうと非難や抗議されるように。
 それは次第にエスカレート。群衆がアンバーの自宅に押し寄せてきたある日、アンバーはペットの犬が殺されているのを知る。
 アンバーが逃げ出したのを見つけた群衆は、彼女を追い回す。

 群衆の目につかないところに何とか隠れたアンバー。
 そんな彼女に、助けを求められる相手は、もはやカースティしかいなかった。
 過去がバレてしまったら今の自分の生活が壊れてしまうと、いったんはアンバーの助けを断ったカースティ。
 でも、助けに来てくれないなら、あなたの過去もバラすというアンバーに、カースティは町に向かう。

そんなカースティを家の前で見張っていたのが、ストーカーのマーティン。
秘密の匂いを嗅ぎつけたマーティンは、カースティのクルマを尾行する。

 アンバーが逃げ込んだ場所は、彼女の勤め先の遊園地「ファンランド」だった。
 カースティがアンバーを見つけたのは、ファンランドのオバケ屋敷みたいな施設。
 その一画、イギリスの過去の事件を紹介するコーナーで、語りだす2人。
 それまで、過程を小出しで出てきた、2人の起こした過去の事件の真相がついに明かされる。

 殺してしまった女の子は、事件というよりは事故だった。
 ぐずる女の子を、アンバーが、つい押してしまったことによって起きた事だった。
 しかし、その子をなんとか助けようと、TVドラマで知った蘇生法でその子の骨を折ってしまったり。
 最終的に、死んでしまった女の子を埋めて隠そうとしたことで、世の中から「邪悪な少女たち」と称されるようになってしまった。

 そんな2人の話を、隠れて聞いていたマーティン。
 ついに秘密をつかんだと狂喜するマーティンに気づいたカースティは、今の自分の生活を守るため追いかけるのだが……


 コレ、本屋で見て面白そうだなーって思った時は、帯はなかったんですけど、買った本には帯がついていて。
 そこには、「イヤミス・オブ・サ・イヤーと是非とも授与したい…」とかあって。あれ?コレって、そういうお話なんだ!?って思ってたら…

 うん。ここまでいっちゃうと、イヤミスというよりは、メロドラマに近いかなぁー。
 ていうか、そうか!イヤミスって、とどのつまりは、メロドラマの一種なんだなーって思っちゃいました(笑)

 ストーリーそのものはすっごく面白いんですけど、2人に(特にアンバーに)襲い掛かってくる逆境がくど過ぎる…、んだろうなぁ…。
 たぶん。
 くど過ぎるところが、このお話を、お昼のメロドラマにしちゃった気がしますね。

 2人が子供の頃に起こした事件は、どう考えたって事故なわけで、(マスコミや世間はともかく)ここまで苛烈になるかなーって気がするし。
 アンバーが群衆から逃げ出すのにしても、いくら旦那が連続殺人事件の犯人だからってこんな風になるのかなーって気がします。

 もちろん、どっちも群集心理が引き起こすわけで、実際起こっても不思議ではないんでしょうけどね。
 ただ、ちょっと(お話としては)やりすぎかなーと(笑)

 ていうか、過去に事件を起こしてしまった2人が、家族や周りにバレないかと、日々不安を抱えながら暮らしていて。
 そんな2人の日常に、ひょんなことからマーティンというストーカー気質の男が絡んできて…で、充分面白いお話になったような気がするんだけどなぁ…。
 ていうか、個人的には、その方が全然面白かったんじゃないかって(笑)

 そういう意味じゃぁ、まさに「イヤミス・オブ・サ・イヤー」だったなぁ…(笑)

 とはいえ、イヤミスって、メロドラマの一種なんだ!とわかったのは、収穫(爆)


 そうそう。
 収穫といえば、面白いなーって思ったのは、この作者が物語を進める中で時々現れる妙な唐突さ。

 600ページ近い、結構長いお話なんですけど、アンバーとカースティが出会ってしまうとことか、アンバーの旦那のヴィックが犯人だとわかるところとか。
 そういう物語の重要な場面で、この作者は、予感させる描写や事柄を小出しに連ねて、バーンと持っていくんではなくて。
 ホント、さらっと、唐突にその場面を出しちゃうんですよね。

 道を歩いていて、角を曲がったら、ソレがいて「ギャー!」っていうんではなく。
 角を曲がったらソレがして「あ、なんだ…」みたいな感じっていったらいいのかな?(笑)

 読んでいて、受けた感じがスゴク新鮮だったんで、このテクニックはちょっと盗んでみたいかなーなんて思っちゃいました(笑)
 もっとも、どうすればそうなるのかは、全っ然わかんないですけどねwww




 で、まぁ次、『大いなる謎 平清盛』川口素生著

 平清盛IMG_3109
 

 これは、アマゾンを見ていて古本1円だったんで、つい衝動買いしちゃいました(笑)

 でも、これは当たり!
 何年か前にやってた、大河ドラマの『平清盛』のもやもやしてた部分がクリアーになって、ホント大当たりでした(笑)
 ていうか、そもそも大河ドラマの便乗本でしたwww

 ただ、読んでいて名前が出てきても、さすがにあのドラマのどの人だろ?っていう人が多々いて。
 でも、ま、こういう時ネットは便利ですね。
 当時のホームページが今でも残っていて、それを見ながら、「藤原の家成って、そうか。あの顔の人か!」なんて。
 そんな風に、頭の中がいろいろ繋がって楽しかったです。

 あと、そう、平時忠(時子の弟)って、武家の平氏ではなくて公家の平氏だったんだーって。
 あのドラマを見ていた時はそれなりにわかって見ていたつもりだったんですけど、結構いろんなこと、わかってなかったんだなーって。
 そこが、ホント面白かったー!(笑)

 あんまり面白かったんで、思わずDVD借りて見返してみようかな?って思っちゃったんですけどね。
 でも、あのドラマの“NHKが本気出したら、こんなにスゴイんだぜ”的にバカ張り切りしちゃって。
付け加えちゃった、あのいろんなおバカなことも見なきゃなんないんだなーって思ったら、途端にそんな気ぃ、雲散霧消しちゃいました(爆)


 『平清盛』は、ホンっト面白かったのに、でも、ホンっトいろんな意味で残念なドラマだったなーって、今でも思いますね。
 今やってる『真田丸』も面白いのは面白いんですけど、『平清盛』に時々あった、あの得体の知れなさっていうのはないんだよなぁ…(笑)
 ま、これからに期待! …かな?

 表情…、というか、目つきがスゴかったんですよねー。
 清盛の弟の家盛が死んじゃった後、家盛の実母である池禅尼(当時は尼じゃないですけど)が、自分の子ではない清盛自分の子はでないを見た、一瞬の目つきなんて、もぉ鳥肌たっちゃって。
 寝っ転がって見てたんですけど、思わず正座しちゃいましたもん(爆)

 もっとも、一瞬の目つきの妙は、『真田丸』もいいんですよね。
 「真田丸」の場合は、“間”と言ったほうがいいのかな?
 場面の転換の最後によく登場人物が見せる、思わずクスっとしちゃう、あの目というか間というかは、実は結構期待してたりします(笑)
 前回、信繁が奥さんについて三成に聞いた、その最後の三成のなんともいえない笑みとか、もぉ最高!

 ただ、ま、歴史のドラマとして見るとなると、やっぱり『平清盛の』で登場人物たちが見せた、あの得体の知れない目って、凄味があったよなーって。

 ま、『平清盛』は最低視聴率だったわけで。
 お山の大将(というか裸の王様?)になりたいNHKとしては、それは永遠に封印なんだろうなぁ…。
 
 あぁ~、もったいない(爆)
 なんとかしてよー、総務省ぉ!(笑)





 『真田丸』といえば…。
 今は好々爺として描かれてる片桐且元が、大野治長や淀殿に追い出された後。
 淀殿がいつもいる辺りに大筒打ち込んじゃう、ダーク且元で得体の知れなさを描いてくれたらなぁ~なんて、
 ちょっと期待(笑)




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2016
08.20

怪奇!呪われた本(笑)

Category: R&R

 いっやー。
 呪われた本…、読んじゃいました。

 だからね。
 面白いのに、読んでいて、なぜか寝ちゃう……


 いや。だから、それ、面白くねーんだろーって言う人もいるんんでしょうけどねー。
 ううん。ホント、面白かったんです。
 ていうか、コレ、結構好き、ですねー。
 雰囲気がいいんだよなーwww

 どのくらい好きかというと、『十角館』『時計館』『霧越亭』は読み終わった後、すぐ知り合いにあげちゃったのに。
 でも、「うん。コレはとっとこーかな!」って(笑)

 そうです。
 呪われた本の正体、それは、綾辻行人『人形館の殺人』(笑)
 そーいえば、確かに呪われてそーなタイトルだwww

人形館の殺人IMG_3103
最近、アマゾンって、検索しても旧版が出てこないんですよねー。
でも、今回、「読書メーター」の旧版からアクセスする技を知っちゃいました(笑)


 コレ、新装版っていうのもあるらしいんですけど、絶対旧版の表紙の方がいいと思いますねー。
 お話の内容に合ってるというか、雰囲気が“ぽい”っていうか。
 ていうか、新装版で描かれている木、ビ・ミョぉに桜っぽくない(笑)


 で、まぁそれはそれとして、しかし、何でまた読んでいて、あんなにスコン、スコン寝ちゃったんだろーなーって(笑)
 いや。だから、お話は面白いんですよ。とっても。
 でも、読んでいて、なぜか寝ちゃう。
 ていうか、気がつくと「あれ!?また寝ちゃった…」って(笑)

 いやもぉ。
 ヒドイ時は、それ、一晩に3回やってました(爆)
 3回目に目が覚めた時は、さすがに寝ることにしましたねー

 変な話、3行読んで寝ちゃったこともあるくらいで…
 ねぇ。3行っていったら、そもそも面白い、面白くない以前じゃないですか。
 一晩で3回寝落ちした時なんか、あきらめて寝ることにした時にページを見たら、なんと!読み始めたページだったと(爆)


 だから、それって、面白くなかったってことじゃないの?って言われちゃいそうですけどねー。
 まぁ読んでる時、暑いから…、っていうのもあるのかな?
 いや。だから、面白かったんですって。
 だからね。
 たぶん、いわゆる、定番な「館モノ」じゃなかったのがよかったんだろなーって(笑)

 「館モノ」とか「孤島モノ」は、ま、時々。年に1回とか、2年に1回くらい、やたら読みたくなる時、あるんですけどねー。
 そんなこと書いてたら、マイケル・スレイドの『髑髏島の惨劇』が読みたくなってきちゃったwww
 でも、基本的に舞台はオープンな方が好き!、ですね(笑)

 「館モノ」とか「孤島モノ」だと、ほら、どうしても、“ミステリー小説、ミステリー小説した、ミステリー小説”になっちゃうじゃないですか(爆)
 “王道になっちゃう”って言ったらわかりやすのかな?
 パズルになっちゃうというか、ぶっちゃけ、人を殺すのにそんなめんどくせーことしねーよ!みたいな(笑)
 人の意図よりは、偶然に翻弄されるみたいな方が好きなんです

 ていうか、この『人形館の殺人』って、単純に(“単純な”ではなく)ストーリーがいいなーって。
 以下ネタバレ(もろ)、とうかあらすじバレ
 独白の主人公(子供の時の記憶が曖昧)が、育ての親である母親の妹(叔母)と、父親の住まい兼アトリエだった、京都の家に帰ってくる(?)と。
 そこは、あちこちに変なマネキン人形が配してあって、かつ、アパート部分にも変わった住人が住んでる。
 なおかつ、付近では連続する殺人事件が起きていて…
 と、何やら不穏な雰囲気。
 さらに、合間合間に、謎の人物の途切れ途切れの独白のようなものが入って、不穏さを煽る。

 そんな中、「密室」のアトリエに、まるで殺人事件のように人形あったり、主人公に妙な手紙が届いたり、自転車のブレーキが壊れてたり。
 ニャンコが昇天しちゃってたりと、さらに不穏さが高まってくる中、ついに起きた事件。
 火事によって、「館」の住居部分が焼け落ち、叔母は死んでしまう。

 そんな中、島田潔なる名探偵らしい人物(忘れてましたwww)から電話がかかってきて、その建物に中村青児が関わっている(そうそう。そんな設定あった!)と教えられて。
 各人形の顔の向きが、主人公の父親が自殺した庭の桜の木を指していることに気がつき、掘ってみると母親を模した例の人形が出てくる。
 って、これ、誰が埋めたの? え…!?

 そのうち主人公は、母親が死んだのは、主人公が線路に石を置いため事故が起きたのだという、過去の記憶を思い出す。
 一方、島田潔との電話で、アパートの住人がその事故の犠牲者の遺族だから、一連の出来事の犯人であるかもしれないと知らされた主人公。

 そんな中、第二の事件が発生。
 アパートの住人が殺される。

 で、いよいよページも少なくなってきた頃。
 いままでずっと主人公の独り語りで進められてきたお話が、いきなり島田潔の視点で語られだす。
 とはいえ、読んでいて感じる、アパートの住人との会話のミョーっな違和感(笑)

 うん?うん?
 なんだ、これ!?って思いながら読んでいくと…
 さすがにこの辺りは寝ないで読んでました(笑)

 ストーリーに時々絡んできた、主人公の幼馴染が現れて、そこにいた島田潔に声をかけ、犯人を暴く。
 なんと、一連の事件を引き起こしてた“ヤツ”は多重人格だった……

 最後は、その幼馴染と、幼馴染の勤める大学の研究室の女子学生の会話の場面で終わる。
 彼女は、途中、主人公の想い人になったり、犯人に襲われたり。
 また、助けられたりと、なかなか忙しい(というか重要)役割なのだが、主人公のことは事件後でもそんなに悪く思ってないようで。
 その幼馴染がもっと早く動いてれば、事件は防げたのではないかと責めるが、彼は言葉を濁して話は終わる。

 と、思ったら、最後の最後に例の島田さんの手紙が出てきて、「京都の人形館は中村青児は関係ねーんだってよー」とあって、読者は「えーっ!」となる、と(笑)


 犯人が多重人格なのはともかく、途中、いきなり視点が変わったその人が“ちゃんと”犯人だったのは、思わず「おーっ!」って(笑)
 あそこ、好きwww

 ただ、最後(手紙の前)の幼馴染が言葉を濁すくだりは、どうなのかなぁ…。
 正直、ない方がスッキリしてよかったようにも思うんだけど、でも、それはもしかしたら、その濁す理由を考えるのが(眠くて)面倒くさかっただけかもしれません(爆)

 建物が、例の中村青児と関係ないのが知らされるくだりは、「なるほどなー」とは思いましたけど、ま、私はこの「館」シリーズの熱心な読者ではないんでー(笑)
 「館」シリーズのファンからすればうまい展開ってことなんでしょうけど、(ファンではない)私は、そこはどーでもよかった…、かな?(爆)

 個人的好みを言わせてもらうなら、そこに凝るよりは、付近で起こってる連続殺人事件の場面をもっと詳しくしてほしかったですね。
 それこそ、その視点もあったら不穏さが増してよかったんじゃないかなーって。
 ま、違う作家が書いたらこうみたいな話は意味ないんでしょうけど、このネタで折原一が書いても面白かったかもなーなんて思いました(笑)
 ていうか、そもそも折原一っぽいお話ですよねwww

 ま、ついでなんで。
 さらに好みを言っちゃうなら、舞台がもっと広がってたらよかったんじゃないかなーって。
 せっかく、京都なんだし。
 主人公と、例の女子学生のデートシーンとか入れて。さりげなく、女子学生が「犯人って…」と違和感を抱かせるような会話があったりしたら、不穏さをもっと楽しめたんじゃないかなーと思いましたね。

 思ったんですけど、な~んか、私。
 最近、小説に求めるものとして、“謎”は必要条件で、“不穏さ”を十分条件としているようなとこがあるのかもなーって気がしました(笑)



 『人形館の殺人』は、最後に登場人物が言葉を濁す場面があって、読んでる方は「え…」って違和感を覚えるわけですけど、そのパターンのお話で、こっちは、その覚えた違和感に違和感を覚えたお話(笑) ←ややこしい

女彫刻家IMG_3099
 創元文庫は表紙のセンス悪いって書いてる人いましたけど、これなんか、まさに!って感じです(笑)


 『女彫刻家』ミネット・ウォルターズ著

 あ、だから、いきなりネタバレ(でもないか?)ですけど、コレ、“最後の違和感”の文章が思いっきり取って付けた感があるんですね(笑)

 つまり、そこまではとっても面白いのに、最後にある、その“違和感”があることで「はぁ?」みたいな。
 いや。ストーリーは、とっても面白いんです。
 面白いんですけど、よくよく思い返してみると、このお話って、なんかところどころ意味不明な展開があって。
 ま、その意味不明な展開(“思わせぶり”とも言う)は、最後の違和感につながってるんでしょうけどね(そこはわかる)。
 でも、ぶっちゃけ、「え?どれをどうやったら、つながるの!?」みたいなー(笑)

 主人公が刑務所に会いに行く、母親と妹を殺し、その死体をばらして並べ替えたという女性を、人を操るのに長けた「異常者」と、作者は読者に思わせたいんでしょうけどね(きっと)。
 でも、そうなるには、そのいくつかのエピソードが、枝葉が語られるだけに終わっちゃっていて。
 ただの、「ちょっと気味の悪い人」にしかなってない気がするんですよねー。

 実は、ミネット・ウォルターズって、一作目の『氷の家』もピンとこなくって。
 合わないのかなーとも思うんですけど、この『女彫刻家』はストーリーが面白かったんで、また何か読んでみたいですね。





 ていうかー。
 『女彫刻家』を読んだ7月の時は、そんなに眠気に襲われなかったんで。
 そう考えると、眠くなるのは、やっぱり暑さが原因なんでしょうね。
 だって、今読んでる本も寝ちゃうもん(爆)



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